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「刻まれるカウント」(2016/05/22 (日) 21:08:19) の最新版変更点
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*刻まれるカウント ◆nig7QPL25k
例の通り魔の目撃証言は、ほとんどが夜に集中している。
当然だ。日本の東京に比べればだいぶ田舎だが、それでも白昼堂々人を襲って、全くバレないような土地ではない。
故に忌夢は、一夜明けた朝を、大学の図書室で過ごしていた。
(ゼイラムに、衝撃ゴウライガン……何だこれは)
ぱらぱらと本をめくりながら、呆れ顔でため息をつく。
自らのサーヴァントについての情報を、もう少し調べてみようと思ったのだが、それがこの有様だ。
魔戒騎士などという存在の資料は、本棚には一冊も見つからない。
それらしいものを集めてみても、載っているのは見当違いの名前だ。
(ムーンセルとかいうのが、こいつらの世界について知っているのなら)
その情報を何らかの形で、提供する義務があるのではないか。
英霊の真名を知ることが、アドバンテージになるのなら、それに付随する情報は、きちんと開示するべきではないのか。
これでは通り魔のヒントも、得られるかどうか怪しいかもしれない。
街に出よう。もはやここで油を売るよりも、敵を探すことの方が急務だ。
そう考えると、忌夢は席を立ち、本を抱えて歩きだした。
元あった本棚へと戻し、踵を返す。そのまま棚と棚の間を進み、外へと出ようとした瞬間。
「――お前だな。夕べ白いサーヴァントを狙ったのは」
声が、背後から響いた。
闇の奥底から響く、獣の唸りのような声だった。
ぞくり――と背中に怖気が走る。
襲いかかったプレッシャーに、体をびくりと震わせる。
一瞬の驚愕と戦慄を受け止め、何者かの存在を背後に意識し、意を決して視線をそちらへ向けた。
そこに立っていたのは、一人の男だ。
鋭い傷の刻まれた隻眼で、忌夢を高みから見下ろす、筋骨隆々とした大男だ。
ただの人間では、ない。マスターとなった彼女の視覚は、キーパーという未知のクラスの名を、その姿と共に認識している。
「何の用だ」
間違いなく、こいつはサーヴァントだ。
にもかかわらず、倒すべき敵である自分に対して、この男は攻撃を仕掛けてこなかった。
そこには何の意図がある。忌夢は睨みと共に問いかける。
「あの女は俺の獲物だった。次こそケリを着けてやろうと、そう思っていたその矢先に、お前が割り込んできた。
だから文句の一つでも、言ってやろうと思ってよ」
「ハ……あんな奴を取り逃がした程度の男が、偉そうに。お前も同じ所に送ってやろうか」
キーパーの返事に、更に挑発で返した、瞬間。
びゅんっ――と吹いた剣風が、顔のすぐ横をすり抜けた。
突き出された刃と腕は、黒い。
忌夢の傍らに現れたそれが、視線の先の存在目掛けて、剣を鋭く突き出したのだ。
標的は門番の名を冠する大男。
攻撃を仕掛けたのはバーサーカー・呀だ。
「俺もそうしてぇのはヤマヤマだが、あいにくとそうもいかなくってな。だから今回は挨拶だけだ」
されども、男は沈黙しない。
漆黒の切っ先は男の体を、刺し貫いていなかったからだ。
キーパーは呀の黒い篭手を、その右手でがっちりと掴んでいる。
突きを繰り出される瞬間、その懐へと潜り込み、剣を振るう腕を封じ込めたのだ。
「次だ。次にお前と会った時には、この俺が容赦なくブチのめす」
せいぜい首を洗って待っていろと。
鋭くひと睨みをくれると、来訪者は身を霊体に変え、たちどころにその気配を消した。
右手を解放された呀は、剣と共に、その手を戻す。
「奴を追え、マスター。あれは俺が斬る」
「どう探せっていうんだ、まったく」
要求にツッコミを入れると、忌夢は呀に命令し、目立つ姿を霊体化させた。
それからやや間を置いて、一呼吸すると、ようやくその場から離れる。
軽んじた発言をしてみたが、あれはかなりの強敵のはずだ。
スペックで他より優位に立つ、バーサーカークラスの力と速さに、真っ向から対抗してみせた。
であれば、直接刃を交える時には、相応の覚悟が必要だろう。
(課題は山積みか)
