★その67 《?》

「いってきます。」
「いってらっしゃいです。」
アイビスに見送られながら家を出る。

「ふあぁぁ~」
まだかなり眠い。あくびが止まらん。

昨日、家に帰ってからかベアトリスのご機嫌取りをして
日常会話ができるようになるまで2時間程かかった。

そこからアリーナ用アセンの作成に取り掛かったんだが
なかなか捗らなくて…というか上手くまとまらなかった。

いつも授業で使っている中量二脚、腕にライフルとロングブレード
背中にグレネードとミサイルを積んであるやつね。

二脚ACで最もポピュラーだって言われている『アンファング』を
イメージしてもらえば分かりやすいと思う。
このアンファングの右腕武装をマシンガンからライフルに変えた感じのアセン。

これを予算内に収めようと思ったんだけど難しくて…
そのままだと予算オーバー、予算内に収めると微妙なスペックになるの繰り返しでさ。
俺は元々アセンを考えるのが得意じゃないしね。

アリーナなんだから対AC戦に特化した方がいいんだけど
勝てばそのアセンが手に入るな~とか色々と欲も出たりして
ごちゃごちゃ悩んでいるうちに寝てしまった。
というわけで全然まとまらなかったのだ。

ベアトリスに手伝ってもらうのがベストなんだが
プロのアーキテクトやレイヴンの考えたアセンは使用禁止だそうだ。

そんなの黙っていればバレそうにないけど
「見る人が見ればある程度分かる。」というのがベアトリス談。

俺1人が失格になるだけならいいが、チーム全体が失格になる可能性もある。
万が一バレた時の事を考えるとリスクが大きい。
自分たちでやるしかないんだよな…

色々と考えてるうちに学園に着いてしまったぞ。
アセンをある程度再構築して集合!と呼びかけた張本人が全く出来ていない。
みんなまとまっていたらどうしよう…
まあ悩んでいても仕方ないか。シミュレーター室に行こう。

うわっ、かなり早く家を出たのに、もう2人来てるじゃないか。
ジノーヴィー先輩とネルさんがシミュレーター室の中に入れず立ち往生している。
部屋の鍵は俺が預かっているんだ。

「おはようございます。すみません、遅くなりました。」
「おはよう、槍杉君。私も彼女も今来たところだ。」
「おはようございます、槍杉さん。」
今回はアセン関係の話しだし、ネルさんは会議に出る必要もあまりないんだけど…
こんなに早く来るなんて生真面目だなぁ。

「すぐに鍵開けますね。」
シミュレーター室の中に入った。

早速だけど先輩にアセンの事を聞いてみよう。
「先輩、アセンまとまりましたか?」
「ああ、雛形はもうできている。使いたいパーツをかなり削る破目になったがね。
 見てみるかい?」
「はい。」
先輩は再構築前のデータと再構築後のデータを両方見せてくれた。

before
クレスト製オンリーの中量二脚で、武装はライフル、ブレード、背中に大グレ2本。
よく見ると格納にも小グレを1つ隠してある。先輩グレネード大好きなんだな。
コアにミサイル迎撃機能があるのに、デコイと迎撃ミサイルを積んである。
凄い徹底ぶりだ、ミサイル避けるの苦手なんだろうか?

after
所々安価なパーツに変わっているけどクレスト製以外は使っていない。
何らかの拘りがあるんだろう。
武装はライフルと大グレ2本だけに変更されている。
大グレは1本でいいような気もするけど、相当好きなのかも。
あと、デコイと迎撃ミサイルも外されているな。

全体的によくまとまっていると思う。
たった1日でこれだけ出来るなんて
流石、文武両道のジノーヴィー先輩だな。

それに比べて―――
「実は俺、殆どまとまってなくて…」
「そうか…価格を考慮したアセン講義は2年後期からだったな。」
リンクス科から来たばかりの俺はそれ以前の問題なのかもしれないけど…

その後、エクレールさん、神威、ジナという順番でみんな集まってきたけど
先輩以外に自分のアセンを上手くまとめきれている人はいなかった。

ジナなんか予算の事を完全に忘れて組んでいた。
そういえば昨日、最強のアセンがどうこう言ってたな。
ちょっと焚き付けすぎたかも…

5人中4人のアセンがまとまってないのは辛いな。
先輩も他人のアセンを調整出来るほど器用じゃないって言うし。
アリーナまであまり時間がない。どうしたもんかな…

「あの、アーキテクト科の方に協力をお願いしてみるのはどうですか?」
そ・れ・だ・!
「ナイス案だよ、ネルさん。」

「アーキテクトの手を借りちゃいけないんじゃねーのか、ヒャッハー?」
「確かにプロは禁止と書かれている。でもプロ以外ならいいって事じゃないか?
 つまり学生アーキテクトには手伝ってもらってもいいって事になる。」

