アーキテクトの話
あるアーキテクトキサラギ撃破話
「全く勝てない…」
「おかしい…アセンブルも完璧、AIも完璧、チップも適したのをちゃんと使っている」
「なのになぜ勝てない!こんなのいかさまだぁ…」
そのとき一人のアーキテクトは悩んでいた
自分の自信満々で作った機体で勝てないと言うのだ
「ガチタンを使ってしまえばいいじゃない」
そう、オーナーは言う
が、それはプライドが許さないのだ
しかしこれではチームが破綻してしまう
「困ったなぁ…」
ある日、キサラギの変態チームに負けてきた時のこと
「何だあのチーム!俺の引き打ちができるように組んだ機体がどんどん突っ込んでいくから
どんどん撃破されてしまう!このままでは本当に解雇されるかも…」
「よし!アセンブルとAIを根本的に変えてみよう!
それしかもう選択肢はないんだ…」
「まず、引き打ちができる機体を組もう。
う~ん武装に悩むなぁ… AIはこれがいいかも…」
刻々と時間は過ぎていった
数日後
「よし、俺のチームの完成だ!」
それは実力と見た目がそろったチームだった
一機目は重二脚で引き打ちするウィン・ウィッシーズ
二機目は攻めに特化した四脚ブレイムズ
三機目はタンクのストーン・キング
四機目は軽量二脚の攻撃機フライ・レイヴン
五機目は重量四脚の引き打ち機ロング・ダッシュ
男の努力と魂の賜物は確実に強くなっていた
次のシーズン
VSキサラギ
「まずタンクが来るからなるべく遠くで引き打ちするようにしたんだ!」
「GO!」
男の思った通りウィン・ウィッシーズは近づかずにバズーカで着々と相手のAPを削っていく
「グリッド2!AP残り50%!」
男はそう言われた時点で勝ったと思った
が、そう簡単にはいかなかった
チャージングしたのだ
その隙にキサラギタンクはOBで急接近、リニアと火炎放射機で追撃を図る
ジャンプして逃げつつ攻撃するウィン・ウィッシーズ
ついに火炎放射機を食らってしまった
だがその直前にチャージングが終わり、ウィン・ウィッシーズは距離を取る
追撃するキサラギタンク、が追い付けなかった
「グリッド2!残りAP10%!」
「グリッド2行動不能、グリッド1の勝利です!」
「勝った…」
「あの散々負けたあのタンクに勝った…」
「これは夢ではないよな…」
男が言うのも無理はなかった
今までエリアトップ3に入れたこともないからだ
「次の機体からは戦ったことがないからよく分からないな…
確かリニアを持った重量二脚だったが…」
「GO!」
「グリッド2!残りAP50%!」
「グリッド2!残りAP10%!」
「グリッド2!行動不能、グリッド1の勝利です!」
男は唖然とした
今までこんなチームに苦戦していたかと思うと自然と笑えてきた
「多分次も楽勝だろう」
男はすっかり安心していた
そんな考えはあっという間に消えることとなる
「次は両肩にオービットを持って左手にバズーカを持った重量二脚だったな」
「多分次もあの前の機体のように行けるだろう」
「GO!」
引き打ちをするウィン・ウィッシーズ
だがAIに逃げるという選択肢はなかった
オービットとバズーカに削られていくウィン・ウィッシーズ
「グリッド1!AP50%!」
「グリッド1!AP10%!」
「グリッド1!行動不能、グリッド2の勝利です!」
男は愕然とした
まさかこんな機体に負けるとは思ってもいなかったからだ
とりあえずブレイムズを出撃させる
「GO!」
戦闘が始まった
必死に接近するブレイムズ
が後退しながらオービットを射出するキサラギAC
ブレイムズは避けきれずに直撃を受ける
それでも接近するが、追い付けない
「グリッド1!AP50%!」
男は焦っていた
このままいったらズルズルと負けてしまう
そうはなりたくなかった
だが男の思うようにはいかなかった
