藤原さんと僕


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藤原さんは僕のクラスメイトだ。
二本のお下げと眼鏡が特徴的な真面目で勉強の出来る女の子だ。
藤原さんは身体が弱いので、よく学校を休む。
そういう時、家が比較的近いのもあって、学級委員の僕にお鉢が回ってくる。
プリントや何やらの配達を任されるのだ。
そういうことが続くと、藤原さんのお母さんとも当然、仲良くなってしまうわけで。
最近では、プリントを届けに行く度、色々とご馳走になってしまう。
そんなわけで藤原さんとは結構、仲がよかったりはする。
まあ、学校で表立って見えるような仲の良さではないんだけど。

ぴんぽーん。

藤原さんの家のチャイムを押した。
中の人が出てくるまでの時間をカウントするのが僕は好きだ。
10をちょっと数えたぐらいで、インターホンにノイズが走る。
『あ、足立くん? ちょっと、待ってね。』
インターホンから聞こえたのは、藤原さんの声だった。
ガチャっとドアの鍵を外す音が聞こえてドアが開く。
ネグリジェ姿にウェーブのかかった髪の女の子がそこにいた。
眼鏡は掛けていない。
「ふ、藤原さん・・・?」
普段とあまりにもかけ離れた藤原さんの姿に僕は思わず疑問符を投げかける。
女の子は一瞬、嬉しそうな顔をすると、ふらっと僕に向かって倒れこんできた。
「へ・・・?」
僕は女の子が倒れないように、しっかりとその体を抱き止めていた。
はぁはぁと苦しそうな女の子の息遣いが僕の耳に届いてくる。
おでこに手を当てると、そこはすごい熱さだった。
藤原さんに姉妹はいない。 だから、この子は藤原さんだ。
病気の藤原さんがインターホンに出る限り、家には誰もいないのだろう。
僕は咄嗟にそう判断すると、とりあえず行動に移ることにした。
「藤原さん、ごめんっ。」
僕は藤原さんに謝って、その体を抱き抱えた。
いわゆるお姫様ダッコというやつだ。
藤原さんの体は僕が思っていたよりもずっと軽い。
これならなんとかなりそうだ。
僕は一直線に藤原さんの部屋を目指した。
幸いなことに目的の部屋のドアは開いたままだった。
僕は部屋に入ると藤原さんをベッドに下ろした。
「ふーっ・・・。」
藤原さんに毛布をかけて僕はようやく一息をついた。
ベッドにもたれ、どうしたものかと途方に暮れる。
この家にいるのは僕と藤原さんの二人きり。
病気の女の子を一人置いて帰るのもどうかとは思う。
まだ手には藤原さんの、女の子の柔らかな感触が残っている。
今までそういう目で藤原さんを見たことはなかった。
とりあえず、変な気を起こさない内に帰ろう。
そう決めると僕は立ち上がった。
すると、くいっと何かが僕の服に引っ掛かかった。
振り返ると、藤原さんがしっかりと僕の服を掴んでいる。
「・・・・・。」
僕はもう一度、座り直してベッドにもたれかかる。
こんなかわいい子に頼まれちゃ仕方ないか。
少し休んでから帰ることにしよう。

ふわっと何かが僕の体にかけられる。
暖かくて、なんだかとてもいい匂いがした。
目を開けると、目の前にはウェーブの髪のあの子がいた。
「ああ、起こしちゃった? ごめんね。」
女の子はカーペットにクッションを置いて僕の前にちょこんと座った。
声を聞いて少し安心した、間違いなく藤原さんの声だ。
「寝ちゃってたか。」
僕は照れくさくなって、ぽりぽりと頭を掻いた。
そんな僕の姿を藤原さんは、くすっと笑う。
この姿の藤原さんに見つめられると、なんだか無性に落ちつかない。
「一応、確認しておくけど、藤原さんだよね?」
とりあえずの最大の疑問を排除すべく、僕は藤原さんに尋ねた。
きょとんとした表情で藤原さんが僕を見つめ返す。
「そ、そうだけど、何か変?」
髪の毛の乱れを気にしたのか藤原さんは髪を手で押さえる。
この姿は藤原さんにとっては当たり前で、当然の変化なのだろう。
僕にとっては物凄く衝撃的なんだけど。
「いや、見違えるぐらい、かわいいなって。」
言ってから僕は思わず頬が熱くなるのを感じた。
女の子に面と向かってかわいいだなんて、まるで告白しているみたいじゃないか。
「え・・・。」
藤原さんも僕が何を言ったのか、一瞬、理解できなかったようで硬直している。
「もう・・・、足立くん、冗談ばっかり。」
そう言いながら、藤原さんは手をひらひらと振った。
かわいいと言われて悪い気のする女の子はいないらしい。
赤くなった藤原さんの顔を見て、僕は藤原さんのおでこに手を当てた。
「熱はもうないみたいだね。」
最初の時と比べて、熱は嘘みたいに下がっていた。
これならもう平気そうだ。
「う、うん。」
おでこに手を当てられた藤原さんは心持ち、ぼんやりしているように思える。
きっとまだ熱の影響があるんだろう。

