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ダマシテワルイガー外伝 ~実は少しも悪いと思ってない~



■第零話 無法者異聞録

アライアンスとバーテックスの大抗争で活躍した傭兵――ダマスカス。
何にも与することのないアウトロー、ラストレイヴンと呼ばれる孤高の存在。
荒唐無稽な伝説を数多く残しており、皆がダマスカスの名を知っている。

では、ダマスカスはどのようなレイヴンなのか?
街でその人物像を尋ね歩いてみると面白い。
皆が全く異なるダマスカスを語るのだ。

「どこかのアリーナの元トップランカーだって聞いたわ、しかも超イケメン!」
「違う違う、ワンダフルボディなブロンド美女だよ」
「気持ちの悪いオカマ野郎だろ? その上に飲んだくレイヴンだったらしいぜ」
「ヤツは悪戯好きの悪魔みたいな子供じゃよ。ああ、恐ろしい」
「どっかの施設で訓練ばっか続けた仙人みたいなジイ様じゃなかったか?」

「ここだけの話、懲役十億年の囚人レイヴンだったそうだ」
「強化人間でしたっけ? あれの手術に失敗して酷いことになっていたそうですよ」
「いやいや、あいつは火星から出稼ぎに来た火星人だってば!」
「戦闘AIだよ、だから疲れ知らずで二十四時間も戦えたの」
「ボクは思うんだ、ヤツは誰かの考えた架空のレイヴンなんじゃないかってね」

随分とバラエティに富んだ側面を持つ傭兵ではないか。
他にも様々なダマスカスの話を聞けたが、中でも元整備士の老人の話は興味深かった。
彼はダマスカスの愛機であるダマシテワルイガーの整備をしたことがあると言うのだ。

「仕事のやり取りは全てメールでな、ワシもヤツの姿を直接見たことはないのじゃ。
 ヤツを怨む者は星の数ほどおったからのぉ。あきれる程に用心深く立ち回り、
 オペレーターにさえ一切姿を見せなかった。うむ、とことん徹底しておったよ。
 誰も本当のヤツを知らんのだろう。だから皆好き勝手にダマスカスを語るのじゃ」

懐かしむように語る老人の話には不思議な説得力があった。
更に「もう時効じゃろうて」と言いながらダマシテワルイガーのアセンブルを
スケッチブックにすらすらと書いて詳細を丁寧に説明してくれたのだ。

【NAME】ダマシテワルイガー

【HEAD】ロングホーン
【CORE】ガイア
【ARMS】レムール2
【LEGS】クーガー

【BOOSTER】バーディー2
【F.C.S.】カウリー
【GENERATOR】G91
【RADIATOR】アナンダ

【INSIDE】吸着地雷
【B.UNIT.R.L】W垂直ミサ
【A.UNIT.R】800マシ
【A.UNIT.L】ダガー

【OP】実防、E防、安定、サイト、旋回、レーダー、冷却、対ECM

【COLOR】ダマスカス鋼のような木目状の迷彩

口からの出任せならば、こう詳しくはいかないはずだ。
老人は実際にダマシテワルイガーに触れ、その整備をしたことがあるのだと確信した。
すばらしい、実にすばらしい。なんという僥倖だろう。
伝説の傭兵が架空の存在であるという一番面白くない説は真っ先に否定された。

更に老人はダマスカスにかなり近づいた事のある貴重な人物でもある。
ダマスカスはどのようなレイヴンだったのか?
この問いに老人は短く答えてくれた。

「とんでもないヤツじゃったよ」



■第一話 管理局強行偵察/姑息にして精密の巻

『やっと来たか』
ディルガン流通管理局の最奥に位置するゲートを開いた先に待ち構えていたのは紫のAC。
バーテックスの実力派レイヴン、ライウンの駆るストラックサンダーだった。
『命令だ、死んでくれ』

『敵ACはやる気らしいわ、迎撃しましょう』
「簡単に言ってくれる」
気楽な偵察任務のはずが、ダマスカスはいきなり強敵とぶつかってしまった。
波乱の幕開けを感じさせるファーストミッションではないか。

