~第4話 辛い過去~


只今、水銀燈も仲間に加わったということで、どうやって脱出するか作戦会議中だった。
ジ「なんかいい方法は無いだろうか?」
水「う~ん、窓から出ようとしてもここは6階だからねぇ~」
真「危険を承知の上で、1階まで行くしかないのだわ」
ジ「やっぱりそれしか無いのかな~?」
まったくいい方法が浮かばなかった。
ジ「おっと、もう午前0時か。みんな、もう遅いし明日に備えもう寝ようぜ?」
真・水「賛成~!」
3人とも警戒心なんてものは無かった。ただ、眠りたいという欲望だけが彼らにあった。
ジ「さてと、寝るか…」
こうして3人とも眠りに付いた。


(ジュンの夢の中)
ジ「う~ん、はっ!ここは?あれは…中学生の僕?」
ジュンの前には中学生の自分がいた。
ジュン父「おらおら~、何だ?それは?全然なっとらん!」
中学生ジュン「父さん、勘弁してよ~。僕はこんなことしたくないよう」
ジュン父「馬鹿者!そんな弱音を吐くな!お前にはもしものためにもっと強くなってもらうぞ」
中学生のジュンは虐待といって良いほど、父親から特殊な訓練をされていた。
特殊訓練をやらされている為、中学校もほとんど行かされなかった。
ちなみに母親はすでに他界していた。
ジュン父「この成長期に鍛えられば、お前はきっと強くなる!だからもっと強くなれ」
その訓練は中学1年生の5月から3年生の12月頃まで行われた。毎日が地獄であった。
そして3年生の1月の初め、父は他界した。酒に酔っ払って道に出た瞬間トラックに轢かれたらしい。
ジュンは正直、嬉しかった。これからは勉強もできるし、中学校にも行ける。
しかし、現実は厳しかった。


中学校に行けてもそこに待っていたのは虐めだった。
A「あれ、あんなやつ居たっけ?転校生?」
B「あぁ、あいつは確か1年の時から登校拒否だった桜田ジュンって奴さ」
A「何で今頃、のこのこと学校に来たのかなぁ?」
B「さぁな、とりあえず、引き篭もっていたらしいぜ」
不良A「おい、てめぇ!引き篭もりの癖に学校に来てんじゃねーよ」
ジュンは様々な人に噂をされたり、虐めやれたりした。
不良A「なぁ、家で何やってたんだ?ひ き こ も り」
ジュンは我慢の限界だったが、何とか理性を保っていられた。
不良B「学校によく来れましたね~、偉い、偉い!」
プチッ!
ジュンはとうとう理性を無くしてしまった。
ジ「お前らなんかに…」
不良B「あっ?」
ジ「お前らなんかに、僕の苦しみが分かるもんか!」
不良B「ぐあっ」
不良Bを殴り飛ばした。
鍛えられたジュンは凄まじく、不良Aは数メートル吹き飛んで壁に激突した。
教室内は静まり返って彼を見ていた。
この日以来、ジュンはみんなから避けられ、また恐れられ、誰も寄り付かなくなった。
ジュンはずっと孤独だった。


(現実)
ジ「はっ!」
ジュンは汗をびっしょりかいた状態で起きた。
ジ「夢か…、ん?水銀燈?」
水銀燈も汗をびっしょりかいた状態で起きていた。
ジ「水銀燈、どうしたんだ?」
水「あら、起きてたのぉ?ちょっと嫌な夢を見ただけよぉ!
実は、私、孤独だったの。この髪と瞳の色が原因で周りからいつも虐められていたのよ!」
彼女は泣きそうな状態で話し続けた。
ジ「そうだったのか…水銀燈も孤独だったんだ」
水「えっ?まさかジュンも?」
ジ「あぁ、実は僕もな。おっと、まだ午前3時だ!早く寝ようぜ?おやすみ!」
水「ジュン…」
こうして2人は再び眠りだした。
?「ひっひっひっ、おもしろい夢を見せてもらったですぅ~」

この声の主はもしかして…
~第5話 翠色と蒼色の者達~へ続く

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最終更新:2006年07月03日 00:42