「言われてみれば確かにそうだな。」
ジノーヴィー先輩が顎に手を当てながら俺とネルさんの考えを肯定した。

「先輩の知り合いに優秀なアーキテクト科の人はいませんか?」
「アーキテクト科の連中とは交流がなくてな。」

「エクレールさんはどう?」
「ごめんなさい…」

「じゃあ、ジナは?」
「すまない…」

全員駄目か…ベアトリスに頼めば1人ぐらい紹介してもらえるかもしれない。
後は林檎に頼むってのもアリだな。
あいつならアーキテクト科にも知り合いがいそうだ。

「槍杉、何で俺様には聞かないんだぜ、ヒャッハー?」
ああ、すまん。勘定に入ってなかった。
まあ、一応聞いておこう。

「頼めそうな人を知ってるのか?」
「天才って呼ばれてる奴を知ってるんだぜ。俺様に任せろ、ヒャッハー!」

マジかよ…
アーキテクトなんて神威には一番縁のなさそうな人種だぞ?

★その68

あの後、神威は天才アーキテクトの正体を勿体振って教えてくれなかった。
「放課後のお楽しみなんだぜ、ヒャッハー!」とか何とか言ってね。
正直なところ俺たち5人は不安、不安、不安、不安…不安でしょうがなかった。

神威と同じような世紀末の住人――頭脳労働が出来そうにないアーキテクトを
連れてきた場合、直ぐに他を探さなければならない。

一応、俺は保険として林檎にアーキテクトの話をしておいた。
直ぐに紹介してもらえるようにね。

だが俺達の心配をよそに神威が放課後に連れてきたのは
いかにも真面目そうな男子生徒だった。

天才アーキテクトの名前はアナーク。アーキテキト科2年のホープらしい。

傭兵学部ではあまり見かけない華奢なタイプで
支援学部か創作学部だという事がひと目見ただけで分かる。
彼が神威とどうやって知り合ったのか、凄い謎だ…

シミュレーター室に連れてこられたアナークは「僕は忙しいんだ。」とか
「僕はu-AC専門だ。」とか言って、あまり乗り気ではなかった。
神威に殆ど事情を説明されず、強引に連れこられたらしい。

俺はSPアリーナの事を説明するも、彼は嫌そうな顔をして
さっさと部屋を出て行こうとした。

しかし、ジノーヴィー先輩の姿を目にした途端にコロッとアナークの態度が変わる。
彼は急に協力的になり、ぜひアセンを考えさせて欲しいと言い出した。
これ程の変わり身は他に見た事が無い。

強い者にはなびく主義なんだろうか?
先輩に対する研究者としての好奇心なのかもしれない。

かくしてアナークにアセンを見てもらう事に―――
先ずはジノーヴィー先輩のアセンから手を付け始めた。
アナークは先輩の希望を聞きながらも、手はキッチリと動かしている。
性格はともかく天才っていうのは嘘ではなさそう。

「先輩、こんな感じでどうでしょう?」
あっという間にアセンの再構築を済ませてしまった。
先輩のアセンはかなりまとまっていたから簡単だったのかもしれない。

「ありがとう。早速、試させてもらうよ。」
先輩はシミュレーターの中に入って行き、アナークはこっちにやって来た。

「次は君の番だね。」
「よ、よろしく。」
何だか緊張してきたな…

「始めに聞いておこう。これだけは譲れないっていう”こだわり”はあるかい?」

★その69

―――――こだわり
改めて聞かれると、有るような無いような。

ジノーヴィー先輩はグレネードとクレスト。
エクレールさんはデュアルブレード。
ジナはひたすら高性能。
神威はネスト時代の古いパーツ。
みんな譲れないモノを持っている。

俺は………よく考えると、コレっていうこだわりが無いな。
授業で使っている中距離中量二脚は無難に組んだだけだし。
絶対にコレじゃなきゃ嫌だってわけでもない。

SPアリーナの話を持ちかけられた時も、漠然と自分のACが欲しい。
そんな風に考えていた。

あれ?何だかよく分からなくなってきたぞ…
Q、何故SPアリーナに出るのか?
A、勝てばACが手に入るから。

Q、どんなACが欲しい?
A、強くてカッコイイACが欲しい!
う~む…我ながら思慮が浅いな。

自問自答してて悲しくなってきた。
まあ今更、こんな事考えていてもしょうがないか。

「とりあえず、こんな感じでお願いしたいんだけど。」
アンファング似のアセンデータをアナークに見せた。

彼はさっとアセンに目を通して一言。
「個性が無い。」
これまたズバッと来たな。

「君ってひょっとしてアセンが苦手?」
「苦手、かな…実は少し前までリンクス科にいてさ
 レイヴン科に来て日が浅いんだ。まだ自分の戦闘スタイルを模索している段階。」