「おー、こわい」
ストラックサンダーが背負う強力なレーザーキャノンと撃ち合うのは得策ではない。
ダマシテワルイガーは敵機との正対を避け、左手に並ぶ建造物の陰に素早く隠れた。
わざわざ直線的な戦闘に付き合ってやる必要はない。ここは垂直ミサイルの出番だ。

遮蔽物越しにロックオン――発射。ロックオン――発射。ロックオン――発射。
垂直ミサイルによる一方的な攻撃がストラックサンダーに次々と襲い掛かる。
『なるほど……せこい……』
被弾を抑えながらライウンが呻いた。

「負けるのが嫌いなんでな」
ダマスカスは答えながら垂直ミサイルを更に発射。
『いつまでも同じ手に!』
二機の間に必ず遮蔽物を挟もうとするダマスカスの戦法を崩すべく、
ライウンはストラックサンダーのブーストを唸らせた。彼も馬鹿ではない。

垂直ミサイルの被弾を覚悟して、強引にダマシテワルイガーとの距離を詰める。
『この程度で!』
想定していた上からのダメージにストラックサンダーは耐えた。
しかし、全く想定していない下から衝撃がライウンを襲う。レッドアラート。脚部大破。

「足下がお留守だぜ」
ストラックサンダーが着地した場所には大量の吸着地雷がばら撒かれていたのだ。
「騙して悪いがミサイルは囮なんでな」
『ばかな・・・』
完全に機動力を奪われたストラックサンダーに反撃の機会が訪れることはなかった。

『予期せず賞金も入ったし、上々の結果ね』
「ふっふっふっ、勝った。やはり最強は揺るがない」
『はいはい、あなたは最強よ。レイヴン、お疲れさま』

To Be Continued……



■第二話 敵AC撃退/無謀なる挑戦者の巻

『目標地点に到達したけど、攻撃を受けている様子がないわね』
エネルギー系武装で固めた所属不明のACとやらは何処にも見当たらない。
指定の作戦領域であるACガレージ・R11エリアは静かなものだった。

『念のため周辺を調査――』
「いや、その必要ない」
ダマスカスはシーラ・コードウェルからの提案を遮った。

『レイヴン?』
「ヘリの火器管制をこっちに回してくれ」
ダマシテワルイガーを宙吊りにしている輸送ヘリには武装が施してあった。
この依頼を受けた直後、ダマスカスが大量のナパームミサイルを急遽取り付けさせたのだ。

『どうするつもりなの?』
聞き返しながらもシーラは指示を素早く実行。
十分な報酬を与えていさえすれば有能なオペレーターにダマスカスは満足した。
「戦いの基本、先制攻撃さ」
ガレージの一つにロックオン。容赦なくナパームミサイルを全弾叩き込んだ。

ガレージを包み込む巨大な爆炎。
その中から炎に巻かれた紫の逆関節と迷彩の四脚が姿を現した。
「サウスネイルとバレットライフか」
二機のACは機体の冷却にエネルギーを奪われ、まともに動くことができない。

「コックピットの中はさぞ熱いだろう、すぐ楽にしてやるよ」

『じょ、冗談じゃ……』
ダマシテワルイガーはヘリに吊られたままサウスネイルに照準を合わせ、EEOを展開。
吸着地雷を投下しながらマシンガンの一斉射を浴びせかけた。

『こんなはずじゃ……』
サウスネイルが爆散するのとほぼ同時にもう一機の方が機体の冷却を終えたようだ。
『まさか俺が……死ねるか……死ぬわけには!!』
反撃の体勢を整えようとバレットライフは後退を始める。

「往生せいやぁ!!」
ダマスカスは輸送ヘリからダマシテワルイガーを切り離して急降下。
上から圧し掛かり、バレットライフのコアにレーザーブレードを突き立てて中を抉った。

『お疲れさま、レイヴン。これが罠だと何時から気付いていたの?』
「依頼文に目を通した時からだ」
『最初から?』

「所属不明のACに襲撃されていると言いながら、敵レイヴンにかけられた賞金に
 ついても言及していたからな。何故、不明機のレイヴンが賞金首だと断言できる。
 賞金首だと分かっているのなら、どうして正確な情報をこちらに寄越さない。
 襲撃されているのが事実なら、これは自分たちの生存を左右する依頼のはずだ」

