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1話


  ・ 253 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 辺り一面に広がる黒煙。
 一方的な暴力により、この街の支配者、住民、全てが失われた。


 ……もしかしたら、まだ生きている人間も居るのかもしれない。
 だが、それを助けるには備えも無かった上に急だった。

 仮に生き残ったとしても
 汚染された大地に根を生やす術を持たない人間は、生き延びることはできない。
 現状の世界では、汚染された世界で生き残る術を持つ、強い人間だけが生き残れるのだ。


 まるで、この大地が人間を篩いにかけてる、そんな印象すら覚える。


 そんなことを思いながら機体の計器類を弄って――


ξ゚⊿゚)ξ「――ねえ、聞こえてる?」


   ・ 254 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 ハッ、と意識が覚醒した。
 慌ててモニターに目をやると、そこに黒煙は立ち上っていない。
 むしろ、火の手すら上がることのない海上だった。


 戦場に赴く身にも関わらず寝ていた事に気づく。
 しかも、よりによってコイツのACヘリで寝てしまった。

 そう考えていたところに、間髪を入れず声が入ってくる。


ξ゚⊿゚)ξ「……寝息が聞こえてたんだけど、アンタ寝てたわよね?」

( ;^ω^)「い、いや寝てないお? ちょっと昔を思い出してただけで……」


   ・ 258 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 言い訳をしようとしたところで、衝撃音と共にACへ強い振動が伝わってくる。
 一発で何の衝撃か分かった。

 計器類を確認しなくても分かる。
 ACを固定する8つのロックを外されたのだ。


ξ#゚⊿゚)ξ「いいのかな―、お姉さん怒っちゃうなぁ
       しっかり理由の説明できない子は、海の藻屑かな―?
       後、6つのロックボタンあるなぁ、押しちゃおうかな!?」

( ;^ω^) 「ちょwwwwwww」


 その後は言わずもがな、全力で謝った。
 謝っている途中でロックをもう一つ外された、泣きそうだった。

 数々の罵声を浴びせられましたが、お父さんお母さん僕は元気です。


   ・ 259 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 1時間後、基地へ帰るとリーダー様からお叱りがあるとの事だった。
 全力で面倒な事になったと思う。


 数年前なら、笑って許してくれただろう。
 だが、今は違う、彼女は変わってしまった


 冷や汗を流しながら司令室へと向かう。
 そして司令室へ入ると、一人の女性が立っていた。

 (*゚ー゚)「どうぞ、腰掛けてください、ブーンさん」

 女性としてなら一級品、数年前なら心も一級品だった。
 彼女の名前はシィ・バッテイ・カーティス。

 かつてシティと呼ばれていた場所の地下で
 代表と呼ばれる男に反抗していた組織のリーダーだ。


   ・ 261 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

(;^ω^)「……すいませんでした」

 だが、先程の事は全くもって彼女の言うとおりだった。
 戦場での油断や慢心は死に繋がる、現にそれが原因で死んだ奴もいる。
 いや、殺したと言った方が適切だったろうか。

(*゚ー゚)「まぁ、私もそこまで鬼ではありません
      ただ言いたい事は『貴方が我々唯一の戦力』だということです
      貴方が死んでしまったら、我々は生活できません」

 確かにその通りだった、自分は数百人の命を背負って生きている。
 これは慢心でも何でもなく、紛れも無い事実だった。

 自分が依頼の成功報酬を半分貰い給料とし
 残り半分をレジスタンス残党が生きる為の金として使う。
 そういう取引で、この組織に協力している。

 もっとも、その他にも金の流れがあるので、自分は協力しているのだが。


   ・ 263 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 半ば呆れた目で自分を見てくるしぃ。
 少しの沈黙が続いた後、再び口を開いた。

(*゚ー゚)「分かって頂けてましたか?」

( ^ω^)「あぁ、分かってる
      雇い続ける限り、ブーンはレジスタンスの味方だお」

 そう、雇い続ける限りだ、自分とレジスタンスの関係なんてその程度の物。
 所詮はミグラント同士、利用し利用されるだけの存在。

(* - ) 「そう、ですか」

 そんなことを言ってみると、彼女の表情は暗くなっている。
 何故だろうか?

