東郷美森&アーチャー組 ◆nig7QPL25k


 夢を見た。
 私ではない誰かの夢を。
 私と違う時間を生きた、違う場所での誰かの夢を。

 彼女は空に生きていた。
 その人は少女でありながら、常に戦いの空にいた。
 どこから来たのかも分からない、異形の侵略者達を相手に、果敢に戦い続けていた。

 時には道に迷ったこともある。
 力及ばず、多勢の前に、祖国のほとんどを奪われてしまった。
 最愛の妹一人すら守れず、深く傷つけてしまった。
 それ故に道を見失い、罪の意識に囚われながら、がむしゃらに死に急いだこともある。

「私の力で、一人でも多くを……」

 それでも、彼女は決して折れなかった。
 一度は己を見失いながらも、再び戦う理由を見出し、大空へ舞い上がることができた。
 全てを守ることはできなくても、一人でも多くの人間を、その手で救うことができるなら。
 仲間達と手を取り合うことが、全てを守ることに繋がるならばと、彼女は再起することができた。

「――今度こそ、守ってみせる!」

 その姿はあまりにも眩しくて。
 その勇姿はあまりにも鮮烈すぎて。
 卑小な人間の私には、目が焼けてしまいそうなほどだった。

 絶望を突きつけられながら、大切な人を傷つけられながら、それでもなおも立ち上がる。

 そんなことは私には、とても真似出来そうにもない。



 接ぎ木という言葉がある。
 二種類の植物同士を繋ぎ合わせ、そのまま育成するという行為だ。
 たとえばカボチャの台木にスイカを繋げば、病気に耐性を持ったスイカが育つ。
 かわりにキュウリを繋いだ場合は、表面の粉がなくなり見栄えが良くなる。
 しかし接ぎ木ができるのは、相性のいいもの同士だけだ。
 それは世界樹においても例外ではない。花や木はこの魔術都市では、自然に育つことはない。
 だからこそ土を敷き詰めて、育てる必要があるのだ。
 東郷美森の現在地――自然保護区と呼ばれるエリアは、そういった経緯で作られたものだった。
 自然の権化たる世界樹の中で、自然を保護するというのも、何とも奇妙な表現ではあったが。

「やはり石畳の上よりは、いくらか具合も良いんだな」

 凛とした声が、背後から響く。
 自然公園の土の上で、車椅子の東郷を押す女性が言う。
 少女と呼べる年齢を、頭ひとつだけ過ぎたような、未だうら若い女性だ。
 それでもきりりとした眼差しと、はきはきとした口調からは、しっかりとした印象が感じられる。
 真っ赤な装束は、確かディアンドルという、ドイツの民族衣装だったはずだ。

「ええ。揺れは少ないですね」

 そんな女性の言葉に対し、東郷はそれだけを短く返した。
 サーヴァント。
 聖杯戦争を勝ち抜くための使い魔。
 東郷が巻き込まれてしまった、この儀式のために用意された駒。
 それでも元になった人格がある以上、人間として見なせることは間違いない。
 間違いない、はずなのだ。

(でもやっぱり、駄目だな)

 それでも、意識してしまう。
 そういう類の存在に対して、どうしても猜疑の目を向けてしまう。
 こいつも大赦からの監視として、遣わされた精霊達と、同じ存在なのではないか。
 味方として振る舞っていても、その実聖杯からの命令を受けて、自分を監視しているのではないか。
 そんな風に思ってしまう。

「そのあたりで休もう」

 そうした気持ちを知ってか知らずか、東郷のサーヴァント――アーチャーは、ベンチを指さしながら言った。
 断る理由もないので東郷も同意し、言われるがままにベンチの方へ押される。
 そうしてアーチャーがベンチの端へ座り、その隣に、車椅子の東郷が停まる形となった。

