※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 日付が変わる少し前。まだ深夜という時間には少し早い。
チームのみんなはもう寝てしまっただろうか。
桃白々3号は、自室のソファに横たわりながら右手のウィスキーをゆっくりと傾けた。
3号の視線の先には左手にもった写真立て。中に写っているのは最愛の妻、アリスの姿だ。
 3号は時々ウィスキーをあおりながら、こうやって妻の写真に見入る。
3号が初めて愛した人。そして3号がもっとも愛している人。
それがアリスだ。
アリスを幸せにしたい。その一心で3号は頑張ってきた、あの日までは。



 あの日以来、アリスとそして彼女と同じように愛している二人の娘ミシェルとエルマとは別々に暮らしている。
会社は保護と言っているが、それが態のいい軟禁である事くらい3号にも分かっている。
3号自身もなれないレイヴンとして身を隠さねばならなくなった。
 自分がオルベを開発さえしなければ、未来は変わっていたのだろうか。
アリス達をもっと幸せにできたのだろうか。
 3号はそう自問する。そして懺悔し、やがて落胆する。
3号も過ぎてしまった事を後悔してもはじまらない事くらい分かっている。
しかしどうしてもアルコールが入るとそういう気分になってしまうのだ。
「飲みすぎたかな」
3号はいつもと同じように独り言を呟くとベッドへと向かった。
ベッドにもぐりながら3号は思う。



 いつか、いつかきっと一緒に暮らせる日が来るはずだ。
そう思う事だけが3号が、3号として生きている理由である。
 きっと今夜、3号は夢を見るだろう。
アリスと出会った頃の幸せだった日々の。
そしてそれが明日からの3号の生きていく糧となる。




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー