あの出来事から一夜明けた早朝、寝台に備え付けられた電話が鳴る
「・・・はい」
『おはようございます』
窓を見ると日の出前なのか、空にはまだ僅かな明かりしか見えない
「えと・・・外まだ暗いんですが」
『ミラージュ社から緊急の依頼です、ミラージュ社の輸送機が何者かの襲撃を受け墜落しました』
「ごめんなさい、パスで・・・ふわぁ・・・」
『襲撃を行なった部隊は護衛の部隊により撃破されましたが、輸送機の損傷が酷く、代わりの輸送機を送る事となりました』
「じゃあおやすみなさい・・・」
『誓約書』
その単語を聞いた瞬間、まだ半分も動いていなかった頭が強制的に起動させられてしまった
『また敵も増援を送ってくる可能性があり、あなたにはその護衛をお願いします』
「・・・ミスったなぁ」
『私だって緊急とは言えせっかくの命令権をDランク任務に使うのは非常に不本意ですがしょうがありません、急いで準備して下さい』
「・・・意地悪」
『そちらへの輸送機の到着はあと十分です、それとこの任務が終わったら個人的にミーティングを行なわせて頂きます、そのつもりで』
「あ、嘘!ごめんなさい!あの!!・・・切れちゃった」
ACの輸送機の到着は十分後、つまりはそれまでに出撃の準備をしなければならない
緊急なので仕方ないのだろうが装備を練る時間はない、急いでACが格納されているガレージに向かう
(最後に何つけてたっけ・・・?)
考えてる暇はないか、自分に言い聞かせるようにひとりぎちながら、寝巻き代わりに来ていたスウェットの上下を脱ぎながら走る
輸送機の中、彼は頭を抱えていた
自分の得意分野は遠距離である、だが他の距離が苦手という訳ではない
中距離ではその時の気分でミサイルや、戦闘では癖のあるロケットを扱って器用に戦ったりする
また弾切れした場合や、潜入任務等で格納されたブレードで接近戦主体に戦う事もある、だが
(よりによってブレード腕のみて・・・アホか俺・・・)
つい先日、知人から薦められて旧アリーナのビデオを観た時の事だが
その中に腕ブレードとロケットのみの軽量機という、なんというか・・・素人にはオススメできない機体の試合があった
正直アホかと思った、しかも戦闘開始と同時にロケットをパージするという奇行、思わず笑ってしまった
だが予想は裏切られ、その機体は負けなかった
グレネードを連射する高火力ACを掻い潜りつつ斬る、斬る、斬る、最後はオマケでついているような光波で仕留めるという神業
しかもただ仕留めたのではない、距離を開けようと空中へ逃げる相手をまるで狙撃するように、である
その試合を観て感動し、興奮し、危うく発狂する所まで行きそうだった知人と自分は思わず
「俺あの機体つくるー!!」と知人
「俺も俺も!!」と自分
というノリでついブレード腕を購入、そして後日届いたそれを装着、そしてVRアリーナでMTやテスト先生相手に大興奮の大乱闘を行なったのだった
そして滅多に依頼を受けない自分は、機体を戻す事を忘れて今に至るのであった
「俺も俺もじゃねぇ!アホか俺!俺アホだ!!」
『どうしたんだレイヴン!?』
「あ、や、こっちの話です!」
輸送機との通信回線を開きっぱなしにしていたのをうっかり忘れていた
そしてそれから数十分経過し、作戦領域に到達した
『いつ敵が現れるかわかりません、注意して下さい』
「はい、わかりました、レーダーないけど」
『・・・ミーティングの件忘れない用に』
「・・・はい」
声のトーンは変わってないのに明らかに怒っているのがわかる、こういう場合は怒鳴られた方がマシかもしれしないとひとりごちる
『・・・敵影よ!』
「はぁ・・・やっぱりついてないなぁ」
『輸送機ね、こちらに近づく前に撃ち落せる?』
「無理かと」
『・・・MTが投下されたわ、幸い飛行する敵はいないわ』
「こーいうのを不幸中の幸いって言うんですかね・・・」
『とにかく迎撃して』
「了解」
一言返すと同時に味方の護衛部隊への通信を開く
「残存の護衛部隊は味方輸送機を守れ!MTは全て俺に任せろ!!」