あの男、ただの荒くれ者ではない。
射竦められた忌夢が感じたのは、呀に対して抱いたそれと、同等の畏怖の感情だ。
得体の知れない狂気とは違う。であれば、敵であればこそ向けられた、殺意か。
予選で戦ったような雑魚や、たまたま戦いに持ち込むことなく倒せた、夕べの敵の時とは違う。
英霊と真っ向から向き合い、戦うというのは、こういうことなのだ。
行く先に立ち込める暗雲の深さに、忌夢は改めて、気を引き締めた。
【D-5/学術地区・魔術大学・図書室/一日目 午前】
【忌夢@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]如意棒
[道具]秘伝忍法書、外出鞄、財布
[所持金]普通
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、聖杯を雅緋に捧げる
1.街に出て、敵マスターを探す。キーパー(=ハービンジャー)のマスターも知っておきたい
2.夜になったら、また街を出歩き、『魔術礼装を持った通り魔』を誘き出す
3.呀には極力そのままで戦わせる。いざという時には、装着して戦う
4.そこらのNPCでは、呀を使いこなせないらしい。無理に代わりの体を探すことはしない
5.呀を再び纏うことに、強い恐れ
[備考]
※特級住宅街以外のどこかで暮らしています。詳細な家の位置は、後続の書き手さんにお任せします
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』『姿の見えない戦闘音(=高町なのは)』の噂を聞きました。
後者の主がなのはであることには気付いていません。
※両備が本物であること、キーパー(=ハービンジャー)のマスターであることに気付いていません
※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。罪歌を受けなかったため、その特性には気付いていません
※魔術大学の図書室に、サーヴァントとなった英霊に関する書籍が、置かれていないことに気づきました
【バーサーカー(呀)@牙狼-GARO-】
[状態]健康、魔力増(一般人の魂二つ分)
[装備]魔戒剣、暗黒斬
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れる
1.戦う
2.キーパー(=ハービンジャー)と戦いたい
[備考]
※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。罪歌を受けなかったため、その特性には気付いていません
◆
暢気な。
いやむしろ、貧弱と言うべきか。
何しろ両備は好き好んで、朝寝坊をしているわけではない。
それは彼女の姉だという、NPCの二人の女が、寄ってたかって起こしに来ても、全くの無反応であったことからも分かる。
夕べの戦いで、魔力を大量に搾り取られ、衰弱しきったマスターは、未だ眠りについていた。
駆けつけた医者は、栄養剤を注射した後、あとは安静にしておくようにとだけ言って立ち去っている。
緊急入院などということにならなかったのは、聖杯戦争的には、幸いと言えるかもしれない。
(あるいはルーラー連中が、そう意図して動かしたのかもしれねぇな)
戦いを妨げるファクターを、NPCの操作によって、避けているのかもしれない。
大学の図書室から帰還し、ベッドで眠る両備を見ながら、ハービンジャーはそう思考した。
(しかし、これでアイツはクロか)
であれば、考えるべきは別の用件だ。
先ほど挨拶をしてきた、あの眼鏡の女についてだ。
彼女のことは知っている。確か忌夢とかいう名前の、両備の元の世界での仲間だ。
本人としては、殺り合いたくはなさそうにしていたが、今回の件があったことで、完全にマスターだと確定してしまった。
(この俺と張り合うとはな……半端な覚悟で勝てる相手じゃねえぞ、アイツは)
右掌を疼かせる、あの鎧の手応えを、覚えている。
最初は完全に抑えたと思ったが、あの黒いサーヴァントは、それでもなお抵抗を示してきた。
力と破壊を司る、牡牛座の黄金聖闘士の握撃を受けて、なおも抜け出そうと張り合ってきたのだ。
恐らくあれは、夕べ戦った、二人のサーヴァントのどちらよりも強い。