「ふーん、やっぱりね。知性が足りないのに無難に組もうとすると
 こんな感じになるんだよ。」
嘲笑を浮かべるアナーク。

ジノーヴィー先輩の時と全然態度が違う。
ムカつく―――のを通り越して呆れるな。初対面の相手にこれは酷いだろ。

「君のパーソナルデータ、あと出来ればシミュレーターの戦闘データが
 2つ3つ欲しいんだけど。」
俺を馬鹿にして笑っていたかと思ったら、急に真面目な面持ちになったぞ。

「これでいいかな?」
「オーケー。ちょっと集中するから話しかけないでくれよ。」
「了解した。」
お手並み拝見だな。

アナークは端末上にパーソナルデータ、戦闘データ、アセンデータを表示させ
3つのデータに目を通しながらも手でキーボードをしっかりと叩いている。
プチ聖徳太子みたいな感じだ。

多くのレイヴンやリンクスは自分でアセンを考える。
――にも関わらずアーキテクトのアセン構築が仕事として成り立っているのが
正直、不思議だった。
今のアナークを見ているとアーキテクトに依頼する人の気持ちが少し分かる。

「はい、できた。」
早ッ!もうできたのか。
「ちょっと見せてもらうよ。」
「僕の自信作だ。」

アナークの考えてくれたアセンデーダに目を通す。
ふむふむ、中二のACが予算内で良い感じにまとめらている。
まとめられているんだが…武装が微妙に変わっているぞ?

ライフル、ロングブレード、グレネード、ミサイルだったのに
ハンドガン、ショートブレード、小型グレネードに変わっている。
あと肩に見慣れないパーツも。

「ミサイルはどこへ?」
「見れば分かるでしょ?外したよ。」
ちょ、勝手に外された。

「君はミサイルの使い方が下手だね。ロックが完了したら適当に撃ってるでしょ?」
「た、確かに…」
悔しいが図星だ。

「じゃあ、このハンドガンは?」
「機体重量を削りたかったんだ。機体が軽くなれば脚部、ブースター
 ジェネレーター、ラジエーターの選択肢が広がるからね。
 グレネードを小型の物に変えたのも同じ理由。」

「グレネードはいいけど、ハンドガンって…」
「見た目だけじゃなく、ちゃんと性能も見てる?
 この6連式リボルバーはそこいらのライフルより、よっぽど強力だよ?」

「そりゃ強力かもしれないけど総火力が―――そうか!
 それで下がった総火力を補う為にブレードを短距離高威力型に変えたのか。」
「へーえ、見た目ほど馬鹿じゃなさそうだね。」
それ褒めてるのか?

「でもショートブレードなんて使った事ないんだけど…」
「これだけは自信を持って言えるね。君はインファイターだ。
 中距離が好きみたいだけど、決め手はいつも突撃からの格闘戦。」
言われてみれば、そうかもしれない。

「君は射撃より格闘能力の方が優れているよ。データがそれを証明している。
 ショートブレードも使いこなせるはずだ。」
簡単に言ってくれるな~、アリーナまであまり時間が無いんだぞ。
本当に大丈夫なんだろうか…

ああっ!コレの事も聞いとかなきゃな。
「この肩に付いてるのは?」
「ターンブースターだよ。」
「何それ?」

「補助ブースターだよ。ネクストのQTみたいな事が出来る物だと
 思ってくれればいい。君は左右のブースト比率を変えたり
 片脚を無理やり軸にして急旋回してるよね?
 元リンクス科だって言ってたし、ハマれば武器になると思ってね。」
確かにノーマルで急旋回するのは手間だと思ってた。

「そんなに便利な物があるんだ。何でみんな使わないんだろう?」
「使いこなすのが難しいからだよ。
 実際に使ってみれば分かるけどQTほど使い勝手がいい物じゃない。」

「ええッ!せっかく削った機体重量を増やしてまで積む価値あるのか?」
「それは分からないよ。モノにできるかどうかは君次第なんだから。」
自分で組んどいてそれは無いだろ。

