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体は刀で出来ている」(2015/09/09 (水) 13:14:45) の最新版変更点

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**体は刀で出来ている◆yy7mpGr1KA 2005年3月 ニューヨークのとある酒場 ――君が来客かね、お嬢さん。 ――取り合えず、はじめましてと言っておこうか。自己紹介は……必要ないか? ――まあいい。 ――職ではなく種として訪ねられるのは久しいな。 ――職と言っても堅気ではない以上ほとんどロクな客は来ないがね。 ――まあいい。用向きのほどは? ――ふむ、聖杯戦争。懐かしい…いや、タイムリーな話題かな。 ――最近このアメリカでも開かれたからな。 ――おや、それは知らないか? ――ああ、そうか。あの聖杯戦争は我々と父を同じくしても同一の存在ではなかったな。 ――君と私の関係と、聖杯戦争と馬鹿騒ぎの関係は似て非なる物だった…… ――まあいい。 ――しかしなぜ私のところに? ――なるほど。確かにアトラスの錬金術師ならば万能の演算機にアクセスできるだろう。 ――で、派閥は異なるがイタリアの錬金術師の街を訪ね、そこから私に辿りついたと。 ――ふむ。この在り方はアトラスよりはアインツベルン寄りなのだが。 ――まあいい。出来るか出来ないかで言えば出来るからな。 ――協力か。まあ送り届けるくらいはしてもいい。 ――見返りはいらないさ。そうさな、強いて言うなら土産話を頼む。 ――この身はラプラスの悪魔ではない……いや、なくなったと言うべきか。 ――先の読めないものというのは悪魔にとって最高の娯楽でな。特にこの物語の先は私にも読めないのでね、ぜひ顛末を教えてくれたまえ。 ――帰ってこなかったら?意外と慎重、いやビジネスに誠実なのだな。 ――それならそれで構わんさ。悪魔は気まぐれでね。そういうこともあるだろう…… ――では鍵を選びたまえ。もしくは選ばずに扉をくぐるといい。 ――木の鍵にするかね?石の鍵にするかね?土の鍵にするかね?青い鍵にするかね?銀の鍵にするかね?赤いカードキーにするかね? ――樹の鍵にするか。それでは、良い旅を(ボン・ボヤージュ)。 ――……………………………………しまった、蜂蜜酒の会計を忘れていたな。 ――…………まあいい。これくらいは奢るとしよう。 ◇ ◇ ◇ 魔術都市ユグドラシル。 二人の男が剣を持ち、対峙していた。 一人は刀、いわゆる日本刀のような得物。 もう一人は曲刀状の刀剣、キリジと呼ばれるものに近い。 向かい合い、交錯し……決着。 勝ったのは刀を持つ男。 「ふん、他愛ない。私と同じセイバーというには技量も気迫も足りていなかったな」 決め手は抜刀術。 一閃で曲刀と腕を弾き、収めざまに首を刎ねる。 戦地の後には亡骸と剣が残るのみ……だったがそこへ新たな人物が現れる。 「何の真似だ?女」 高そうな眼鏡に背広のキャリアウーマン風の女性が残った剣を手に取る。 そしてそれを右手に持ち、構えてみせた。 「やめておけ。遺されたセイバーの剣を使えばサーヴァントを切ることはできようが、人間では私には勝てん……先のセイバーより堂に入った構えだが」 「人間では、ですか。それでは…お相手願いましょう」 眼鏡越しにセイバーを充血したような赤い目が貫く。 それと同時にダンッ!!!と大きな音。 鋭い踏み込みからの逆袈裟。 咄嗟に剣を抜き、受け止めるセイバー。 先のサーヴァント以上の膂力と速度に驚愕しながらも、鍔迫り合いの果てに距離をとる。 しかし即座に女が距離を詰め、剣戟を二人して交わす。 数合交えても涼しげな女に対し、焦りを僅かに浮かばせるセイバー。 (この女、なんて学習速度だッ…!) 三太刀目は大きく躱させた。 しかし同様の速度、タイミングの一撃を七太刀目に放とうとすると出だしを潰された。 相手は六太刀目に虚実を交えてきたが、容易く見切る。 十一太刀目を同じようにいなそうとしたところ、刺突へ変化し僅かに…しかし確実に裂傷を刻む。 「埒があきませんね」 そんな攻防に限界を見出したか、女が動く。 ポツリとつぶやき、掌を相手に向ける。 そこから新たな日本刀が生えてきた。 擬似的な刺突を放ち、二刀流の構え。 牽制であろう突きにまた小さな傷を負い、激昂。 「女ぁ…!」 歯噛みしながら大きくバックステップ。                                  …… ひとまず納刀する。 神速の魔剣を、先のセイバーを屠った一撃を放たんと構える。                                  ……る 構えた次の瞬間に二つの傷が熱と疼きを帯びるの気付く。                                  ……てる 些細なかすり傷だが、毒でも塗っていたかと僅かに意識を向ける。                                  ……愛   して る 確認するが、腫れや変色などの症状は見られない、ただの小さな刀傷。                       して  る   愛   る  愛して   愛 そして剣士は気付く。   愛してる愛してる愛してる愛してるあなたをアーチャーをランサーをライダーをわたしが愛愛愛愛愛 疼きは痛みでは愛なく、傷口から響く声だという愛ことに愛してる愛してる愛して愛して愛して愛して愛して愛愛愛愛愛愛愛してるるるるるるるるるるるるるるるる愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛…………………… 「やかましいぞッ!!」 一喝。 それで響く声を押しのける。 「呪歌の類か…?だが私を染めたくばこの三倍は持ってこいというものだ……!」 赤く目を血走らせ、対峙する女剣士をねめつける。 それは誘いだった。 罪深き歌声は未だに響き、剣技を鈍らせる。 もし本当にこの三倍、五太刀六太刀と浴びせられたなら呑まれてしまうかもしれない。 しかし現状を維持しても響く声に敗れる危険はある。 故の短期決着狙い。 迎撃の構えのセイバーに対し、切り込む気勢を女は見せた。 「子が親に逆らうのは珍しいことではないでしょう。  ですが……セイバー(あなた)という子を独り立ちさせてしまうのは様々な問題が生じそうです。  それは私の仕事と、節度が許さない」 二刀を構える。 腰を落とす。 しなやかな脚に力が籠もる。 突撃。 愛という罪の歌を無視する。 柄を握る手に力を籠める。 愛という罪の歌を無視する。 刃を鞘に走らせる。 愛という罪の歌を無視する。 愛という罪の歌を無視する。 迎撃。 (セイバーをも斬ったこれは躱せまい!) 抜刀。 その軌跡は敵を仕留める……はずだった。 しかし、空を切る。 転がった首は一つ。 それはセイバーであった男のものだった。 「冥府の神、アヌビスから伝言です。その一撃はすでに憶えた、と。  もしも冥府(そちら)で会ったら、どうぞよしなにお伝えください」 左手に持った日本刀を躰に収めながら送別の一言。 (罪歌の声による影響がなければ、一度見た技でなければ。  敗れていたでしょうね……サーヴァント、侮りがたい) 紙一重の勝利だった。 NPCを利用した威力偵察からの交戦で容易に仕留めるつもりが、想像以上の苦戦を強いられた。 方針を改める必要があるようだ。 右手の剣も鞘に収め立ち去ろうとすると、視界に一人の男が入る。 セイバーのマスターではなく、どうやらただのNPCらしい。 目撃者。 放っておくことはできないそれに、内心息をつきながら、再び左手に剣を出して走る。 ひっ、と小さく悲鳴を上げ大の男が逃げ出すが、さもありなん。 刃物をぶつけ合うような金属音が響いたので覗きに来たら、赤い目の美女が剣を持って追ってくる。 魔術都市ユグドラシルの住民とは言え、それは恐ろしいものだろう。 しかしかたやサーヴァントと切り結んだ女傑、かたやどこにでもいるNPC。 鬼ごっこになどなりはしない。 刃を滑らせ――男に小さな傷を作る。 殺されると思ったら些細な傷で済んだのに僅かな安堵と疑問を覚える。 傷口からその疑問の答えが聞こえてきた。 愛している、と。 次の瞬間男の目は赤く染まった。 「これを」 「はい。母さん」 鞘に納めた剣を渡すと、男はすらりとそれを抜く。 すると気持ち目の赤みが薄れ口元に笑みを浮かべる。 「おう、母さん(マスター)。子作りは控えめにして、あんたがおれを振るうんじゃなかったのか?」 「私も命は惜しいので」 一戦交えてほぼ無傷、というのは僥倖。 少なくともセイバーやランサー相手にこのセイバー――アヌビス神――の力を借りて概ね五分では、何度も続けるのは難しい。 ならば、担い手を確保して戦うのが賢いだろう。 罪歌憑きを増やすのも、無為な犠牲も好みではないが仕事である以上割り切る必要がある。 「どうせ乗っ取るならこんなのじゃなくてセイバーがいいな。  エクスカリバーにカラドボルグ、デュランダルにバルムンク。  伝説の剣とおれの二刀流をやってみたいもんだ」 「サーヴァントの精神力は尋常ではありませんでした。  罪歌をしのいだ以上、あなたと協力したとて乗っ取れるかは怪しいでしょう。  確かに戦力としては魅力ではありますが」 「おれをも抑える母さん(マスター)でもダメとなると、そこらので妥協するしかねーか」 くるくると剣を弄び、納刀。 腰に下げながらもアヌビスのまま語り続ける。 「しばらく乗換はなしかい?それともこいつも使い捨てで?」 「……勝つために最善を尽くしてください。それが宿主を使い捨てる事ならそれも視野に。  現状の戦力は、NPCの死も戦術に取り入れなければならないものですか?」 「すでにあのセイバーの技と力は憶えた。凡百のサーヴァント相手なら絶ッ~~~~対に負けない」 「そうですか」 応答しながらちらほらと見え出した野次馬に目をむける。 勝ち筋を考え、実行に移そうとする。 「冷たい女だな、母さん(マスター)。そこまで聖杯が欲しいのかい?」 「求めているのは私ではなく、私の顧客です」 「ハッ、仕事熱心なこって。  錆びついたおれを引っ張り上げて、こんなところに呼び出してくれたのは感謝してる。  精神力の強さも剣の腕も気に入ってるし、おれは斬れれば文句はねえから何でもいいけどよ」 そう言うと二人駆け出す。 集まり出した野次馬の間を鞘に納めた剣と、目にも留まらぬほどに細い鋼線を振るい走り抜けた。 野次馬たちに小さな傷。 しばらくすると野次馬たちが規則的に群がりはじめる。 包丁を持ったコック。 のこぎりを持った大工。 彫刻刀を持った教師。 他にも多くの刃物を持った老若男女が集った。 「この地でなす仕事は二つ。  わが社に依頼が来た、聖杯の確保。  聖杯戦争における事象をアメリカ在住のとある、人物…?ええ、男性に報告するための書類作成。  そのために敵サーヴァント及びマスターの偵察、記録を」 「「「はい、母さん」」」 散ってゆく『子』を見ながら『母』、鯨木かさねは思考する。 (ムーンセルによる聖杯戦争。  文明の利器がほぼ存在しない魔術都市。  ……想定と、だいぶ異なりますね) 澱切陣内のコネクションも利用できるならするつもりだったのだが、どうもそうはいかなそうだ。 内に響く罪歌の声がなければ、記憶を取り戻せなかった可能性もある。 サーヴァントの数や、最悪クラスすらも僅かな事前知識と違ってくる可能性がある。 しばらくは『子』による偵察重視だろうか。 それともアヌビスと二人、遊撃だろうか。 そこへ小さく、ニャーと聞こえた。 見渡すと道の端っこに小さなネコ。 毛並、歯に付いた食べかす、体躯から野良と判断。 「帰りましょう、セイバー。自宅で報告を待ちます」 仄かに弾んだような声色で猫を抱え、仮初の自宅へと歩み出した。 【クラス】 セイバー 【真名】 アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 【パラメーター】 筋力E~A 耐久E~C 敏捷E~A 魔力D 幸運D 宝具B 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 500年にわたり錆一つなく在り続けた妖刀としてそれなりの神秘を宿す。 騎乗:C+++ 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。 自身が操る使い手にも同等の騎乗スキルを与えることが可能。 ただし後述する宝具によるものならば幻獣種すら乗っ取る可能性を秘める。 【保有スキル】 戦闘続行:A+ 往生際が極めて悪い。 敗北しようと宿主を変えて襲い掛かる。 刀身が折れようと戦う。 バラバラになろうと、最も大きな欠片で能力を行使し、決定的な敗北を迎えない限り勝利を諦めることはない。 単独行動:A+ マスター不在でも行動、現界できる。 生前もスタンド使いの刀鍛冶が没したのちに刀に宿り500年在り続けた、いわゆる一人歩きしているスタンド。 魅了:C 美しい刀身に纏う空気により視認したものを魅了する。 対象は美を何となくでも感じられれば良いため、ネズミや牛にも効果を発揮する。 ただし魚や蟹は魅了されなかったため、哺乳類以上の知性が必要なのだろう。 相手の心理状態や感情によっては抵抗でき、また対魔力や精神系スキルによる無効化も可能。 見切り:A++ 敵の攻撃に対する学習能力。 相手が同ランク以上の『宗和の心得』を持たない限り、同じ敵の同じ技は完全に見切ることが出来る。 但し、範囲攻撃や技術での回避が不可能な攻撃は、これに該当しない。 【宝具】 『魂切り裂く冥界の神の暗示(アヌビス神)』 ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:2 最大捕捉:1人 アヌビス神というスタンドそのもの。 手にしたものを洗脳して無理矢理に本体とする。 戦闘経験に応じて持ち主を強化し、アヌビスを握ったものはサーヴァントと打ち合うほどの身体能力となっていく。 宿主を変えてもそれまでの経験値は引き継ぐため、最終的には恐ろしい実力となる。 当然持ち主に肉体・魔力的にはかなりの負担がかかるが、刀であるアヌビスはそんなこと気にも止めないで『戦闘続行』できる。 洗脳している間は宿主の技能や魔術も行使できるが、記憶などを覗けるわけではないので、アヌビスの把握していない技能や理解できない能力などは使えない……『見切り』、憶えた技能なら容易く行使するが。 なおサーヴァントとなったことで洗脳にも制限がかかり、強力な精神耐性を持つものや、より強力な支配を受けたものを洗脳することはできない。 また鞘に収まっている間は洗脳はできない。 ただし鞘に収まっている間に担い手に相応しくない者が柄や鞘でも触れた場合、斬撃によるダメージを与える。 さらに切るものを選ぶ能力があり、壁や生き物をすり抜けて向こう側だけを切ったり、盾や鎧を無視して敵を切り裂くなどが可能。 