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*お題は4ということだったけど、社名とかややこしかったのでfAでお届けします

12月下旬、多くにとって突然に、それはテレビCMという媒介を通して起こった。

『今年はトーラスが今までにない幻想的なクリスマスをお届けします!』
『詳細はまだ発表できませんが、皆様をあっと驚かせることは確実!』
『世界の皆さん、ぜひお楽しみに!』

詳細不明の、アクアビット社による、テレビ局の同時電波ジャック。
その殆どは成功し、テレビ局は、ゴールデンの生放送特番を大きく揺るがされた。
そして、トーラス社の名で
ごく短い声明が、世界に発信される

『To Santa Claus, Welcome to TORUS!!!!!!!!』

それは、全てのサンタを待つ子供たちへの、明確ないやがらせであった。

「……なんだ、これは……」
「CMですね」
「そんなことは分かってる」
インテリオル社でエイ・プールとともに晩酌をしていたウィン・D・ファンションは、思わずワインの入ったグラスを床に取りこぼしてしまった。
「トーラス、何をするつもりだ……」
苦虫を噛み潰したような表情で、ウィン・Dはテレビを睨みつける。
画面は既に電波ジャックから解放され、先ほどまで何事もなく放送されていたマジックの特番が映っている。
「ウィンディーさんはサンタさんって何歳まで信じてました?」
「お前少しは危機感とか持てないか?」

「…………」
「す、すまん……」
そう謝るローディーの目の前には、先ほどまでローディーが口に含んでいたウイスキーを頭から被った有澤隆文がいた。
その表情は言うまでもなく不快を露わにしている。
ほんの数十秒前、テーブルを挟んで有澤と談笑していたローディーとは、急にテレビから聞こえてきた
『テレビをご覧のみなさーん!トーラスですよー!!!』
の一言に、思わず口に含んだばかりのウイスキーを盛大に噴き出した次第だった。
「いや、別に構わんが……しかし今のは一体……」
ハンカチで顔を拭きながら有澤が画面を見やる。
既にトーラスのCMは終了しており、先ほどまでと変わらぬただのバーローが画面の中であれれーだった。
「クリスマスといえば、もう日がないぞ……あと二日、それまでにどうにかできるか」
何が起こるのかも不明な計画を、どうにかできるのかと訊かれれば答えあぐねるところだが、このまま何もしないわけにはいかない。
「早急に会議が、必要だな……」
そう呟くローディーは今、テーブルの上にもぶちまけたウイスキーを布巾で必死に拭いている。かっこよさも何もあったもんじゃない。
「ローディー」
「何だ?」
静かに名を呼ばれたローディーが、テーブルを拭く手を止めて顔を上げる。
「私も参加させてくれ」
「だからお茶菓子目当てで来るなと言ったら何度分かる」

「王大人、今のご覧になりましたか!?」
ばん、と扉を勢いよく開けて王小龍の部屋に入ってきたのは、リリウム・ウォルコットだった。
この広いBFF本社の中を急いで走ってきたのだろう、息が上がっていた。
「ああ、勿論だ。トーラスめ、妙なことを……」
「ふぇ?」
「うん?」
一瞬の沈黙。
「……何のことですか?」
「トーラスが流した電波ジャックのことではないのか?」
「…………」
「…………」
リリウムの顔からだらだらとすごい量の汗が滴り落ちる。表情も明らかにやっべーやっちまったよこれ、だ。
「そ、そうですよもちろんですよ!すごかったですねえあれ!」
にぱっと無理やり笑顔を作るが、ここまで来て隠し通すのは無理というものだ。
「もういい……それで?お前が見たのは一体何だ?」
「あ、い、いえ、何でもないんです!何でも!」
「?」
トーラスのCMが放送されたのは、リリウムが『コジマ牛乳の恐るべき豊胸効果』のCMに目を輝かせて部屋を飛び出した直後のことだった。

