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森の向こうに目が潜む」(2016/04/04 (月) 22:48:31) の最新版変更点

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**森の向こうに目が潜む ◆nig7QPL25k 「この街は豊富な魔力資源と文献が揃った、理想的な研究拠点だと聞いていた。だがどうやら、その認識を、改めなければならないようだな」  ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。  九代続く名門の生まれで、聞くところによると、かの時計塔の十二学部を統括する、君主(ロード)と呼ばれる学部長の一人なのだそうだ。  そんな大人物が講義を放り出して、こんな所にまで訪れた理由など、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランの知るところではない。  魔術師が魔術都市に来たのだ。おおかたこの土地が、研究に向いていただとか、そういう理由なのだろう。 「行政地区での二度の出火事件、礼装を持った殺人鬼による通り魔事件。  私の仮屋のすぐ近くでも、大規模な爆発事件が起きている。大きな噂にはなっていないが、魔力の消失現象まで起きたと聞くぞ」  それも全てがここ数日のうちにだ。  爆発と火災に関しては、全て同日に起きたというではないか。  この街の治安はどうなっているのだと、言外にケイネスは問いかけてくる。 「全て、我々の不徳の致すところです」 「よく理解しているな」  想定通りの返答だ。  あるいは、それが聞きたかった、というところか。  そんな気配を隠そうともしない、ロード・エルメロイの振る舞いに対して、アニエスは内心で苛立ちを覚える。  軍の力不足という認識は確かに正しい。だが、物にも言いようがあるではないかと。 「何にせよ、せめて私の滞在中くらいは、きちんと働いてもらわねばならんな。  わざわざこの魔術師の街で、魔術の心得を持たぬお前達に、仕事が与えられている意味を、理解してもらいたいものだ」  嫌味ったらしくそう締めくくると、ケイネスはその場を離れ、かつかつと廊下を歩いていった。 (だから魔術師は嫌いだ)  内心でアニエスは吐き捨てる。  わざわざ魔術師の街に暮らしているのだ。最初はそんな風に思うこともなかった。  しかしここで仕事をしていくうちに、魔術師どもの傲慢にあてられ、それを嫌悪するようになっていった。  今日自分達の上司と面会し、それを終えここで出会ったケイネスという男は、その中でも格別の男だった。 (私の上司も魔術師ではないのだと、奴に教えてやるべきだったか)  そこまで考えて、無駄だと悟る。  きっとあの男は、それを知っているからこそ、この司令部に乗り込んできたのだろう。  相手が魔術師ではないからこそ、こういう強気な行動に出られた。堂々と文句を言うことができたのだ。  魔術都市ユグドラシルの治安維持を担う、軍隊の最高責任者――キング・ブラッドレイ司令官に対して。 ◆ 「――確かに受け取った」  ご苦労だったなと労いながら、アニエスの提出した報告書を、キング・ブラッドレイは受け取った。  部下の死の報を受けてから、今の今までに行った捜査のまとめだ。  結局この形にまとまるまでに、まる一晩寝ずに働く羽目になってしまった。  きっとミシェルを弔う暇も、当分は得られないのだろう。 「この一晩の間に、ユグドラシルのほぼ全域で、何らかの騒動が発生しています……一体何が起きているのでしょう」 「それを調べて食い止めることが、我々に課せられた役割というものだ」  私に聞かれても答えは出せんよと、ブラッドレイは苦笑しながら返す。  私に聞いている暇があれば、自力で調べよということだ。  正論である。もちろん尋ねたアニエス自身も、もとよりそのことは理解していた。 「人為的な事件であるなら、間違いなく犯人が存在する。そして今後も、犯行を繰り返す可能性があるな」 「ただちに各所にて検問を行い、容疑者を炙り出します」 「ならばいくつか、確認してもらいたいことがある」  検問を行うというアニエスの言葉に、ブラッドレイは注文をつけた。  第一に、通る者の手足を確認し、異常がないか見てほしいというのだそうだ。  この街には礼装で人に斬りかかり、被害者を操る通り魔がいる、という噂がある。  その斬られた痕が残っていないか、確かめてほしいというのだ。 「噂を真に受けるのですか?」 「信憑性のある噂だ。現に君の部下も、尋常ならざる術によって、その命を奪われている」 「似た通り魔の存在を、否定することはできない、と」 「状況が状況だ。疑わしきは全て調べ上げる。