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KOTATSU」(2007/11/23 (金) 21:07:28) の最新版変更点

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  急に寒くなった。   この変化に戸惑いながら、人々は引き出しの中身を穿り返して、厚着の服を用意することとなった。   朝では、布団から中々出ることができないが、時計を見ると消極的ながらも暖かく心地よい空間から出なければならなった。   多数の人々がこのような状態にあり、通勤、登校する人々にとって過酷な朝となるのである。   そして、その犠牲者がここにも一人。   カタカタカタカタ…   寒さと眠気を吹き飛ばすために、真紅はティーカップを片手に朝の紅茶を用意した。   口に運ぶ途中に、寒さに体を震えてしまい、その度にティーカップがカタカタと揺れてしまう。 真「さささささ寒いのだわ。早く紅茶を」   そうして紅茶を一口。   コクコク   紅茶が喉を通ると同時に、少しずつじんわりと暖かさが体に広がっていき   体の震えが止まる。 真「ふぅ…やっぱり冬は熱い紅茶が一番ね」   ちなみに夏の場合はアイスティーが一番ね。と口にしていたというのは蒼星石の証言である。   つまり一年中紅茶を愛飲するのが真紅である。   余談はさておき、体も十分に温まったことで、真紅は厚着のコートを着て職場へと向かうのだった。 真「一体何事なのだわ。これは」   職員室に来ると、目の前に広がる奇妙な光景の答えを聞くべく、真紅は蒼星石に尋ねた 蒼「あはははは…校長が模様替えと称してまた…ね」   この学校の校長、つまりローゼンは模様替えと称して様々な、そして奇妙な改装を行うことがある。   例えば、職員室の壁を透明にしたり、無駄な広さに拡大したり、   屋上に移動させたり、こっそり薔薇水晶のデスクを校長室に移動したりと、もはや模様替えの範囲を超えるところまで及んでいる。 真「そして今度はコレというわけね…」   そうして、目の前にある奇妙なデスクに目を落とす。   そのデスクには、布団がかけてあった。   その布団から配線が伸び、コンセントへと繋がっている。   布団を捲ってみる。中には熱源と思われるもクロム線が暗く光っていた。   布団を戻す。   そして、冷静な分析の元一つの結論を出す。 真「コタツ…ね」   そうコタツ。   学校の職員室に、教員の数だけコタツ。 金「モグモグモグ」 翠「ズズズズズ…」   自分のデスクの隣と向こう側で同僚達がミカンを食べたりお茶を啜ってたりする。   とりあえずそこは華麗にスルーして、真紅はすぐさま校長室へ向かった。   バタン! 真「校長、これは一体どういうことなのだわ!」   凄い勢いと剣幕で扉を開ける真紅。 ロ「ん?やぁ、真紅先生か。何か用か?」   騒々しいと顔に表しながら、ローゼンが迎える。   そして、そこには無駄にでかいコタツが一つ。 真「何って職員室の炬燵の件なのだわ!」 ロ「コタツ?あぁ、コレね」   自らのコタツを指差しながら平然と答える。 ロ「どうだい?気に入ったろ?急に訪れた寒い冬。女性達は寒さに怯え、行動が一切出来なくなる。   それを解決するのがコレ!コタツというわけさっ!どうだ、名案だろう?」 真「学校にコタツなんて聞いたことがないのだわ!こんなことPTAに知られたら苦情が殺到するのだ」  ロ「まぁまぁ、落ち着いて。実際教員達は喜んでるし、好評だぞ?ホレ」   そうして、自分の隣を指差す。   一体何なんだと真紅は覗いてみる。 薔&雪「クークー…スヤスヤ」   見ると薔薇水晶と雪華綺晶が仲良くコタツに潜り込んで寝息をたてている。 真「って貴方達も寝てないで起きるのだわ!勤務中よ!」   もうすぐ朝礼の時間だというのに、と呟きながら姉妹の体を揺さぶる 薔「…んー…後五分…」 雪「……ばらしぃ…ムニャムニャ…」   僅かに呟いただけで、二人は起きる様子はない。 真「くっ……これでは朝礼に間に合わないのだわ。校長!とにかく全てのコタツを回収して頂…」   とりあえず自体の原因である校長を問い詰めようと振り向くが、そこには姿の変わりに一枚のメモ用紙が一つ ロ『コタツを元に戻したければ、俺を捕まえてみろ!それが嫌なら自分で何とかするんだな。   あ、ちなみに五月蝿い兎は訳あって今いないから そんじゃ。』      グシャ   真紅は手に持つメモ用紙を握り締めながら職員室に向かう。 真「あの馬鹿校長…こうなったら教員を総動員させてでも捕まえるのだわ」   蒼星石達と協力すれば解決は格段に早まる。   そう思いながら職員室の扉に手をかける 真「皆!校長が逃げたのだわ。捕まえる為に私に協力し…」   協力を要請する真紅の目に飛び込んできた光景は… 雛「カナリア~そこのミカン取ってほしいの~」 金「え~~、カナはここから出たくないのかしら。翠星石が近いから翠星石が取ればいいのかしら」 翠「残念ですが、翠星石が行きたくてもこのコタツが離してくれないのです。だから無理ですぅ」 銀「私は労働主義じゃないから、蒼星石お願いねぇ」 蒼「えっ!?ボクなの…?嫌だなぁ…でもミカンがないと始まらないし…」   見れば、コタツから1m程離れたミカンを誰が取りに行くか揉めている同僚達の姿。   もう駄目かもしれない。   そう思いながら、真紅はその光景を半ば諦めた様子で見ているのだった