『了解!頼んだぞレイヴン!!』
戦闘の幕が下ろされた
『敵MT部隊補足、上級MTオウル2機、二脚MTオストリッチ5機です』
システムコンピュータが敵を分析、結果を報告
そんなん見りゃわかる、と思ったがコンピュータに突っ込むのは寂しいので言わない事にしている
輸送機を墜とされる事を心配したのか、こちらの部隊から多少離れた所から進行してくるMT部隊
二脚MTオストリッチが「ガション、ガション」と音を立てながらこちらに向かってくる、その少し後ろには上級MTオウルが二機並んで追行している
こちらはブレード機体のため軽量機であり、敵部隊に近づくのはすぐである
敵もただ黙って近寄らせるのではなくオストリッチは機体の側面からミサイルを撃ってくる
こちらもそれに気づくと同時に機体を左に滑らせてミサイルを振り切る
相手のミサイルの第二波を放たれまいと、そのまま機体を相手の側面に回り込む
敵も接近させまいとミサイルから上部に取り付けられたライフルを発砲、近寄り過ぎた為速度だけでは振り切りきれない数発がこちらの機体装甲を削る
だがその程度ではACの足止めになどならず、成す術もなく接近されたオストリッチは薄い装甲に右、左とブレード叩きつけられる
そして直後、ACが後ろへ下がると同時に爆散
『固まるな!囲むんだ!!』
『下がれ!距離を離すんだ!』
『こちらオウルA、ACの足止めはまかせ・・・うわぁ!!』
接近されたオストリッチ五機・・・一機撃破されたので四機とオウル二機の隊列は、ACを距離をとって取り囲もうと移動する
だが所詮MTでは軽量型ACのスピードから逃れる事はできなかった
先ほどの場所から一番近くにいたオウルにロケットを放ち、足が止まった所をブレードで一閃、オウルの機体が綺麗に上と下に別れ、そして爆発した
結局全てを仕留めるのに大した時間はかからなかった、相手の周りを旋回し補足されない様気をつけながら、狙えるならロケット、そして近づいてブレード
その繰り返しで数分も立たず敵の部隊は全滅した
「なんとかなったなー」
深く息を吸い込み吐き出す、そして吸えない煙草を口に咥えようと取り出そうとしたと同時に、味方部隊とオペレータから通信回線が開く
『レイヴン!敵が反対側から!!』
『どうやらそちらは陽動の様よ!急いで輸送機の所へ!』
「あー・・・もー!部隊は輸送機の護衛を最優先に!!」
『敵は・・・残念な事に飛行型MT二・・・いや三機よ、気をつけて』
「なっ・・・うわっ!だるーい!!」
『レイヴン、敵が迫ってきている急いでくれ!!』
「今向かってる!撃破されないよう気をつけながら輸送機を守れ!」
『ははっ了解!死んでたまるか!!』
輸送機の地点にはすぐ到着した、こういう所は今回の機体の唯一の長所である
『こちら護衛部隊、MT一機墜としたぞ、あと二機だ』
「でかしたー!!」
『こちら隊長機、二機目だ、だがもう弾がない!』
「了解!最後は任せろ!」
(ブレードが使い物にならんのならロケットで・・・!)
そして飛行型MTに照準を合わせ発射、だがこちらから見て右へ動いたMTの左を通過していく
先の戦闘ではあまり気にならなかったが、やはり空中の相手となるとロックオンの重要性が身に染みる
「くそ・・・次は慎重にって弾切れだー!アホか俺!!」
ブレード機体なので速度を重視した結果、小型の装弾数の少ないロケットにしたのがいけなかった
いけなかったと言えばこの機体で依頼に来た時点での話だが・・・
仕方なく高速で動き回るMTを空中で捉えようと追い掛け回すのだが、ただでさえ捉え様のない動きなのに更に空中である
言葉通り縦横無尽に動き回る相手にブレードを当てる事ができない
だが相手からすればわざわざ自分から攻撃に当たりにきてくれる様なもので、追いかけてくるACを撃つだけである
一発一発の威力は低くとも、装甲の薄い機体には徐々に深刻なダメージとなってくる
(あーもー・・・!せめてもっと射程が長ければ・・・あれ?射程?)
「あーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
『どうしたレイヴン!?』
「なんでもない!俺はアホだったんだ!!」
『は?大丈夫かなのか!?」
「大丈夫!もう終わりますよ!」
『一体何がどうしたというんだ?』
そう吐き捨てたと同時に機体を加速、飛行型MTに真正面から近づく
レーザーを撃ちながら距離を離さそうとするMTに対してそれは自殺行為にしか見えなかった、が
「ちぇいや!!」
掛け声と共にブレードを振るう、MTとは距離があるため届くハズがない、届くのハズがなかったのだが
ブレード部分はそのまま腕から離れ光波となり、そして直線上に飛んで行く
その先には、散々逃げ回ってくれた飛行型MTがいる
―――飛んだ斬撃は―――
―――MTを真っ二つに切り裂いた―――
「はー・・・任務終了」
『御疲れ様レイヴン、正直一機に負けるなんて想像したくなかったわ』
「結果オーライかと」
『・・・ふふ、そうね・・・輸送機ももう飛べる様ね、帰還しましょう』
『こちら護衛部隊、レイヴン感謝する、おかげで全員無事だ!』
「はは・・・こちらこそ助かりましたよ」
『ははははは!まさかあんなに苦戦されるとは思わなかったよ!』
『まったくです・・・使い慣れない機体のまま放置しておくなんて・・・』
『EOが残っていれば楽に片付いただろうにな!』
「・・・EO?」
『え?それEOコアだろ?俺はこれでもACには詳しくてなあ、はっはっはwww』
「・・・そーだった、俺アホなんだ」
『・・・ミーティング忘れないで下さいね♪』
声のトーンは明るいのに明らかに怒っているのがわかる
「帰りたいのに帰りたくないなぁ」
声に出したら怒鳴られた、これだから任務は受けたくないんだ
「・・・はい」
『おはようございます』
窓を見ると日の出前なのか、空にはまだ僅かな明かりしか見えない
「えと・・・外まだ暗いんですが」
『ミラージュ社から緊急の依頼です、ミラージュ社の輸送機が何者かの襲撃を受け墜落しました』
「ごめんなさい、パスで・・・ふわぁ・・・」
『襲撃を行なった部隊は護衛の部隊により撃破されましたが、輸送機の損傷が酷く、代わりの輸送機を送る事となりました』
「じゃあおやすみなさい・・・」
『誓約書』
その単語を聞いた瞬間、まだ半分も動いていなかった頭が強制的に起動させられてしまった
『また敵も増援を送ってくる可能性があり、あなたにはその護衛をお願いします』
「・・・ミスったなぁ」
『私だって緊急とは言えせっかくの命令権をDランク任務に使うのは非常に不本意ですがしょうがありません、急いで準備して下さい』
「・・・意地悪」
『そちらへの輸送機の到着はあと十分です、それとこの任務が終わったら個人的にミーティングを行なわせて頂きます、そのつもりで』
「あ、嘘!ごめんなさい!あの!!・・・切れちゃった」
ACの輸送機の到着は十分後、つまりはそれまでに出撃の準備をしなければならない
緊急なので仕方ないのだろうが装備を練る時間はない、急いでACが格納されているガレージに向かう
(最後に何つけてたっけ・・・?)