【weapon】 ・床屋の主人 現地調達。 その辺にいたやけに体格のいいオッサン。 現在彼を洗脳し、アヌビスの本体(仮)としている。 【人物背景】 かつてキャラバン・サライという刀鍛冶師が保持した異能力、スタンド。 それだけが刀に宿り続けた存在。 スタンドとしてのステータスは破壊力:B / スピード:B / 射程距離:E / 持続力:A / 精密動作性:E / 成長性:C 500年にわたって現界し続け、エジプトの博物館の倉庫に置かれていたが、最強のスタンド使いDIOに引っ張り出される。 その圧倒的な強さに忠誠を誓い、DIOの敵を倒そうと動く。 空条承太郎に今までで最も苦戦したスタンドと評されるが惜敗。 その後ナイルの川底に己の失態で沈み、錆びついて刀としても寿命を迎え消失。 その錆びた欠片を触媒としてこの聖杯戦争に召喚された。 最盛期での召喚のため刀には錆一つ、刃こぼれ一つない。 しかしサーヴァントと化したことで生前『憶えた』技能、スタープラチナやシルバーチャリオッツの速度と技術は見切れていない状態。 【サーヴァントの願い】 斬る。 【基本戦術、方針、運用法】 ひたすら戦う。 宿主が変わっても見切った技能の知識や上昇したステータスは保存され続けるため戦うほどに強くなる。 もしマスターを失くしても刀は『単独行動』し続け、『魅了』した者を新たなマスターにもできるだろう。 なお刀に宿るという特性から霊体化などできず、スタンド使いでなくとも視認できる。 また神秘を持たない攻撃も通じるが、先述のすりぬけ能力により防御はできない。 【マスター】 鯨木かさね@デュラララ!! 【マスターとしての願い】 なし。 『澱切陣内』に依頼された、聖杯を確保して商品とするのが目的。 【令呪】 右手の甲。 刀の鍔にありそうな三重のハート型。 【weapon】 ・罪歌 『全ての人間を愛する』女性の人格を持った妖刀であり、その愛の表現として人間と触れ合う=人を斬ることを求める。 罪歌を手にした者は罪歌を体中から自在に出し入れ出来るようになり、人間をひたすらに愛する声に精神を破壊され、妖刀の意思に支配されることとなる。 ただし、声を気にしないほど強靭な精神を持つ者は支配されないという例外もある。 罪歌の影響を受けている者は、その力が発現している最中は目が異常なまでに赤く輝く。 その輝きは大元の『母』に近い者ほど強くなる。 罪歌は愛した相手との間に愛の証として『子供』をもうける力を持ち、斬りつけた傷から恐怖と痛みを媒体に『種』を送り込み、少しずつ宿主の精神を侵しながら、新たな『刃物』を媒体に妖刀としての自我を発現させる。 そうして妖刀の自我に意識を支配された者を『罪歌の子』と呼ぶ。 『子』も大元の罪歌同様、斬りつけた人間を『子』にすることができる。 『罪歌の子』達は意識を共有しているわけではないが、『母』の命令に対しては『子』は逆らえず絶対服従する。 命令がなくとも『母』を助けるために自発的に『子』として行動することもある。 刀身自体もかなりの神秘の篭ったものであり、デュラハンの首の繋がりを切り離すなど『魂』や『心』を切ることも可能とする逸品。 サーヴァントへもダメージを与えることを可能とする。 ただし『子』の持つ刃物はそれだけではただの刃物であり、それ単体ではサーヴァントには干渉できない。 もちろん相応の『強化』を施したり、もともとが概念武装だったりするなら問題ないが。 ・床屋の主人 現地調達。 その辺にいたやけに体格のいいオッサン。 現在彼を罪歌の子とし、アヌビスを持たせている。 【能力・技能】 ・混血 母が吸血鬼である、魔の血が混ざった『混血』。 一部で言うところの『紅赤朱』には至っていないが、それでも人間離れした身体能力と精神力を誇る。 魔力量もかなりのもの。 ・罪歌の母 前述の妖刀、『罪歌』を振るい多くの『子』を支配する。 また彼女は罪歌の支配に呑まれないどころか逆に支配しており、刀に囚われない形――鋼線、二刀流など――に変形させて使うことを可能とする。 『混血』としての強靭な存在に加え、この罪歌による影響で精神干渉の効果はサーヴァントからであってもほぼ受けない。 少なくともアヌビスでは彼女を洗脳することはできない。 【人物背景】 吸血鬼の母親と人間の父親の間に生まれる。 生まれてすぐに母親の手で澱切陣内という老人に売り渡される。 澱切陣内は人身売買から化け物売買まで手広くやっている悪党で、その男の下で様々な商売、世渡りを学ぶ。 澱切陣内の死後は替え玉、スケープゴートとして偽の澱切陣内を複数人用意し、自身は秘書の振りをしつつリーダーとして立ち回る。 母親に売られ、澱切陣内に人格を壊され、型にはめられ…… 悪党として人や化け物を食い物にする生き方しかできなかった、人に作られた人でなし。 鯨木かさねというのも本名ではなく、別の女性との取引によって手にした偽りの立場。 【方針】 罪歌の子による情報収集、遊撃。 場合によってはマスターや、できればサーヴァントを子としたい。 アヌビスを罪歌の子に持たせ振るうのを基本とするが、場合によっては自ら罪歌とアヌビスの二刀を振るうことも考える。