「いま、家の人は誰もいないの?」

「うん、出かけてるよ。」
「今日は遅くなるって言ってた。」

「そんなこと簡単に話しちゃっていいの?」
「誰もいないのをいいことに、藤原さんを襲ったりとかさ。」

「足立くんは、そういうことする人じゃないでしょ?」

信頼しているのか、見切られているのか、藤原さんはくすりと笑った。
だけど、確かに僕にはそういうことをする度胸はない。
「それはそうだけど。」
気恥ずかしくなって僕は頭を掻いた。
他人に自分の一面を晒されるのは恥ずかしいものだ。
暗に釘を刺されたような気もする。

「そ、それに、足立くんになら、されてもいい・・・よ?」

「へ・・・?」

「そ、それって、そういう・・・意味?」

「う、うん。」

藤原さんは恥ずかしそうにこくりと頷いた。
こ、これはどういう状況なんだろう。
家に二人っきりで、おまけに相手からのお墨付き・・・?

どくどくどくどくどく。

心臓が物凄い勢いで血を送り出している。
背中の辺りがかーっと熱くなるし、手にはじんわりと汗が滲む。
「ふ、藤原さん!」
僕は藤原さんの肩をがっしりと掴む。
藤原さんも僕の意図を理解したのか、瞳を瞑る。
少しずつ、二人の顔が近づく。

ごんっ。

藤原さんのおでこと僕のおでこがぶつかった。
結構、痛い。
涙目になった藤原さんと目が合って、二人して噴き出してしまった。


気を取り直してもう一度。
今度は目を閉じない。
さっきまで、がちがちだった体は少しだけほぐれていた。

唇と唇が触れ合う。
藤原さんの唇は物凄く柔らかい。
女の子の唇ってこんなに柔らかいものなのか。
その感触をはっきり感じ取るために僕も目を閉じた。

5秒ほど経っただろうか。
二人の唇は離れ、藤原さんは感慨深げに自分の唇を指で触っている。
もしかして感触を思い出しているんだろうか。

「藤原さん、ファーストキス?」

「う、うん。」

「僕も・・・。」

二人して顔を赤くして黙りこくってしまう。
キス一つでこんなにも恥ずかしいというのに。
人前でキスの出来るアベックはどういう神経をしてるんだろう。

キスの次は何をすればいいんだろうか。
またしても二人の間を沈黙が包み込んでいた。
胸を揉むというのがセオリーなんじゃないだろうかとは思う。
そこで僕はネグリジェに包まれた藤原さんの胸を見た。
すごく大きそうだ。
「藤原さんの胸って大きい方?」
言ってしまってから、何を馬鹿なことを聞いてるんだと思った。
考えるよりも先に言葉が出てしまうのは僕の悪い癖だ。
「あ、えっと・・・多分。」
藤原さんの顔は真っ赤だ。
そんなに恥ずかしいなら馬鹿正直に答えなくてもいいのに。
真面目な藤原さんらしいと言えば藤原さんらしい。
とりあえず僕がこれから触ろうとしているモノ。
それはクラスの中でも上位を占める極上物であることに疑う余地はない。

「さ、触ってもいい?」

「う、うん。」

さっきからの言葉のやり取りがワンパターンな気がする。
テンパっているから仕方ないんだと言い訳しておこう。
おずおずと伸ばした手が藤原さんの膨らみに触れる。
ぴくっと藤原さんの体が震えた。

触り心地のいいネグリジェの生地とその中に隠れた柔らかさ。
藤原さんの唇が『あっ』という艶かしい音を紡ぐ。
その瞬間、僕の頭の中の理性という名のネジが弾け飛んでしまった。

