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「先客はもう帰ったのか、残念なものだな。」
作戦領域に到着した"カロンブライブ"は思わず口に漏らす。
今回の目標は、無人要塞内部で潜入工作をしていた部隊の安全確保。
目標は達したが要塞内部で待機していたACに襲撃され、身動きが取れないそうだ。
カロンブライブの愛機"ファイヤーバード"は、要塞地下へ向かうリフトで地下へと誘われる。
リフトが停止した先は演習場か何かだろうか、長い通路を渡った先には広大な空間が広がっていた。
レーダーに映る機影は2つ、目視すればわかったがACのようだ。
『レイヴン、敵ACを排除して要塞内部の安全を確保してくれ!』
通信が入る。今回の護衛対象からだ。
カロンブライブは周りを見渡すが、それらしき姿は見当たらない。うまく隠れているようだ。
「了解、敵ACを排除する。流れ弾には注意してくれ。」
[戦闘システム 起動。]
ファイヤーバードの戦闘モードを起動し、カロンブライブは敵ACとの戦闘に備える。

「ミラージュはやはり増援を寄越したか、予定通りだ。」
「・・・そうね。」
「ACを確認した、これより敵を殲滅する。」
要塞内部で待機していたACのレイヴン、"マイリッジ"は相方にそう告げる。
「了解。」
もう1機のACのレイヴン、"セブンスヘブン"はそれに味気なく答える。
敵ACは1機。レイヴンランク上位のカロンブライブのファイヤーバードだ。
マイリッジとセブンスヘブンとのランクはかけ離れているが、2機なら勝機もあるだろう。
2人はファイヤーバードの迎撃行動に入る。

ほんの僅かな静寂の後、戦闘が開始された。
カロンブライブはまず敵ACの情報を確認し、整理する。
敵ACはタンクの"ユートピア"と逆脚の"ヴェノムランス"。
どちらもカロンブライブから見れば下位ランカーだ。
だがいかにレイヴン自信の実力に差があったとしても、対複数戦闘は厳しいものがある。
ユートピアは実弾EOコアにマシンガン、拡散投擲銃、スラッグガン、トリプルロケット、ミサイル迎撃装置。
ヴェノムランスはENEOコアにスナイパーライフル、ブレード、中型ミサイル、ターンブースター。
(ユートピアが前衛となりヴェノムランスが着実に損傷を与えてくる、か?)
ひとまずカロンブライブはEOを展開してライフルを撃ちながら牽制し、様子を見る。
セブンスヘブンは中距離から各種武装をばら撒き、ファイヤーバードの出方を見る。
かなり距離が離れているためほとんど当たるはずもないが、セブンスヘブンは別に当てるつもりはない。
この時間差の生じる散弾の弾幕で進行可能な方向を限定させ、マイリッジに主な攻撃を任せるのだ。
マイリッジはセブンスヘブンの行動を即座に理解し、弾幕で遮られていない方向から攻め込む。
中型ミサイルをロックオンし、2発連続で発射。
ヴェノムランスから放たれたミサイルは緩やかな曲線を描きながらファイヤーバードへ向かう。
ミサイル対策のないファイヤーバードはこれを回避するが、ミサイルの回避時には大きな隙が生じる。
マイリッジはその隙を突き、距離をとりながらスナイパーライフルを撃ち込む。
だがカロンブライブがそれを易々と許すわけもなく、ヴェノムランスにトリプルロケットを連射。
拡散発射されるロケットが遠距離で当たるはずもないが、予測不能な射線から回避に集中せざるを得ない。
その隙に本命の爆雷ミサイルをヴェノムランスに向け発射。
距離を詰めながらライフルとEOによる弾幕で攻め、ヴェノムランス進路を壁際に向け退路を削ぐ。
やがて爆雷ミサイルがヴェノムランスの上空で炸裂し、無数の爆雷が降り注ぐ。
「ぐぁ!」
壁際に追い詰められ回避のうまくいかないヴェノムランスのAPは大幅に削り取られる。