「すまないな、マスター。飛んでいければもっと楽なんだが」
「いいんです。アーチャー1人ならともかく、私を抱えて飛んでいくのは、さすがに目立ちますから」

 それでは的になるだけだということは理解していると、東郷は言った。
 アーチャーは空の英霊だ。
 鉄のブーツを身につけて、自在に天を舞い踊る。そうした類のサーヴァントだ。
 英霊と只人の差もあるのだろうが、後方支援型の自分よりも、ずっと身軽な印象を受けた。
 ……余談だが、その飛行具装着に特化されたアーチャーの普段着は、人前で披露するには、あまりにも目のやり場に困るものだった。
 そのため非戦闘時には、現在のように、アーチャーが持ち合わせていたディアンドルを着るよう指示している。

「でもすごいですね。空を飛べるだなんて」
「私としては、勇者システムの方が驚きだな。いかにウィッチが魔法使いと言えど、あそこまでの芸当はできない」

 言われて、なるほど、と思った。
 アーチャーが用いている武器は、全て現実に存在する銃器だ。
 それを魔力で強化しているだけで、そこ以外は既存のものと変わらない。
 恐らくはサーヴァントになる前は、何もない空間から取り出すことすら、不可能だったのだろう。
 自前で武器を生成できる勇者の方が、彼女にとっては新鮮なのだ。

「それに私達の場合、能力を発揮できる時期にも限りがある。ウィッチの魔力は、歳を経ることで失われてしまうものなんだ」

 私もまた空を飛べるとは思わなかったと、アーチャーは言った。
 だからこそこの場に降り立った姿は、10代だった頃のものなのだと。
 限られた少女時代にしか、魔女の力は使えないのだと。

「……どこの世界でも、事情は一緒か」
「? 何だって?」
「いいえ、何でも」

 問いかけるアーチャーに対して、東郷はやんわりと否定する。
 いつの時代もそうなのだ。
 禍祓いを行う巫女というのは、穢れなき娘でなければならない。
 人身御供にされるのは、いつも幼い少女の役目なのだ。
 アーチャーがそうであったように。
 東郷美森が勇者であるように。

「とにかく、先の戦闘では助かった。マスターの後方支援のおかげで、戦況を有利に進められた」

 今更だが礼を言わせてほしいと、アーチャーが東郷へと言った。
 既に東郷とアーチャーは、他のサーヴァントと交戦し、勝利していた。
 その中で東郷は変身し、自慢のスナイパーライフルを用いて、援護射撃を行ったのだ。
 決定打こそ与えられなかったものの、その攻撃が敵の行動を、多少なり制限したのは事実だ。

「本戦が始まれば、この戦いも、更に激しさを増していくだろうからな……
 差し支えがなければ、今後も力を貸してほしい。共に力を合わせて、勝ち残っていこう」

 サーヴァント失格かもしれないが、と付け足しながら、アーチャーが言った。
 その言葉もどこまで本気なんだか。
 そう思ってしまう自分自身の、疑いの深さに嫌気がさした。


(勇者システム……か)

 ひと通り話し終えて、立ち上がり、再び帰路へとつきながら。
 マスターの車椅子を押しながら、アーチャーのサーヴァントは思考する。
 侵略者バーテックスと戦うべく、神樹様によって選ばれた戦士達。
 それは自分達ウィッチの境遇とも、いくつか重なるところがある。
 違うのは勇者達の力が、神によって授けられたものだということか。
 神の力ともなると、あれほどの芸当が可能となるのか。

(となるとやはり願い事は、バーテックスの殲滅……となるのだろうな)

 自分だってそうするだろう。
 事実として、怪物ネウロイの侵攻の歴史を、なかったことにしたいと思っている。
 避けられたはずの犠牲を回避し、不幸な歴史をやり直したいと、アーチャーはそう考えている。
 もっとも、願えるかどうかは別問題だ。令呪を持っている以上、優先権はマスターにある。
 それに死んでいる者の願いが、生きている者より優先されるというのも、気が引ける話ではあった。

(だが、気になることもある)

 一方で、東郷の態度には、どこか不自然なものもある。
 勇者の話をしている東郷は、時折自虐的だったり、悲しげな顔をしていたりするのだ。
 魔力バイパスを介して得られる、マスターの過去の記憶にも、どこか悲しげな気配がまとわりついている。
 その理由を読み取れていないのは、マスターとの縁というものが、そこまで深いものでないからなのか。