「ジノーヴィー先輩のアセンもこんなに弄くり回したのか?」
「そんなに変えてないよ。先輩のアセンはかなり固まっていたからね。
 君は戦闘スタイルを模索している段階って自分で言ってたじゃないか。」
余計な事を言ってしまったかもしれない…

「なかなか弄り甲斐があった。まあゴチャゴチャ言う前に一度試してみなよ。
 はい、次の人。」
そう言いながらアナークはエクレールさんの方に行ってしまった。
やっぱりアーキテクトは変な奴ばっかりだ。

「ふぅ…」
とりあえず、アナーク先生の自信作をシミュレーターで試してみるか。

★その70

ピッ、ポッ、パッと。
俺はシミュレーターの中に入って手早く設定を済ませた。
さてさて、どこから試そうか―――あっ、そうだ!

「こちら槍杉。ネルさん、聞こえますか?」
オペレーションブースにいる彼女に呼び掛ける。
「はい、聞こえいますよ。」
直ぐに応えが返ってきた。

「ちょっとお願いしたい事があるんだ。
 SPアリーナの試合会場、オールド…なんだっけ?」
「オールド・アヴァロンですね。」

「そう、そこそこ。オールド・アヴァロンのアリーナを
 シミュレーターで使いたいんだ。直ぐに出せそう?」

「少し待ってください。」
ネルさんの言う”少し”はほんの数秒だった。
周囲にアリーナの景色が映し出される。

「ありがとう、流石ネルさんだ。仕事が速い!」
「フフフッ、煽てても何も出ませんよ。」

前にも同じ様なやり取りをしたな。
俺としては素直に褒めているだけなんだけど…
まあいいや、今は試合場の確認と新アセンのテスト。
この2つに集中しよう。

オールド・アヴァロンのアリーナは八角形の円柱に近いドームで、縦に長い。
空中戦や垂直ミサイルを使うのにも、申し分ない高さが確保されている。

そして特徴的なのがアリーナの中心を囲むように配置されている8本の巨大な柱。
ドーム型の屋内アリーナで遮蔽物があるのは珍しいよな。
個人的には柱の陰に隠れて、作戦を考える時間が稼げそうなので大歓迎。

アリーナの特徴はこんなところか…
次は新アセンのテストだな。天才アナークの手腕に期待しよう。

メインシステム 戦闘モード 起動します

システムを立ち上げて慣らし運転を開始した。
先ずはゆっくり――徐々にスピードを上げて――最大戦速まで加速する。

「くうっ…」
怪我に響く、インファイトを想定してるだけあって速い。
かなりのスピードを出せるように設計されている。
相手との距離を詰められないとアウトだから当然なんだが…
俺が機体に振り回されている。こいつはジャジャ馬だ。

5分程振り回されていると、機体速度にも慣れてきた。
そろそろターンブースターを使ってみるか。

プシューン!

大量のエネルギーと引き換えに一瞬で機体の向きが変わった。
凄く便利じゃないか、もう一丁!

「あれ?」
ターンブースターが作動しないぞ。
『RELOAD TIME』?連発はできないのか…
面白いパーツだけど、エネルギーを馬鹿食いするし使いどころが難しそうだな。

俺はターンブースターに価値を見出せるのだろうか?
外せば機体重量や予算に余裕ができるが…

⇒《見出すさ!》
 《外してもらおう…》

一瞬でも旋回で相手を上回れるのは大きい。
上手く使えばアナークの言う通り武器になるはずだ。
それに大観衆の前で華麗なターンを決めるAC、カッコイイじゃないか!
よし、ターンブースターを使うぞ。

武装も確かめておこう。
「ネルさん、武装をテストできそうなターゲットを出して欲しいんだ。」
「何か希望はありますか?」
「う~ん、じゃあ模擬依頼の時に出てきた赤い人型MTを2機で。」
「CR-MT85Bですね。了解です。」
彼女の通信直後、MTが2機アリーナに姿を現した。

まずは小型グレネード―――
手前にいるMTに数発撃ち込んでみる。
いつも使っている大型グレネードと同じ感覚で使えるな。
弾数が減っているのに注意、無駄弾は極力撃たないようにしないと。
射程も短くなっているが、どうせ至近距離でしか撃たないから問題ないだろう。

お次はリボルバー型ハンドガン―――
グレネードの直撃で半壊したMTに全弾命中。MTを1機撃破した。
取り回しがしやすいな。それに重装甲のMTが少し怯んだ。
攻撃力、熱量、反動、全てに優れているのか…
6発毎のリロードに気をつければ強力かもしれない。

最後はショートブレード―――
残ったもう1機に向かって突進。いつもの間合いより一歩踏み込んでから斬りつける。
確かな手応えを感じながらMTを葬った。
動きの鈍いMT相手なら余裕がある。
問題はこれを飛び回るACに当てる事ができるかだな。
エクレール先生に弟子入りしよう。

「ふぅ…」
こんなところかな?

