私のご主人様は困った性癖がある。
「おい、セレン……来い」
「はい、何でしょうか?」
無言でひょいと渡されたのは、鉄糸で編まれた見事な一本鞭。
所々ささくれ立っており、プレイ用と言うよりは拷問用です。
ご主人様(トラです)は服を脱ぎ去り、四つん這いで叫びました。
「さあやれ! 気の済むまで俺を叩きのめしてくれ!」
「嫌です、絶対にいや!」
そう言うと、打って変わって醒めた表情と声で私を脅してきました。
「なら、それでお前を叩きのめそう」
「……い、嫌です」
「ならやれ……命令だ」
何時もなし崩し的にこうなってしまいます。
何でですかね?
「い、行きますよ?」
「来い! 好きなだけ……思いっきりだ!」
見た目の割にとても軽い鞭を勢い良く振り下ろします。
風を切る小気味いい音がなり、ご主人様の背中を強かに打ちました。
「ぐおっ……いぃぞぉ」
「ぅ……き、気持ち悪い!」
感情に任せて、更に勢い良く鞭を振り下ろしました。
今度はご主人様の腰の辺りに当たりました、起ってますね。
「ふぐぉっ! ほぉ……もっとだ」
「黙りなさい! この家畜がっ!」
ちょっと気分が良くなってきました。
少しだけ体勢を変えさせてから連続で振り下ろして、最後は股の辺りに直撃させます。
その後ちょっと踏んであげて、ペチペチ鞭をあてると喜ぶんですよ。
「んおぉ!」「有り難うございます!」「あぁっ!」「―――っ!?」
「……良い顔ですね? ご主人様?」
「ぉ、おま……いぃぞぉ!」
「本当にド変体ですね、奴隷にこんな事やらせておまけに、こんなにおっ起てて恥ずかしくないんですか?」
言い終わると同時に鞭を振り下ろしました。
本当に私のご主人様は、良い声で鳴いてくれます。
肉棒をグリグリ踏み倒してあげても喜ぶばかりです。
「ココ、凄くビクビクしているけど、どうしたの?
教えて?」
「お、お前の鞭に「お前? ……誰に言ってるの?」
失言に対して私が鞭を振り下ろす。
「ふほぉぁ……せ、セレン様に鞭で叩かれて感じている主人です」
「ふーん……ドMで変態な主人なんだ、どうして欲しいの?」
「もっと、もっと叩いてください! 踏んでください!」
「よく言えましたぁ!」
所謂凸キックをお見舞いしてあげます。
私のつま先が、むにゅりとご主人様の汚物タンクにめり込む感触が気持ちいいです。
「んおぉぉ!?」
「ほら、もっとおねだりしなさい! ……じゃないと、使い物にならなく為っちゃうわよ!」
「構いません! セレン様! ……私の金玉をぶっ壊してください!」
「よく言ったわね! このド・変・体・がっ!」
もう一度、キックをお見舞いしました。
すると、限界を超えたのかドプッと白いのが、たくさん飛び出てきました。
「うわぁ、こんなので出しちゃうんだ……変体も程ほどにしてよ」
「おっ……うぅ、ふおぉ―――」
数時間後、私は後悔しています。
何にといわれれば、先ほどの行為にです。
「ごめんなさい、ご主人様」
「だから、俺がやれって言ったんだよ……好かったしな」
ニヤリと口角を吊り上げるご主人様。
「わ、私……どんな感じでしたか?」
「すげぇ、型にはまってた女王様だったな」
「え、えぇ!?」
「また、よろしく頼む」
「嫌ですよ!」
「なら、お前がやった事を俺がやろうか?」
「……変体の言う事は、聞かないようにしよう」