それくらいでなければ追いつかんよ」  僅かに顔を暗くしながら、アニエスはブラッドレイの言葉を受け取る。  毅然とした女性だが、親しい者の死に平然としていられるほど、冷酷な女というわけではない。  仕事に支障をきたすつもりはない。しかしそこまではいかずとも、やはり今ミシェルの名を出されると、弱い。 「それともう一つ。探してもらいたい者がいる」  と、そこでブラッドレイは、自分の机の引き出しを開けた。  取り出されたのは、女性の写真だ。  アニエスより一つか二つほど若いだろうか。ピンク色のロングヘアーが、ひどく印象に残る女性だった。 「マリア・カデンツァヴナ・イヴという役人だ。何でも、行政地区の火災以来、行方が分かっていないらしい」 「火事に巻き込まれて、行方不明になったということですか?」 「いや。彼女のアパートは焼けてはおらん。全く無事なまま、住民だけが、行方をくらませたのだそうだ」  そういう報告を受けている、とブラッドレイは言う。 「つまり、被害者ではなく……」 「容疑者だ。見つけ次第身柄を確保し、取り調べを行うように」  念のため私にも、連絡を入れてもらおうと、ブラッドレイはそう締めくくった。 ◆ 《いい口実が見つかったな》  霊体化したアルバート・W・ワイリーは、自らのマスターに語りかける。  軍を動員してのマスター探しは、以前より考えていた手ではあった。  しかし特に理由もなしに、そういった行動を取ったのであれば、周囲に警戒や疑念を持たれてしまう。  軍を動かせる人間が、マスターの中にいるのだと、自ら触れ回っているようなものだ。  そこにもっともらしい理由が生まれたのは、渡りに船というものだった。  当然だが、行方不明者マリア・カデンツァヴナ・イヴの報告など、ブラッドレイは受けていない。  彼女にまつわる写真や資料も、全て自分で取り寄せさせたものだ。 《最悪、マリアでなくともよい。誰かしら他のマスターが、網にかかることもあるだろう》 《そしてそれを襲うのも、自分ではなくナンバーズにやらせると?》 《一山いくらの凡夫であればな》  全員を相手にしてもおれんと。  司令室の窓から街を見下ろし、キング・ブラッドレイは言う。  憤怒のラースの目的は、人間と心ゆくまで戦い、その有り様に触れることだ。  されどその中には、何の面白みもない人間が、何かの間違いで生き延びて、名を連ねてしまっているかもしれない。  少なくとも、マリア・カデンツァヴナ・イヴの戦闘技量に限って言えば、彼にとっては期待外れだった。  それだけが人間の全てではないことは、無論重々理解しているが。 《これは言わば選別だ。私に刃を抜かせるに足る、その器こそを探し出す》  真に強き者であるなら、サーヴァントですらない使い魔ごときに、敗れることはないだろうと。  この試練を突破した者にこそ、憤怒のラースが命を賭して、挑む価値があるのだと。 《それはそれで気に食わん話だが》 《お主とて、心を持たぬ今のナンバーズが、完全であるとは思うまい?》  ブラッドレイの問いかけに、ワイリーはううむと唸るしかなかった。  『DWN(ドクター・ワイリー・ナンバーズ)』は、本来単なる戦闘兵器ではなく、心を持ったロボットであった。  しかし今のワイリーに生み出せるのは、その思考回路を大幅に簡略化させた、心ない兵器でしかない。  その程度の劣化した存在を、完全なナンバーズであると断言するのは、ワイリーのプライドが許せなかった。  それは自らの技量と、そして元のナンバーズ達に対する愛着の、双方があってこその不満だ。 《まぁ、ひとまずは、部下達の報告を待つとしよう》  とはいえそのあたりの話は、実際にターゲットが見つからないことには進まない。  そうやってブラッドレイは会話を締めくくると、再び机へとついて、黙々と作業に戻った。 (………)  その脇で息を殺す第三者には、遂に気付かないままに。 【G-8/行政地区・軍司令部・司令官室/1日目 午前】 【憤怒のラース(キング・ブラッドレイ)@鋼の錬金術師】 [状態] 健康 [令呪]残り三画 [装備] 刀×4 [道具] なし [所持金] 裕福 [思考・状況] 基本行動方針:ホムンクルスとして、人間と心行くまで戦う 1.検問の結果を待つ 2.マスターが発見された場合は、ナンバーズを派兵して様子を見る。直接戦うに足る相手であると分かれば、自ら出向く。 [備考] ※G-4にある豪邸に暮らしています ※マリア・カデンツァヴナ・イヴがマスターであると知りました 【クリエイター(アルバート・W・ワイリー)@ロックマンシリーズ】 [状態] 健康 [装備] なし [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:世界征服のために聖杯を狙う 1.検問の結果を待つ 2.