Aパート::
 戦場は爆裂を極めていた。
 爆発。爆発。爆発。バンバンと破裂する「トライロバイト」!
 今のところはサイプレス=テン・コマンドメンツが優勢だ。
 しかしクモ型無人兵器「トライトバイト」の軍勢は、無限とも思われる数で攻めてくるのだ。
 弾丸の貯蔵庫であるテン・コマンドメンツだが流石に弾丸を温存しなくてはならない。
 この先には管理者部隊のACがいるはずなのだ。
 其の数は一つ。しかし敵はACだ。弾が無くてはこちらがやられてしまう。
 右手のハンドガンの最後の弾が発射され、薬莢が廃莢される。
 サイプレスは弾の切れたハンドガンをパージし宙に弧を描いた灼熱する薬莢を掴む。

 「システムチェンジ! 超演奏機械《メカニカルギタリスト》モード、起動!!」

 頭部COMがその発声コマンドを受け、システム回路を組み替える。
 内部機構が露出し煙を上げていてもまだヒクヒクと痙攣する「トライロバイト」。
 それを取り上げテン・コマンドメンツはその脚部ユニットを引き千切り露出する電神経に薬莢ピックを当てる。
 そして掻き鳴らす! 
 爆音が空間を共鳴させる!


 「造られた空を舞え大鴉!!」OPテーマ:
 『運命《サダメ》に身を任せるか!』
 唄:ローバスターズ / 作詞・作曲:ザルトホック・東芝

一番:
 浴びろ! 喝采、我が勝利
 撃ちまくれよ その弾丸尽きるまで
 残弾全て尽きたなら
 お前は無理せず戻って来い!
 お前の勝負はこれからだ
 遣るべきことが残ってる! 
 お前はまだ死ねない
 だってお前には宿敵がいるのだから
 AH~♪ WOW! WOWWOWOW!

 ジョリ~ン! テケテケテケティ~~ンティケティケティケ!

二番:
 唄え! 大風、我が闘志
 諦めるなよ、この身朽ちるまで
 素手の勝負で負けたなら
 お前はナイフを握ればいい!
 ナイフの勝負で負けたなら
 その手で銃を握れ!
 お前はまだ戦える
 だってお前はまだ生きているのだから
 AHッー! UHO! UHO!

 シャラーン! テケテケテケティ~~ンティケティケティケ!!!!

主張:
 決して冷めないその心
 瞳見据えろ、宿敵の胸
 
 倒せ、お前は強敵を
 卑怯な手なんどお得意様だ
 プライドなんぞもかなぐり捨てろ
 倒せよ、強敵!
 お前は勝者なのだから
 勝てぬ敵など居ない筈
 あの日にお前はもう帰れない
 だってもうお前は戦うしか出来ない身体なのだから

 ジョリ~ン! テケテケテケティ~~ンティケティケティケ!
 ティヤ~ンテケテテケー!
 テテ! テーー! テーーーーー!!!! 


 強制的に残弾を吐き出させられる「トライロバイト」。
 その殺戮たるショットガンの弾を受け、這い寄る「トライトバイト」は蹴散らされる。
 これなら弾は無限だ。「トライロバイト」の弾で「トライロバイト」を屑鉄に変える! 繰り返す!
 段々と敵のレーダ表示の侵食が納まっていく。最終的に赤三角はゼロになる!
 ミッションでの第一回戦は完全勝利である。
 同時に閉ざされていたゲートが開く。テン・コマンドメンツは「トライロバイト」を捨て先に進む。
 敵ACはやはり待っていたのだ。AC:テン・コマンドメンツを……否サイプレスを!
 
 《機外温度:上昇中……危険ゾーン突破!》
 「ならばラジエータの出力を最大にしろ。予備コンデンサはそちらに回せ。主コンデンサは通常で良い」
 《了解、主君》

 粛々と実行する頭部COM。優秀だ、とサイプレスは思う。
 立ち込める陽炎。冷やしても冷やしても上昇する機体温度。
 そして最後のゲート。この先に管理者のACがいる……。

 《急激なエネルギ場の膨張を確認:敵AC起動確認……》
 《出力推測:テン・コマンドメンツのジェネレータ出力の十倍相当》
 《エマージェンシィ! 危険! 危険! 危険!》
 《 撤 退 要 請 ! 》

 本当に彼女は優秀である。
 しかし、サイプレスは操縦桿を握る。
 テン・コマンドメンツは進む。
 ゲート脇の制御盤を操作する。熱膨張により歪み、軋みをあげてゲートが開く。
 先ほどと同じようなただっぴろい部屋。障害物は無い。
 その中央に、濃紺色の戦車型ACが中央に待っていた。
 エクステンションと両腕の巨大なE・シールド、右肩にはグレネードを装備している。
 管理者ACはテン・コマンドメンツを認識する。

