「お嬢様…お願いですからお屋敷にお戻りください…」
「イヤよ。レイブンとして名を馳せるの。そう決めたのよ」
「お嬢様の身になにかあったら僕は切腹ものです…」
「切ればいいじゃない。アタシの知ったことですか」

「うう…死ぬかと思った…ふえええん…」
「お嬢様…考え直していただけましたか?
レイブンって楽しいものじゃないんですよ。
楽しいものなら今でも僕が続けてますよ」
「………」

「アンタ、意外と腕が立つのね。さすがお父様が見込んだだけのことはあるわ」
「…帰りましょう、お屋敷に」
「帰らないわ!アンタがアタシの僚機になりなさいな」
「そんな…ご無体な」
「うるさいっ!ちょっと前までランカーレイブンだったんでしょ?
そのくらい出来るでしょ?お礼は…アタシの磨きぬかれた体で。
…ど、どう?…やるっていいなさいよ、男でしょ!」


「探しましたよ。さ、坊ちゃま、お屋敷に戻りましょう」
「戻らないよ。一人で生きてくって決めたんだ」
「坊ちゃま…で、なんで生きてく手段がレイブンなんですか?
わがまま言わないでください…」
「何だっていいだろ!…自分の腕だけで生きてくって決めたんだよ」
「………」

「その…今日は助かったよ」
「助かったよ、じゃありません!死にかけたじゃありませんか。
私が駆けつけなかったらどうなっていたことか…もし坊ちゃまに万が一のことが
あったら、私、旦那様と奥様にどんな顔してなんと言えばいいのか…」
「いや、その…」
「お屋敷に戻っていただきますわよ。ええ、何が何でも」
「いや…戻るのは…あんな大見得切って出てきたし…」
「まだそんなことを…って、説得してもムダですわね、これは」
「…君は戻れよ」
「戻りません。判りました、私が坊ちゃまが一人前のレイブンになるまで僚機を
務めさせていただきますわ」
「へ?」
「よろしいですか?出撃中は私の指示に従っていただきます。依頼の選択も。
仕事に関しては、私をメイドではなく、先輩レイブンとお考えくださいませ」
「いや、あの…」
「…ご安心下さい、必ずや坊ちゃまをランカーレイブンにして差し上げますわ。
…この私が…手とり足とり、ね?…うふふっ」



囚われの女レイヴン ~肉欲のアイザールダム~
新人レイヴンの元に送られてきた一通の送信者不明の依頼メール。

機密事項の漏洩を防ぐため、今すぐに○○ポイントへ来てくれ。報酬は充分に用意しよう。

その一文を信じ、依頼を受けたレイヴンは現場へ急行する。
――だが、その依頼は罠だったのだ!愛機から引き釣り降ろされ囚われの身になったレイヴン。
彼女は、傭兵稼業の厳しさをその身をもって知ることとなる!!

大丈夫!KISARAGIのエロゲだよ!!>干


「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
さわやかな朝の挨拶が、濁りきった空にこだまする。
地下複合都市ビーハイブに集うカラスたちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、ネットワークに飛び込んでいく。
恐れを知らない心身を包むのは、鋼鉄の装甲。
自分の存在を悟られぬように、そして一切痕跡を残さぬように、ゆっくりと接続するのがここでのたしなみ。もちろん、依頼の内容を覗かれるなどといった、間の抜けた者など存在していようはずもない。
レイヴンズネスト。
地球暦百十年創立のこの機関は、もとは百年計画のためにつくられたという、伝統ある秘密主義の依頼斡旋ネットワークである。
アイザックシティ郊外。地上の面影を未だに残している自然の多いこの地区で、電子端末に見守られ、新人からプロフェッショナルまであらゆるレイヴンが登録される渡り鳥の巣。
時代は移り変わり、運営がクローム社から独立するまでになった今日でさえ、報酬さえ払えばどのような依頼でも必ず遂行するレイヴンが鉄の箱入りで出荷される、という仕組みが未だ残っている貴重な機関である。


「はい、おにーちゃん、お弁当。お仕事がんばってきてね」
「ああ…毎日すまないな」
「ううん、ちっともすまなくないよ。おにいちゃんこそ毎日ロボットうごかして
大変だよね…あたしもママみたいにおいしいものがつくれたらいいんだけど…」
「止せよ、母さんの話は」
「あ、ごめん…そうだよね………」
「おいおい、そんな顔するなよ…安心しろよ、俺がいつか母さん殺して家を
メチャクチャにしてくれたレイブン探し出して落とし前つけてやるから。
それが終わったらお前に金持ちのお婿さん見つけて…」
「ねえ、おにいちゃん、あまりあぶないこと考えないでね?」
「はは、何だよ、その顔…心配するなよ」
「………それに、おむこさんなんて、あたし…」
「ん?」
「ううん、なんでもない…じゃ、お仕事がんばってきてね!」
「あ、ああ…」

『金稼がないとな…あいつの為にも…』


「お嬢様…お屋敷に帰りましょうよ…」
「ダメよ!絶対に最高のランカーレイブンになるんだから!」
「お嬢様に何かあったら僕は…」
「何もないように、アンタが身を挺して私を守りなさいな」

「………」
「どうしたんです?何ですか、その顔は」
「私が無名のままなのに、アンタがランカーレイブンってどういうこと!?」
「いや、それは…ほら、僕はお屋敷づとめの前はレイブンでしたし」
「気に入らないわ!依頼だって全部アンタを指名して来てるじゃない!
これじゃアタシがアンタの下にいるのと同じじゃない!」
「………だってお嬢様、ACの扱いヘタだし(ボソッ)」
「何ですってぇ!?聞こえたわよ?お父様に言ってやるんだから!」
「…ってことは、お屋敷に帰っていただけるのですね?」
「………帰る訳ないじゃん。アタシがランカーレイブンになるまで帰らないわ。
それに、帰ったら…こうしてアンタと一緒に暮すわけには…」
「えっ?何ですって」
「何でもないわよ!とにかく、アタシが有名になるまで帰らないんだからね!」






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