**体は刀で出来ている◆yy7mpGr1KA 2005年3月 ニューヨークのとある酒場 ――君が来客かね、お嬢さん。 ――取り合えず、はじめましてと言っておこうか。自己紹介は……必要ないか? ――まあいい。 ――職ではなく種として訪ねられるのは久しいな。 ――職と言っても堅気ではない以上ほとんどロクな客は来ないがね。 ――まあいい。用向きのほどは? ――ふむ、聖杯戦争。懐かしい…いや、タイムリーな話題かな。 ――最近このアメリカでも開かれたからな。 ――おや、それは知らないか? ――ああ、そうか。あの聖杯戦争は我々と父を同じくしても同一の存在ではなかったな。 ――君と私の関係と、聖杯戦争と馬鹿騒ぎの関係は似て非なる物だった…… ――まあいい。 ――しかしなぜ私のところに? ――なるほど。確かにアトラスの錬金術師ならば万能の演算機にアクセスできるだろう。 ――で、派閥は異なるがイタリアの錬金術師の街を訪ね、そこから私に辿りついたと。 ――ふむ。この在り方はアトラスよりはアインツベルン寄りなのだが。 ――まあいい。出来るか出来ないかで言えば出来るからな。 ――協力か。まあ送り届けるくらいはしてもいい。 ――見返りはいらないさ。そうさな、強いて言うなら土産話を頼む。 ――この身はラプラスの悪魔ではない……いや、なくなったと言うべきか。 ――先の読めないものというのは悪魔にとって最高の娯楽でな。特にこの物語の先は私にも読めないのでね、ぜひ顛末を教えてくれたまえ。 ――帰ってこなかったら?意外と慎重、いやビジネスに誠実なのだな。 ――それならそれで構わんさ。悪魔は気まぐれでね。そういうこともあるだろう…… ――では鍵を選びたまえ。もしくは選ばずに扉をくぐるといい。 ――木の鍵にするかね?石の鍵にするかね?土の鍵にするかね?青い鍵にするかね?銀の鍵にするかね?赤いカードキーにするかね? ――樹の鍵にするか。それでは、良い旅を(ボン・ボヤージュ)。 ――……………………………………しまった、蜂蜜酒の会計を忘れていたな。 ――…………まあいい。これくらいは奢るとしよう。 ◇ ◇ ◇ 魔術都市ユグドラシル。 二人の男が剣を持ち、対峙していた。 一人は刀、いわゆる日本刀のような得物。 もう一人は曲刀状の刀剣、キリジと呼ばれるものに近い。 向かい合い、交錯し……決着。 勝ったのは刀を持つ男。 「ふん、他愛ない。私と同じセイバーというには技量も気迫も足りていなかったな」 決め手は抜刀術。 一閃で曲刀と腕を弾き、収めざまに首を刎ねる。 戦地の後には亡骸と剣が残るのみ……だったがそこへ新たな人物が現れる。 「何の真似だ?女」 高そうな眼鏡に背広のキャリアウーマン風の女性が残った剣を手に取る。 そしてそれを右手に持ち、構えてみせた。 「やめておけ。遺されたセイバーの剣を使えばサーヴァントを切ることはできようが、人間では私には勝てん……先のセイバーより堂に入った構えだが」 「人間では、ですか。それでは…お相手願いましょう」 眼鏡越しにセイバーを充血したような赤い目が貫く。 それと同時にダンッ!!!と大きな音。 鋭い踏み込みからの逆袈裟。 咄嗟に剣を抜き、受け止めるセイバー。 先のサーヴァント以上の膂力と速度に驚愕しながらも、鍔迫り合いの果てに距離をとる。 しかし即座に女が距離を詰め、剣戟を二人して交わす。 数合交えても涼しげな女に対し、焦りを僅かに浮かばせるセイバー。 (この女、なんて学習速度だッ…!) 三太刀目は大きく躱させた。 しかし同様の速度、タイミングの一撃を七太刀目に放とうとすると出だしを潰された。 相手は六太刀目に虚実を交えてきたが、容易く見切る。 十一太刀目を同じようにいなそうとしたところ、刺突へ変化し僅かに…しかし確実に裂傷を刻む。 「埒があきませんね」 そんな攻防に限界を見出したか、女が動く。 ポツリとつぶやき、掌を相手に向ける。 そこから新たな日本刀が生えてきた。 擬似的な刺突を放ち、二刀流の構え。 牽制であろう突きにまた小さな傷を負い、激昂。 「女ぁ…!」 歯噛みしながら大きくバックステップ。                                  …… ひとまず納刀する。 神速の魔剣を、先のセイバーを屠った一撃を放たんと構える。                                  ……る 構えた次の瞬間に二つの傷が熱と疼きを帯びるの気付く。                                  ……てる 些細なかすり傷だが、毒でも塗っていたかと僅かに意識を向ける。                                  ……愛   して る 確認するが、腫れや変色などの症状は見られない、ただの小さな刀傷。                       して  る   愛   る  愛して   愛 そして剣士は気付く。   