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私がメールをチェックすると翌日のアリーナ試合案内が届いていた。
試合開始時間は11時。
私への挑戦者は考えるまでもない、11位の私の1ランク下で12位の"バルザック"だ。
彼が私に挑戦したのは何度目だろうか?
指を折りながら数えるうちに、私は喜びを覚えた。
彼が私に挑むのは11回目だったのだ。
同じ対戦相手と11回目の試合で11位の座を防衛。
つまりこれは私にとって最も大事な試合になる。
初めて11位の座を勝ち取ったあの興奮をまた味わえるのだ。
いや、この試合にはもっと深い意味があるな・・・
11位の座を初めて勝ち取った時よりも、記録を書き残したときに残る「1」の数が1つ多くなるのだ。
記念すべきこの試合・・・
挑戦者の彼に対して最大の敬意を表す必要があるだろう。
そう考えた私は万全のコンディションで出るために、いつもより1時間11分早く眠りにつくことにした。

11個設定したアラームが1個も鳴らないうちに私は目を覚ました。
時計の時間を見るといつもよりも1時間11分早く起きてしまったようだ。
だが、こんな日だからこそ今日は調子がいい。
朝から「1」と3個も関われたのだ。
いつもはしないような簡単な体操などの軽い運動をし、さらに「1」への関わりを増やす。
基本的な体操11個を1回11秒で11回ずつ、独自に設定した11mシャトルランを11往復、読書11ページを11冊。
本来アラームの鳴る時間までいつもより「1」に多く関わった優雅な朝を過ごす。
やがてアラームが聞こえるが、私はすぐに止めずに耳を澄ます。
アラーム音を11回聞いて止め、同時に2個目のアラームが鳴りそれを11回聞いて止め、3個目・・・
その繰り返しで私は11個のアラームを停止させる。
そして私は11分で11品目の簡単な朝食を用意する。
それを1口11回の咀嚼で11分で食べ終え、11分入念に食器を洗う。
さらに11分の入浴を行い、11本の歯ブラシで1分ずつ合計11回の歯磨きを11分行う。
洗濯も11分で全て済ました。
ふと時計を見ると、時計の分針は11分を指している。
実に気持ちがいい朝だと、私は11分で身支度を整えながら思った。
家のドアに配置した11個の鍵を閉め、試合会場に11分早く到着するように私は家を出た。

試合会場へ予定通りに試合開始時間の11分前に到着した。
愛機の"ワンカウント"に乗り込んだ私は機体の最低温度を11度になるように調整する。
私のワンカウントは武器腕プラズマキャノンで両肩に大型ロケットを搭載した重量機だ。
私は試合設定を確認する。
制限時間は無制限、会場は一般的なアリーナドームだ。
どちらかが撃破されるか降参するまで終わらないデスマッチ方式とでもいえばいいか。
[Ready...]
目の前のタッチパネルにそう表示されたので、私は画面を11回タッチする。
双方が画面をタッチしなければ開始されない仕組みだ。
[Go!]
少し間を置いてタッチパネルの表示が変化し、試合が開始された。
バルザックの搭乗する敵AC"蒼天伍号"はホバータンクACで機動性はそこそこ高い。
武装はショットガン、ブレード、4連中型ミサイル、プラズマキャノンと瞬間火力に秀でている。
バルザックの戦術は上空を飛び回り、近距離でショットガンとブレードを確実に当てる堅実な路線だ。
だが、その瞬間こそが私にとっての好機でもある。
FCSによる補助が利かないロケットを当てるにはこれ以上ない距離なのだ。
しかし11回目の挑戦となるバルザックもさすがにそれに気づいているのか、迂闊に手を出してこない。
距離を離した上空からミサイルとプラズマでこちらを迎撃する防戦寄りだ。
蒼天伍号にはブレードが搭載されているため、ある程度の無駄弾を撃っても多少の無理が利く。
それをわかっている私だが、私も回避重視の防戦に徹する。
全体的に弾数の少ないワンカウントの弾を、確実に当たる見込みのない距離で撃つわけにはいかないのだ。
しかし回避に徹していても全ての弾が回避できるわけもなく、ワンカウントのAPは削り取られていく。
気がつけば残りのAPは50%程度・・・
蒼天伍号の弾も残り僅かになったらしく、OBで距離を詰めてショットガンとブレードを狙ってくる。
私はそれを回避しようとしたが無意識に壁際に追い込まれていたらしく、回避し切れずに直撃を食らう。
慌ててロケットで迎撃を試みるが間髪置かずに蒼天伍号はOBで距離を離し、私にとって不利な状態が続く。
再び蒼天伍号がOBで距離を詰めてくるのを瞬時に判断した私は蒼天伍号の軌道上にロケットを撃ち込む。
超高速で移動している蒼天伍号がこれを回避できるわけがなく、大型ロケットは直撃する。
だが蒼天伍号は止まることなくワンカウント目指し前進し、再びショットガンとブレードを叩き込んだ。
「くぅっ・・・!」
被弾時の衝撃に思わず声を漏らす。
残りAPを見ると「1111」だ。
なんという奇跡だろう?
このAPは何としてでも維持しなければいけない。
次に被弾してしまっては、このAPはこの試合ではもう二度と見れないのだ。
私は集中力をこれまで以上に高め、リミッター解除コマンドを実行する。
リミッター解除によりジェネレーターの性能をフルに活用したワンカウントはOBで上空を舞う。
蒼天伍号のロックサイトを計算した軌道、かつ確実にこちらの射線に蒼天伍号が収まるように位置取る。
そしてまずは蒼天伍号よりも上空から大型ロケットを矢継ぎ早に叩き込み、その反動で地面に叩き落す。
すかさず高度を下げて距離を詰め、瞬間火力に秀でた武器腕プラズマキャノンでラッシュをかける。
圧倒的瞬間火力の前に耐え切れなかった蒼天伍号は瞬く間に火を噴き、行動不能となる。
[WIN]
画面にはそう表示され、試合は終了した。
対戦中の時間を計っていたタイマーを見ると11分11秒。
ワンカウントに残された弾数の合計は11発。
「あははは!!」
私は思わずパイロットシートの上で笑い声漏らす。
11回目の11位防衛戦を11分11秒で残弾数11発で終わらせる、この上ない満足だ。
「いい試合をありがとう、バルザック!感謝するよ。」
最大の敬意を込め、私はバルザックに通信を入れた。
ああ、なんてすばらしい1日だったんだろう?
ワンカウントを降りた私はアリーナの職員に、この試合の動画データを11組欲しいと申し立てた。
何故か怪訝な顔をされたが、どこかおかしいだろうか?
記念すべき11回戦目の試合の動画データ、どう考えても11組は必要だろう。
アリーナの賞金で200,000コームを受け取ったが、私は111,111コームを残して他は11個の団体に寄付した。
最高の1日だったが少し疲れたな。
家に帰ったら11分ほど仮眠を取ろう・・・

~fin~

登場した「1」の数をカウントしてみると127個。
「127」を2進数変換すると「1111111」になる。
なんという奇跡だろう?
111個よりも「1」の数が多いこれにはナンバー1111さんも大喜びだろう。




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