(何かまだ勇者のことについて、話していないことがあるのだろうが……)

 こういう時ミーナだったなら、もっと察しがいいのだろうなと。
 生前の戦友の顔を思い浮かべながら、アーチャーは内心でため息をついた。
 真名、ゲルトルート・バルクホルン。
 第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」に所属した、帝政カールスラントの誇り高き軍人。
 人の心の機微を察知するには、彼女はあまりにも不器用だった。
 そんな自分の至らなさが、バルクホルンには許せなくて、情けなくて仕方がなかった。


 自分が何を願うのか、未だ話したことはない。
 いいやこの先、何があっても、話すことはあり得ないだろう。
 東郷美森の願いとは、それほどに後ろめたいものだった。
 言えばアーチャーのサーヴァントは、絶対に反対するだろうという、確かな確信が東郷にはあった。

 勇者・東郷美森の願い。
 それは守るべき世界の破滅。
 どうしようもないこの世界を、勇者諸共に消し去ることで、使命から解放されることである。

 バルクホルンには話していないが、勇者の話には続きがあった。
 勇者は最大限に力を発揮した時、己が身体機能の一部を失う。
 そうして身をすり減らしながら、しかし死ぬことも許されず、侵略者と永遠に戦い続ける。
 そうした残酷な生き地獄こそが、勇者システムの真実なのだ。

 そしてそうまでして守った世界にも、そこから先の未来がない。
 東郷達が守るべき地球は、とっくの昔に滅んでいる。
 神樹様の結界によって、隔離し守られた四国だけが、地獄の中心に取り残されているのだ。
 その上結界の外側では、今も無数のバーテックス達が、とどめを刺そうと構えているのだ。

 滅びを待つだけの世界で、気休めのような延命のためだけに、勇者の命が使い捨てられる。
 どうせ滅ぶしかない世界を、ほんの少し生かすためだけに、勇者は苦しめられている。
 こんな馬鹿げた話は御免だ。
 そうまでして世界を守りたいとも、生き残りたいとも思えるものか。

 これ以上仲間達を苦しませはしない。
 だからこそ世界と心中し、死という形で全て終わらせる。
 生の苦しみから解放される以外、勇者が幸福を得る術など、この世のどこにもありはしないのだ。

 バーテックスの力を借りれば、暴力に頼るしか手はなくなる。
 しかし聖杯に願えるのなら、苦しませずに終わらせることもできるだろう。
 だからこそ、この戦いには勝たねばならない。
 何としても聖杯戦争を勝ち抜き、願望機を手に入れなければならないのだ。
 これは勇者の真実を知っている、東郷にしかできないことなのだから。

 東郷美森は勇者である。

 されど今の東郷美森は、もはや人類の守護者では、ない。



【クラス】アーチャー
【真名】ゲルトルート・バルクホルン
【出典】ストライクウィッチーズ
【性別】女性
【属性】秩序・善

【パラメーター】
筋力:C 耐久:C 敏捷:E(B) 魔力:B 幸運:B 宝具:D

【クラススキル】
対魔力:C
 第二節以下の詠唱による魔術を無効化する。
 大魔術、儀礼呪法など大掛かりな魔術は防げない。

単独行動:B
 マスターからの魔力供給を断ってもしばらくは自立できる能力。
 ランクBならば、マスターを失っても二日間現界可能。

【保有スキル】
巨人殺し:B
 自身より巨大な敵と戦い、打倒してきた逸話に基づくスキル。
 その豊富な戦闘経験により、巨大な敵と戦う際には、命中率・回避率・クリティカル率に補正がかかる。

怪力:C
 一時的に筋力を増幅させる。
 本来は魔物、魔獣のみが持つ攻撃特性であり、バルクホルンは自身の固有魔法によって、このスキルを得ている。
 使用する事で筋力をワンランク向上させる。持続時間は“怪力”のランクによる。

魔力放出:C
 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。
 バルクホルンの場合、銃弾の強化や、ウィッチの持つ標準的な戦闘技術・魔力バリアという形で行使される。