( ^ω^)「どうしたんだお?」

(*゚ー゚) 「……いえ、何でもないです
      ところで夢って何を見ていたんです?」


   ・ 264 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 露骨な話題逸らしだった。
 だが、本人が言いたくない話なら、無理に聞く必要はない。
 所詮は雇用主と雇われだ。

 しかし、正直こちらも話したくはない話だった。


( ^ω^)「……シティの時を思い出してたお」


 シティ騒動。
 自分にとって良くも悪くも影響を与えた出来事だった。


2話


  ・ 656 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

――数年前

ビル街に訪れている静寂。
今でも様式美の感じる外観に、かつての繁栄を感じさせている。
ここもかつては街の名前があったのだろう、だが今は名前など意味を成していない。

はるか昔、人々は母なる大地を汚染し、自らの行いで自分達の生存地域を狭めた。
その結果、汚染の比較的少ない地域が生存可能地域と呼ばれるようになった。

この街、名前も忘れ去られ『シティ』とだけ呼ばれている場所もその一つだった。

名前も意味をなさず、ただ生きる為だけに日々を過ごす。
娯楽もなく、一時の休息すら許されない世界。

このような世界に生きる価値などあるのか?

そんな感傷に浸りながら、ビル街に設営されたキャンプを歩いていく。
すると、誰かに呼び止められた。


   ・ 657 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

(^o^)「ぶーんさん、こんにちは」

( ^ω^)「お、パシヘじゃねーかお」

 彼の名前は、パシヘ・ロンダス。
 同時期にAC乗りになった同業者だ。
 何度かMOHの基地で一緒になったことがある。

(^o^)「ぶーんさんもMOHからのいらいで、ここにきたんですか?」

( ^ω^)「ああ、そうだお
      なんか稼げる話がある、って聞いてきたけど……」

 確かにそう聞いてきたのだ、だが未だに依頼主が姿を現していない。
 それでも、依頼を受け来てみるとキャンプが用意されていた。

 到着すると、出迎えてきたのは錚々たる顔ぶれ
 何れも凄腕の傭兵だったのだ。

 が、話を聞いてみると依頼主はまだ来ていないという。
 結局のところ、招集時刻を過ぎても依頼主は姿を現さず
 こうして暇つぶしに散歩をしている状況だ。


   ・ 659 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

(^o^)「いいたいことはわかりますよ
    いらいぬしがあらわれないことがふしぜんです」

( ^ω^)「……その通りだお
      依頼破棄だったら、MOHから連絡が来てもいいころだけど
      連絡が来ない、ってことはそういうことなんだろうお」

 双方どちらかの依頼破棄が来ない限り契約は続く。
 少なくとも雇い主は、依頼を続けるつもりはあるということなのだろう。
  _
( ゚∀゚)「あ―、テステス
     聞こえるか、傭兵共ぉ」

 不意に近くにあるスピーカーから声が流れた。
 中年男性だろうか、いい加減な声調で話している。
  _
( ゚∀゚)「反応的にどうやら聞こえてるみたいだな?
     よ―し、作戦概要を話すからキャンプの食堂にでも集まってくれ」

 男の声が途切れる。
 思わずパシヘと顔を見合わせてしまう。
 招集時刻へ遅れたことへの弁解も無し、ただ驚いた。


   ・ 662 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

(;^o^)「……だいじょうぶなんでしょうか」

(;^ω^)「……分からんお」

 正直、こんなにいい加減な依頼主だとは思ってなかった。
 招集時刻は無視、いい加減な声調、そして言動。
 かつてこれ程までに依頼を降りたいと思ったことはなかっただろう。

 だが、受けてしまったからには仕方がない。
 依頼を断るのは傭兵の信頼に関わる、すなわちMOHのランク付け査定にも引っかかる。
 MOHのランク付けで、Cより下へ落ちることは傭兵としての死に等しい。