愛してる愛してる愛してる愛してるあなたをアーチャーをランサーをライダーをわたしが愛愛愛愛愛 疼きは痛みでは愛なく、傷口から響く声だという愛ことに愛してる愛してる愛して愛して愛して愛して愛して愛愛愛愛愛愛愛してるるるるるるるるるるるるるるるる愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛愛…………………… 「やかましいぞッ!!」 一喝。 それで響く声を押しのける。 「呪歌の類か…?だが私を染めたくばこの三倍は持ってこいというものだ……!」 赤く目を血走らせ、対峙する女剣士をねめつける。 それは誘いだった。 罪深き歌声は未だに響き、剣技を鈍らせる。 もし本当にこの三倍、五太刀六太刀と浴びせられたなら呑まれてしまうかもしれない。 しかし現状を維持しても響く声に敗れる危険はある。 故の短期決着狙い。 迎撃の構えのセイバーに対し、切り込む気勢を女は見せた。 「子が親に逆らうのは珍しいことではないでしょう。  ですが……セイバー(あなた)という子を独り立ちさせてしまうのは様々な問題が生じそうです。  それは私の仕事と、節度が許さない」 二刀を構える。 腰を落とす。 しなやかな脚に力が籠もる。 突撃。 愛という罪の歌を無視する。 柄を握る手に力を籠める。 愛という罪の歌を無視する。 刃を鞘に走らせる。 愛という罪の歌を無視する。 愛という罪の歌を無視する。 迎撃。 (セイバーをも斬ったこれは躱せまい!) 抜刀。 その軌跡は敵を仕留める……はずだった。 しかし、空を切る。 転がった首は一つ。 それはセイバーであった男のものだった。 「冥府の神、アヌビスから伝言です。その一撃はすでに憶えた、と。  もしも冥府(そちら)で会ったら、どうぞよしなにお伝えください」 左手に持った日本刀を躰に収めながら送別の一言。 (罪歌の声による影響がなければ、一度見た技でなければ。  敗れていたでしょうね……サーヴァント、侮りがたい) 紙一重の勝利だった。 NPCを利用した威力偵察からの交戦で容易に仕留めるつもりが、想像以上の苦戦を強いられた。 方針を改める必要があるようだ。 右手の剣も鞘に収め立ち去ろうとすると、視界に一人の男が入る。 セイバーのマスターではなく、どうやらただのNPCらしい。 目撃者。 放っておくことはできないそれに、内心息をつきながら、再び左手に剣を出して走る。 ひっ、と小さく悲鳴を上げ大の男が逃げ出すが、さもありなん。 刃物をぶつけ合うような金属音が響いたので覗きに来たら、赤い目の美女が剣を持って追ってくる。 魔術都市ユグドラシルの住民とは言え、それは恐ろしいものだろう。 しかしかたやサーヴァントと切り結んだ女傑、かたやどこにでもいるNPC。 鬼ごっこになどなりはしない。 刃を滑らせ――男に小さな傷を作る。 殺されると思ったら些細な傷で済んだのに僅かな安堵と疑問を覚える。 傷口からその疑問の答えが聞こえてきた。 愛している、と。 次の瞬間男の目は赤く染まった。 「これを」 「はい。母さん」 鞘に納めた剣を渡すと、男はすらりとそれを抜く。 すると気持ち目の赤みが薄れ口元に笑みを浮かべる。 「おう、母さん(マスター)。子作りは控えめにして、あんたがおれを振るうんじゃなかったのか?」 「私も命は惜しいので」 一戦交えてほぼ無傷、というのは僥倖。 少なくともセイバーやランサー相手にこのセイバー――アヌビス神――の力を借りて概ね五分では、何度も続けるのは難しい。 ならば、担い手を確保して戦うのが賢いだろう。 罪歌憑きを増やすのも、無為な犠牲も好みではないが仕事である以上割り切る必要がある。 「どうせ乗っ取るならこんなのじゃなくてセイバーがいいな。  エクスカリバーにカラドボルグ、デュランダルにバルムンク。  伝説の剣とおれの二刀流をやってみたいもんだ」 「サーヴァントの精神力は尋常ではありませんでした。  罪歌をしのいだ以上、あなたと協力したとて乗っ取れるかは怪しいでしょう。  確かに戦力としては魅力ではありますが」 「おれをも抑える母さん(マスター)でもダメとなると、そこらので妥協するしかねーか」 くるくると剣を弄び、納刀。 腰に下げながらもアヌビスのまま語り続ける。 「しばらく乗換はなしかい?それともこいつも使い捨てで?」 「……勝つために最善を尽くしてください。それが宿主を使い捨てる事ならそれも視野に。  現状の戦力は、NPCの死も戦術に取り入れなければならないものですか?」 「すでにあのセイバーの技と力は憶えた。凡百のサーヴァント相手なら絶ッ~~~~対に負けない」 「そうですか」 応答しながらちらほらと見え出した野次馬に目をむける。 勝ち筋を考え、実行に移そうとする。 「冷たい女だな、母さん(マスター)。そこまで聖杯が欲しいのかい?」 「求めているのは私ではなく、私の顧客です」 「ハッ、仕事熱心なこって。  錆びついたおれを引っ張り上げて、こんなところに呼び出してくれたのは感謝してる。  