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――古代ローマ。コロッセオには剣奴、グラディエーター同士や彼らと猛獣との死闘を観戦しようと
多くの人々が集まったと伝えられる
そして優れた見世物は何時でも不死鳥の如く蘇る――幾世紀をも隔てた現代の世にも、だ


「From the east gate.....New fighter Notung!!!!!」

booooooooo!!!!!

「And from the west gate.....Revived Jack the Ripper Dr.Dudley!!!!!」

waaaaaaaaa!!!!!

審判が入場して来たACに乗るレイヴンを脚色して英語で観客に伝えると
ブーイングと歓声が沸き起こった
日本のアングラアリーナなら日本語だが、ここは香港
中国語か英語のどちらかだが、国際都市という事を考慮すると英語なのだろう

「…ったく、分かり易い態度だけど…気持ちは好くないな」

東から入場して来たAC――ヴェレスタの中でレイヴン:ノートゥングが愚痴を溢す
観客は彼にブーイングを浴びせ、対戦相手のレイヴン:ドクター・ダドリーに歓声を上げた

【敵はデュアルブレードに両肩追加ブースターを装備、高機動を活かした接近戦を主流としたスタイルでしょう】
「否応が無しにブレード戦になるだろうな…」

ノートゥングが戦闘の展開を先読みしていると実況によって
カウントダウンが始まった

「5!」
5!
「4!」
4!
「3!」
3!
「2!」
2!
「1!」
1!

審判が数字を読み上げるとそれを追う様に観客もカウントし
5、4、3、2、1と戦闘開始に刻々と近づいてくる
そして実況と観客の息の合った最後の一言によって戦闘が始まった

「「zero!」」

カウントが終わると共に、瞬時に2機のACが動き出す
片方――ヴェレスタは小ジャンプしつつ右に左に機体を揺らし
右手のレーザーライフルの銃口を敵に向けて様子見に入り
もう片方――ドクター・ダドリーのAC:FTスカルペル
はOBを利用して急速接近
やがて、ヴェレスタのFCSが敵ACを射程内に捉え
まず一次ロック――FTスカルペルが右手にブレードを形成
次に二次ロック――次は左手にブレードを形成
そしてトリガーを引いて発射――レーザーが追加ブースターに命中し、片方が爆散するも突撃を止めず
両手を機体の中心で水平にクロスさせて鋏の如く斬り掛かる
それをヴェレスタは間一髪の所でブレードを形成、ブースターで緊急後退しつつブレードを相手のブレードに垂直に咬ませて
防御・回避し、真っ二つの危機を免れた

「ヤリマスネー…キホンにチュージツなキタイコーセイ。ナガレルヨーナカタナサバキ…アナタ、ニポンジンデスネー?」
「片言の日本語!?」
「ワタシ、ムカシムカーシニポンにリューガクシテマシター。ニポンゴチョットダケハナセマース」

後退した後、しばらく間、機体同士の睨み合いが始まり
ドクター・ダドリーが通信を入れて来た

「ワタシ、リューガクシテタトキにケンドークラブハイッテマシター。トテモタノシカッタデース」
「…」
「デモ、タノシイダケジャダメデース、ヒトはキレマセーン。ソコデワタシはUKのカレッジをソツギョウシタアト、
ゲカのドクターにナリマーシター。デモ、デモ、モノタリナカッタンデスネー…ソコデワタシはー…」
「人を斬りたくて…だからレイヴンになったのか…?」
「グゥーレイトォ!セイカイデース!アナタはスバラシー。ダカラ…ココデワタシがキリキザンデサシアゲマース!!!!」

台詞の直後、ブレードを再形成したFTスカルペルが動き出し、襲い掛かってきた

「ニゲテモムダムダムダムダムダムダムダァ!ワタシのメスはスコシヅツアナタのコアをケズリトッテイキマスヨォォォォォォ!!!!」
「こいつ…狂ってる!」

少しづつ後退しながら、次々と襲い掛かってくる2本のブレードを左腕のブレードでなんとか斬り返して防御する
その一方で、一方的な攻撃に歓声が沸き上がり、ブレードダンスがさらにヒートアップする
そしてスタイルを見失った大振りの攻撃が隙を生み出した
FTスカルペルが左手を上段に構えた瞬間をヴェレスタは見逃さなかった

「…今だっ!」

振り上げられた左腕に対し、咄嗟にレーザーライフルの照準を合わせて発射
丁度、間接に直撃したレーザーはそのまま敵の内部フレームの一部を溶解させブレードの消えた左腕が鉄の床に転げ落ちた

「…?ホワット?ヒダリウデがナイデース…スバラシー…ブ…ブブブ…ブッコロシマースヨォォォォ????」
「アリーナじゃ対戦相手を殺すのは反則だぞ、キチガイアメ公…負けるのはお前の方だよ…!!」

左腕を落とされて、我を忘れて怒り狂ったドクター・ダドリーが右腕を狂乱しながら振り回してくる
それは既に、少しづつ敵のパーツを切り落して行くというドクター・ダドリーのスタイルでは無く
ただの怒り狂った、刃物を振りかざすキチガイでしかなかった――故に勝負は簡単に着く

「シネシネシネシネシネシネイヒャァーハッハァー!!!!」
(完全に我を忘れてるな…このタイミングッ!)