マスターが発見された場合は、ナンバーズを派兵して様子を見る 3.マリア・カデンツァヴナ・イヴの戦闘能力に興味 [備考] ※マリア・カデンツァヴナ・イヴがマスターであると知りました ◆  気配遮断ランク・D。  サーヴァントとしての気配を断ち、身を隠す力を示すスキルだ。  自らを暗殺者と名乗るには、そのDランクという数値は、あまりにも低すぎるものだった。  何せ攻撃態勢に入れば、殺気を隠しきれなくなる。  それでできるのは隠れんぼだけだ。いざ殺してやるぞと思った瞬間に、相手に気取られてしまうようでは、アサシンなどとても務まらない。 《――とまぁ、だいたいそんな感じだな。事のあらましは》  できることといえばこうやって、どこか拠点に忍び込んで、情報を入手してこれることくらいだ。  もっともそれすらも、今のキリトにとっては、貴重な成果ではあったのだが。 《キング・ブラッドレイにマスター疑惑……か》  軍司令部に程近い喫茶店で、コーヒーを口に運びながら、ヘルマン・ルイスの念話に応じる。  朝起きた時に気付いたのは、街が騒がしいということだった。  どうやらせっかちなマスター達が、早くも大規模なドンパチを始めて、街の話題をさらっていたらしい。  今後の方針を決めるため、情報を収集したかったが、あいにくとこの街にはインターネットがない。  そこでヘルマンの力を当てにして、この手の情報が一番出入りするであろう、軍司令部に密偵として放ったのだ。  忍び込むことに限れば、ヘルマンは優秀なスパイである。霊体化し気配をも消せば、誰にも彼を捉えられない。  たとえキリト達が知り得ない、魔眼の使い手が相手だとしてもだ。 《俺はマリアって嬢ちゃんの情報を受け取ったあたりから、司令室の様子を見てたんだがな。  あれはアニエスちゃんに言ったように、部下から報告されてきたものじゃない。自分で手配させたものだ》  ろくに会話もしたことない女性に、いきなりちゃん付けをするのもどうなのだろうか。  そのツッコミは浮かんだものの、この場合重要ではなかったので、無視した。 《部下の報告よりも早く、火災の容疑者を知っていた……》 《無論、目的は放火魔を探すことじゃない。  恐らくその火災の正体は、サーヴァント同士の戦闘の余波……マリアちゃんは、そのどちらかのマスターだったんだろう》 《検問を提案した、アニエスの方がマスターって可能性は?》 《そりゃ考えられなくもないが、これといった証拠がないな》  今は疑う必要はないだろうと、ヘルマンはキリトに対して言う。 《軍に追われるマスターか》 《相手はマリアちゃんだけじゃない。名も知らない全てのマスターを探し、炙り出すためのマスター狩りだ》  またこんな目に遭うとはな、とヘルマンが言った。 《また?》 《魔女狩りって言葉は聞いたことあるか?》  それはキリトも知っている。  悪しき魔術で人を害する、魔女を討伐するという名目で行われた、異端者の大量虐殺のことだ。  その魔女狩りに遭った者達が、どういう理由で異端だったのかは、現在では解釈が分かれている。  アンチキリストの異教徒とも、単に教義に反する行為を行った者とも、本当に魔女のようなまじない師であったとも言われている。 《俺達魔戒騎士や魔戒法師は、かつてそういう目に遭ったことがある。  騎士を邪魔者だと思った奴に、権力を盾に好き放題されて、仲間を随分と殺されたのさ》  魔戒法師の称号を剥奪され、野に棄てられた法師・メンドーサ。  やがてまじないによって王族に取り入り、表の社会に溶け込んだ彼は、自らの異端技術を駆使して、世界を支配しようと目論んだ。  彼はその対抗勢力となりうる、魔戒騎士や魔戒法師を、魔女と称して処刑させたのだ。  そう語るヘルマン・ルイスの声は、いつにもなく暗く、真面目なものだった。  当事者であるヘルマンにとって、その魔女狩りの記憶とは、恐らくはとてつもなく重い意味を持つのだ。 《……それでも、人を守ることは、やめなかったんだな》  だが、そうした裏切りを受けてなお、恐らくヘルマンの心は揺るがなかった。  魔女狩りを生き延び人生すら終え、それでもなお魔戒騎士を名乗っている。  それは人間に裏切られ、絶望した者にはできないことだ。 《そりゃそうだろ。街の人らも兵士ですらも、俺達の正体が何者なのか、知らずに魔女狩りを進めてたんだから》 《それで片付けられる問題なのか?》 《片付けるしかないのさ。人も悪い奴らばかりじゃない。  仮に俺らを襲った連中が、その正体を知っててそうしたとしても、俺は魔戒騎士をやり続けてただろうな》  仮に彼らが本心から、自分達を敵視したとしても、それは人類の総意ではない。  人々の中には、ホラーに襲われ、助けを求めている者も大勢いる。  魔戒騎士を拒絶するのではなく、魔戒騎士を求める人間の数も、同等以上に存在するのだ。  