考えてる暇はないか、自分に言い聞かせるようにひとりぎちながら、寝巻き代わりに来ていたスウェットの上下を脱ぎながら走る
輸送機の中、彼は頭を抱えていた
自分の得意分野は遠距離である、だが他の距離が苦手という訳ではない
中距離ではその時の気分でミサイルや、戦闘では癖のあるロケットを扱って器用に戦ったりする
また弾切れした場合や、潜入任務等で格納されたブレードで接近戦主体に戦う事もある、だが
(よりによってブレード腕のみて・・・アホか俺・・・)
つい先日、知人から薦められて旧アリーナのビデオを観た時の事だが
その中に腕ブレードとロケットのみの軽量機という、なんというか・・・素人にはオススメできない機体の試合があった
正直アホかと思った、しかも戦闘開始と同時にロケットをパージするという奇行、思わず笑ってしまった
だが予想は裏切られ、その機体は負けなかった
グレネードを連射する高火力ACを掻い潜りつつ斬る、斬る、斬る、最後はオマケでついているような光波で仕留めるという神業
しかもただ仕留めたのではない、距離を開けようと空中へ逃げる相手をまるで狙撃するように、である
その試合を観て感動し、興奮し、危うく発狂する所まで行きそうだった知人と自分は思わず
「俺あの機体つくるー!!」と知人
「俺も俺も!!」と自分
というノリでついブレード腕を購入、そして後日届いたそれを装着、そしてVRアリーナでMTやテスト先生相手に大興奮の大乱闘を行なったのだった
そして滅多に依頼を受けない自分は、機体を戻す事を忘れて今に至るのであった
「俺も俺もじゃねぇ!アホか俺!俺アホだ!!」
『どうしたんだレイヴン!?』
「あ、や、こっちの話です!」
輸送機との通信回線を開きっぱなしにしていたのをうっかり忘れていた
そしてそれから数十分経過し、作戦領域に到達した
『いつ敵が現れるかわかりません、注意して下さい』
「はい、わかりました、レーダーないけど」
『・・・ミーティングの件忘れない用に』
「・・・はい」
声のトーンは変わってないのに明らかに怒っているのがわかる、こういう場合は怒鳴られた方がマシかもしれしないとひとりごちる
『・・・敵影よ!』
「はぁ・・・やっぱりついてないなぁ」
『輸送機ね、こちらに近づく前に撃ち落せる?』
「無理かと」
『・・・MTが投下されたわ、幸い飛行する敵はいないわ』
「こーいうのを不幸中の幸いって言うんですかね・・・」
『とにかく迎撃して』
「了解」
一言返すと同時に味方の護衛部隊への通信を開く
「残存の護衛部隊は味方輸送機を守れ!MTは全て俺に任せろ!!」
『了解!頼んだぞレイヴン!!』
戦闘の幕が下ろされた
『敵MT部隊補足、上級MTオウル2機、二脚MTオストリッチ5機です』
システムコンピュータが敵を分析、結果を報告
そんなん見りゃわかる、と思ったがコンピュータに突っ込むのは寂しいので言わない事にしている
輸送機を墜とされる事を心配したのか、こちらの部隊から多少離れた所から進行してくるMT部隊
二脚MTオストリッチが「ガション、ガション」と音を立てながらこちらに向かってくる、その少し後ろには上級MTオウルが二機並んで追行している
こちらはブレード機体のため軽量機であり、敵部隊に近づくのはすぐである
敵もただ黙って近寄らせるのではなくオストリッチは機体の側面からミサイルを撃ってくる
こちらもそれに気づくと同時に機体を左に滑らせてミサイルを振り切る
相手のミサイルの第二波を放たれまいと、そのまま機体を相手の側面に回り込む
敵も接近させまいとミサイルから上部に取り付けられたライフルを発砲、近寄り過ぎた為速度だけでは振り切りきれない数発がこちらの機体装甲を削る
だがその程度ではACの足止めになどならず、成す術もなく接近されたオストリッチは薄い装甲に右、左とブレード叩きつけられる
そして直後、ACが後ろへ下がると同時に爆散
『固まるな!囲むんだ!!』
『下がれ!距離を離すんだ!』
『こちらオウルA、ACの足止めはまかせ・・・うわぁ!!』
接近されたオストリッチ五機・・・一機撃破されたので四機とオウル二機の隊列は、ACを距離をとって取り囲もうと移動する
