オペ子『さっそくですがミッションです』
オペ子『依頼主はGA。……まあ、彼らのご機嫌取りはしておいて損はないでしょう』

トーマ「せめて昼飯くらいゆっくり食わせてくれ」

もう少し待たないと固い麺をすすらなくちゃいけなくなる。
BFFから部屋を割り当てられたのはいいが、もともとウォルコット家の使用人が使っていた部屋らしい。
BFFということで納得はできるが、まあ質素だ。
壁にカメラとマイクが備え付けてあり、どうやらこっちの様子が見えるらしい。

オペ子『……その発泡スチロールの容器に入ったものがですか?
    失礼。とても食べ物には見えませんでしたので』

トーマ「カップ麺バカにすんな! 人類の遺産なんだぞコレ!」

ただ、いいところもある。
GAの訓練所とは雲泥の差だ。何がって? 女子率がだ。
生まれて初めてリアルメイドを見た。素晴らしいなさすがウォルコット家素晴らしい。
頭首が女だということもあってか、使用人も女の比率が高い。

オペ子『では、あと2分待ちましょう。あなたにお譲りした端末で仲介人の方と直接ブリーフィングを
    行っていただきますので、くれぐれも粗相のないよう」

トーマ「粗相、って……」

オペ子『では』

トーマ『では、って……おい! 飯の話! 何も解決してねえだろ!』

その後すぐBFF側のブリーフィングだと言うので、俺はやはり固い麺をかっ込むはめになった。
舌を火傷した。

///



オニール『作戦を説明する。――まあ聞いてるだろうが、雇い主はGA。
     依頼内容はリッチランド農業プラントの襲撃だ』

トーマ「アルゼブラか……。ただでさえ食いもんが少ないのに、そこまで苛めるかよ」

オニール『だから、守備隊の排除だけ済ませりゃいいんだよ。
     まああっちも本気で守りを固めてくるだろうがな。
     流れ弾でプラントが燃えようが、そりゃあ知ったこっちゃねえさ』

トーマ「……ま、いいけどな。こちとら生きる伝説相手に生き残ってきたんだ。
    今更ノーマルごとき屁でもねえぜ」

オニール『んじゃ、支援機もいらねえな?』

トーマ「あん? ノーマルごときに支援機? いるかよ、そんなもん」

オニール『ランドクラブも撃破対象に入ってるんだが……。そうかそうか、いらないか』

トーマ「アームズフォートとか最初に言えよ! っつか、カニはGA製だろ!
    パクられてんじゃねえよ!」

オニール『このミッションには支援機の使用が許可されている(キリッ』

トーマ「(キリッ じゃねえ! てめえマジで仲介人か!?」

とまあ、そんなことがあって。

オニール『支援機との手続きはお前んとこのオペがやってくれるとさ。
     いい子じゃん、大切にしてやれよ?』

トーマ「GAのオヤジ共とは大違いだよ。違う意味で面倒臭えったらありゃしねえ」

オニール『言ってられるだけいいさ。――こんなところか。
     んじゃま、せいぜい気張るこった。死んだら乾杯してやるよ』

トーマ「はん、言ってろ」

///



オペ子『どうなさいますか?』

ブリーフィングルームらしい部屋に通され、ブリーフィングが始まる。
相も変わらずオペレーターはマイクの向こうだ。BFFの人間なら、顔くらい見せてもいいだろうに。

トーマ「堅実に行くさ。有澤のおっさんが一番信用できる」

→[雷電/有澤隆文]ピッ [メリーゲート/メイ・グリンフィールド] [セレブリティアッシュ/ダン・モロ]

トーマ「報酬の40%も、まあ安全を買ったと思えば安いもんだろ」

オペ子『……ほう、しゅう?』

それはどのような字を書くのでしょう? とでも言いたげに、オペレーターは言葉を詰まらせた。
いやあ、さすがにダン・モロはリスキーだろ。
じゃ、なくて。

トーマ「いや、報酬。報酬だよ。GAから出る謝礼金だよ」

オペ子『ああ、ありませんよ、そんなもの』

そんなもの、とは。
飛行型の巨大兵器で、ブレードですぐ落ちるやつ。
ではなく。
やむを得ず緊急発進する、なぜか三機より一機の方が強い飛行型の巨大兵器。
ではなく!

トーマ「マジで?」

オペ子『……あなた、フリーの気でいたのですか? BFFに所属している以上、
    その戦果は全てBFFのものになるに決まっているじゃありませんか』

トーマ「……マジか」

もしかしてあのカップ麺はすごく貴重なものだったのかもしれない。
いっそのことマジで使用人のバイト始めようかなあ。

オペ子『……』
オペ子『心配なさらなくても、相応の給金はBFFから支払われますが?』

トーマ「マジ!?」

オペ子『……先ほどからあなたは、それしか言葉を知らないのですか?
    BFFもあなたをただ使い捨てにするために雇ったのではありません。
    信用できないのでしたら、ウォルコット家にかけ合ってもお支払いすると約束しましょう」

トーマ「それなら安心だ。……んじゃ、支援機は何でもいいわけだな」

……と言っても、やはり最高額は有澤のおっさんなのだが。
メイでも悪くはないのだが、おっさんが雇えるならそれに越したことはない。
訓練所時代に先生から何度も聞かされた。
「――アームズフォートをダウンサイジングした機体こそ雷電なのだ」と。
面識もあることだし、共闘はしやすいだろう。
と。
そこまで考えて、思い至った。