 《敵機、OB{オーバード・ブースト}起動確認!!》

 クレストの重コア特有の爆炎を上げ、戦艦的な鉄の塊が突貫してくる!
 E・シールド発生装置が展開される。紫電を上げ、展開する電撃バリア!
 通常のエネルギ供給率を超えている。ぶつかる気だ!
 触れたらいっかんの終わりだ。テン・コマンドメンツは粉々にされるだろう。
 サイプレスはブーストを起動、その突貫を回避する。
 背中を見せて通り過ぎる敵ACにチェーンガンを浴びせるがしかし、
 エネルギの大幅な供給過多を受けたシールドによって発射された大多数の弾丸は敵の装甲に届く前に蒸発した。
 そして届いた弾丸さえも、その分厚い装甲によって阻まれ満足なダメージを与えられない。

 《敵機シールド解除……武装変更、グレネードです!》 
 《敵AC、グレネード・キャノン展開。被ロック! 予想:::避けられません!!!》

 タンク脚特有の超旋回によって振り向いた管理者AC。
 既に展開された巨砲。サイプレスはアンロックを試みる。
 しかし無駄だ。テン・コマンドメンツは手ぶらの右腕で防御を試みる。
 破滅的な威力を持つ榴弾がテン・コマンドメンツを抉る。
 脳髄を揺すぶる震動! 肩の付け根から右腕パーツが吹き飛び千切れ燃え爆ぜるケーブル。
 見る意味もないエラー信号がディスプレイを埋め尽くす。
 遅れて聞こえてくる発射の爆音……。両肩のチェーンガンが吹っ飛ばされる。
 直角以上の角度に折れ曲がる銃身は最早使い物にならぬことを示している
 満身創痍のテン・コマンドメンツ。

 《敵AC、再び突貫形態に移行……》
 《E・シールド展開!》
 
 だがサイプレスは笑う。
 それは自虐的な、勝てぬ敵を前にしての笑いでは無い。
 勝利への笑いだ! 
 サイプレスはフットペダルを踏んだ。
 テン・コマンドメンツのジェネレータが異常な爆動を鳴らす。
 ラジエータへの電源供給をシャットダウン→背部OB機構へ完全バイバス!
 
 「OB展開!」
 《もう、どーにでもなーれ☆》 
 頭部COMは泣いた……。


Bパート:
 私が生まれた、いや、私という意識が成り立ったのは、いつだったか。
 目の前に、研究員が何人も忙しそうにしていたことは覚えている。
 しかしながら私はあった。そこにあった。みどり色の液体の中に浮かんだ、醜い細胞の集まりが私だった。
 私の意識が確立して、三ヶ月後にそれがわかった。研究員のもった金属片に、私が映った。そして、眼球すら無いのもわかった
 容器に密閉され、一生を過してきた私自身に、一体何故如何してそのような目の前にいるのは『研究員』だと、分かる知識があるのか、もわかった。
 私はいわゆるテレパス能力を持っているようだ。それで、さまざまな事を受信できる。ただ特定のものにチューニングするのは困難だった。
 一度ずらすと、バカになった。一気に私の知力も抜け落ちる、そんな感じがした。どうやら、私はこのテレパス能力をつかって、
 視界に映る研究員の知識を間借りしているだけのようだ。だから、チューニングをずらすとバカになる。
 この視界というものも、私の入っている容器の中に入っているカメラユニットから送られてくるものだった。
 どうやら生き物の物では無くとも、検波できるようだった。
 少しずつ、バカにならぬよう、私の認識の調節つまみを回していくと、今度は別の視界が送られてきた。
 揺れていた。ヘルメットを被っているような、そんな感じの視界だった。そして彼は、何かのコクピットの中にいた。
 彼が操縦桿を起こすと、急に視界は消えた。私は慌ててチューニングを元に戻した。そして振動を感じた。
 私自身も揺れて、容器のガラスにぶつかった。すこし痛かった。ガラスもひび割れた。
 カメラユニットに映し出される映像も途切れ途切れになった。そして、研究室の天井にひびが入り、一気に崩れた。
 崩壊する天井の破片がガラスにぶつかって、とうとうガラスは割れた。液体と一緒に私も排出された。
 とげとげの、割れたガラスがすこし体に刺さった、凄くいたかった。カメラは無事だった。
 私は、その時、バカになっていた。どんどん、バカになっていくのを感じられた。私はバカだったが、チューニングはずらしていなかった。
 なぜバカになったか考えると、このお部屋の惨状だから、惨状だから、研究員死んじゃってるしなあと思った。
 どうしようかなあと考えちゃってると、
 うめき声が聞こえたから、
 肉を震わせて行ってみると、
 ちょっとぷるぷるするとガラスするどくて痛かったけど、
 生き残った研究員がいた。私をみて愕いたようにおどろいていたけど、顔をやさしくしました。
 それでわたしに手を伸ばしました。とたん、私は、バカではなくなった。彼を、私は取り込んだのだ。
 私には知識を蓄積するメモリがあまり無かった。だからチューニングがずれると、バカになった。物を覚えることができなかった。
 研究員の、最後に残った意思。それが途切れると、私は私として、個として成り立っていた。
 私は立ち上がる。そして深呼吸する。煙にむせる。涙目になる。だが私がここにいると実感できた。
 私は、生きているコンピュータからありったけのデータをかき集めると、ファイルや実験ノートを抱えて、その場を後にした。
 風の噂によると、私の研究所を襲ったのはキサラギの雇ったレイヴンらしい。
 私を作ったのはミラージュだった。だが元となった研究を行ったのはキサラギだった。
 ミラージュがあの研究所を制圧したのだ。
 そしてキサラギが行っていた研究を、自分のものとして、勝手に進めた。
 だからキサラギはミラージュなんかにあの研究を進められるくらいだったら、壊してしまった方がましだと思った。
 だからレイヴンを雇い、研究所を壊滅させたらしい。
 まあ、いまの私には、関係のない話だが……。

