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「後30分程で民間の空港に到着するそうです。荷物はそこからトラックで、ACはそのまま乗り込んでガレージに移動させます」
「トラックの警戒も兼ねて…ってことですか。分かりました」

輸送機前部の客用シートでセシリアが30分後の行動を告げる
宗治はそれを確認すると手荷物からPDAを取り出し
電源を入れ、音楽ファイルを開き
プラグの挿してあったヘッドホンを着けて音楽を聴き始めた

「何聴くんですか?」
「古いUKロックですよ。コールドプレイとか、フランツフェルディナンドとか」
「奇遇ですね…私も好きなんですよ。昔の」

ジャンルを聞かれてセシリアに答えを返すと
宗治は少しだけ、驚いたような表情をし
直ぐに嬉しそうな顔になった

「へえ…セシリアさんも好きなんだ」
「母が好きでよく聴いてましたからね。しかも高校まではイギリスに居ましたから」

イギリスに居たと聞いて、彼女の名前を思い出し
彼女の容姿と一致させる
金髪、碧眼、日本人離れしたしなやかな体躯
そして芝村というファミリーネーム
出会って一ヶ月以上経つのにハーフだと気付かず、自己嫌悪の念が宗治を走る

「聴きます?」
「あ、いいんですか?」
「構いませんよ、こっちはゲームしてますから」

セシリアが向かい側の席から隣に移動し
差し出されたヘッドホンを着ける
宗治は起動していたマルチメディアプレーヤーを最小化し
ビリヤードのゲームを起動、NPCとのナインボールに興じることにした

そして30分ぐらい後

「御二方ー、九竜の民間飛行場に到着しましたんでトラックへ移動をお願いします」
「あ、分かりました」
「ノートゥング氏はそのままACに乗り込んで下さい」
「了解しました」

PDAの電源を切り、ヘッドホンをセシリアから受け取ってリュックに放り込むと
席を立ち、後部格納庫に向かったセシリアの後を追う
自らの愛機に近づくにつれて、左腕が疼いてくる――そんな気がした

【システム起動】
「巡航モード起動」
【了解。メインシステム、巡航モード起動します】

ミツビシ製試作頭部[MXH-03]に変更してから機体の発する音声とキレが変わった
初期型から最新の試作型に替わったのだから当たり前なのだが
どうにも、まだ慣れることが出来ない

「…積み込み終わったか。行くぞ」

現地のトラックが荷物の積み込みを終え、ガレージに向けて出発したのを確認すると
フットペダルを踏み込んで機体を少しづつ上昇させ
速度を調整しながらトラックを上空から追った


「上空を飛行中のAC、直ちに着地して停止しろ」

移動の途中、突然青い戦闘ヘリに囲まれ、警告を出される
機体のカメラで見るとガードの機体である様に見える

「…ガードに話を通してないんですか?」

交戦意志は無いので、大人しく言う事を聞いて着地し
ヴェレスタの異変を察知して、道の脇に停めたトラックに対して通信を入れる

「話を通して無いんですか!?」
「ガードにはとっくに話は通してありますぜ…ん?…芝村さん、あのヘリの裏に付いてるマーク。
ありゃあこの辺じゃ有名なガード騙った武装強盗団ですぜ…!」
「武装強盗団ですって…!?ノートゥング、直ぐに離陸して下さい!奴らはガードじゃありません!」

セシリアが宗治に指示を出した直後、機体の長距離レーダーが2基のミサイルを探知
ヴェレスタ目掛けて強盗団のMTが放って来た物である

「ッ…糞支那公が…!」

ブースターのフットペダルを踏み込んで急上昇
レーダー上のミサイルの機影とロックアラートに反応して
操縦桿脇のスイッチを押し、機体肩部のエクステンションを起動
動き出したミサイル迎撃装置がミサイルの弾頭へと銃口を向け
レーザーを射出、ミサイルが弾頭ごと爆破された

「撃ち落された!?た…退却するぞ!ACと正面から殺り合って勝てる分けがねぇ!!」

ヘリのパイロットが仲間に退却指示を出す
しかし、時は既に遅く本物のガードの部隊が展開を終えており
ミサイルを撃ったMTは拿捕、ヘリは滞空ミサイルを向けられて投降するしかなかった

「ノートゥング氏ですね?」

ガードの隊長が宗治に通信を入れる

「ええ…そうですが」
「今回の件は申し訳ありません。我々の不手際でこのような危険な目に
遭わせてしまいました、深く謝罪致します…」
「い…いや…謝られても」
「それと、奴らには我々も特に手を焼いていたんですよ。何しろ、我々と同じ種類の
機体や装備で出て来ますから通報が少なく、通報が来ても逃げ足が早くて逃げられちゃうんですよ」
「…」
「で、逮捕に協力して頂いたということで我々から感謝の意を籠めて報奨金を進呈させて頂きます。
振込みはRKの方を通して行わせて頂きますので」
「はぁ…」
「それでは遅れましたが、香港にようこそ!」

ガードの隊長はそう言い終えると通信を切り、乗用車に乗り込んで
強盗団のメンバーを容れた車両や拿捕したMTを載せたトラックを引き連れて
駐屯地へと戻って行った

「何とかなりましたね…報奨金って幾ら位貰えるんですか?」
「報奨金ですか…あいつらの撃破報酬は5000ドルくらいでしたからねぇ…どのくらいに下がるかな」
「5000ドルですか…となると、少し値下げして3000ドル。一通りの家具は揃えられますね」
「3000ドル…日本製の電化製品さえ求めなければ十分過ぎる金額ですよ」

セシリアがトラックの運転手に懸賞金の額を聞き
これぐらいだろうといった値段を弾き出す
3000ドルぐらいあれば生活必需品はかなりの数が揃えられる

「金勘定はどうでもいいですから、早く九竜ガレージに向かいましょうよ」

余計な話をしているセシリア達に宗治が通信を入れ、移動を再開し
程なくして目的地に到着、一騒動あった大引越し劇は無事に幕を閉じた




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