たとえ自分達を守った者が、誰なのか知ることもなくとも。  たとえ口にした助けを求める声を、誰に向けるべきなのかすら知らずとも。 《……あんたのこと、少し分かったような気がするよ》  話を聞いたキリトの感想が、それだ。  どうしようもないスケベ男だが、ヘルマン・ルイスはその点に関しては、揺るぎも迷いもない男だった。  数々の悪癖を帳消しにする、その守りし者としての決意の強さが、彼を絶影騎士たらしめていたのだ。  一度はとんでもないくじを引いたと思ったが、さすがに英霊の一人として、名を連ねるだけのことはあるようだ。 《そりゃどーも》  少し照れくさそうに笑う、ヘルマンの念話が聞こえてきた。 《さて……それで、これからどうする? いつまでもこんな所で、一服してるってわけにもいかねぇだろ?》 《もちろん、動くさ。まずは奴らに追われてる、マリアさんって人を探してみる》  言いながら、キリトは残ったコーヒーを、ぐいっと全て飲み込んだ。  それなりに長居していた席だ。ホットで出された飲み物も、すぐ流し込めるくらいには冷めていた。 《会ってどうする?》 《サーヴァント二人がかりなら、昨日見た、塔の結界も破れるかもしれない。  どうせ街に居場所はないんだ。だったら外に出てみないかって、誘ってみるよ》  交換条件、というやつだ。  まずはマリア・カデンツァヴナ・イヴと合流し、軍や諸々からの追及を逃れるため、精一杯の助けをすると持ちかける。  そしてその見返りに、自分達に協力するよう、お願いするというわけだ。  弱みに漬け込んでいるようで良い気はしないが、なにせ戦う相手が大きすぎる。  聖杯という巨大な敵を相手取るには、仲間は多いに越したことはない。であれば、頼れそうな相手は頼るべきだ。 「ごちそうさま」  伝票をカウンターの店員に渡し、代金とお礼の言葉を贈る。  こそこそと嗅ぎ回るのはこれで終わりだ。この魔術都市を脱出するため、これからは自ら動く時だ。  喫茶店を後にすると、キリトは気持ちをぐっと引き締め、戦場への一歩を踏み出した。 【G-8/行政地区/1日目 午前】 【キリト(桐ヶ谷和人)@ソードアート・オンライン】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]光剣カゲミツG4、Five-seveN(21/20+1)、財布 [所持金]やや貧乏(学生の小遣い程度) [思考・状況] 基本行動方針:世界樹から脱出し、元の世界へ帰る方法を探す 1.マリア・カデンツァヴナ・イヴを探し、協力を求める 2.マリアと協力関係が結べたら、街の外にある塔を調べに行く 3.向かってくる敵とは戦うが、自分からはあまり戦いを仕掛けたくない [備考] ※キング・ブラッドレイおよびマリア・カデンツァヴナ・イヴが、マスターではないかと考えています。  アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランに対しても、可能性くらいはあるかもしれないと考えています。 ※軍が検問を行おうとしていることを知りました 【アサシン(ヘルマン・ルイス)@牙狼-GARO- 炎の刻印】 [状態]健康 [装備]魔戒剣×2 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターを守って戦う 1.マリア・カデンツァヴナ・イヴを探し、協力を求める 2.マリアと協力関係が結べたら、街の外にある塔を調べに行く [備考] ※キング・ブラッドレイおよびマリア・カデンツァヴナ・イヴが、マスターではないかと考えています。  アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランに対しても、可能性くらいはあるかもしれないと考えています。 ※軍が検問を行おうとしていることを知りました [全体の備考] ※『DWN(ドクター・ワイリー・ナンバーズ)』ターボマンおよびフロストマンの修復が完了しました ※数時間以内に、ユグドラシル市内全域に、検問所が設置されます。  身分や荷物のチェックのほか、『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』に襲われていないかどうかを確認するため、  簡単なボディチェックが行われることになっています。  令呪が発見された場合には、身体的特徴として、記録されることになります。  (一般兵士は令呪の存在を知らないため、書類上は、普通の「赤い刺青」として処理されます) ※マリア・カデンツァヴナ・イヴが、行政地区火災事件の容疑者として捜索されています ---- |BACK||NEXT| |[[百機夜行]]|[[投下順>本編目次投下順]]|-| |-|[[時系列順>本編目次時系列順]]|-| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[この手の刃は光れども]]|[[憤怒のラース]]|-| |~|クリエイター([[アルバート・W・ワイリー]])|-| |[[カーテン・コール]]|[[キリト]]|-| |~|アサシン([[ヘルマン・ルイス]])|-|