腕力だけなら己と互角――あるいは全くのイーブンの勝負も、覚悟しなければならないだろう。
(見極め時だな)
目を覚ました両備は真実を知って、どのように立ち回るのか。
彼女はかつての仲間との戦いに、臨むのか、あるいは避けるのか。
そう遠くないはずの目覚めが、このマスターの器をはかる、最大のタイミングとなるだろう。
剛力無双のハービンジャーは、しかし今は息を潜めて、静かにその時を待っていた。
【F-2/自然保護区・両備の家/一日目 午前(放送直前)】
【両備@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】
[状態]気絶、魔力残量3割
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]秘伝忍法書、財布
[所持金]やや貧乏(学生の小遣い程度)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、聖杯を手に入れる
1.………
2.復讐を果たすこと、忌夢と戦うことに迷い
[備考]
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』の噂を聞きました
※忌夢が本物であるかどうか、図りかねています。また、忌夢の家が特級住宅街にはないことを調べています
【キーパー(ハービンジャー)@聖闘士星矢Ω】
[状態]ダメージ(小)
[装備]『牡牛座の黄金聖衣(タウラスクロス)』
[道具]なし
[所持金]スナイパーライフル
[思考・状況]
基本行動方針:両備について行き、共に戦う
1.両備が目を覚ましたら、忌夢の正体を明かす
2.メンター(=高町なのは)を横取りした忌夢を許さない。次に会ったら倒す
3.両備の迷いに対して懸念
4.黒い鎧のサーヴァント(=呀)を警戒
[備考]
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』の噂を聞きました
※忌夢が黒い鎧のサーヴァント(=呀)のマスターであると知りました
----
|BACK||NEXT|
|[[ホライズン]]|[[投下順>本編目次投下順]]|-|
|-|[[時系列順>本編目次時系列順]]|-|
|BACK|登場キャラ|NEXT|
|[[不屈]]|[[忌夢]]|-|
|~|バーサーカー([[呀]])|-|
|~|[[両備]]|-|
|~|キーパー([[ハービンジャー]])|-|
*刻まれるカウント ◆nig7QPL25k
例の通り魔の目撃証言は、ほとんどが夜に集中している。
当然だ。日本の東京に比べればだいぶ田舎だが、それでも白昼堂々人を襲って、全くバレないような土地ではない。
故に忌夢は、一夜明けた朝を、大学の図書室で過ごしていた。
(ゼイラムに、衝撃ゴウライガン……何だこれは)
ぱらぱらと本をめくりながら、呆れ顔でため息をつく。
自らのサーヴァントについての情報を、もう少し調べてみようと思ったのだが、それがこの有様だ。
魔戒騎士などという存在の資料は、本棚には一冊も見つからない。
それらしいものを集めてみても、載っているのは見当違いの名前だ。
(ムーンセルとかいうのが、こいつらの世界について知っているのなら)
その情報を何らかの形で、提供する義務があるのではないか。
英霊の真名を知ることが、アドバンテージになるのなら、それに付随する情報は、きちんと開示するべきではないのか。
これでは通り魔のヒントも、得られるかどうか怪しいかもしれない。
街に出よう。もはやここで油を売るよりも、敵を探すことの方が急務だ。
そう考えると、忌夢は席を立ち、本を抱えて歩きだした。
元あった本棚へと戻し、踵を返す。そのまま棚と棚の間を進み、外へと出ようとした瞬間。
「――お前だな。夕べ白いサーヴァントを狙ったのは」
声が、背後から響いた。
闇の奥底から響く、獣の唸りのような声だった。
ぞくり――と背中に怖気が走る。
襲いかかったプレッシャーに、体をびくりと震わせる。
一瞬の驚愕と戦慄を受け止め、何者かの存在を背後に意識し、意を決して視線をそちらへ向けた。
そこに立っていたのは、一人の男だ。