 依頼破棄、そして敗走。
 これらは傭兵にとって許されないことだ。

 (;^ω^)「とりあえず行く、かお……」

 重たい足取りでキャンプへと向かう。
 この時は只々、依頼主がせめて戦術眼のある人間であるようにと祈っていた。


   ・ 664 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 数分後、食堂に到着すると招集をかけられた傭兵達が集まっていた。
 どうやら大型モニターの前に集まっているようだ。
  _
( ゚∀゚)「初めましてだなぁ、傭兵諸君
      俺は企業実働部隊の主任、ジョルジュ長岡だ」

 会場が騒がしくなる、恐らく『企業』という単語のせいだろう。

 企業、それはMOHと並ぶ大規模なミグラント組織。
 多くの兵力を保有しているが、メンバーの名前すら知られていない
 実態の掴めない組織としてMOHすら迂闊に手を出していない組織だ。

 だが、会場のザワつきすら気にも止めずジョルジュは話を進める
  _
( ゚∀゚)「今回の依頼主はシティ代表となっているが、戦線指揮は代表から我々に委任された
     傭兵諸君は我々の指揮下に入ってもらうことになる。」

 会場が静まり返る。
 企業の人間が戦線指揮、恐らく初めてのことだろう。
 その場に居た全ての人間が驚きの目をしていた。
  _
( ゚∀゚)「沈黙は反対意見がないと取らせてもらおう
     では、作戦開始は今夜だ
     諸君の奮起に期待させてもらう」

 その言葉を最後にモニターから光は失われた。


   ・ 665 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 ――数時間後

 サイレンが鳴り響いた。
 すべての傭兵がACに乗り込み自分の機体を起動し始める。

 自分も機体を起動し始めると、いきなり画面に女性の顔が現れた。

川 ゚ -゚)「こんばんは皆様、
     今回の作戦補佐を担当させて頂くクール・ドーリーです
     以後、お見知りおきを」

 整った顔立ち、美人だった。
 落ち着き、そして透き通った声。
 オペレーターに適任な女性だと素直に思った。

川 ゚ -゚)「では、作戦の概要を説明させて頂きます
     敵はシティ地下に追いやられた――」

 淡々と説明していくクール。
 どこか機械的で冷たさも感じる。
 だが、今はどうでもいい、戦場に集中するべきだ。


   ・ 669 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 依頼の内容はこうだ。
 敵は地下のレジスタンス組織、シティ代表の元腹心が組織したそうだ。
 シティに来たのは、初めてだったので全く知らなかったが
 地下には虐げられた人々が居るらしい。

 シティは行政機関もあり、しっかり機能している。
 だが、生活能力の無い人間は地下に落とされ、戸籍を消される。
 つまり、存在しない人間が地下に放り込まれているのだ。

 今回の依頼は、その地下の人々が不満を爆発させ
 レジスタンスと名乗り、行政区を攻めるということらしい。
 体良く言うなら反攻作戦、悪く言えばテロといったところだろう。

 何故、シティ代表の腹心がそんな組織を作ったのか分からない
 理由はしらない、だがそんなことは自分に関係は無いのだ。

 この大地では弱い人間が死に、強いものが生きる。
 ただ、それだけだ。


   ・ 673 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

( ^ω^)「……了解した
      ブーン・クラークは依頼を正式許諾させてもらうお」

 自分は、今日を生きる為に傭兵になった。
 この世界では、誰もが生きる為に戦っている。
 戦いに地下からの開放などと大義名分を求めるなどナンセンスだ。

川 ゚ -゚)「了解しました、それではACヘリにどうぞ」

 憤りすら感じる、何が地下からの開放だ。
 地下で生活していれば、外界からの敵に狙われることはない。
 物資の強奪がくる危険すらない。

 お前たちは地下から偶に出て、上から物資を奪ってくるだけでいいんだ。
 そんな恵まれた環境で不満を訴えるなど温すぎる。

(  ω )(教えてやるお、外に出るということがどういうことかを)

 そんなことを考えている間に、ゆっくりとヘリに機体を連結されていく。
 戦場へと出る時が来た。
 わざわざ外へ出てくる必要がない事を教えてやる時が。


   ・ 674 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 離陸し、飛んでいく。
 ヘリが戦場へと近づいていく。