**森の向こうに目が潜む ◆nig7QPL25k 「この街は豊富な魔力資源と文献が揃った、理想的な研究拠点だと聞いていた。だがどうやら、その認識を、改めなければならないようだな」  ケイネス・エルメロイ・アーチボルト。  九代続く名門の生まれで、聞くところによると、かの時計塔の十二学部を統括する、君主(ロード)と呼ばれる学部長の一人なのだそうだ。  そんな大人物が講義を放り出して、こんな所にまで訪れた理由など、アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランの知るところではない。  魔術師が魔術都市に来たのだ。おおかたこの土地が、研究に向いていただとか、そういう理由なのだろう。 「行政地区での二度の出火事件、礼装を持った殺人鬼による通り魔事件。  私の仮屋のすぐ近くでも、大規模な爆発事件が起きている。大きな噂にはなっていないが、魔力の消失現象まで起きたと聞くぞ」  それも全てがここ数日のうちにだ。  爆発と火災に関しては、全て同日に起きたというではないか。  この街の治安はどうなっているのだと、言外にケイネスは問いかけてくる。 「全て、我々の不徳の致すところです」 「よく理解しているな」  想定通りの返答だ。  あるいは、それが聞きたかった、というところか。  そんな気配を隠そうともしない、ロード・エルメロイの振る舞いに対して、アニエスは内心で苛立ちを覚える。  軍の力不足という認識は確かに正しい。だが、物にも言いようがあるではないかと。 「何にせよ、せめて私の滞在中くらいは、きちんと働いてもらわねばならんな。  わざわざこの魔術師の街で、魔術の心得を持たぬお前達に、仕事が与えられている意味を、理解してもらいたいものだ」  嫌味ったらしくそう締めくくると、ケイネスはその場を離れ、かつかつと廊下を歩いていった。 (だから魔術師は嫌いだ)  内心でアニエスは吐き捨てる。  わざわざ魔術師の街に暮らしているのだ。最初はそんな風に思うこともなかった。  しかしここで仕事をしていくうちに、魔術師どもの傲慢にあてられ、それを嫌悪するようになっていった。  今日自分達の上司と面会し、それを終えここで出会ったケイネスという男は、その中でも格別の男だった。 (私の上司も魔術師ではないのだと、奴に教えてやるべきだったか)  そこまで考えて、無駄だと悟る。  きっとあの男は、それを知っているからこそ、この司令部に乗り込んできたのだろう。  相手が魔術師ではないからこそ、こういう強気な行動に出られた。堂々と文句を言うことができたのだ。  魔術都市ユグドラシルの治安維持を担う、軍隊の最高責任者――キング・ブラッドレイ司令官に対して。 ◆ 「――確かに受け取った」  ご苦労だったなと労いながら、アニエスの提出した報告書を、キング・ブラッドレイは受け取った。  部下の死の報を受けてから、今の今までに行った捜査のまとめだ。  結局この形にまとまるまでに、まる一晩寝ずに働く羽目になってしまった。  きっとミシェルを弔う暇も、当分は得られないのだろう。 「この一晩の間に、ユグドラシルのほぼ全域で、何らかの騒動が発生しています……一体何が起きているのでしょう」 「それを調べて食い止めることが、我々に課せられた役割というものだ」  私に聞かれても答えは出せんよと、ブラッドレイは苦笑しながら返す。  私に聞いている暇があれば、自力で調べよということだ。  正論である。もちろん尋ねたアニエス自身も、もとよりそのことは理解していた。 「人為的な事件であるなら、間違いなく犯人が存在する。そして今後も、犯行を繰り返す可能性があるな」 「ただちに各所にて検問を行い、容疑者を炙り出します」 「ならばいくつか、確認してもらいたいことがある」  検問を行うというアニエスの言葉に、ブラッドレイは注文をつけた。  第一に、通る者の手足を確認し、異常がないか見てほしいというのだそうだ。  この街には礼装で人に斬りかかり、被害者を操る通り魔がいる、という噂がある。  その斬られた痕が残っていないか、確かめてほしいというのだ。 「噂を真に受けるのですか?」 「信憑性のある噂だ。現に君の部下も、尋常ならざる術によって、その命を奪われている」 「似た通り魔の存在を、否定することはできない、と」 「状況が状況だ。疑わしきは全て調べ上げる。それくらいでなければ追いつかんよ」  僅かに顔を暗くしながら、アニエスはブラッドレイの言葉を受け取る。  