システム 通常モードに移行します

★その71

新しいアセン、結構いけるかもしれない。
そう思いながらシミュレーターを出た。
授業でよく聞く”パーツは組み合わせ次第”っていう文句。
正直、眉唾だったけど実感させられてしまったな。

アナークはどこだろう?―――――ジナのアセンを見てくれているのか。
何だか2人ともヒートアップしている様子。
大丈夫だろうか…?

しばらく経ってからジナのアセンが終わったらしく、アナークがこっちに来た。
「僕の自信作はどうだった?」
「凄く使いやすかったよ。これでu-AC専門だって言うんだから、さっすが天才!」
自称天才じゃなかったんだな。

「君にも僕の偉大さが分かったみたいだね。
 まあ僕はフォーミュラFの歴史に名を残す男だから。」
「アナークなら本当に残せるかもね。」

「と、当然だろッ!君みたいな知性の足りない奴に言われても
 う、嬉しくないよ!」
「今のうちにサインでも貰っておこうかな。」

ピロリロリン♪
アナークの好感度が8上がった!

今、謎の効果音と一緒に不気味なナレーションが聞こえたような…
幻聴だ、そうに違いない。忘れよう。

「一通り回ったみたいだけど、他のみんなはどうだった?」
「あのジナイーダって女は駄目だね。無茶苦茶な要求ばかりしてきて、話にならない。
 天才の僕でも彼女の要求を予算内に収めるのは無理。」
やっぱりかぁ…

「ジノーヴィー先輩は?」
「無難にまとまってるかな。僕が手を付ける前から出来上がってたしね。
 彼のアセンを弄ってみたくてこの話を受けたのに残念だよ。」
そりゃご愁傷様。先輩は大丈夫そうだな。

「エクレールさんはどう?」
「微妙なラインだね。彼女のスタイルは極端で扱いが難しい。
 もうちょっと予算があればなんとかなるんだけど。」
あちゃー、エク姉さんも駄目か。

「神威はどんな感じ?」
「問題なし。」
「ネスト時代の古いパーツじゃなきゃ嫌だって言ってたけど、予算は大丈夫だったの?」
「生産数の多い物ばかりで構成したからね。
 所謂、ヴィンテージパーツは一切使わなかった。」
瑞穂たん、意外とお金の掛からない子。

問題は女子2人か…女子は金が掛かるな。
総合的な戦闘力だと恐らく先輩、ジナ、エクレールさんが上位。
自然と勝ち星に近いのはこの3人になる。
そのうち2人も予算オーバーはマズい…

「アナーク、俺のアセンをもうちょっと安くできないか?」
「変なこと言うね。君のアセンは良い感じに予算内で収まってるんだよ?」
「ジナとエクレールさんに俺の予算を少し回してあげたいんだ。」
「聞いた話じゃ、アリーナで使ったアセンをそのまま貰えるんだろ?
 大金を女どもにくれてやる様なものじゃないか。いいのかい?」

「あくまで”勝てば貰える”だからね。
 卵が孵る前にヒナを数えるなっていうのが我が家の格言。」
「へぇ~」

ピロリロリン♪
アナークの好感度が2上がった!

また謎の効果音とナレーションが…
いや、聞かなかった事にしよう。

「できる?できない?」
「そうだな、君のアセンは機動力を落とすと使い物にならないから
 自然と他の部分にしわ寄せが行く事になるよ。外装を初期パーツで固めて
 オプションパーツを削ればコストダウンできなくはない。」

オプションパーツは別にいいけど、外装を初期パーツオンリーか…
見た目が凄くモッサリしたACになりそうだけど、まあいいや。
さよなら、俺のカッコイイAC~

「それで頼むよ。」
「いいんだね?」
「うん。」
負けたら何も無しだ、後悔は無い。

「このペースだと今日中に決まりそうだね。」
「はぁ?そんなわけないだろ!」
「えっ!?」

「あと数日はじっくり練らせてもらうよ。僕はいい加減な仕事が大嫌いなんだ。」
「あんまり時間が無いんだけど…」
「アセン提出の期限はまだ先なんだろ?」
「いつまでだったかな…」





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