トーマ「なあおい、オペレーターよお」

オペ子『……はい、何でしょう?』

トーマ「全部のせって、アリ?」

///



オペ子『――敵アームズフォート、ランドクラブを確認。
    量産型とはいえアームズフォートです、慎重に行動しましょう」

メイ「ごめんなさいね。そういうの、苦手なの」

有澤「ようは撃ち抜けばいいのだろう?」

オペ子『…………主砲の威力は強烈です。正面ではなく、数を活かして撹乱する。
    もしくは回り込んで攻撃するのが得策でしょう」

メイ「正面からいくわ。細かいのは性に合わないの」キィィィィィ

有澤「正面から行かせてもらおう。それしか脳がない」ガーーーーー

オペ子『…………』

ダン「お、俺はちゃんと回り込むぜ? 別にび、びびってるわけじゃねえよ。
   自分で言うのもなんだが、や、やくにt」

トーマ「すまん、俺の人選ミスだ」

ってか、オニールの。

オペ子『……BFFとしてはミッションを完遂さえしていただければ問題はありません。
    しかし……彼らに任せては、本当に焼け野原になってしまいそうですね……」

有澤「ぬぅん!」ドッゴォォォア

メイ「エイプーなんかに、負けてらんないのよおっ!」バシュバシュバシュバシュバシュバシュ

おっさんのグレネード一発で、ノーマルが三、四機まとめて吹き飛ぶ。
メイのミサイルで、地形がどんどん変わる。
その余りを、ダンが几帳面に潰していく。

トーマ「安心したぜ、やっぱGAだなあ」

オペ子『あなたも働いてください、リンクス。確かに働けば給金は出ると言いましたが、
    働かない方に払う給金はBFFにはありません」

トーマ「へいへい、分かってんよ」

一番でけえのも、残ってることだしな。
ぎりぎり、あれの主砲の範囲外だ。ここからオーバードブーストで懐に入るのが手っ取り早いだろう。
足元で三機のネクストが暴れまわる中、ランドクラブの主砲は静かにスペキュラーを捉えていた。

トーマ「……さあどうぞ、ってか」

オペ子『まずはあの主砲をどうにかする必要があります。
あれさえ潰せば、ランドクラブの攻撃力はノーマル程度まで落ちるでしょう』

トーマ「んじゃ、あくまで俺はBFFらしくやるか。――いくぜスペキュラー!」

しかしオーバードブーストは使わない。
オーバードブーストに比べればゆっくりとした速度で、ランドクラブへと飛ぶ。

オペ子『……!?』

ランドクラブの主砲が火を吹いた。弾がバラけて飛ぶため、高速で飛ぶ身としては非常にやりづらい。
ブーストの加速とも相まって、弾が近づくのがとても速く感じる。

トーマ「おおらっ!」ドヒャア!ドドヒャア!

QBでそれらを避け、ランドクラブのトップを取った。
四門ある砲塔が、いっせいに真上を向く。

オペ子『今です、アサルトアーマーを使ってください』

トーマ「……悪いがあれ、好みじゃなくてな!」ドドヒャア!ドヒャドヒャア!

オペ子『!?』

超至近距離。
QBでいくつかは回避できたが、残りは被弾してしまった。
衝撃がコクピットに伝わるが、重大な被害は出ていないようだ。

トーマ「くそっ……!」

しかしランドクラブの上へ着地は成功した。
腕に持つライフルとスナイパーライフルで、砲塔を破壊にかかる。

オペ子『……砲塔、全て破壊を確認』

あとは楽なものだ。


オペ子『どこがBFFらしく、ですか。結局他の人たちと、やってることは変わらないじゃないですか』

トーマ「ちゃんと関節部狙ったりして、無駄弾減らしたろうが」

オペ子『そんなところをアピールされても困ります』
オペ子『……』

オペ子『あのとき、なぜアサルトアーマーを使わなかったのですか?
    それに、オーバードブーストで近づくこともできたはずです』

珍しく、感情のこもった声だった。

トーマ「あん?」

オペ子『使っていれば砲塔を4つ一気に破壊できたうえ、無駄な被弾をすることもなかったでしょうに』

トーマ「無駄な被弾、ねえ」

酷い言い草だ。
まるで俺が避けれた弾をわざと喰らいにいったような言い方じゃないか。

……まあ。

わざと喰らったんだけどな。

トーマ「廃墟戦とかだったら、迷わず使ってたかもな」

オペ子『……? どういうことです?』

おっさん達が引き上げたプラントを改めて見渡す。
ひどい有様だ、としか言いようのない状態である。

トーマ「死んでいいのは、戦場に好き好んで出てきてるバカどもだけだよ。
    一般人が食うもんがあるってのに、コジマでここのプラントを汚染するこたあねえ。
    アルゼブラの奴ら、食いもんに困ってんだろ?」

オペ子『……そんな理由で……?』

トーマ「お前には分からねえかもしれねえけど、明日食うもんがない奴だってザラにいるんだ。
    お空に浮いてる金持ち様には、一生かかってもその気分は分かんねえだろうな」

オペ子『……』
オペ子『……その甘さがいつか、あなたを殺すことにならないことを祈りますよ』

トーマ「戦場に出てきてる奴らには容赦しねえよ。死ぬ覚悟ができてねえから、
    生きた証拠を残したいから、俺はリンクスになったのかもな」

オペ子『……』
オペ子『……同じだ……』ボソリ
オペ子『…………と、同じだ……』

トーマ「あん? 悪ぃ、ノイズが入って、さっきの聞こえなかった。もっかい言ってくれ」

オペ子『――いえ、何でもありません』

オペ子『お疲れ様でした、リンクス。次の任務に向けて体を休めてください』





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