毅然とした女性だが、親しい者の死に平然としていられるほど、冷酷な女というわけではない。  仕事に支障をきたすつもりはない。しかしそこまではいかずとも、やはり今ミシェルの名を出されると、弱い。 「それともう一つ。探してもらいたい者がいる」  と、そこでブラッドレイは、自分の机の引き出しを開けた。  取り出されたのは、女性の写真だ。  アニエスより一つか二つほど若いだろうか。ピンク色のロングヘアーが、ひどく印象に残る女性だった。 「マリア・カデンツァヴナ・イヴという役人だ。何でも、行政地区の火災以来、行方が分かっていないらしい」 「火事に巻き込まれて、行方不明になったということですか?」 「いや。彼女のアパートは焼けてはおらん。全く無事なまま、住民だけが、行方をくらませたのだそうだ」  そういう報告を受けている、とブラッドレイは言う。 「つまり、被害者ではなく……」 「容疑者だ。見つけ次第身柄を確保し、取り調べを行うように」  念のため私にも、連絡を入れてもらおうと、ブラッドレイはそう締めくくった。 ◆ 《いい口実が見つかったな》  霊体化したアルバート・W・ワイリーは、自らのマスターに語りかける。  軍を動員してのマスター探しは、以前より考えていた手ではあった。  しかし特に理由もなしに、そういった行動を取ったのであれば、周囲に警戒や疑念を持たれてしまう。  軍を動かせる人間が、マスターの中にいるのだと、自ら触れ回っているようなものだ。  そこにもっともらしい理由が生まれたのは、渡りに船というものだった。  当然だが、行方不明者マリア・カデンツァヴナ・イヴの報告など、ブラッドレイは受けていない。  彼女にまつわる写真や資料も、全て自分で取り寄せさせたものだ。 《最悪、マリアでなくともよい。誰かしら他のマスターが、網にかかることもあるだろう》 《そしてそれを襲うのも、自分ではなくナンバーズにやらせると?》 《一山いくらの凡夫であればな》  全員を相手にしてもおれんと。  司令室の窓から街を見下ろし、キング・ブラッドレイは言う。  憤怒のラースの目的は、人間と心ゆくまで戦い、その有り様に触れることだ。  されどその中には、何の面白みもない人間が、何かの間違いで生き延びて、名を連ねてしまっているかもしれない。  少なくとも、マリア・カデンツァヴナ・イヴの戦闘技量に限って言えば、彼にとっては期待外れだった。  それだけが人間の全てではないことは、無論重々理解しているが。 《これは言わば選別だ。私に刃を抜かせるに足る、その器こそを探し出す》  真に強き者であるなら、サーヴァントですらない使い魔ごときに、敗れることはないだろうと。  この試練を突破した者にこそ、憤怒のラースが命を賭して、挑む価値があるのだと。 《それはそれで気に食わん話だが》 《お主とて、心を持たぬ今のナンバーズが、完全であるとは思うまい?》  ブラッドレイの問いかけに、ワイリーはううむと唸るしかなかった。  『DWN(ドクター・ワイリー・ナンバーズ)』は、本来単なる戦闘兵器ではなく、心を持ったロボットであった。  しかし今のワイリーに生み出せるのは、その思考回路を大幅に簡略化させた、心ない兵器でしかない。  その程度の劣化した存在を、完全なナンバーズであると断言するのは、ワイリーのプライドが許せなかった。  それは自らの技量と、そして元のナンバーズ達に対する愛着の、双方があってこその不満だ。 《まぁ、ひとまずは、部下達の報告を待つとしよう》  とはいえそのあたりの話は、実際にターゲットが見つからないことには進まない。  そうやってブラッドレイは会話を締めくくると、再び机へとついて、黙々と作業に戻った。 (………)  その脇で息を殺す第三者には、遂に気付かないままに。 【G-8/行政地区・軍司令部・司令官室/1日目 午前】 【憤怒のラース(キング・ブラッドレイ)@鋼の錬金術師】 [状態] 健康 [令呪]残り三画 [装備] 刀×4 [道具] なし [所持金] 裕福 [思考・状況] 基本行動方針:ホムンクルスとして、人間と心行くまで戦う 1.検問の結果を待つ 2.マスターが発見された場合は、ナンバーズを派兵して様子を見る。直接戦うに足る相手であると分かれば、自ら出向く。 [備考] ※G-4にある豪邸に暮らしています ※マリア・カデンツァヴナ・イヴがマスターであると知りました 【クリエイター(アルバート・W・ワイリー)@ロックマンシリーズ】 [状態] 健康 [装備] なし [道具] なし [所持金] なし [思考・状況] 基本行動方針:世界征服のために聖杯を狙う 1.検問の結果を待つ 2.マスターが発見された場合は、ナンバーズを派兵して様子を見る 3.