「ダメだダメだ!こんなものは許可できん!!」
休憩に向かおうとした俺の耳にそんな怒鳴り声が聞こえてきた。
聞こえてくるのは社長室、この声は社長か・・・
「どうしてです!どうしてダメなんですか!!」
言い返す怒鳴り声も聞こえる。これは開発主任か?
「ACで武器腕を装備するということ、それがどれだけ大きなリスクを抱えるかわかるか?」
「リスク以上の実用性を兼ね備えていれば問題ないと思いますが?」
「それは一理あるが、君の案にリスク以上の実用性があるか?」
「あります!ですから開発許可を・・・」
「こんなものは許可できん、別のものを考えろ。」
社長がそう言うと同時に開発主任が社長室の外に追い出されてきた。
「どうした?」
気になった俺は開発主任に声をかける。
「副社長?聞いてたんでしょう、もう終わったことだから聞かないでください。」
自暴自棄になってるか・・・
「いいからどんな案だったのか見せろ!」
そう言いながら俺は開発主任の手から強引に資料をひったくる。
「これは・・・」
資料に目を通した俺は思わず声を漏らす。
これはレーザーブレードを装備した武器腕の開発案のようだ。
武器腕で装甲を犠牲にしてまで両腕をブレードに費やすというのはリスクが高すぎる。
社長が許可しなかったのもわかるが、斬新なアイデアに俺は心を惹かれた。
「俺だってわかってたんですよ、こんな開発案が採用されるわけがないなんて!」
開発主任は俺から資料を奪い返しながらそう叫ぶ。
「いや、少し俺に任せろ。」
「え?」
「いいか、その資料は絶対に捨てるな!」
開発主任にそう告げた俺は、副社長室に向かう。
副社長室で俺は社長の予定を調べた。
「なるほど・・・」
社長は来週に子会社との会議があるようだ。
場所は先日ミラージュによって建造されたナイアーブリッジを渡った先のセクション。
それに気づいた俺はすぐに、あるレイヴンにコーテックス経由で届いたように偽装して依頼文を送信した。
それと同時にコーテックスのデータベースへ介入し関連情報を改竄、正規経路の依頼として扱わせる。
"ナイアーブリッジへの破壊工作を行って欲しい、通過するモノレールを破壊した場合は追加報酬を出す。"
依頼の内容は要約するとこのような内容だ。
依頼の特記事項として日時を指定してある。
ナイアーブリッジを事故に見せかけて破壊することでミラージュの信頼を失墜させる。
これは我が社としてのメリットとしては十分だ。
社長が巻き込まれてしまえば我が社の依頼による犯行とは想像もできないだろう。
もし社長が巻き込まれようとも、それは事故なのだ。
ミラージュの起こした事故に社長が巻き込まれた、そんな事故として扱われるのは間違いない。
あとは指定日時に依頼が遂行されるのを待つだけだ・・・
そしてついにその日が来た。
俺が依頼を出したレイヴンは予定通りにナイアーブリッジへの工作を完了させ、モノレールも破壊した。
橋を警護する警備部隊が破壊工作を行うACを目撃しているはずだが、表沙汰にはなっていない。
まあ当然だろう。
もし何者かによる破壊工作であると公表すれば、未然に防げなかったミラージュの信頼に傷がつく。
市民感情としてはただの事故として扱われたほうが平和的だとミラージュは判断したのだろう。
破壊したモノレールには社長も乗っていたが、現場から社長の遺体も発見された。
我が社はこの事を大々的に報道させ、ミラージュへの責任追及を行った。
社長の突然の不幸に際し、副社長であった俺が臨時で社長の地位を引き継いだ。
全てが予定通りだ。
全てがある程度落ち着いた頃、俺は社長室に例の開発主任を呼び出した。
「社長、お呼びでしょうか?」
「用件だけを言う、武器腕ブレードの開発を開始しろ。」
「え?」
「聞こえなかったか?武器腕ブレードの開発を開始しろ。」
「・・・ありがとうございます!」
開発主任の顔はとても嬉しそうだった。
俺も完成が楽しみなものだよ。
~fin~
休憩に向かおうとした俺の耳にそんな怒鳴り声が聞こえてきた。
聞こえてくるのは社長室、この声は社長か・・・
「どうしてです!どうしてダメなんですか!!」
言い返す怒鳴り声も聞こえる。これは開発主任か?
