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第三話 テラワロース

寺杷の娘カナミは、呆気にとられて工事風景を見ていた。
我が家の隣に、突然ACガレージが建設される事になったのだ。
これほどビックリしたのは、ソコにあると知らなかった肥溜めに落ちた時以来、、いや、それ以上かもしれなかった。

「おとうさん、、これは?」
父は何も言わず、牛の乳をしぼりつづけていた。
自分が尋ねても何も答えない時は、父はどうしても語らないので、
カナミは諦めて自分の部屋に戻った。

カナミは自分の部屋に戻り、
ベッドに飛び乗り父の買ってきたダサくデカいぬいぐるみに寄りかかりつつ、考えた。
「ACって、レイヴンの乗るロボットだよね、、。世界最強っていう、、。まさか!!」
カンが働いたカナミは、すぐに父のしようとしている事に気づき、部屋を飛び出て父のもとへ向かった。

「おとうさん!レイヴンなんてやめなよ!!」
ぎょっとした目で娘を見る寺杷。
だがしかし、すぐ別の方を向き、仕事の続きをする。
「牧場が経営できなくなるからって、レイヴンなんてやめて!
 私もう、よけいな新しい服買ってなんて言わないから。
 牧場の匂いがつくからって、一日に何回もシャワーあびるのもやめるから!
 お菓子買うのもやめて、いっぱいお金も節約するから、だから危ない事はやめて!」
寺杷は、大泣きの娘を見て、こう言った。
『お父さんは、今日から最強のレイヴンを、牧場の守備に雇うんだ。』
カナミはそれを聞いて、また考えた。そして、こう言った。
「え、じゃあ あのガレージは?」
『お父さんが雇ったレイヴンのACを置くためのガレージだよ。
 近くにACが無いと守れないだろう?牧場を。』
カナミは、父の言っている事を理解した。レイヴンが住み込みで、牧場を守るのだと。
「でも、レイヴンを雇うのはお金が大変だって、言ってたじゃない、、。」
『それがね、そのレイヴンはACの維持費と朝昼晩の食事をくれるだけで、良いって言ってくれたんだ。』
「ふ~ん、、。でも、良かったね。良い人がいて。信用できるの?」
『もちろんさ。』
父が戦うわけじゃないんだと思ったのと、父のいつもの笑顔を見て、カナミは安心した。

『(すまん、カナミ、、。お父さんがそのレイヴンなんだよ、、。)』

娘は、いつもの調子に戻り、寺杷にたずねた。
「ねぇ、そのレイヴン、カッコイイ?」
『あ、あぁ。カッコイイ、、、と、思う。』
「思う?」
『カッコイイさ!』
「ふ~ん、、。楽しみぃー。」
娘がかなり期待してそうなので、寺杷はこう付け加えた。
『だが彼はシャイだから、我々の前に姿を見せないんだ!』
「そ、そうなんだ、、。」
残念そうにしている娘を見て、少し胸が痛んだが、自分だという事を明かす事はできない。

「ねぇ、ACは?もうガレージの中にあるの?」
娘が聞いた。ACを見てみたいのだろう。
寺杷は少し自慢げそうに言った。
『ふふ、、あるさ、、見て驚くなよ。』
寺杷は娘をつれ、工事中のACガレージの中に入った。


「なんかデヴだね。」
『デヴっていうな!』
「なんで おとうさんが怒るの?」
たしかにデヴだ。だがこんなACでも、牧場のために一日中レイヴンズ・アークのテスト場にこもり、
少ない予算からどうにかして牧場守備に最適だと思われるACを組んだつもりだった。
「この子、名前はなんていうの?」
『へ、名前?』
「うん、名前。レイヴン達は、皆ACに名前をつけるんだよ?」
そんな事は知らなかった。ずっとACと呼んでいた。
自分の知らない事を娘が知っているとは、娘も大きくなったものだと少し関心した。
『、、、テラワロース。』
寺杷は、とりあえず思いついた名前を娘に言った。
「ださいよ!というより、なんでウチの商品名なの?!」
『う、うーんと、レイヴンに宣伝も依頼したからだよ。』
「変なのー。」
さすがに一瞬あわてたが、なんとかごまかせた。

「ま、よろしくね、テラワロースくん!」
ペンペン、とカナミはACを叩くと、夕飯を作る、との事で、家に走って戻っていった。
寺杷とACだけがガレージに残り、寺杷は一言、ACに言った。

『よろしくな、期待しているぞ。テラワロースくん!』

ペンペン、とACを叩くと、寺杷は牧場の牛達の様子を見に行ったのだった、、、。

                                                        続く
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