もっと、藤原さんを味わいたい。
もっと、藤原さんを感じさせたい。
そんな二つの思いが僕の思考を支配していく。

僕は藤原さんを押し倒すと、強引にネグリジェの中に手を伸ばす。
手に触れたのはさっきよりも直接的な生地の感触。
二人の間を隔てるもう一枚の壁、ブラジャー。
僕の手の動きがぱたりと止まった。
ブラジャーの外し方を僕は知らない。

「藤原さん、ブラジャーってどう外すの?」

「えっと、足立君、少し向こう向いててくれる?」

「う、うん。」

どうせ見せるのに、どうして脱ぐところは隠すんだろう。
これが乙女心の不思議というやつだろうか。
僕は藤原さんと反対方向を向いて何故か三角座りをして待っていた。

しゅるしゅるという布の擦れる音。
藤原さんがネグリジェを脱いでいる音だ。

藤原さんが、すーっと深呼吸する音まではっきりと聞こえる。
「あ、足立くん、もういいよ。」
上擦った藤原さんの声。
振り向いた僕の目に映ったのは、ベッドの上で胸を両手で覆い隠した藤原さんの姿。
柔らかそうな胸がその腕の中でひしゃげていて、純白のパンティが目に眩しい。
飾り気の少ないパンティが藤原さんらしい。

雪のように細くて白い藤原さんの素肌。
それは、触ると消えてしまいそうな初雪を思わせる。
女の子はこんなにも綺麗で可愛いものなのだと改めて僕は思い知らされた。
「足立くん?」
藤原さんの裸体に見惚れる僕に藤原さんが声を掛けてきた。
その一言に思わず僕はハッとした。
「その、綺麗だなって思って。」

「あ、ありがと。」
顔を真っ赤にした藤原さんがお礼を言う。
僕も藤原さんも頭に血が昇ってしまって支離滅裂状態だった。
まあ、僕の場合、血が昇っているのは頭だけではないのだけど。
さっきから興奮のしすぎで下の方が痛いぐらいだ。
「もう我慢できないかも・・・。」
僕は藤原さんの目の前でズボンとトランクスを脱いだ。
自由になったそこは天を仰ぎ見るが如く、そそり立っている。
正直、脱いだ所で何をすればいのかまで頭が回らない。
「これが男の人の・・・なんだ。」
藤原さんは興味深そうに僕の物を見つめている。

「触ってみてもいい?」

「う、うん。」

藤原さんの手がそっと僕の物を包み込む。
「すごい・・・なんか、熱くてビクビクしてる。」
藤原さんは何気なく僕の物を上下に擦り始める。
僕は極限まで張り詰めたそれが暴発しないように必死に堪える。
悲しいかな、僕は数瞬たりとその感触に耐えることができそうになかった。
「ふ、藤原さん、出るっ!」
僕のモノから熱い精液がほとばしる。
「えっ・・・?」
驚いたような藤原さんの顔に僕のほとばしりが飛び散った。
どろりと僕の精液が藤原さんの顔から垂れ落ちる。
「ご、ごめん。」
何となく罪悪感を感じて僕は藤原さんに謝っていた。
「う、ううん、平気だから。」
藤原さんは顔に掛かった僕の精液を手で拭い。
手についたそれを不思議な物を見るような眼で見つめていた。
「これが、足立くんの・・・。」
何気なく手についたものを藤原さんはぺろりと舐めた。
「ちょっと、苦いね。」
藤原さんは苦虫を噛み潰したような顔で笑った。
そんな藤原さんの姿に僕の胸はきゅんと締めつけられる。
萎えようとしていた僕のモノ。
それはすぐに勢いを取り戻し、さっきまでの硬さを取り戻していた。
「本当に、ごめん。」
藤原さんの顔についた僕の精液をティッシュで綺麗に拭き取る。
僕の目に映るのは綺麗になった藤原さんの顔。
その艶っぽい唇。
もう一度、キスをしたいという衝動に駆られてしまう。
「藤原さん・・・。」
僕は藤原さんの目を真っ直ぐに見つめた。
藤原さんは僕の意図を汲んでくれたのかその瞳を閉じた。
二回目のキス。
今度は触れるだけのキスではなく、舌を絡め合うようなディープキス。
それと同時に、さっきは触れなかった藤原さんの胸に手を伸ばす。
「んっ・・・。」
僕の手の動きに同調するかのように藤原さんの漏らす声。
それが口を通じて直接、伝わってくる。
くすぐったいのか、嫌なのか藤原さんは僅かに身を捩り僕の手から逃れようとする。
僕はそんな藤原さんの反応が楽しくて、ついついくすぐるように藤原さんの胸を触ってしまう。