川 ゚ -゚)「既に先行している傭兵達が交戦を開始しています
      投下後、すぐに戦闘へ参加を」

 了解、と言い放つと同時にロックが解除され、ACが投下される。

 心の中で繰り返す。
 やってやる、やってやるさ。
 分からせてやる、必ず、絶対に。

 戦場へと赴く覚悟は出来た。






 そして――


( `ω´)「ブーン・クラーク!!
      出撃するお!!」


 ――ACが戦場へと着地した。


3話


  ・ 486 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

( `ω´)「ブーン・クラーク!!
      出撃するお!!」

 戦闘は既に始まっている。
 敵味方の識別信号が入り乱れている辺り、どうやら敵はゲリラ戦をしているようだ。

 オペレーターから敵の種別が送られてきた。
 大部分を戦車が占めており、その中に防衛型SHCHIT、航空機HAWKが確認されている。

 馬鹿だ、馬鹿すぎる。
 こんな武装で企業や代表と戦うなど愚の骨頂だ。

川 ゚ -゚)「敵は市街東部に展開しています
     このまま北東側から侵攻し、相手を追い込みます
     別部隊も南東から行きます、その後一斉に叩いてください」

( `ω´)「了解!!」


・ 487 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 到着位置からそのまま南下していくと、戦車と防衛型の混成部隊が現れた。
 この程度の敵、スキャンをせずとも乗り切れる。

 (#^ω^)「……邪魔だお」

 先頭に立つ戦車をライフルで打ち抜き、すかさず防衛型と交差するように飛び越える。
 盾を構え、蹴りに対する迎撃態勢を取っていた、
 防衛型は意表を突かれたように、急いで後ろを向こうとした。

 だが、時はすでに遅い。
 こちらに向き直る、既のところでACは防衛型を蹴り貫いていた。

 戦車隊はこちらを向き砲撃をしてくるが、弾は何一つ当たらない。
 ACの機動力に弾の速度が追いつかないのだ。

( ^ω^)「地下なら汚染も少ないのに、わざわざ出てくるから悪いんだお
      お前達は地下で幸せに暮らしてれば良かったのに」


  ・ 489 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 戦車隊を蹴散らしていく。
 弱い、弱すぎる。

 時折、航空機が援軍に現れ、ミサイルを撃っていくが跳弾していく。
 ACに通常兵器が勝てる道理はない。

 この程度で対抗しようというのか、笑わせるにも程があった。
 せめて防衛型を10機持って来いと心の中で思う。

 そんなことを考えて戦っている間に
 敵の援軍部隊も含め、敵は全滅していた。

( ^ω^)(……とりあえず、全体を見渡すか)

 そう思い、ビルの壁を蹴り、上に登る。
 登り切って辺りを見渡すと遠くに派手な光が見えた。

(;^ω^)「なんだお、あれ……」


  ・ 489 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 戦車隊を蹴散らしていく。
 弱い、弱すぎる。

 時折、航空機が援軍に現れ、ミサイルを撃っていくが跳弾していく。
 ACに通常兵器が勝てる道理はない。

 この程度で対抗しようというのか、笑わせるにも程があった。
 せめて防衛型を10機持って来いと心の中で思う。

 そんなことを考えて戦っている間に
 敵の援軍部隊も含め、敵は全滅していた。

( ^ω^)(……とりあえず、全体を見渡すか)

 そう思い、ビルの壁を蹴り、上に登る。
 登り切って辺りを見渡すと遠くに派手な光が見えた。

(;^ω^)「なんだお、あれ……」

  ・ 491 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 遠くに見えた光の正体はACのハイブーストだった。
 だが、見てみると異次元な機動をしているのがしっかりと分かる。

 壁を横蹴りにし、ハイブーストを吹かす、これを繰り返す。
 単純な作業に見えるが高度な技術だ。
 壁を蹴り、飛び回りながら、相手を捕捉し続けるのは技術がいる

 さらにそのACは上を自由に飛び回り、旋回戦も加えながら相手を撃ち抜いていく。
 ACより下に居て対応できるはずもなく、相手はただやられるだけだった。

 その上、よく見てみると相手もAC。
 相手も壁蹴りを駆使して、健闘しているが弾がまったく当たっていない。

 翻弄している相手の機体は重量二脚、されている相手は軽量二脚
 ビル街で圧倒的有利な軽量二脚がこのザマだ。

 これ程の不利をひっくり返している、重量二脚の搭乗者。
 一体、どれほどの使い手だというのだろうか。

 数秒後、決着はすぐについた。
 相手を倒し終えた重量二脚がこちらを向いてくる、どうやら気づいていたようだ。


・ 495 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 思わず身構えてしまう。
 識別信号は味方。