『言われてみればそうね。ACの武装に言及していたのも今思えば怪しいわ』
「余計な嘘を重ねて墓穴を掘るのは二流だよ」
『汚いやり口だけど、こちらの方が一枚上手だったみたいね』

「歴代最強と謳われる十一代目ダマシテワルイガー継承者を
 騙して悪いがしようなど、百年早いわっはっはっはっはっ!」
『それじゃあ帰還しましょうか』

To Be Continued……



■第三話 輸送部隊撃破/非情式な交渉の巻

『輸送部隊に先行して敵ACが到達しているようね』
旧・ナイアー産業区の中央通りで二機は互いを捕捉し合った。
六台の輸送車両を狙うダマシテワルイガーと、それを阻止しようとするMETIS。

『あんた、ジャマするなら容赦しないよ』
「お前こそ、こちらの邪魔をしない方がいい」
『どういうことだい』
「相方のケルベロス=ガルムを呼び出してみれば分かるさ」

ややあってムームからの通信。
『あんた、ガルムをどうした……』
必死に焦りを抑えた声である。

「状況が飲み込めたようだな。君の大好きなガルム君は丁重に預かっている。
 要求は単純明快だ、こちらが輸送部隊を全て破壊するのを黙って見ていろ。
 大人しく要求を呑むのならガルム君を解放しよう。今のところ彼は無事だ」

『貴様っ……』
「いかんな、あんたはあまり信用されていないようだぞ」
『なにをっ!?』

「このやり取りを聞いた輸送部隊が速度を上げた。条件を追加させてもらう。
 十数える間にどちらか態度を決めろ。だが、できるだけ急いだ方がいい。
 うちのオペレーターが一秒経つ毎に人質の指を一本ずつへし折っていく」

『ちょっと、レイヴ――』
「変な期待はするなよ? うちのオペは金の為になら何でもする恐ろしい女だ」
『ぐっ……』

「さて数えるぞ、ひと――」
『わ、わかった、要求を……呑む……』
「賢い選択だ。どうせ呑むのなら彼の指は全て無事な方がいい」

動きを止めたMETISの横を素通りして、ダマシテワルイガーは輸送部隊に向かう。
こうなると無防備な目標をブレードで刻んでいくだけの簡単なお仕事である。
輸送部隊を全て撃破するのに三十秒とはかからなかった。

『ガル、ガルを解放して……』
すっかり気力の萎えてしまった憐れなムーム。
『ガルを……』
最早、彼女には戦意の欠片も残されていない。

「駄目だなぁ、これからガルム君に会いに行くのにそれじゃあ駄目だ。
 少し元気を回復させてやろう。冷静でいられるかは保障しないがな」
『なにを、言っているの……?』
「騙して悪いがケルベロス=ガルムはとっくの昔に殺してしまった」

To Be Continued……



■第四話 敵AC迎撃/可能性のケダモノの巻

ファサード前線基地に降り立った青いAC――エヴァンジェの愛機オラクル。
『それが君の相手だ、撃破してくれ』
「リーダー自ら現場監督とはご苦労なことだな、契約違反防止のつもりか?」

今回の依頼主であるジャック・Oは依頼に特殊な条件を付け加えてきた。
それは小細工抜きで堂々と戦え。
卑怯と姑息と策謀を本領とするダマシテワルイガーにとってはあまりに大きすぎる制約だ。
『レイヴン、大丈夫なの?』
シーラの心配も尤もである。

「…………」
ダマスカスは何も答えない。
静かに精神統一を図っているのか、はたまた恐怖に震えているのか。

オラクルの頭部カメラとリニアライフルがダマシテワルイガーに向けられた。
『ジャック、私の実力を証明してやる。よく見ておくんだな!』
エヴァンジェのペースで戦闘開始。

シーラの心配を余所に二機は旋回戦から互角の撃ち合いを始めた。
主武装とEOによるどちらも譲らない手に汗握る攻防。
しかし、全くの互角ではない。徐々に差が出始める。