息が苦しくなったのか、藤原さんはキスを止めて大きく息を吸った。
はあはあと苦しそうな藤原さんの呼吸。
「足立くんのいじわる。」
潤んだような瞳で僕を見つめる藤原さんがどうしようもなく可愛く思える。
僕は勢いのままに藤原さんをベッドに押し倒していた。
小さく藤原さんの悲鳴が聞こえたような気がした。

胸を掴むと藤原さんは観念をしたのか目を閉じた。
僕はゆっくりと藤原さんの乳首に口を近づけた。
ちゅっと僕の唇が桜色の突起に触れると藤原さんの睫がぴくっと震えた。
「吸うね。」
僕は目を瞑ったままの藤原さんに対して宣言をする。
そして、藤原さんの桜色の突起を口に含んだ。
「んんっ。」
擦れる程に小さな藤原さんのくぐもった声が僕の耳にははっきりと聞こえた。
僕は飴玉を口の中で転がすみたいにして藤原さんの突起を口の中で弄ぶ。
「んっ・・・ふっ・・・。」
喘ぎ声を堪えるみたいにして藤原さんから漏れる鼻息。
羞恥心からか健気にも喘ぎ声を抑えようとする藤原さん。
そんな藤原さんを僕はもっと虐めてみたくなった。
空いた手で藤原さんのもう片側の突起を指でくりくりと転がすようにして刺激する。
「足立くんっ・・・。」
藤原さんの潤んだ瞳、切なそうな声。
その瞬間、僕のモノが燃えるように熱くなるのを感じた。
今すぐにでも挿入したいという衝動。
僕は視線を藤原さんの下半身へと移す。
細かい装飾のついた白のパンティ。
その丘の部分は濡れたみたいに色が変わっていた。
ごくり、と僕は思わず息を呑んだ。
「脱がせるよ。」
藤原さんは恥ずかしそうにしながらもこくりと頷いた。
「うん。」
僕は藤原さんのパンティに手を掛ける。
藤原さんは僕が脱がせやすいように腰を浮かせてくれている。
腰の部分を通り過ぎるとあとは驚くほど簡単だった。
パンティはするりと藤原さんの足から抜けてしまった。
そこで僕の動きはピタリと止まってしまう。
染みのついたパンティをどこに置けばいいのか迷ってしまったのだ。
「か、貸して・・・。」
藤原さんは僕の手からパンティをひったくる。
綺麗に畳まれたネグリジェの上にそれをぽすっと落とした。
それから、藤原さんはぽすっとベッドの上に倒れこんだ。
藤原さんのあそこはしっとりと濡れていた。
「触るね。」
僕はおそるおそる、藤原さんのそこに手を伸ばす。
くちっと音を立てて、指が藤原さんの中に入っていく。
藤原さんの中はぬるぬると僕の指を包み込んで入た。
この中に僕のモノを入れたらどれだけ気持ちいいのだろう。
想像もつかない。
きっとこれだけ濡れていれば、僕のモノも入るに違いない。
そう考えて、僕は藤原さんの両脇に手をついて僕のモノを藤原さんのあそこに当てがった。
「ふっ・・・んっ。」
僕のモノと藤原さんのソコが擦れる感触に藤原さんが僅かに声を漏らす。
「入れるよ。」
僕は腰を思いきり突き出した。
「んんっ!」
ぬるりと藤原さんのあそこを僕のモノが滑った。
その感触に藤原さんが声を漏らす。
「ご、ごめん。」
僕は自分自身をしっかりと掴んで確実に入れることにした。
ゆっくりだけど確実に僕のモノは藤原さんの中に入りこんでいく。
僕のモノを包み込む藤原さんの感触。
すごく熱くて気持ち良かった。