 それでも、あんな動きを見せられれば
 誰だって味方でも身構えてしまうだろう。

 するといきなりモニターに顔が表示された。
 重量二脚の搭乗者からの通信だ。
  _
( ゚∀゚)「なぁんだ、テメーか、こっちを見てたのは」

 通信画面に表示されたのはジョルジュの顔。
 あの、いい加減な男が重量二脚の搭乗者だったとは驚いた。

(;^ω^)「……あの重量二脚、あんただったのかお」
  _
( ゚∀゚)「ああ、俺だよ
     だがしかし、思ったよりも時間を掛けちまった
     ビル街はやっぱ苦手だなぁ?」

 相変わらず、ふざけた言動だ。
 だが、言っていることが恐ろしい。
 重量二脚であそこまでの機動戦をしていた、にも関わらず不得意だと語る。


  ・ 498 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 企業の人間が普通であるとは思っていなかったが
 これ程までに、常識を逸脱した人間だとは思っていなかった。

 いや、人間ではない…… バケモノだ
  _
( ゚∀゚)「あ、そうそう
     お前の情報も見させてもらったぜ?
     依頼完遂率100%のルーキー君」

( ;^ω^)「……数える程しか行ってなければ
      そりゃ依頼完遂率も100%にもなるお」
  _
( *゚∀゚)「ギャハハハハ!! 謙遜するなよ、ルーキー!!
     戦場で生き残るのは立派な能力だぁ!!
     俺なんて機体を20以上は潰してるぞ!?」

 恐らく、褒めているのだろう。
 それでも先程の戦闘を見せられると、褒められている気がしなかった。

  ・ 499 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 そんなことを思っていると、小話をするか、とジョルジュが口を開く。
  _
( ゚∀゚)「実は今回、俺が傭兵を選別したんだよ
     色々なヤツを選んだ、撃破率の高い奴、平均的な奴
     本当に色々だ」
  _
( ゚∀゚)「俺はそんな奴らから、可能性を見たいと思っている」

 急に真面目な声調になって緊張した。
 あんないい加減な男がこんな声を出すとは思っていなかった。

( ^ω^)「……可能性?」
  _
( ゚∀゚)「ああ、お前たちには期待させてもらうぜ
     結局のところ、今回も失敗――」

 音声が急に途切れてしまった。
 すると、今度は別の人間の顔が表示される。

川 ゚ -゚)「依頼中ですので、私語は謹んでください
     作戦の内容に変更がありましたので連絡致します」

・ 502 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]