【宝具】
『天に挑みし白狼の牙(フラックウルフ Fw190)』
ランク:D 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:-
 魔力を動力にする「魔導エンジン」により駆動される機械装置・ストライカーユニット。
 機械制御により魔力運用を効率的に行うことが可能で、これを装着することにより、飛行魔法を行使し空戦を行うことが可能。
 バルクホルンの愛用するフラックウルフは、元ウィッチの設計主任の下で開発されたこともあり、頑丈かつ操作性に優れた機体となっている。
 これを装着した際、バルクホルンの敏捷ランクは3ランク向上する(ランクB)。

『蒼天に舞え赤鉄の靴(Me262v1)』
ランク:D 種別:対人宝具(自身) レンジ:- 最大補足:-
筋力:B 耐久:B 敏捷:A 魔力:B 幸運:D 宝具:D
 かつてバルクホルンがテスト運用を行った、試作型のストライカーユニット。
 従来のストライカーユニットはレシプロ式となっていたが、本機はジェット式となっており、その他当時の最先端の技術が注ぎ込まれている。
 しかし本機には、装着者の魔力を過剰に吸い取り、かつ装着者が意識を失っても吸収し続けるという致命的な欠陥があり、そのままでの採用は見送られることとなった。
 燃費が悪く戦闘可能時間は極端に落ちるが、その分瞬間的な爆発力があり、上記のようにステータスがアップする(幸運のみ減少)。
 なお、本来は上記の問題点を改善したユニットの使用経験もあるのだが、実戦での使用記録がなかったため、宝具となるまでには至らなかった。

【weapon】
MG42S機関銃
MG131重機関銃
MG151/20機関砲
パンツァーファウスト
レヌスメタルMK108 30mm機関砲
レヌスメタルBK-5 50mmカノン砲
 戦闘時に用いる銃火器。下2つは重量の兼ね合いから、使用は宝具『蒼天に舞え赤鉄の靴(Me262v1)』発動時にのみ限られる。

ディアンドル
 南カールスラントの民族衣装。胸元の開けたブラウスとジャンパースカート、エプロンからなる。
 もちろん戦闘装束ではないが、これを着用した写真が、資料として残されていたため、所有していた。

【人物背景】
異次元から現れた謎の金属体・ネウロイ。
地球を侵攻するこれらを撃退するために結成された、第501統合戦闘航空団「ストライクウィッチーズ」のメンバーである。
帝政カールスラント(ドイツに相当する国家)出身で、19歳の姿で現界している。
激戦区カールスラントで戦い抜いた一流のウィッチであり、250機を超えるほどの撃墜数を誇る。
実妹をネウロイの襲撃から守れなかったことから、一時期は自責に駆られ死に急ぐような戦い方をしていたが、後に改善された。

絵に描いたような軍人気質で、生真面目かつ理性的に行動しようと己を律している。
ただし本質的には気が短い方であるため、カッとなりやすく、周囲からは説教臭いと思われがち。
とはいえ四六時中ガミガミと怒鳴っているわけではなく、何だかんだで部下の面倒を見たりもしている。
「戦闘中も常に二番機を視界に入れている」とは、戦友ミーナ・ディートリンデ・ヴィルケの言。
実は極度のシスコンであり、いわゆる妹キャラの人間に対しても、何かと気にかけたり世話を焼きたがる癖がある。

固有魔法は「筋力強化」。他のウィッチに比べて身体強化魔法の効果が強く、瞬発的に怪力を発揮することも可能。
これ自体は直接的なネウロイへの攻撃手段となったり、特別な効果を得られたりするような魔法ではないが、
スタミナ向上による高い継戦能力の実現や、重量級の銃器を装備可能な積載能力の確保といった形で機能している。
この魔法でこれだけの戦績を残すことができたという事実が、バルクホルン自身の戦闘技術の高さを物語っていると言えるだろう。

【サーヴァントとしての願い】
ネウロイの侵略をなかったことにする

【基本戦術、方針、運用法】
サーヴァントとしての能力は平均的。強いて言うなら、空戦能力が最大の特徴か。
空を自在に飛べるという点は、単なる数値以上の利点となるため、これを活かして立ち回りたい。
マスターときっちり役割分担をして、連携を取って戦えば、十分な戦果を上げられるだろう。