押されているのは――
『ただのレイヴンが……調子付くな!』
なんと、エヴァンジェの方だった。

僅差はやがて明確な優劣となり、
『なぜ、卑怯だけが取り得のレイヴン相手に……』
程なくしてオラクルは行動不能に陥ってしまった。

『嘘だ……こんなはずがない……』
「騙して悪いが普通に戦ってもそこそこ強いんでな」
『なぜだ……!? こほどの力を持ちながら……己が腕を誇りに戦わない……』

「冥土の土産に教えてやろう。この世の中には“絶対”や“100%”と言えるものは
 案外少ない。一発勝負で不確定要素も多い戦場での勝敗上限確率は99%が関の山だ。
 勝ち続ける為には少しでも勝率を引き上げる必要がある。これは当然の帰結だろう?」

『貴様は一体……』

「戦場で99.999999999……%の勝利を追求するのがダマシテワルイガーだ」
『これが……選ばれた者の……』
「あんたを倒したレイヴンはこれからも負けるつもりはない。だから安心して逝ってくれ」

To Be Continued……



■第五話 中枢突入/頭文字Dの巻

サークシティ地下。
ダマシテワルイガーは襲い掛かる無数の特攻兵器を躱しながら狭い通路を進む。
狙うはインターネサインの破壊、及びパルヴァライザーの撃破。

『レイヴン、あなたはどうしてこの依頼を?』
「最強と呼ばれるその力で未来を救ってくれ、そうあった」
『ジャック・Oからの依頼文ね。人類の未来を救うのが望みなの?』

「そこはどうでもいいが、最強と見込まれちゃ断れない」
『どこまでも最強に拘るのね』
「ああ、望みは唯一つ――最強を体現する」

更に深部へ進み、中枢に到達。
壁面に設置されたエネルギー供給装置らしき物を全て破壊した。
『予想通りね、施設機能は完全に停止したわ。お疲れさま、これでやっと……』

光の消えた中枢に紫のACが舞い降りる。
『あれは……さっきのAC……』
「ファシネイターか、パルヴァライザーの方はあの女が担当してくれたらしい」
ジャック・Oからの依頼を受け取ったもう一人のレイヴン、ジナイーダ。

「図らずも共同作業になったようだな」
『お前か……やはりな……そんな気がしていた』
「ただの脳筋かと思ったら、慧眼じゃないか」

『私たちの存在……それがなにを意味するのか、これでわかる気がする』
「ほぉ……」
『おまえを倒し、最後の一人となった――――その時に!!』
問答無用でファシネイターはダマシテワルイガーに襲い掛かってきた。

『戦闘は避けられないわ、迎撃して』
ジャック・Oからの依頼を完遂してなお、戦いは終わらない。 
過程は違えど二人のレイヴンが求めるモノは等しく、故にこの戦いは不可避なのだ。

「いいだろう、最強に並ぶ者はいらない!!」
ジナイーダに垂直ミサイルは通用しないと直感したダマスカスは即座に背部武装をパージ。
ダマシテワルイガーを軽量化してファシネイターに応戦する。

今までに誰も見たことのないレベルの高機動戦闘を展開する両者の実力は拮抗。
しかし完全な拮抗ではない。旋回、交差、激突を繰り返す度に差が現れ始めた。
「やるな……」
エヴァンジェ戦とは逆に押され始めたのはダマスカスの方である。

状況を打開する為に勝負を賭けるダマスカス。
しかし逆に隙を突かれ、背面斜め上方という致命的なポジションを取られてしまう。
『終わらせる!』
ファシネイターが放つハンドレールガンがダマシテワルイガーの
コックピットブロックに直撃した。前のめりに倒れるダマシテワルイガー。

『レイヴン! 返事をして、レイヴン!!』
ダマシテワルイガーのステータスを目にしてシーラは愕然とした。
パイロットのバイタル停止。さっきの一撃でコックピットブロックが完全に潰れている。
『そんな……』

倒れたダマシテワルイガーを見つめるジナイーダは何を思うのか。
『私はただひたすらに強くあろうとした……
 そこに私が生きる理由があると信じていた……
 やっと追い続けたものに手が届いたきがする……』