精神力の強さも剣の腕も気に入ってるし、おれは斬れれば文句はねえから何でもいいけどよ」 そう言うと二人駆け出す。 集まり出した野次馬の間を鞘に納めた剣と、目にも留まらぬほどに細い鋼線を振るい走り抜けた。 野次馬たちに小さな傷。 しばらくすると野次馬たちが規則的に群がりはじめる。 包丁を持ったコック。 のこぎりを持った大工。 彫刻刀を持った教師。 他にも多くの刃物を持った老若男女が集った。 「この地でなす仕事は二つ。  わが社に依頼が来た、聖杯の確保。  聖杯戦争における事象をアメリカ在住のとある、人物…?ええ、男性に報告するための書類作成。  そのために敵サーヴァント及びマスターの偵察、記録を」 「「「はい、母さん」」」 散ってゆく『子』を見ながら『母』、鯨木かさねは思考する。 (ムーンセルによる聖杯戦争。  文明の利器がほぼ存在しない魔術都市。  ……想定と、だいぶ異なりますね) 澱切陣内のコネクションも利用できるならするつもりだったのだが、どうもそうはいかなそうだ。 内に響く罪歌の声がなければ、記憶を取り戻せなかった可能性もある。 サーヴァントの数や、最悪クラスすらも僅かな事前知識と違ってくる可能性がある。 しばらくは『子』による偵察重視だろうか。 それともアヌビスと二人、遊撃だろうか。 そこへ小さく、ニャーと聞こえた。 見渡すと道の端っこに小さなネコ。 毛並、歯に付いた食べかす、体躯から野良と判断。 「帰りましょう、セイバー。自宅で報告を待ちます」 仄かに弾んだような声色で猫を抱え、仮初の自宅へと歩み出した。 【クラス】 セイバー 【真名】 アヌビス神@ジョジョの奇妙な冒険 【パラメーター】 筋力E~A 耐久E~C 敏捷E~A 魔力D 幸運D 宝具B 【属性】 混沌・悪 【クラススキル】 対魔力:B 魔術発動における詠唱が三節以下のものを無効化する。 大魔術、儀礼呪法等を以ってしても、傷つけるのは難しい。 500年にわたり錆一つなく在り続けた妖刀としてそれなりの神秘を宿す。 騎乗:C+++ 騎乗の才能。大抵の乗り物、動物なら人並み以上に乗りこなせるが、野獣ランクの獣は乗りこなせない。 自身が操る使い手にも同等の騎乗スキルを与えることが可能。 ただし後述する宝具によるものならば幻獣種すら乗っ取る可能性を秘める。 【保有スキル】 戦闘続行:A+ 往生際が極めて悪い。 敗北しようと宿主を変えて襲い掛かる。 刀身が折れようと戦う。 バラバラになろうと、最も大きな欠片で能力を行使し、決定的な敗北を迎えない限り勝利を諦めることはない。 単独行動:A+ マスター不在でも行動、現界できる。 生前もスタンド使いの刀鍛冶が没したのちに刀に宿り500年在り続けた、いわゆる一人歩きしているスタンド。 魅了:C 美しい刀身に纏う空気により視認したものを魅了する。 対象は美を何となくでも感じられれば良いため、ネズミや牛にも効果を発揮する。 ただし魚や蟹は魅了されなかったため、哺乳類以上の知性が必要なのだろう。 相手の心理状態や感情によっては抵抗でき、また対魔力や精神系スキルによる無効化も可能。 見切り:A++ 敵の攻撃に対する学習能力。 相手が同ランク以上の『宗和の心得』を持たない限り、同じ敵の同じ技は完全に見切ることが出来る。 但し、範囲攻撃や技術での回避が不可能な攻撃は、これに該当しない。 【宝具】 『魂切り裂く冥界の神の暗示(アヌビス神)』 ランク:C 種別:対人宝具 レンジ:2 最大捕捉:1人 アヌビス神というスタンドそのもの。 手にしたものを洗脳して無理矢理に本体とする。 戦闘経験に応じて持ち主を強化し、アヌビスを握ったものはサーヴァントと打ち合うほどの身体能力となっていく。 宿主を変えてもそれまでの経験値は引き継ぐため、最終的には恐ろしい実力となる。 当然持ち主に肉体・魔力的にはかなりの負担がかかるが、刀であるアヌビスはそんなこと気にも止めないで『戦闘続行』できる。 洗脳している間は宿主の技能や魔術も行使できるが、記憶などを覗けるわけではないので、アヌビスの把握していない技能や理解できない能力などは使えない……『見切り』、憶えた技能なら容易く行使するが。 なおサーヴァントとなったことで洗脳にも制限がかかり、強力な精神耐性を持つものや、より強力な支配を受けたものを洗脳することはできない。 また鞘に収まっている間は洗脳はできない。 ただし鞘に収まっている間に担い手に相応しくない者が柄や鞘でも触れた場合、斬撃によるダメージを与える。 さらに切るものを選ぶ能力があり、壁や生き物をすり抜けて向こう側だけを切ったり、盾や鎧を無視して敵を切り裂くなどが可能。 ただし、万物を透過できるわけでなく、同ランク以上の神秘を持つ宝具や概念霊装などは透過できない。 【weapon】 ・床屋の主人 現地調達。 その辺にいたやけに体格のいいオッサン。 現在彼を洗脳し、アヌビスの本体(仮)としている。 【人物背景】 かつてキャラバン・サライという刀鍛冶師が保持した異能力、スタンド。 