鋭い傷の刻まれた隻眼で、忌夢を高みから見下ろす、筋骨隆々とした大男だ。
ただの人間では、ない。マスターとなった彼女の視覚は、キーパーという未知のクラスの名を、その姿と共に認識している。
「何の用だ」
間違いなく、こいつはサーヴァントだ。
にもかかわらず、倒すべき敵である自分に対して、この男は攻撃を仕掛けてこなかった。
そこには何の意図がある。忌夢は睨みと共に問いかける。
「あの女は俺の獲物だった。次こそケリを着けてやろうと、そう思っていたその矢先に、お前が割り込んできた。
だから文句の一つでも、言ってやろうと思ってよ」
「ハ……あんな奴を取り逃がした程度の男が、偉そうに。お前も同じ所に送ってやろうか」
キーパーの返事に、更に挑発で返した、瞬間。
びゅんっ――と吹いた剣風が、顔のすぐ横をすり抜けた。
突き出された刃と腕は、黒い。
忌夢の傍らに現れたそれが、視線の先の存在目掛けて、剣を鋭く突き出したのだ。
標的は門番の名を冠する大男。
攻撃を仕掛けたのはバーサーカー・呀だ。
「俺もそうしてぇのはヤマヤマだが、あいにくとそうもいかなくってな。だから今回は挨拶だけだ」
されども、男は沈黙しない。
漆黒の切っ先は男の体を、刺し貫いていなかったからだ。
キーパーは呀の黒い篭手を、その右手でがっちりと掴んでいる。
突きを繰り出される瞬間、その懐へと潜り込み、剣を振るう腕を封じ込めたのだ。
「次だ。次にお前と会った時には、この俺が容赦なくブチのめす」
せいぜい首を洗って待っていろと。
鋭くひと睨みをくれると、来訪者は身を霊体に変え、たちどころにその気配を消した。
右手を解放された呀は、剣と共に、その手を戻す。
「奴を追え、マスター。あれは俺が斬る」
「どう探せっていうんだ、まったく」
要求にツッコミを入れると、忌夢は呀に命令し、目立つ姿を霊体化させた。
それからやや間を置いて、一呼吸すると、ようやくその場から離れる。
軽んじた発言をしてみたが、あれはかなりの強敵のはずだ。
スペックで他より優位に立つ、バーサーカークラスの力と速さに、真っ向から対抗してみせた。
であれば、直接刃を交える時には、相応の覚悟が必要だろう。
(課題は山積みか)
あの男、ただの荒くれ者ではない。
射竦められた忌夢が感じたのは、呀に対して抱いたそれと、同等の畏怖の感情だ。
得体の知れない狂気とは違う。であれば、敵であればこそ向けられた、殺意か。
予選で戦ったような雑魚や、たまたま戦いに持ち込むことなく倒せた、夕べの敵の時とは違う。
英霊と真っ向から向き合い、戦うというのは、こういうことなのだ。
行く先に立ち込める暗雲の深さに、忌夢は改めて、気を引き締めた。
【D-5/学術地区・魔術大学・図書室/一日目 午前】
【忌夢@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】
[状態]健康
[令呪]残り三画
[装備]如意棒
[道具]秘伝忍法書、外出鞄、財布
[所持金]普通
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、聖杯を雅緋に捧げる
1.街に出て、敵マスターを探す。キーパー(=ハービンジャー)のマスターも知っておきたい
2.夜になったら、また街を出歩き、『魔術礼装を持った通り魔』を誘き出す
3.呀には極力そのままで戦わせる。いざという時には、装着して戦う
4.そこらのNPCでは、呀を使いこなせないらしい。無理に代わりの体を探すことはしない
5.呀を再び纏うことに、強い恐れ
[備考]
※特級住宅街以外のどこかで暮らしています。詳細な家の位置は、後続の書き手さんにお任せします
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』『姿の見えない戦闘音(=高町なのは)』の噂を聞きました。
後者の主がなのはであることには気付いていません。
※両備が本物であること、キーパー(=ハービンジャー)のマスターであることに気付いていません
※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。罪歌を受けなかったため、その特性には気付いていません