右腕を振り回しながら追ってくるFTスカルペルからブースト後退で距離を取り続け
タイミングを見てレーザーライフルを足首の間接に当て、溶解させる
俗に言う「引き撃ち」と呼ばれる技術の応用である

「ノォォォォォ!?!?!?!?」

バランスを失ったFTスカルペルが派手に転倒
そのチャンスをヴェレスタが見逃す筈が無く、直に接近してブレードで相手の右腕、右脚を切断
攻撃・移動不能な状態に追い込み、切り裂きジャックを「逮捕」した

「ヌググググァゲグググ…コーサンデース…マイリマーシター」
「Dr.Dudley say "I'll give up"! Winnner....Nooooootunguuuuuuu!!!!!」

waaaaaaaaaaaaa!!!!

ドクター・ダドリーが降参のサインを出し
審判がそれを確認、勝者を読み上げると開幕当初とは違って歓声が沸きあがった

「ったく、観客ってのは現金な奴らだな…」


「お疲れ様でした。凄い熱狂ぶりでしたよ」

ノートゥング――宗治が機体をアリーナ格納庫のハンガーに固定し、ハンガー近くのベンチで休んでいると
セシリアが冷えたスポーツドリンクを持って来てくれた

「観客より相手のレイヴンが熱狂してたよ…アイツは頭が狂ってる」
「アハハ…私の先輩も「新しく担当になったレイヴンが戦闘狂で困る」って嘆いてましたよ」

隣に腰掛けたセシリアと他愛も無い雑談をしていると
突然、格納庫の入り口からビッシリとスーツを着こなした20台後半ぐらいの白人男性が
同じく白人の、グラマラスな美女に制止されながらも
それを振り切ってこちらまで歩いて来て、二人の目の前で立ち止まった
何かと思って相手の顔を睨み付けると、相手はニコッと人懐こい微笑みを顔に浮かべると

「ミスタ・ノートゥングデスネー?ワタシがダクタ・ダッドリーデース」
「ドクター・ダドリー?…あんたさっきの!!!」

相手の名前を聞き、驚いて後ろに飛び退く
同時に相手が美女に羽交い絞めにされる

「ソンナにオドロカナイデクダサーイ。ワタシはナニもアナタをカイタイシにキタンジャアリマセーン」
「…」

相手の顔を睨み付けながら動かずに話を聞く
こちらの安全を保障する言葉を聴いて美女もホッとしたのか、羽交い絞めを止めた

「メイシをワタシにキマシター。ウケトッテクダサーイ」
「…メイシ…?…ああ、名刺か」
「ソーデース。アナタならワタシのリョーキがツトマリマース。イマナラオマケでムツカシイシュジュチュもヤッテサシアゲマース。オトクデショー?」

ダドリー医師が懐から名刺を2枚取り出し、セシリアに1枚渡し
宗治にもう1枚を差し出してくる

「名刺を受け取るぐらいなら、いいんじゃないんですか?」
「…名刺なんて用意してるのかよ…分かりました。その名刺、受け取りましょう」

宗治が名刺に恐る恐る手を出し、素早く取ると裏表を確認し
両端を持って歪ませて爆発物では無いかを確認し、安全を確認すると懐にしまいこんだ

「アリガトウゴザイマース。マタ、オアイシマショー。Mary, Let's go.」

名刺を受け取ってくれた二人に礼を言うと
彼は美女の名前を呼び、颯爽と去って行った

「カッコいい英国紳士じゃないですか」

セシリアがドクター・ダドリーに対する率直な感想を述べる

「ふーん…セシリアさん、あーゆうのが好きなんだ…」

そんなセシリアに対して言葉を投げた後、ボソッと「ライバル増えたな…」とぼやく

「え…!?ち…違いますよ!あれはですね、その、ハリウッド俳優とかへのカッコいいとか、そーゆうモノであって…」
「今更遅いですよ…帰りましょうか」
「え…あ…は、はいっ!」

セシリアの慌てぶりを内心で楽しみながら、対G服の上に上着を羽織って
夜の香港へと足を踏み出した


―同時刻、九竜アリーナVIPルーム―

「へえ…今のACは僕が日本で殺しかけた奴か」

頬杖を突き、ロングソファーに深く腰掛けた男が卓上のノートPCに表示されているレイヴンとACのデータを見ながら
向かい側に座っている男に語り掛ける

「ああ、ミツビシの推薦でこの地区に来た様でな。最近の戦績は飛躍した機体性能よりも
腕によるモノが多い。南京重工有限公司の虎の子、中国の悪魔――先行者も既にミッション中で3機撃破している」
「ふぅん…噂によると、僕を追っているそうじゃないか…楽しみだねぇ」
「あまり楽観してると、足元をすくわれて命を落とすぞ。ネロ…!」

男が釘を刺すように、ネロと呼ばれた青年に強い口調で言葉を投げる

「ふふ…リック、君は僕が負けるとでも思ってるのかい?この暴君ネロが、獣の数字が無名のレイヴンに?」
「いや、そうは思ってないが…万が一も有り得る。奢り高ぶらない様に注意しろよ…俺はこれで帰るからな」
「ああ…じゃあね。そうさせて貰うとするよ…ふふふ…アハハハ…アーハッハッハッハ!!!」

男がノートPCを持って部屋から出て行くと同時に、ネロの笑い声が部屋中に響き渡り
アリーナで対戦していたAC2機が同時に――炎上した




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