それだけが刀に宿り続けた存在。 スタンドとしてのステータスは破壊力:B / スピード:B / 射程距離:E / 持続力:A / 精密動作性:E / 成長性:C 500年にわたって現界し続け、エジプトの博物館の倉庫に置かれていたが、最強のスタンド使いDIOに引っ張り出される。 その圧倒的な強さに忠誠を誓い、DIOの敵を倒そうと動く。 空条承太郎に今までで最も苦戦したスタンドと評されるが惜敗。 その後ナイルの川底に己の失態で沈み、錆びついて刀としても寿命を迎え消失。 その錆びた欠片を触媒としてこの聖杯戦争に召喚された。 最盛期での召喚のため刀には錆一つ、刃こぼれ一つない。 しかしサーヴァントと化したことで生前『憶えた』技能、スタープラチナやシルバーチャリオッツの速度と技術は見切れていない状態。 【サーヴァントの願い】 斬る。 【基本戦術、方針、運用法】 ひたすら戦う。 宿主が変わっても見切った技能の知識や上昇したステータスは保存され続けるため戦うほどに強くなる。 もしマスターを失くしても刀は『単独行動』し続け、『魅了』した者を新たなマスターにもできるだろう。 なお刀に宿るという特性から霊体化などできず、スタンド使いでなくとも視認できる。 また神秘を持たない攻撃も通じるが、先述のすりぬけ能力により防御はできない。 【マスター】 鯨木かさね@デュラララ!! 【マスターとしての願い】 なし。 『澱切陣内』に依頼された、聖杯を確保して商品とするのが目的。 【令呪】 右手の甲。 刀の鍔にありそうな三重のハート型。 【weapon】 ・罪歌 『全ての人間を愛する』女性の人格を持った妖刀であり、その愛の表現として人間と触れ合う=人を斬ることを求める。 罪歌を手にした者は罪歌を体中から自在に出し入れ出来るようになり、人間をひたすらに愛する声に精神を破壊され、妖刀の意思に支配されることとなる。 ただし、声を気にしないほど強靭な精神を持つ者は支配されないという例外もある。 罪歌の影響を受けている者は、その力が発現している最中は目が異常なまでに赤く輝く。 その輝きは大元の『母』に近い者ほど強くなる。 罪歌は愛した相手との間に愛の証として『子供』をもうける力を持ち、斬りつけた傷から恐怖と痛みを媒体に『種』を送り込み、少しずつ宿主の精神を侵しながら、新たな『刃物』を媒体に妖刀としての自我を発現させる。 そうして妖刀の自我に意識を支配された者を『罪歌の子』と呼ぶ。 『子』も大元の罪歌同様、斬りつけた人間を『子』にすることができる。 『罪歌の子』達は意識を共有しているわけではないが、『母』の命令に対しては『子』は逆らえず絶対服従する。 命令がなくとも『母』を助けるために自発的に『子』として行動することもある。 刀身自体もかなりの神秘の篭ったものであり、デュラハンの首の繋がりを切り離すなど『魂』や『心』を切ることも可能とする逸品。 サーヴァントへもダメージを与えることを可能とする。 ただし『子』の持つ刃物はそれだけではただの刃物であり、それ単体ではサーヴァントには干渉できない。 もちろん相応の『強化』を施したり、もともとが概念武装だったりするなら問題ないが。 ・床屋の主人 現地調達。 その辺にいたやけに体格のいいオッサン。 現在彼を罪歌の子とし、アヌビスを持たせている。 【能力・技能】 ・混血 母が吸血鬼である、魔の血が混ざった『混血』。 一部で言うところの『紅赤朱』には至っていないが、それでも人間離れした身体能力と精神力を誇る。 魔力量もかなりのもの。 ・罪歌の母 前述の妖刀、『罪歌』を振るい多くの『子』を支配する。 また彼女は罪歌の支配に呑まれないどころか逆に支配しており、刀に囚われない形――鋼線、二刀流など――に変形させて使うことを可能とする。 『混血』としての強靭な存在に加え、この罪歌による影響で精神干渉の効果はサーヴァントからであってもほぼ受けない。 少なくともアヌビスでは彼女を洗脳することはできない。 【人物背景】 吸血鬼の母親と人間の父親の間に生まれる。 生まれてすぐに母親の手で澱切陣内という老人に売り渡される。 澱切陣内は人身売買から化け物売買まで手広くやっている悪党で、その男の下で様々な商売、世渡りを学ぶ。 澱切陣内の死後は替え玉、スケープゴートとして偽の澱切陣内を複数人用意し、自身は秘書の振りをしつつリーダーとして立ち回る。 母親に売られ、澱切陣内に人格を壊され、型にはめられ…… 悪党として人や化け物を食い物にする生き方しかできなかった、人に作られた人でなし。 鯨木かさねというのも本名ではなく、別の女性との取引によって手にした偽りの立場。 【方針】 罪歌の子による情報収集、遊撃。 場合によってはマスターや、できればサーヴァントを子としたい。 アヌビスを罪歌の子に持たせ振るうのを基本とするが、場合によっては自ら罪歌とアヌビスの二刀を振るうことも考える。

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