 ぼうっとしていると、寝てしまったようだった。昔のことを思い出してしまった。
 暗い部屋にディスプレイが光るだけ、というは余りよろしくないのだろうが、私はこちらの方が落ち着ける。
 タスクバーに新着メールが来ていると、表示があった。
 
 =======用意はできた=======

 俺は頑張ったんだ。
 あんたの書いた通りにやったら誰にも気づかれずに環境制御区に入れた
 まさか管理者までだまくらかせるとはおもわなんだがな
 あと、10分後に例のウイルスを適当な区域に流す
 終わったら、また連絡するぜ
 金を用紙して待っていろ

 ====================

 終わったら、また連絡するぜ、と書かれていたが、また連絡は無かった。
 彼はもう死んだのだろう。ヤツの頭に爆弾を仕込んでおいたから。

 これで目的は果たした。
 管理者に気づかれずに、侵入させるのには、骨が折れたが。
 まあ、管理者も老朽化している。既に神経網の末端は機能していない。
 その末端神経の通っているセクションに例のウイルスを流し込み、テストする。
 これで、私の目的は、一応果たされたわけだ。
 さて、あとは反応を見るだけだ。

 私は知識が欲しい。飢え餓える私は知識を、情報を糧とする。
 管理者の網から零れ落ちた数少ないデータを解析し咀嚼しているうちに、私は思った。
 これでは埒が明かないと。これでは何千年かかるかわからないと。
 ならばお前の居場所を見つけ、『管理者』を私の融合能力をもって取り込んでやる。
 そして、全てを知るのだ。この世の……貴様の『全て』を!!!
 
 「『管理者』、お前はこれをみて、どう動く?
  さあ、『管理者』! 出て来い! 出て来いよ!
  私はお前を取り込みたい。もっと、もっと知りたいんだ。
  過去のこと、大破壊以前の超文明のこと、そして、この先に待っている未来のことを!」


 人類に『再生』された旧人類は薄明かりの中高笑う。
 それは自らの不完全さをあざ笑うかのようでもあった。
 キサラギが発見し、ミラージュが勝手だが引き継いだその研究。
 実態は旧世界のデータの復元だ。研究者たちは旧世界人類の模倣体を、つまりは彼を復元した。
 しかし完全に再生されなかった。元となったデータが劣化しすぎていたのだ。
 《D.O.V.E》に封印された超過去の記憶。そこに彼の身体のデータが眠っている筈だ。
 彼はかつての知性を取り戻す為、記憶を復活させる為に『今の世界』に戦いを挑む。
 それが悪であったとしても、彼には正義であり、それだけが存在証明であるのだから!


 
 「リリカル傭兵《レイヴン》 テンコマ! ~今日は今日とて首チョンパ^^!!~」OPテーマ:
 『愛憎! 内臓! グロテスク! 混ぜるなって搔き雑ぜるなって超危険!!!』
 唄:臓物スミカ / 作詞・作曲:ダイナマ・伊藤ブル

いちばん:  
 それは温かい
 とっても温かい
 生の温度だ!
 赤い 赤い 赤い 腸! 腸!
 とっても長い臓物~~~♪ 
 肉片が宙を舞い、降ってきた。
 雨は? そのあめ雨は??????
 あは! あは! あは!!
 それは それはそれはそれは 血液の真赤!!

 テンテン~テンコマコマ~♪
 テンテンテン~テンコマコマコマ~♪♪

にばん:
 考えるのめんどくさくなったわけじゃないよ

 じゃじゃーん

 糸売





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