上位ランカーの洗練された戦闘パターンに、マイリッジは焦りを感じていた。
(落ち着け、落ち着くんだ・・・)
自分自身にそう言い聞かせ、いつも以上に冷静に戦況を分析する。
マイリッジから見て前方、ファイヤーバードの後方にはセブンスヘブンが展開する弾幕がある。
そこにファイヤーバードを誘導できればいいのだが、そうもいかないだろう。
となると、マイリッジ自身でこの状況を打破する他にない。
機体の距離は目視でもわかるほど僅か。
(賭けるしかないか・・・)
マイリッジは無駄を好まない性格だが、この状況ではそんなことは言っていられない。
やらなければ、やられるだけなのだ。
ヴェノムランスのEOを展開し、EOからのEN弾幕を展開しながらファイヤーバードとの距離を一気に詰める。
極限まで縮まった距離でブレードを作動させ、ヴェノムランスの右から左へロングブレードが振り抜かれる。
カロンブライブはそれを寸での所で見切り、僅かな距離差でブレードを辛うじて回避する。
(かかった!)
想定通りの回避行動を取ったファイヤーバードに、マイリッジは思わず口元を緩める。
そして振り切られようとするブレードを、ターンブースターで機体ごと強引に右方向へと振り抜かせた。
回避したままの位置にいたファイヤーバードは思わぬロングブレードの軌跡の変化に対応できなかった。
急旋回で多少威力の増したブレードの切先はファイヤーバードのライフルを捕らえ、破壊する。
だがカロンブライブもそのまま黙ってやられるわけではない。
即座にヴェノムランスとの距離を詰め、機体中にENが過剰供給される空中から高火力ブレードを叩き込む。
ENの過剰供給で増幅された高火力ブレードは一瞬でヴェノムランスのAPを削り取り、戦闘不能に追い込む。
「セブンスヘブン・・・頼む・・・」
もう勝ち目もなく爆散する寸前のヴェノムランスの中から、マイリッジはそう呟く。
ランク不相応な相手ではあるが、セブンスヘブンには敵を討ってほしかった。
「マイリッジ!」
セブンスヘブンがそう答えたのをマイリッジが聞く間もなく、ヴェノムランスは爆散する。

セブンスヘブンは状況を分析するが、どう考えてもこの状況は良いとは言えない。
ファイヤーバードはライフルを破壊されロケットの弾数は少ない。
脅威となる爆雷ミサイルも、ユートピアの迎撃装置と地形を優位に利用すれば無効化できるだろう。
しかし近接時の高火力ブレードが一番面倒だ。
対するユートピアはマイリッジの援護に弾薬を大幅に使ってしまい、無駄撃ちができるような状況ではない。
だが完全に勝機がないわけでもない。
持ちうる弾薬の全てを用いれば、十分にファイヤーバードを撃破できる見込みはあるのだ。
セブンスヘブンは距離を離しながらマシンガンを連射し、EOを展開し弾幕の密度を高める。
カロンブライブは残り少ないトリプルロケットを無駄と判断し撃ち切りパージし、爆雷ミサイルを発射する。
だが爆雷ミサイルはユートピアの迎撃装置に撃ち落とされ、その役目を終えてしまった。
それを見て爆雷ミサイルも無駄と判断したカロンブライブは爆雷ミサイルもパージし、機動性を上げる。
ユートピアの弾幕がファイヤーバードのAPを削っていくが、カロンブライブは怯まずに距離を詰める。
ユートピアとファイヤーバードとの距離が限界まで近づいた瞬間、ユートピアのスラッグガンが火を噴く。
ユートピアは続けてトリプルロケットを至近距離から叩き込み、ファイヤーバードのAPをさらに削り取る。
しかし、それでもファイヤーバードの撃破には程遠かった。
OBを搭載していないユートピアにとって、この距離でのファイヤーバードの健在は死を意味した。
ヴェノムランスのときと同様に空中からの高火力ブレードを連続で食らい、ユートピアのAPは限界を迎える。
「まさか・・・私まで・・・」
セブンスヘブンに勝算は少ないながらもあった。
マイリッジの敵を討とうと思っていたのに、その思いを成し遂げれずにユートピアは爆散する。
(戦場での下位レイヴンの撃破、気持ちのいいものではないな・・・)
戦闘を終えたカロンブライブは溜息を漏らす。
『任務完了、これより帰投する。レイヴン、援護感謝する。』
護衛目標からの通信だ。どうやら無事のようだ。
[作戦終了 戦闘システム 解除。]
戦果に納得がいかないながらも、カロンブライブも帰投した。
「次はこんな後味の悪い依頼ではなければ良いのだがな・・・」
カロンブライブは思わず口に漏らしていた。

~fin~





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