川 ゚ -゚)「内容を伝達します
     敵が予定通り、市街西部に撤退しました
     相手が瓦解するのも時間の問題です」

川 ゚ -゚)「そこで、貴方は市街西部へ移動し
     撤退する敵を叩いてください、作戦の伝達は以上です」

 言い終わると女性の顔が画面から消える。
 敵の追撃戦を始めるようだ。

 そのままグラインドブーストを吹かし、市街西部へと向かう。

川 ゚ -゚)「市街西部へは、そのまま真っ直ぐです
     戦闘は既に始まっています、急いで――」

ミ,,゚Д゚彡「――ドーリー君、私だ
      主任はどこにいる?
      前線から抜けているようだが」

 男が通信に割り込んでくる。
 どうやら、シティ代表部隊の人間のようだ。

・ 505 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

川 ゚ -゚)「申し訳ございません、警備隊長殿
     あの方は少々きまぐれでして」

ミ,,゚Д゚彡「……代表は期待を裏切られる事を、何よりもお嫌いになる
      一度たりとも、代表の期待を裏切ることはあってはならない」

 小さい男だ、と思った
 ただ自分が責任を負いたくないと言っているように聞こえる。

川 ゚ -゚)「お言葉ですが隊長殿、我々は企業です
     対価に見合うだけの結果は提供致します」

 クールが少しバカにした口調で再び喋りだす。

川 ゚ -゚)「なので、お立場の心配はご不要かと?」

 思わず笑いが溢れてしまった。
 人形のような顔をしている割に人間的な事も言えるのか。

ミ#゚Д゚彡「……小賢しい女は好かんな」

川 ゚ -゚)「恐れ入ります」

 怒り心頭といったところだろう。
 なかなか面白い男だ。


・ 506 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

ミ#゚Д゚彡「……そこのキサマ、何を笑っている!!」

 今度はこちらに絡んできた。
 どうやら、自分はまだ笑ってしまっていたらしい。

( ^ω^)「申し訳ございませんお
      何分、学がない故に礼儀もしらなくて」

ミ#゚Д゚彡「チッ……
      企業は兵の教育すらろくにできんのか!!
      教育ぐらいしておけ!!」

 モニターから警備隊長の顔が消える。

 本当に面白い男だった。
 今時、あれほどプライドの高い男は見ない物だ。
 あれはあれで稀少なのかもしれない。

川 ゚ -゚)「いなくなったようですね
     それでは、作戦を継続してください」

 モニターからクールの顔も消える――

 ――かと思いきや、再度顔が表示された

川 ゚ -゚)「申し訳ございません、作戦内容をもう一度だけ変更します」


・ 508 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

川 ゚ -゚)「我々が話をしている間に、敵が本格的な撤退を始めました
     敵は、地上装備の戦闘員用脱出ヘリを用意していたようです
     それらをすべて破壊してください」

 脱出用ヘリということは、おそらくは武装の無い輸送ヘリなのだろう。
 かつての戦争では非武装に基づく、人道的ルールがあったらしいが
 今の世界にそんなものはない、武装解除しようと芽は摘まないといけない。

 そんなことを考え、進んでいく。
 出てくるのは通常兵器のみで大した障害にもならない。

( ^ω^)(……安い命だお)

 ヘリを一つ、また一つと破壊していく。
 こんなにも簡単に人の命が奪えるのかと思う。
 数える程しか依頼をこなしていないからか、未だにそんなことを頭に思い浮かべる。

 今までも、自分の周囲でたくさんの人間は死んでいった。
 命の軽さというのは、疾うの昔に分かっていたつもりだ。

 だが、それでも――

( ^ω^)(こんな命って軽くて良いのかお……?)

  ・ 510 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 いや、そんなことを考えても仕方ない。
 戦場は迷った奴から死んでいく。

 分かっているはずなのに考えてしまう。
 未熟者故の感傷、早く捨ててしまいたいと思った。

 そうこうしていると、モニターに敵反応が映る。
 スキャン完了、種別はACだった。

 不意に通信が入る、敵ACの搭乗者からだ。

( ・∀・)「撤退する敵部隊を追い討ちとはな
      なかなかゲスなことをしてくれるじゃないか、企業様は」

( ・∀・)「お前も、監視ヘリの映像で見させてもらったがいい腕をしてる
      これ以上、こちらの脅威になる前に狩らせてもらわないとな」

 言いたい事だけを並べる男。
 自分達が引き起こした自体なのに、自らを正当化しようとしてる事に虫酸が走る。

   ・ 512 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

(#^ω^)「てめえ、勝手なこと抜かしてるんじゃねーお
      お前たち自称レジスタンスが扇動しなければ、無駄に死人は出なかったはずだお」

( ・∀・)「ハッ、お前は所詮雇われだ
      この街の実情を知らないだろう、他人が口を出す話じゃねーな」

 平行線。
 男の声から感じ取れるのは、シティへの憎しみだった。

 それ以外の何かも感じる、だがそれが何かを気にしてる余裕はなかった。

( ・∀・)「まあ、これ以上は平行線だろう
      AC乗りなんかと語り合っても仕方ない」

 ACがビル街の隙間から飛び出してくる。
 背部には見慣れない兵器を装備した
 中量二脚にバトルライフルとパルスマシンガンという機体。

( ・∀・)「これ以上、味方をやらせるわけにはいかない
      お前の相手は俺だ、雇われ」

 構えを作る相手、お互いにはもう戦いしか残されていない。

   ・ 513 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします  [sage]

 背部の見慣れない武装が気掛かりだが、それでもやるしかない。
 恐らくレジスタンス最後のACだろう、これを落とせば全て終わる。

 いい加減、この不毛な戦場は疲れてしまった。
 早く終わらせ、全てを忘れ、また気楽な場所で戦っていたい。


 ( ・∀・)「――それでは、いざ」

 ( #^ω^)「……そういう言葉を着飾って
       戦いに意味を求めるのが不愉快なんだお!!」


 この時はただ、この戦場が終わることだけを考えていた。
 後に待ち受ける戦いのことも知らずに。

4話


( ・∀・)「そーら、しっかり避けてみろよ?」

 ビルの隙間を飛び回りながら、パルスマシンガンを撃ってくる。
 どのような、エネルギー管理をすればあのような動きを出来るのか。
 左腕のバトルライフルもそうだが、KEフレームで固めているこちらには辛い。

( #^ω^)「舐めるな!!」

 こちらも負けじとバトルライフルを撃つ、だが閉所の壁蹴りにより二次ロックが追いつかない。
 戦い方としては相手のほうが上手だった。

 ジリ貧の状態が続いていく、どうすればいいのか焦りも出てきた。

( ・∀・)「さてはお前、依頼まだ数えられる程度しか受けてねえな?
      動きが単純だ」

( #^ω^)「うるせえ!! まだ数回だよ!!」

 相手に話す余裕があるのが悔しい。
 だが、それ程に相手は格上だった。


 相性的にどうすればいいのか分からない。
 こちらもバトルライフルを両腕に持っているが、相手は片手がパルスマシンガンだ。
 相手の安全域は、こちらの危険域でもある。

 勝つ方法を考えなければいけない、どうすれば相手を倒せるのか。
 考えをまとめあげる。

(#^ω^)「……だったら!!」

 相手の上を取る。
 せめて二次ロックを外しつつバトルライフルを撃ちこめば勝機はある。
 だが、相手の上を取っても相手は物ともしない。

( ・∀・)「ほーう、出撃経験が数回程度のルーキーにしては悪くない動きだ
      悪くないし、こちら側に欲しくなるな
      将来は良い成長をしそうではある」

 相手が、だが―― と言いかけたところで銃口がこちらを向く。

( ・∀・)「……将来にこの芽を残す訳にはいかないな、娘の命に関わるかも知れん」

 パルスマシンガンとバトルライフルが同時に飛んでくる。
 必死で横に跳ねるが、パルスマシンガンの二次ロックは誤魔化せない。
 APが3分の1程が消し飛んだ。


( ;^ω^)「クッ……!!」

 汗が額を滴り落ちていく、絶望的な差。
 アセンブルの相性もそうだが、決定的な腕の差があった。

 諦められない、だが決定的な腕の差は埋めようがない。
 生きる為にAC乗りになった、なのに今度こそ死んでしまうのか?

 死にたくない、生きたい。
 諦めたくない、だが諦めが頭を過っていく。

( ω)(これで……終わり?)