マリア・カデンツァヴナ・イヴの戦闘能力に興味 [備考] ※マリア・カデンツァヴナ・イヴがマスターであると知りました ◆  気配遮断ランク・D。  サーヴァントとしての気配を断ち、身を隠す力を示すスキルだ。  自らを暗殺者と名乗るには、そのDランクという数値は、あまりにも低すぎるものだった。  何せ攻撃態勢に入れば、殺気を隠しきれなくなる。  それでできるのは隠れんぼだけだ。いざ殺してやるぞと思った瞬間に、相手に気取られてしまうようでは、アサシンなどとても務まらない。 《――とまぁ、だいたいそんな感じだな。事のあらましは》  できることといえばこうやって、どこか拠点に忍び込んで、情報を入手してこれることくらいだ。  もっともそれすらも、今のキリトにとっては、貴重な成果ではあったのだが。 《キング・ブラッドレイにマスター疑惑……か》  軍司令部に程近い喫茶店で、コーヒーを口に運びながら、ヘルマン・ルイスの念話に応じる。  朝起きた時に気付いたのは、街が騒がしいということだった。  どうやらせっかちなマスター達が、早くも大規模なドンパチを始めて、街の話題をさらっていたらしい。  今後の方針を決めるため、情報を収集したかったが、あいにくとこの街にはインターネットがない。  そこでヘルマンの力を当てにして、この手の情報が一番出入りするであろう、軍司令部に密偵として放ったのだ。  忍び込むことに限れば、ヘルマンは優秀なスパイである。霊体化し気配をも消せば、誰にも彼を捉えられない。  たとえキリト達が知り得ない、魔眼の使い手が相手だとしてもだ。 《俺はマリアって嬢ちゃんの情報を受け取ったあたりから、司令室の様子を見てたんだがな。  あれはアニエスちゃんに言ったように、部下から報告されてきたものじゃない。自分で手配させたものだ》  ろくに会話もしたことない女性に、いきなりちゃん付けをするのもどうなのだろうか。  そのツッコミは浮かんだものの、この場合重要ではなかったので、無視した。 《部下の報告よりも早く、火災の容疑者を知っていた……》 《無論、目的は放火魔を探すことじゃない。  恐らくその火災の正体は、サーヴァント同士の戦闘の余波……マリアちゃんは、そのどちらかのマスターだったんだろう》 《検問を提案した、アニエスの方がマスターって可能性は?》 《そりゃ考えられなくもないが、これといった証拠がないな》  今は疑う必要はないだろうと、ヘルマンはキリトに対して言う。 《軍に追われるマスターか》 《相手はマリアちゃんだけじゃない。名も知らない全てのマスターを探し、炙り出すためのマスター狩りだ》  またこんな目に遭うとはな、とヘルマンが言った。 《また?》 《魔女狩りって言葉は聞いたことあるか?》  それはキリトも知っている。  悪しき魔術で人を害する、魔女を討伐するという名目で行われた、異端者の大量虐殺のことだ。  その魔女狩りに遭った者達が、どういう理由で異端だったのかは、現在では解釈が分かれている。  アンチキリストの異教徒とも、単に教義に反する行為を行った者とも、本当に魔女のようなまじない師であったとも言われている。 《俺達魔戒騎士や魔戒法師は、かつてそういう目に遭ったことがある。  騎士を邪魔者だと思った奴に、権力を盾に好き放題されて、仲間を随分と殺されたのさ》  魔戒法師の称号を剥奪され、野に棄てられた法師・メンドーサ。  やがてまじないによって王族に取り入り、表の社会に溶け込んだ彼は、自らの異端技術を駆使して、世界を支配しようと目論んだ。  彼はその対抗勢力となりうる、魔戒騎士や魔戒法師を、魔女と称して処刑させたのだ。  そう語るヘルマン・ルイスの声は、いつにもなく暗く、真面目なものだった。  当事者であるヘルマンにとって、その魔女狩りの記憶とは、恐らくはとてつもなく重い意味を持つのだ。 《……それでも、人を守ることは、やめなかったんだな》  だが、そうした裏切りを受けてなお、恐らくヘルマンの心は揺るがなかった。  魔女狩りを生き延び人生すら終え、それでもなお魔戒騎士を名乗っている。  それは人間に裏切られ、絶望した者にはできないことだ。 《そりゃそうだろ。街の人らも兵士ですらも、俺達の正体が何者なのか、知らずに魔女狩りを進めてたんだから》 《それで片付けられる問題なのか?》 《片付けるしかないのさ。人も悪い奴らばかりじゃない。  仮に俺らを襲った連中が、その正体を知っててそうしたとしても、俺は魔戒騎士をやり続けてただろうな》  仮に彼らが本心から、自分達を敵視したとしても、それは人類の総意ではない。  人々の中には、ホラーに襲われ、助けを求めている者も大勢いる。  魔戒騎士を拒絶するのではなく、魔戒騎士を求める人間の数も、同等以上に存在するのだ。  たとえ自分達を守った者が、誰なのか知ることもなくとも。  たとえ口にした助けを求める声を、誰に向けるべきなのかすら知らずとも。 