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「明日は3月14日か・・・」
「隊長、どうかしましたか?」
エヴァンジェの漏らした声にトロットが反応する。
「3月14日ってあれか、ホワイトデーだな?」
「ああ、ゴードンの言うとおりだ。」
「ホワイトデー・・・バレンタインのお返しの日・・・」
トロットは考え込んでいる。
「そう、バレンタインのお返しの日だ。各自思い当たる節はあるはずだ、わかるな?」
エヴァンジェはそう言いながらトロットとゴードンの顔に視点を交互に移す。
「そういえばバレンタインデーにプリンシパルからチョコをもらったな・・・」
「ありゃどう見てもその辺で買ってきたチョコだったが、うまかったぜ?」
どうやらこの2人も思い出したようだと感じたエヴァンジェは続ける。
「つまり明日までに我々が何をすればいいか、言わなくてもわかるな?」
エヴァンジェのその言葉にトロットとゴードンは無言でうなずき、無言で各自の準備に入った。
ジャウザーは最初からその場にはいなかった。

「ホワイトデーのお返しはキャンディーやマシュマロが一般的なようだが・・・」
自室に移ったエヴァンジェは1人で考え込んでいた。
何をすればいいかはわかっている。
しかしそれを行動に移すことはできない。
アライアンス戦術部隊のトップがお菓子を買いにいくというのは恥ずかしかったのだ。
「甘いものなら、何でもいいんだろうな?」
鏡に映った自分自身に問いかける。
「うん、いいよな。これでいいよな・・・」
自問自答しながらエヴァンジェはお返しのプレゼントのラッピングを始めた。

「バレンタインデーのお返し?どうすればいいんだ・・・」
エヴァンジェの前ではわかったようにうなずいたが、トロットは何をすればいいかわかっていなかった。
調べてみるとマシュマロやキャンディーを返すらしい。
幸いにもトロットの部屋にはお菓子が大量に置いてあった。
自分専用のお菓子箱の中を漁っているうちに、あるお菓子に目がいった。
「普通のじゃつまらないだろうし、これでいいよな・・・」
プリンシパルがこのお菓子を食べたときどんな顔をするだろう、ラッピングしながらトロットは考えた。

「ホワイトデーなぁ・・・」
ゴードンはどうすればいいかわかっていた。
しかしゴードン自身は甘いものを好まないため、どのようなチョイスが正しいのかわからなかった。
「下手に嫌いなものプレゼントしたら嫌われるよな?」
お菓子を見繕いに買い物にいくという選択肢もあるが、何を選べばいいかわからないため却下だ。
お返しのお菓子を作ることなど論外だ。ゴードンにそんなスキルはない。
「仕方ねぇ、これで我慢してもらうか・・・」
ラッピング用のリボンを買ってきて、冷蔵庫から出したプレゼントにぎこちなく結いつけた。

「ふう、これでいいか。」
ジャウザーは自室に篭ってプレゼントの用意に力を入れていた。
プリンシパルがわざわざチョコを用意してくれたのだ。
ちゃんとお返しも相応のものを用意しなければいけないと思って念入りに準備をしていたのだ。。
「あとはこれをラッピングすれば完成、と。」
丁寧にラッピングして体裁を整える。

「はぁー、眠い。」
プリンシパルがまぶたをこすりながら自室を出ると、部屋の前に何かが置いてあった。
「何これ?」
無造作にしゃがみこんで見てみると、プレゼント用にラッピングされたものが5個。
まず目に付くのはリボンがつけられた缶コーヒー。
一緒についていた紙にはこう書いてある。
"バレンタインのお返しだ。 ゴールディ・ゴードン"
「何でこんなプレゼントなのよ、私コーヒー嫌いなのに!」
そう言いながらも缶コーヒーを開けて飲む。
「あ、甘くておいしい・・・」
思ったよりおいしかったコーヒーをちびちび飲みながら次のプレゼントを見てみる。
丁寧にラッピングされた小箱。
添えられた手紙にはこう書いてある。
"チョコのお返しだ。おいしかったよ。 エヴァンジェ"
ラッピングを解いてみると市販されているムーンライトクッキーだった。
「まあ、隊長らしいといえばらしいかな?」
おいしいクッキーを食べながら次のプレゼントを見る。
エヴァンジェのものより丁寧にラッピングされたさらに小さな小箱。
やはり手紙が添えられている。
"ホワイトデーということで用意したが、気に入ってもらえるといいが・・・・ トロット・S・スパー"
ラッピングを解いて箱を開けてみると飴玉が数個。
「外と中のバランスぐらい考えようよね。」
独り言を漏らしながら飴玉を口に入れる。
「!?げほっ、げほ・・・」
プレゼントを用意してくれたトロットには申し訳ないが、とても個性的な味わいで食べられなかった。

口直しにクッキーを食べつつコーヒーを飲みつつ、呼吸を整えながら次のプレゼントを手に取る。
トロットのものより丁寧にラッピングされた中くらいの箱。手紙も添えられている。
"バレンタインデーのお礼です。おいしくできたかは心配ですが。 ジャウザー"
開封してみると手作りらしいキャンディーが入っている。
「あら・・・」
適当に買ってプレゼントしただけのチョコにここまでされると少し申し訳なくなった。
キャンディーを1口に運ぶと、何か甘い。
「がんばって作ったのね。」
極端に甘いキャンディーではあったが、ジャウザーが熱心にこれを作ったと考えるとかわいかった。
甘いキャンディーを舌で転がしながら最後のプレゼントを見てみるが、不思議なプレゼントだった。
一番大きな箱でラッピングも丁寧だが、差出人に覚えがない。
"バレンタインデーありがとうございました。 モリ・カドル"
「間違い、かなぁ・・・」
モリにチョコを渡した覚えはないのだ。
不思議に思いながらも開けてみると市販のギフト用キャンディー詰め合わせだ。
「まあ、どうせならもらっちゃうかな。」
そう言いながらプリンシパルは全てのプレゼントを抱えて部屋に運んでいった。
その光景を、モリにチョコをプリンシパル名義で送った管制室の女性職員がニヤニヤ影から見ていた。

~fin~





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