※魔術大学の図書室に、サーヴァントとなった英霊に関する書籍が、置かれていないことに気づきました
【バーサーカー(呀)@牙狼-GARO-】
[状態]健康、魔力増(一般人の魂二つ分)
[装備]魔戒剣、暗黒斬
[道具]なし
[所持金]なし
[思考・状況]
基本行動方針:聖杯を手に入れる
1.戦う
2.キーパー(=ハービンジャー)と戦いたい
[備考]
※殺人鬼ハリウッドの一人を倒しました。罪歌を受けなかったため、その特性には気付いていません
◆
暢気な。
いやむしろ、貧弱と言うべきか。
何しろ両備は好き好んで、朝寝坊をしているわけではない。
それは彼女の姉だという、NPCの二人の女が、寄ってたかって起こしに来ても、全くの無反応であったことからも分かる。
夕べの戦いで、魔力を大量に搾り取られ、衰弱しきったマスターは、未だ眠りについていた。
駆けつけた医者は、栄養剤を注射した後、あとは安静にしておくようにとだけ言って立ち去っている。
緊急入院などということにならなかったのは、聖杯戦争的には、幸いと言えるかもしれない。
(あるいはルーラー連中が、そう意図して動かしたのかもしれねぇな)
戦いを妨げるファクターを、NPCの操作によって、避けているのかもしれない。
大学の図書室から帰還し、ベッドで眠る両備を見ながら、ハービンジャーはそう思考した。
(しかし、これでアイツはクロか)
であれば、考えるべきは別の用件だ。
先ほど挨拶をしてきた、あの眼鏡の女についてだ。
彼女のことは知っている。確か忌夢とかいう名前の、両備の元の世界での仲間だ。
本人としては、殺り合いたくはなさそうにしていたが、今回の件があったことで、完全にマスターだと確定してしまった。
(この俺と張り合うとはな……半端な覚悟で勝てる相手じゃねえぞ、アイツは)
右掌を疼かせる、あの鎧の手応えを、覚えている。
最初は完全に抑えたと思ったが、あの黒いサーヴァントは、それでもなお抵抗を示してきた。
力と破壊を司る、牡牛座の黄金聖闘士の握撃を受けて、なおも抜け出そうと張り合ってきたのだ。
恐らくあれは、夕べ戦った、二人のサーヴァントのどちらよりも強い。
腕力だけなら己と互角――あるいは全くのイーブンの勝負も、覚悟しなければならないだろう。
(見極め時だな)
目を覚ました両備は真実を知って、どのように立ち回るのか。
彼女はかつての仲間との戦いに、臨むのか、あるいは避けるのか。
そう遠くないはずの目覚めが、このマスターの器をはかる、最大のタイミングとなるだろう。
剛力無双のハービンジャーは、しかし今は息を潜めて、静かにその時を待っていた。
【F-2/自然保護区・両備の家/一日目 午前(放送直前)】
【両備@閃乱カグラ SHINOVI VERSUS -少女達の証明-】
[状態]気絶、魔力残量3割
[令呪]残り三画
[装備]なし
[道具]秘伝忍法書、財布
[所持金]やや貧乏(学生の小遣い程度)
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、聖杯を手に入れる
1.………
2.復讐を果たすこと、忌夢と戦うことに迷い
[備考]
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』の噂を聞きました
※忌夢が本物であるかどうか、図りかねています。また、忌夢の家が特級住宅街にはないことを調べています
【キーパー(ハービンジャー)@聖闘士星矢Ω】
[状態]ダメージ(小)
[装備]『牡牛座の黄金聖衣(タウラスクロス)』
[道具]なし
[所持金]スナイパーライフル
[思考・状況]
基本行動方針:両備について行き、共に戦う
1.両備が目を覚ましたら、忌夢の正体を明かす
2.メンター(=高町なのは)を横取りした忌夢を許さない。次に会ったら倒す
3.両備の迷いに対して懸念
4.黒い鎧のサーヴァント(=呀)を警戒
[備考]
※『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』の噂を聞きました
※忌夢が黒い鎧のサーヴァント(=呀)のマスターであると知りました
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