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「アイドルをやりたいなら、ネクストじゃなくヒラヒラのドレスでも着てればいい…」
苦々しくテレビを見ながら、男は自然と呪詛を吐いていた。

いけ好かないガキだ。
あの反吐の出るような偽善ぶったコメントも、あいつの社中の評価も、一つ一つが俺の神経を逆撫でる。
何故俺をフンクムに出さなかったのかまったく理解できない。
「実力、戦果、ともに俺のほうが明らかに上のはず、インテリオルはタレント業でも始めたのか!」

国家解体戦争において抜群の勲功をあげ、№9まで上り詰めた男は今、本社にてテストパーツの試験運用の任務を請けていた。
「理解できん、理解できんぞ、理解不能だ、オリジナルである俺が何故…屈辱だ…!」
日ごと増えていく愚痴混じりの独り言、それに反比例するかのように上がっていく№31の評価。
男は今、焦りと苛立ち、嫉妬の情に塗れていた。
半ば飼い殺しになっている自分の現状にも不満を抱いており、溜まったフラストレーションは既に爆発寸前であった。
「完全に俺を舐めている、上の連中め…俺を恐れているくせに…お前らの不安を俺が知らないとでも思ったか!
俺の姿を見るときの連中のナーバスな顔…ハッ、バレバレだというんだッ!俺にビビってるんだろうッ!」
飲みかけのアイスコーヒーをグラスごとドアに投げつけ、男はしばし無言のまま気分を落ち着けた。
「…今だけだ、あのガキがいきがっていられるのも…パックスなんて仲良しクラブが長持ちするはずがない。
いざ戦乱となれば、俺がどうしても必要になるさ、貧弱なMTや量産型ノーマルしか相手をしたことのないあんなガキに何ができる。
早く戦争になればいい、どこでもいいから仕掛けて来い、この吐き気がするような茶番を終わらせろ」

長い独り言を終えたと同時に、携帯端末に社内情報部からのニュースメールが入る。
‘アクアビットと蜜月関係にあったGAE、GA本社の内部粛清を受ける。実行部隊はアナトリアの傭兵‘
男は神の存在を信じた、数十秒前の願望が現実となったのだ。
「ハハッ、見ろ!やはりこうなったじゃないか!フハハハ!俺の出番だ、俺の世界が来るぞ!
しかもノーマルなんて小物じゃない、相手はネクストかもしれない!
大体俺の№9という順位もおかしいと思っていたのだ、狩った雑魚の数などなんの目安にもならん!
跪かせてやるぞ、俺を認めさせてやる!」

功名心の権化は高らかに笑いながら、混沌を至上の歓喜とともに迎えていた。
男がアナトリアの傭兵と戦場で出会う前、世界が復興不可能なまでの致命的な戦乱を迎える一月前のことであった。




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