《……あんたのこと、少し分かったような気がするよ》  話を聞いたキリトの感想が、それだ。  どうしようもないスケベ男だが、ヘルマン・ルイスはその点に関しては、揺るぎも迷いもない男だった。  数々の悪癖を帳消しにする、その守りし者としての決意の強さが、彼を絶影騎士たらしめていたのだ。  一度はとんでもないくじを引いたと思ったが、さすがに英霊の一人として、名を連ねるだけのことはあるようだ。 《そりゃどーも》  少し照れくさそうに笑う、ヘルマンの念話が聞こえてきた。 《さて……それで、これからどうする? いつまでもこんな所で、一服してるってわけにもいかねぇだろ?》 《もちろん、動くさ。まずは奴らに追われてる、マリアさんって人を探してみる》  言いながら、キリトは残ったコーヒーを、ぐいっと全て飲み込んだ。  それなりに長居していた席だ。ホットで出された飲み物も、すぐ流し込めるくらいには冷めていた。 《会ってどうする?》 《サーヴァント二人がかりなら、昨日見た、塔の結界も破れるかもしれない。  どうせ街に居場所はないんだ。だったら外に出てみないかって、誘ってみるよ》  交換条件、というやつだ。  まずはマリア・カデンツァヴナ・イヴと合流し、軍や諸々からの追及を逃れるため、精一杯の助けをすると持ちかける。  そしてその見返りに、自分達に協力するよう、お願いするというわけだ。  弱みに漬け込んでいるようで良い気はしないが、なにせ戦う相手が大きすぎる。  聖杯という巨大な敵を相手取るには、仲間は多いに越したことはない。であれば、頼れそうな相手は頼るべきだ。 「ごちそうさま」  伝票をカウンターの店員に渡し、代金とお礼の言葉を贈る。  こそこそと嗅ぎ回るのはこれで終わりだ。この魔術都市を脱出するため、これからは自ら動く時だ。  喫茶店を後にすると、キリトは気持ちをぐっと引き締め、戦場への一歩を踏み出した。 【G-8/行政地区/1日目 午前】 【キリト(桐ヶ谷和人)@ソードアート・オンライン】 [状態]健康 [令呪]残り三画 [装備]なし [道具]光剣カゲミツG4、Five-seveN(21/20+1)、財布 [所持金]やや貧乏(学生の小遣い程度) [思考・状況] 基本行動方針:世界樹から脱出し、元の世界へ帰る方法を探す 1.マリア・カデンツァヴナ・イヴを探し、協力を求める 2.マリアと協力関係が結べたら、街の外にある塔を調べに行く 3.向かってくる敵とは戦うが、自分からはあまり戦いを仕掛けたくない [備考] ※キング・ブラッドレイおよびマリア・カデンツァヴナ・イヴが、マスターではないかと考えています。  アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランに対しても、可能性くらいはあるかもしれないと考えています。 ※軍が検問を行おうとしていることを知りました 【アサシン(ヘルマン・ルイス)@牙狼-GARO- 炎の刻印】 [状態]健康 [装備]魔戒剣×2 [道具]なし [所持金]なし [思考・状況] 基本行動方針:マスターを守って戦う 1.マリア・カデンツァヴナ・イヴを探し、協力を求める 2.マリアと協力関係が結べたら、街の外にある塔を調べに行く [備考] ※キング・ブラッドレイおよびマリア・カデンツァヴナ・イヴが、マスターではないかと考えています。  アニエス・シュヴァリエ・ド・ミランに対しても、可能性くらいはあるかもしれないと考えています。 ※軍が検問を行おうとしていることを知りました [全体の備考] ※『DWN(ドクター・ワイリー・ナンバーズ)』ターボマンおよびフロストマンの修復が完了しました ※数時間以内に、ユグドラシル市内全域に、検問所が設置されます。  身分や荷物のチェックのほか、『魔術礼装を持った通り魔(=鯨木かさね)』に襲われていないかどうかを確認するため、  簡単なボディチェックが行われることになっています。  令呪が発見された場合には、身体的特徴として、記録されることになります。  (一般兵士は令呪の存在を知らないため、書類上は、普通の「赤い刺青」として処理されます) ※マリア・カデンツァヴナ・イヴが、行政地区火災事件の容疑者として捜索されています ---- |BACK||NEXT| |[[百機夜行]]|[[投下順>本編目次投下順]]|-| |-|[[時系列順>本編目次時系列順]]|-| |BACK|登場キャラ|NEXT| |[[この手の刃は光れども]]|[[憤怒のラース]]|[[恋は盲目、愛は鷹の眼]]| |~|クリエイター([[アルバート・W・ワイリー]])|~| |[[カーテン・コール]]|[[キリト]]|-| 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