だが所詮MTでは軽量型ACのスピードから逃れる事はできなかった
先ほどの場所から一番近くにいたオウルにロケットを放ち、足が止まった所をブレードで一閃、オウルの機体が綺麗に上と下に別れ、そして爆発した
結局全てを仕留めるのに大した時間はかからなかった、相手の周りを旋回し補足されない様気をつけながら、狙えるならロケット、そして近づいてブレード
その繰り返しで数分も立たず敵の部隊は全滅した
「なんとかなったなー」
深く息を吸い込み吐き出す、そして吸えない煙草を口に咥えようと取り出そうとしたと同時に、味方部隊とオペレータから通信回線が開く
『レイヴン!敵が反対側から!!』
『どうやらそちらは陽動の様よ!急いで輸送機の所へ!』
「あー・・・もー!部隊は輸送機の護衛を最優先に!!」
『敵は・・・残念な事に飛行型MT二・・・いや三機よ、気をつけて』
「なっ・・・うわっ!だるーい!!」
『レイヴン、敵が迫ってきている急いでくれ!!』
「今向かってる!撃破されないよう気をつけながら輸送機を守れ!」
『ははっ了解!死んでたまるか!!』
輸送機の地点にはすぐ到着した、こういう所は今回の機体の唯一の長所である
『こちら護衛部隊、MT一機墜としたぞ、あと二機だ』
「でかしたー!!」
『こちら隊長機、二機目だ、だがもう弾がない!』
「了解!最後は任せろ!」
(ブレードが使い物にならんのならロケットで・・・!)
そして飛行型MTに照準を合わせ発射、だがこちらから見て右へ動いたMTの左を通過していく
先の戦闘ではあまり気にならなかったが、やはり空中の相手となるとロックオンの重要性が身に染みる
「くそ・・・次は慎重にって弾切れだー!アホか俺!!」
ブレード機体なので速度を重視した結果、小型の装弾数の少ないロケットにしたのがいけなかった
いけなかったと言えばこの機体で依頼に来た時点での話だが・・・
仕方なく高速で動き回るMTを空中で捉えようと追い掛け回すのだが、ただでさえ捉え様のない動きなのに更に空中である
言葉通り縦横無尽に動き回る相手にブレードを当てる事ができない
だが相手からすればわざわざ自分から攻撃に当たりにきてくれる様なもので、追いかけてくるACを撃つだけである
一発一発の威力は低くとも、装甲の薄い機体には徐々に深刻なダメージとなってくる
(あーもー・・・!せめてもっと射程が長ければ・・・あれ?射程?)
「あーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
『どうしたレイヴン!?』
「なんでもない!俺はアホだったんだ!!」
『は?大丈夫かなのか!?」
「大丈夫!もう終わりますよ!」
『一体何がどうしたというんだ?』
そう吐き捨てたと同時に機体を加速、飛行型MTに真正面から近づく
レーザーを撃ちながら距離を離さそうとするMTに対してそれは自殺行為にしか見えなかった、が
「ちぇいや!!」
掛け声と共にブレードを振るう、MTとは距離があるため届くハズがない、届くのハズがなかったのだが
ブレード部分はそのまま腕から離れ光波となり、そして直線上に飛んで行く
その先には、散々逃げ回ってくれた飛行型MTがいる
―――飛んだ斬撃は―――
―――MTを真っ二つに切り裂いた―――
「はー・・・任務終了」
『御疲れ様レイヴン、正直一機に負けるなんて想像したくなかったわ』
「結果オーライかと」
『・・・ふふ、そうね・・・輸送機ももう飛べる様ね、帰還しましょう』
『こちら護衛部隊、レイヴン感謝する、おかげで全員無事だ!』
「はは・・・こちらこそ助かりましたよ」
『ははははは!まさかあんなに苦戦されるとは思わなかったよ!』
『まったくです・・・使い慣れない機体のまま放置しておくなんて・・・』
『EOが残っていれば楽に片付いただろうにな!』
「・・・EO?」
『え?それEOコアだろ?俺はこれでもACには詳しくてなあ、はっはっはwww』
「・・・そーだった、俺アホなんだ」
『・・・ミーティング忘れないで下さいね♪』
声のトーンは明るいのに明らかに怒っているのがわかる
「帰りたいのに帰りたくないなぁ」
声に出したら怒鳴られた、これだから任務は受けたくないんだ