「藤原さん、痛くない?」
僕は思わず藤原さんに尋ねていた。
女の子の初めてはすごく痛い、そう聞いていたからだ。
「ううん、平気。」
藤原さんは優しく微笑んで僕の背中に手を回した。
「じゃあ動かすね。」
僕は藤原さんの両脇に手をついてゆっくりと腰を動かし始める。
初めはぎこちなかったその動作は慣れるに従ってスムーズな動きへと変わっていく。
「あっ・・・はあっ・・・あっ・・・。」
僕の腰が突き込まれるたびに藤原さんの口からは小さな喘ぎが漏れ始めていた。
もっと藤原さんを喘がせてみたい。
僕は腰を動かすペースを少しずつ上げていく。
「んん~~~~っ!」
背中を掴む藤原さんの手に力が篭る。
僕のモノがギューっと締めつけられたかと思うと、その後、断続的な締めつけが続いた。
「藤原さん、イった?」
藤原さんは恥ずかしそうにこくりと頷いた。
その答えが僕には嬉しくてたまらない。
「僕ももう少しでイクから。」
そう言って、再び腰の動きを再開する。
「ふっ・・・くぅっ。」
藤原さんの表情は少し辛そうだった。
だけど、すぐに僕は限界を迎え僕のモノを藤原さんの中から引き抜いた。
僕のほとばしりがどくどくと藤原さんのお腹を穢した。
はあはあと二人の呼吸音だけが室内を支配していた。
僕はどさりと、藤原さんの横に寝転がる。
ちらりと見た藤原さんの横顔はすごく幸せそうだった。

ピンポーン。

突然、藤原さんの家のチャイムが鳴った。
「たっだいまー!」
すごく陽気でよく通る声。
それは間違いなく藤原さんのお母さんの声だった。

やばいやばいやばい。

僕は跳ね起きると、大急ぎで自分の服装を整え始める。
藤原さんも布団の中で何やらもそもそと着替えているようだった。
「かれ~ん、起きてる~?」
トントントンとおばさんが階段を上ってくる音。
僕はなんとかギリギリでチャックを引き上げることに成功していた。
ガチャっとノックもなしに開かれるドア。
「あら、足立くん、いらっしゃーい。」
おばさんはニコニコと僕に笑いかけてくる。
「お、お邪魔してます。」
僕はぺこりと頭を下げる。
ばれたらただじゃ済まないよなあと思いつつ。
「こんな時間だし、足立くん家でご飯食べていかない?」
おばさんはとんでもないことを言い出す。

「そ、それは、母さんに聞いてみないことには。」

「はい、携帯。」

おばさんは笑顔で携帯を僕に差し出した。
これは強制というやつだろうか、仕方なしに僕は家に電話をかける。

「あ、もしもし、僕だけど。」
「今日、友達の家で晩御飯ご馳走になってもいいかな?」

「いいわよ、でも、早く帰って来なさいね。」

なんの躊躇いもなく電話は切れた。
あっさりと了承されてしまった。
普段はうるさいのになんでこんな時に限って。
「あ、ありがとうございました。」
僕は携帯をおばさんに返した。
「それで?」
おばさんはニコニコ顔で尋ねてくる。
「食べてもいいって・・・。」
有無を言わさぬ笑顔の圧力。
「じゃ、決まりね。 さあ、今日は腕によりをかけて作るわよー。」
おばさんはルンルンと楽しそうに階段を降りていった。

「あ、あの、足立くん、ごめんね。」
藤原さんが申し訳なさそうに謝った。
「い、いや、藤原さんが悪いわけじゃ・・・。」
嫌な沈黙が部屋の中を支配していた。
なんというか、物凄く気まずくて、気恥ずかしい。
結局、僕達はおばさんに呼ばれるまでの間、一言も喋ることはできなかった。

おばさんの料理はすごく豪勢な物だった。
お赤飯とかレバーとか、少し気になる物も混じっていたけれど。
にっこり笑ったおばさんの笑顔は全てを見透かしているような気がした。

「ご馳走様でした。」

お腹がはちきれんばかりに食べさせられて僕はお箸を下ろした。
僕は時計を見る、もうすでにいい時間になってしまっている。

「あの、それじゃ、そろそろ帰りますね。」
「どうも、ありがとうございました。」

僕はおばさんにぺこりと頭を下げた。

「いえいえ、こちらこそどういたしまして。」
「華蓮、母さんがお片付けしておくから、お見送り行ってらっしゃい。」

「はーい。」

バタンとドアが閉まる。
玄関先に立つ、藤原さんと僕。
三日月が空を綺麗に着飾っていた。

「あ、その、また明日。」
頬を赤く染めた藤原さんが僕にそう呟いた。
「うん、また明日。」
僕も顔を熱くして藤原さんに返事を返す。
絡み合う二人の視線、僕の唇は藤原さんの唇と重なっていた。
重ねるだけのささやかなキス、僕達にはそれで十分だった。
「藤原さん、またね。」
僕は藤原さんに手を振って分かれを告げる。
家までの道のりはちょっと遠く、空気は肌寒い。
だけど、僕の心はポカポカとどこまでも温かかった。
ツールボックス

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