【マスター】東郷美森
【出典】結城友奈は勇者である
【性別】女性
【令呪の位置】右の胸元

【マスターとしての願い】
世界に安らかなる滅びを

【weapon】
スマートフォン
 コンピューター内蔵型の電話端末。電波圏外であるため、通話やインターネット機能は使用できない。
 勇者への変身能力は、このスマートフォンのアプリケーションによって発動できる。

精霊
 大赦から贈られた生命体。勇者をサポートする存在であると銘打たれている。
 現実には、貴重な戦力である勇者の損耗を避けるための安全装置であり、
 勇者に危害が及ぼうとした場合には、たとえ本人が自殺しようとした場合であっても、無条件に勇者の身を守るようになっている。
 東郷の精霊は、「刑部狸」「青坊主」「不知火」「川蛍」の4匹。普段は勇者システム同様、スマートフォンに入っている。

【能力・技能】
神樹の勇者
 日本の神族の集合体・神樹様によって、侵略者バーテックスと戦うために選ばれた戦士。
 空色戦闘装束に変身することによって、戦闘能力が飛躍的に向上する。
 東郷は銃を扱う勇者であり、拳銃、小銃、狙撃銃の三種を、敵との距離に応じて使い分ける。
 変身しても両足の機能は回復しないため、衣装から伸びる大きなリボンを、足のかわりとして用いている。

満開
 勇者の力を最大限に発揮する姿。
 しかしこの姿になった勇者は、戦闘後に「散華」と呼ばれる現象によって、身体機能の一部を喪失してしまう。
 東郷は過去に行った満開により、「鷲尾須美」の記憶、両足の機能、左耳の聴力を失っている。

コンピューター知識
 パソコンを操作する知識と技術。勇者部のホームページをものの数分で更新するなど、凄まじい技術を誇る。
 ただし、科学文明を否定する魔術師の社会では、このスキルはあまり役に立たない。

日本史
 家柄がきっかけで日本の歴史に興味を持っており、熱心に勉強している歴女。
 特に家の仕事に縁深い、護国関係の事柄に関心が強い。カラオケの十八番も軍歌である。

お菓子作り
 文字通り、お菓子を作るスキル。友奈に褒められたことがきっかけで、のめり込むようになった。

【人物背景】
讃州中学校に通う2年生の少女。
世界を守護する神樹様を管理する組織・大赦に関わる家系であり、同時に大赦から、バーテックスを倒すために選ばれた勇者でもある。
親友の結城友奈と共に、犬吠埼風の誘いによって、「勇者部」へと加入した。
中学に入る手前に事故に遭っており、当時の記憶と両足の機能を失っている……と説明されていた。
このため、自力で歩くことができず、車椅子に乗って生活している。

上品でおっとりとしており、皆から一目置かれている。
事故から目覚めて初めて出来た友人である友奈のことは、特に大切に想っており、
周囲には自らのことを、彼女から「カッコいい」と褒められた苗字で呼ばせている。
しっかり者の様子とは裏腹に、珍妙な発言が飛び出すことも多く、どこか浮世離れした雰囲気を纏っている。

実は過去に、大赦関係の名家・鷲尾家に預けられ、勇者「鷲尾須美」として戦っていたことがある。
両足機能と記憶の喪失は、この時の散華によって起きた現象だった。
当時の感覚が蘇るのか、勇者としての戦いには誰よりも早く順応しており、日頃の様子からは信じられないほどに冷静沈着な姿を見せる。

後に勇者システムの真相と、世界が滅びかけている事実を知った東郷は、無意味な延命行為を続けている世界に絶望。
犠牲となることを放棄し、自らバーテックスの大軍団を神樹様にぶつけ、世界との無理心中を図ろうとする。
その意識の根底には、無価値な理由で傷つけられる仲間達を見たくないという想いと、
かつての「鷲尾須美」のように、皆も自分も、互いのことを忘れ孤独になってしまうのではないかという恐怖があった。

【方針】
優勝狙い。前衛はアーチャーに任せ、自分は後方支援に徹する。