「グリッド1!AP10%」
「グリッド1!行動不能、グリッド2の勝利です!」
男の心境は確実に危なかった
だがタンクならやってくれるという気持ちがあった
出撃するストーン・キング
その後ろ姿は輝いていた
「GO!」
タンクは強かった
まさに瞬殺だった
主砲とセレナと唐沢とナパームロケットで一気に攻撃し、相手のAPを一瞬で0にした
「グリッド2!行動不能、グリッド1の勝利です!」
男は確信した
「この機体と同じようなのをたくさん作れば勝てる…」と
そうはいかないのがFFの世界なのだが
少し浮かれながらも相手の次の機体をチェック
「う~ん、思い出せない…戦ったことないから分かんないな…」
「まぁ、いいか 勝てるだろう」
「GO!」
案の定キサラギチームのACは射突型ブレードを装備
「これはさすがに楽勝だろう…」
だがそう簡単にはいかなかった
「何で攻撃しないんだ!い、ECM…」
キサラギACはECMを装備していた
それにより、レーダーとロックオンに障害が発生し、相手を確認しづらくなる
その間に接近してくるキサラギAC
射突型ブレードを振りかかった
「グリッド2の射突型ブレードが命中!」
「グリッド1!AP50%!」
「グリッド1!熱暴走が続いている」
「グリッド1!チャージングが続いている」
動けない隙にもう一度振りかかるキサラギAC
「グリッド2の射突型ブレードが命中!」
「グリッド1!行動不能、グリッド2の勝利です!」
男は思った
「さすがにタンクだけでは勝てないのか…」
「もう一度考え直す必要があるな」
男は黙ってフライ・レイヴンを出撃させた
「GO!」
華麗に空を舞うフライ・レイヴン
その飛行能力の高さにキサラギACは敵わなかった
射突型ブレードは当たらずパージし、肝心のECMも効かない
マシンガンでとEOで攻撃するフライ・レイヴン
「グリッド2!AP50%!」
「グリッド2!AP10%!」
「グリッド2!行動不能、グリッド1の勝利です!」
「まさかこんなに楽勝だとはな…」
「同じ脚部ばっかりではだめということか」
「で…次も分かんないな…次が分からないとやっぱり怖いぜ」
「GO!」
「また射突型ブレードか… まったく、なめているのかキサラギは…」
前回と同じようにマシンガンとEOで攻撃していくフライ・レイヴン
が、弾が切れた
「グリッド1!攻撃手段を失った!」
ジャンプとブーストで距離を取る
その時キサラギACが近づいてきて、射突型ブレードを振りかかった
「グリッド2の射突型ブレードが命中!」
それ本当に偶然のことだった
がその偶然でAP差が逆転した
刻々とすぎていく時間
だが、すでに負けているため、ただの時間稼ぎにもならなかった
「タイムアップ!グリッド2の勝利!」
これは男も予想外であった
まさかあそこで弾が切れるとは
「しかしこれで弱っているから勝てる!」
誰でも思うことである
そして最後の機体ロング・ダッシュを出撃させた
「GO!」
ロング・ダッシュが負ける要因はまったくもってない
よって圧倒的な強さで敵を撃破した
「グリッド2!行動不能、グリッド1の勝利です!」
「すべてのACを撃破!グリッド1の勝利です!」
「ついに勝った…」
男は信じられなかった
あの強豪と呼ばれるチーム、AF KISARAGIを倒してしまったからだ
オーナーにさっそく連絡を入れた
[件名]AF KISARAGIに勝ちました
[本文]ついに勝ちました!
これで俺もいっぱしのアーキテクトですかね?
今はチームのみんなと飲んでますよ
[件名]Re:AF KISARAGIに勝ちました
[本文]あまり調子に乗るなよ
ここからが強豪との闘いなのだからな
だけど今は褒めてやろう
おめでとう
この調子で是非とも頑張ってほしい
そのとき、そんな返信が来ているとも知らず、俺は仲間と飲んでいた