「ACで武器腕を装備するということ、それがどれだけ大きなリスクを抱えるかわかるか?」
「リスク以上の実用性を兼ね備えていれば問題ないと思いますが?」
「それは一理あるが、君の案にリスク以上の実用性があるか?」
「あります!ですから開発許可を・・・」
「こんなものは許可できん、別のものを考えろ。」
社長がそう言うと同時に開発主任が社長室の外に追い出されてきた。
「どうした?」
気になった俺は開発主任に声をかける。
「副社長?聞いてたんでしょう、もう終わったことだから聞かないでください。」
自暴自棄になってるか・・・
「いいからどんな案だったのか見せろ!」
そう言いながら俺は開発主任の手から強引に資料をひったくる。
「これは・・・」
資料に目を通した俺は思わず声を漏らす。
これはレーザーブレードを装備した武器腕の開発案のようだ。
武器腕で装甲を犠牲にしてまで両腕をブレードに費やすというのはリスクが高すぎる。
社長が許可しなかったのもわかるが、斬新なアイデアに俺は心を惹かれた。
「俺だってわかってたんですよ、こんな開発案が採用されるわけがないなんて!」
開発主任は俺から資料を奪い返しながらそう叫ぶ。
「いや、少し俺に任せろ。」
「え?」
「いいか、その資料は絶対に捨てるな!」
開発主任にそう告げた俺は、副社長室に向かう。
副社長室で俺は社長の予定を調べた。
「なるほど・・・」
社長は来週に子会社との会議があるようだ。
場所は先日ミラージュによって建造されたナイアーブリッジを渡った先のセクション。
それに気づいた俺はすぐに、あるレイヴンにコーテックス経由で届いたように偽装して依頼文を送信した。
それと同時にコーテックスのデータベースへ介入し関連情報を改竄、正規経路の依頼として扱わせる。
"ナイアーブリッジへの破壊工作を行って欲しい、通過するモノレールを破壊した場合は追加報酬を出す。"
依頼の内容は要約するとこのような内容だ。
依頼の特記事項として日時を指定してある。
ナイアーブリッジを事故に見せかけて破壊することでミラージュの信頼を失墜させる。
これは我が社としてのメリットとしては十分だ。
社長が巻き込まれてしまえば我が社の依頼による犯行とは想像もできないだろう。
もし社長が巻き込まれようとも、それは事故なのだ。
ミラージュの起こした事故に社長が巻き込まれた、そんな事故として扱われるのは間違いない。
あとは指定日時に依頼が遂行されるのを待つだけだ・・・
そしてついにその日が来た。
俺が依頼を出したレイヴンは予定通りにナイアーブリッジへの工作を完了させ、モノレールも破壊した。
橋を警護する警備部隊が破壊工作を行うACを目撃しているはずだが、表沙汰にはなっていない。
まあ当然だろう。
もし何者かによる破壊工作であると公表すれば、未然に防げなかったミラージュの信頼に傷がつく。
市民感情としてはただの事故として扱われたほうが平和的だとミラージュは判断したのだろう。
破壊したモノレールには社長も乗っていたが、現場から社長の遺体も発見された。
我が社はこの事を大々的に報道させ、ミラージュへの責任追及を行った。
社長の突然の不幸に際し、副社長であった俺が臨時で社長の地位を引き継いだ。
全てが予定通りだ。
全てがある程度落ち着いた頃、俺は社長室に例の開発主任を呼び出した。
「社長、お呼びでしょうか?」
「用件だけを言う、武器腕ブレードの開発を開始しろ。」
「え?」
「聞こえなかったか?武器腕ブレードの開発を開始しろ。」
「・・・ありがとうございます!」
開発主任の顔はとても嬉しそうだった。
俺も完成が楽しみなものだよ。
~fin~