 途端に動きが悪くなった気がする、いや気のせいではなかった
 それを察してきたかのように相手が口を開く。

( ・∀・)「……つまらない野郎だ、終わらせてやるよ」

 相手がパルスマシンガンを構え一気に接近してくる。
 恐ろしい程の弾幕、APが削られ、ついに警告音が鳴り響く。


 もう勝ちようがない、死ぬだけだ。
 そう思っていた。

 だが、コックピット内にブザーが鳴り響く。

(^o^)「ぶーんさん!!」

 味方の識別信号、パシヘの機体の信号だった。
 グラインドブーストで近づいてくるパシヘ、相手は気づいていない。

 ついに相手との距離が500m近くまで迫る。
 機体は、既に蹴る体制へ入っていた

( ;・∀・)「リコンに反応……!?
      後ろか!?」

 気づくのが遅かった、それでも相手は悪足掻きにACの姿勢を傾ける。

(#・∀・)「ッ……間に合えぇえええええ!!」

 相手のACが倒れこむ、回避したように見える。
 だが、相手の抵抗虚しく、ACは左腕を付け根から蹴り飛ばされていた。


(;・∀・)「パージする手間が省けた……とはいえ二対一か」

 いきなりの襲撃に意表を突かれた相手AC。
 左腕を無くしたことで、こちら側に形勢が一気に傾いた。

 だが、それよりも何故パシヘがここにいるのか。

(; ω )「パシヘ、どうしてここに……」

(^o^)「たまたまとおりかかっただけですよ
    まあ、ぼくのターゲットはてきぶたいのせんめつだったのでちょうどよかったです
    いっきにかたずけましょう」

 パシヘのACが構えの態勢を取る。
 だが、自分のACは構えの態勢を取ることが出来なかった。

(;^o^)「ブーンさん……?」

(  ω )「ブーンは――」


 ――戦えない、戦えるわけがない。
 相手に遅れをとり、さらに諦めたのだ。

 このような男に戦場に立つ権利があるわけがない。

 だが、パシヘはその考えを切り裂くかのように言葉を飛ばしてきた。

(^o^)「ブーンさん」

(^o^)「まさかせんじょうにいみをもとめてないでしょうね」

(;^ω^)「――ッ!?」

 意図していなかった発言だった。
 確かにその通りだ、戦場に意味を求めることなど無意味だ。
 そして、自分も分かっているつもりだった。

 だが、自分は現に思ってしまった。
 自分に『戦場に立つ権利があるわけがない』などと。


( ^ω^)「……パシヘ、済まなかったお
      おかげで目が覚めた」

(^o^)「かんしゃしなくていいですよ、いつものブーンさんがみたかっただけです」

 自分のACも構えの姿勢を取る。
 気分が晴れた、今なら相手に遅れを取る気がしない。

(;・∀・)「持ち直されちまったか、ただの二対一より辛くなっちまった」

( ^ω^)「未熟さを見せて失礼した、さあ仕切り直しだお」

( ・∀・)「仕方ねーな、こうなったら奥の手を使うしかないな」

 そう言うと背部にある奇妙な装置が動き出す。
 排煙が出始めたと思うと――

( ・∀・)「ほぉら、逃げろ!!」

 ――グライドブーストを使って東へ向かっていった


( ゜ω゜)「ハァアアアアアアアアア!?」

 咄嗟のことで、体が反応出来なかった。
 相手のスピードは早く、驚く間も無く、遥か遠くへ消えていった。

(;^o^)「oh...」

(:^ω^)「ありえねえ……」

 呆然と立ち尽くす二体のAC。
 お互い、どうしていいのか分からなかった。
 するとモニターにジョルジュの顔が表示される。
  _
( ゚∀゚)「お―い、ク―ちゃん、こいつらのこと見てるんだろ?
     応答してくれぃ」

川 ゚ -゚)「なんでしょうか、主任」

 いきなりクールの顔が表示される。
 本当に見ていたことに驚きを隠せない。
  _
( ゚∀゚)「おう、本題だ
     東の地下道に、あのゴミ虫のリーダーが逃げちまってよ
     そこのブーンってルーキーを向かわせてくれ」


(;^ω^)「えっ? なんでブーン?」

 思いがけない指名が入り、驚いた。
 先ほどの長話といい、そんなに自分のことを気に入ってくれているのか。
  _
( ゚∀゚)「俺はお前の可能性を見てみたいんだよ
      見せてみろ、お前の力をな」
  _
( ゚∀゚)「そして、挽回してみせろ、名誉を
      名誉なんて、今はクソ程の意味もない
      だが、負けっ放しは性に合わないだろう?」

 名誉。
 戦いに意味を求めるなんていうのはナンセンスだ。
 だが、言われるとおり、やられっぱなしは性に合わない。

( ^ω^)「まあ、言うとおりだお」

 やってやろう、いいだろう。
 その命令を受けよう。




( ^ω^)「追加報酬、用意して待ってろお?」

 そう言い放ち、東へと向かった。




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