「勝利宣言にはまだ早い」
光がファシネイターのコアを穿った。
動くはずにないダマシテワルイガーの左腕、そこから伸びるレーザーブレードの閃光。

『なん、だと……!?』
「パイロットはコックピットに乗っている。そんな常識に囚われたな、ジナイーダ」
『馬鹿な……』
「騙して悪いが私はコックピットには居ない」

『騙し討ちだと……誇りはないのか……』
「自分の価値観を他者に押し付けるのはよくないな。私は誇りの塊のような存在だ。
 過程は関係ない――ただ勝てばいいという信念を貫いて行動しているのだから」
ファシネイターは爆散した。

『レイヴン、あなたは一体……』

「私はとある機関のドミナント計画による十一番目の個体、D-11。
 DAMASCUSはヤマダ博士から貰ったパーソナルネームだ。
 私は最強を目指して作られ、また最強の戦闘生命体を自負している」

To Be Continued……



■最終話 パルヴァライザー撃破/さらばラストレイヴンの巻

「この口座に稼いだコームがほとんど手付かずのまま残ってる」
『レイヴン?』
「暗証番号は459241。語呂合わせでスゴクツヨイと憶えれば間違いない。
 君とエド、整備クルーたちで好きに分けてくれ。私にはもう必要のないものだ」
『レイヴン、諦めないで!』

「ブレードとEOを潰され、弾薬も残り少ない。何よりダマシテワルイガーが限界だ」
『それでもあなたなら』
「悔しいがこの青いパルヴァライザーは強い。ハードの性能差が大きすぎる」
『そんな……』

「ジナイーダの戦闘データを取り込んだ今の私ならいけると踏んだが、甘かったらしい」
『諦めてしまうなんて……あなたらしくないわ……』
「勘違いしないでくれ、負けるつもりはない」
『何か策があるのね?』

「ああ、ワルイガーのコックピットに超弩級戦術爆弾が搭載してある」
『えっ!?』
「安心しろ、インターネサインを丸ごと吹き飛ばせる威力だ。失敗の可能性は極めて低い」
『そうじゃないわ! 自爆するつもりなの!?』

「負けるのは嫌だ、許容できない」
『それであなたの誇りに傷は付かないの? 本当に勝ちと言えるの?』
「相打ちは不本意だが、パルヴァライザー撃破の依頼は達成できる。
 依頼主は私の帰還を指示していないのだからこれは即ち、私の勝ちだ」

『そんな屁理屈なんて――』
「次にヤツのバリアが消えたら起爆する」
『待って、レイヴン!!』

「私は最後まで負けませんでしたよ、博士――」

Big Bomb Explosion……



■後日話 EWレポート

ジャック・Oが回りくどい方法で事態の収拾を図った理由は色々と考えられる。
企業がインターネサインに介入するのを避けたかったのも理由の一つだろう。
やつらは必ずネサインとパルヴァライザーの軍事利用を考える。
その先にある惨状を想像するのはそう難しくない。ジャックはそれを危惧したのだろう。

ジャックの思惑通り、全てはレイヴンの手によって片付けられた。
真実や事態の全容を知る者は限られている。今から調査することも難しい。
あの爆発でインターネサインと青いパルヴァライザーは跡形もなく消し飛んだのだ。

ありえないと思うかもしれないが、俺はダマスカスがどこかで
生きていのではないかと考えている。あいつの言葉を借りるなら、
この世の中には“絶対”や“100%”と言えるものは案外少ないのだから。

そもそもあの負けず嫌いがパルヴァライザーとの引き分けで納得するはずがない。
一人どこかで完全勝利を宣言している姿が目に浮かぶぞ。
まったく、憎たらしいやつだ。

あいつは最強の称号を手に入れた今どうしているのだろう。
自分の武勇伝やあることないことを触れ回って人をからかっているかもしれないな。
街に溢れる訳の分からないダマスカスの噂、あれは本人の仕業なんじゃないか?
情報操作の一環だとか何とか言いながら全力でやりかねない。本当に変わったやつだよ。

ダマスカス、お前は必ず帰ってくる。
時が流れて新しく最強と呼ばれる者が現れれば、我慢していられるはずがない。
お前の第一声は恐らくこうだ。

「――騙して悪いがまだ死んでないんでな、最強は譲れない」




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