  急に寒くなった。   この変化に戸惑いながら、人々は引き出しの中身を穿り返して、厚着の服を用意することとなった。   朝では、布団から中々出ることができないが、時計を見ると消極的ながらも暖かく心地よい空間から出なければならなった。   多数の人々がこのような状態にあり、通勤、登校する人々にとって過酷な朝となるのである。   そして、その犠牲者がここにも一人。   カタカタカタカタ…   寒さと眠気を吹き飛ばすために、真紅はティーカップを片手に朝の紅茶を用意した。   口に運ぶ途中に、寒さに体を震えてしまい、その度にティーカップがカタカタと揺れてしまう。 真「さささささ寒いのだわ。早く紅茶を」   そうして紅茶を一口。   コクコク   紅茶が喉を通ると同時に、少しずつじんわりと暖かさが体に広がっていき   体の震えが止まる。 真「ふぅ…やっぱり冬は熱い紅茶が一番ね」   ちなみに夏の場合はアイスティーが一番ね。と口にしていたというのは蒼星石の証言である。   つまり一年中紅茶を愛飲するのが真紅である。   余談はさておき、体も十分に温まったことで、真紅は厚着のコートを着て職場へと向かうのだった。 真「一体何事なのだわ。これは」   職員室に来ると、目の前に広がる奇妙な光景の答えを聞くべく、真紅は蒼星石に尋ねた 蒼「あはははは…校長が模様替えと称してまた…ね」   この学校の校長、つまりローゼンは模様替えと称して様々な、そして奇妙な改装を行うことがある。   例えば、職員室の壁を透明にしたり、無駄な広さに拡大したり、   屋上に移動させたり、こっそり薔薇水晶のデスクを校長室に移動したりと、もはや模様替えの範囲を超えるところまで及んでいる。 真「そして今度はコレというわけね…」   そうして、目の前にある奇妙なデスクに目を落とす。   そのデスクには、布団がかけてあった。   その布団から配線が伸び、コンセントへと繋がっている。   布団を捲ってみる。中には熱源と思われるもクロム線が暗く光っていた。   布団を戻す。   そして、冷静な分析の元一つの結論を出す。 真「コタツ…ね」   そうコタツ。   学校の職員室に、教員の数だけコタツ。 金「モグモグモグ」 翠「ズズズズズ…」   自分のデスクの隣と向こう側で同僚達がミカンを食べたりお茶を啜ってたりする。   とりあえずそこは華麗にスルーして、真紅はすぐさま校長室へ向かった。   バタン! 真「校長、これは一体どういうことなのだわ!」   凄い勢いと剣幕で扉を開ける真紅。 ロ「ん?やぁ、真紅先生か。何か用か?」   騒々しいと顔に表しながら、ローゼンが迎える。   そして、そこには無駄にでかいコタツが一つ。 真「何って職員室の炬燵の件なのだわ!」 ロ「コタツ?あぁ、コレね」   自らのコタツを指差しながら平然と答える。 ロ「どうだい?気に入ったろ?急に訪れた寒い冬。女性達は寒さに怯え、行動が一切出来なくなる。   それを解決するのがコレ!コタツというわけさっ!どうだ、名案だろう?」 真「学校にコタツなんて聞いたことがないのだわ!こんなことPTAに知られたら苦情が殺到するのだ」  ロ「まぁまぁ、落ち着いて。実際教員達は喜んでるし、好評だぞ?ホレ」   そうして、自分の隣を指差す。   一体何なんだと真紅は覗いてみる。 薔&雪「クークー…スヤスヤ」   見ると薔薇水晶と雪華綺晶が仲良くコタツに潜り込んで寝息をたてている。 真「って貴方達も寝てないで起きるのだわ!勤務中よ!」   もうすぐ朝礼の時間だというのに、と呟きながら姉妹の体を揺さぶる 薔「…んー…後五分…」 雪「……ばらしぃ…ムニャムニャ…」   僅かに呟いただけで、二人は起きる様子はない。 真「くっ……これでは朝礼に間に合わないのだわ。校長!とにかく全てのコタツを回収して頂…」   とりあえず自体の原因である校長を問い詰めようと振り向くが、そこには姿の変わりに一枚のメモ用紙が一つ ロ『コタツを元に戻したければ、俺を捕まえてみろ!それが嫌なら自分で何とかするんだな。   あ、ちなみに五月蝿い兎は訳あって今いないから そんじゃ。』      グシャ   真紅は手に持つメモ用紙を握り締めながら職員室に向かう。 真「あの馬鹿校長…こうなったら教員を総動員させてでも捕まえるのだわ」   蒼星石達と協力すれば解決は格段に早まる。   そう思いながら職員室の扉に手をかける 真「皆!校長が逃げたのだわ。捕まえる為に私に協力し…」   協力を要請する真紅の目に飛び込んできた光景は… 雛「カナリア~そこのミカン取ってほしいの~」 金「え~~、カナはここから出たくないのかしら。翠星石が近いから翠星石が取ればいいのかしら」 翠「残念ですが、翠星石が行きたくてもこのコタツが離してくれないのです。だから無理ですぅ」 銀「私は労働主義じゃないから、蒼星石お願いねぇ」 蒼「えっ!?ボクなの…?嫌だなぁ…でもミカンがないと始まらないし…」   見れば、コタツから1m程離れたミカンを誰が取りに行くか揉めている同僚達の姿。   もう駄目かもしれない。   そう思いながら、真紅はその光景を半ば諦めた様子で見ているのだった 続く?

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