~ネタがないのでローゼンタール社省略~

「銀翁はどこへ行った!」
「いないぜメルツェェェル!」
「くそっ、あいつも仲間か!?探せ!」
ORCA本部。みんなで巨大なコタツを囲んでぬくぬくとテレビを見ていたと思ったら、あんなCMが流れた。な、何をry
「まったく、みなさん大袈裟なんですよ……ねえ、ヨロイモグラ」
 >(]]]]]])うん
「月輪もなくなってるぜメルツェェェェル!」
「畜生銀翁のクソジジイ裏切りやがった!」
なぜメルツェルがここまでキレているのかというと、トーラスの電波ジャックが始まったとき、
丁度テレビではマジックの特番生放送中、元リンクスの肩書を持つ天才マジシャン・セロが驚きのマジックを披露している最中だった。
セロはマジックを披露するとき、いつも「こんとんじょのいこ」と言いながらトランプをあれこれしたり写真の中から本物を取り出したり
ラストミッションでアレサ撃破後になぜか登場したりする。
しかし今回、セロがその「こんとんじょのいこ」と言う瞬間に電波ジャックが入ったものだから、
結果ORCAの面々はマジックが成功する瞬間を見ることができず唖然&憤慨、特に人一倍wktkしていたメルツェルはブチギレ金剛というわけだった。
あの愉快なCMの詳細をトーラスと関係が深い銀翁に問いただそうとしてもついさっきまでそこで茶を啜っていた銀翁はいつの間にか蒸発、
結果CMの詳細は分からずじまいでメルツェルの怒りをさらに煽ることとなった。
「トーラスのアホーーーーーーー!!!!!」
「いつものクールさはどこに行ったんだぜメルツェェェェル!」
「まったく、少しは落ち着け、メルツェル……」
若干ナルシスト気味に指を額に当て参った様子で首を横にふっているのは、テルミドールだった。
 あーめんあーめんごすぺるあーめん♪
「ん、電話か。……もしもし?」
「……何、お茶会だと?今からか?……わかった、すぐ行こう」
通話を切ると、壁に掛けてあったコートを羽織り外出の準備をするテルミドール。
「出かけてくる」
誰に言うでもなくそう言って部屋を出ようとしたテルミドールの前に立ちふさがったのは、エプロン姿で右手におたまを持ったジュリアスだった。
「……何だ」
「晩御飯は?」
「おそらくいらん」
「そうか、できるだけ早く帰れよ」
「ああ」
ジュリアスに見送られながら、ふとテルミドールは疑問に思う。
いつのまにORCAはこうも家庭的になったのだ、と。

「……セレン」
「何だ」
夕食後、リビングでビール片手にテレビを見ていた首輪付きは、キッチンで食器を洗っているセレン・ヘイズに声をかけた。若干声が上ずっている。
「聞いたか?今の……」
「ああ、もちろんだ」
トーラスの電波ジャックによる突然のCM。
その意味不明な内容に唖然とする首輪付きに対し、キッチンで映像は見えずとも音声は聞いていたであろうセレンは平然と食器を洗っていた。
「……どうする?おそらくすぐに依頼が――」
「知らん」
きっぱりとそう言い放ちながら、食器を洗い終えたセレンがキッチンから出てくる。
「……あん?」
「知らん、と言ったんだ。どうせウチが出なくても、カラードの奴らで何とかするだろう。」
興味なさげにそう言うと、首輪付きの飲みかけのビールを奪う。
「ま、本心は明後日の予定を潰されたくないから、だがな」
明後日。12月24日。首輪付きとセレンは、自宅でクリスマスパーティーを行う予定だった。
パーティーと言っても、二人っきりではあるが。
「ケーキも焼かねばならんし、前日から仕込みが必要な料理もある。こんな忙しい時に依頼なんか受けている暇があるか」
「カラードがどうにかできなかった場合、パーティーどころじゃなくなるんじゃないか?」
「甘いな、お前は」
首をかしげる首輪付きに、セレンはにやりと笑う。
「トーラスの企みが成功しようがしまいが、不干渉を決め込んでいればそんなものは関係ないだろうが」
「……なるほど、ね……」
もしかするとこの人には、本当はクローズプランやアサルトセルなんてどうでもいい存在なんじゃないだろうか、そう思った首輪付きだった。

首輪付き&セレン・ヘイズ、不参加決定。


「全員揃ったようだな」
芝生の上に置かれた円卓と、心地よい日差し(人工)。
主にリリウムの意見を取り入れて王小龍のプライベートハウスに作られた優雅な一部屋は、いつもお茶会の場として利用される部屋だった。
円卓に着いているのはオッツダルヴァ、ローディー、ウィン・D、そしてジェラルド・ジェンドリンだった。
「お前が来るとは珍しいなジェラルド。ダリオはどうした」
自らも席に着きながら尋ねると、ジェラルドは忌々しそうに口を開いた。
「冬休み、だそうだ。先日から勝手に休みを取っている」
「……そうか……」
予想外の返答にそれしか言えない。
「あまり弟子をいじめるなよ、王小龍」
ジェラルドの隣に座るウィン・Dはそう言って、王の後ろに控えているリリウムを指さした。
「これはリリウムのせいですから……」
涙目のリリウムの頭には、アイスクリームのように大きなたんこぶが3個、積み重なっていた。
「詳しくは、訊いてくれるな。恥になる」
「……まぁ、いいだろう」
ウィン・Dはあまり納得できていない様子だが、王が少々赤面しているのを見るによっぽど恥ずかしい事情なのだろうと、それ以上の詮索は避けた。
「では、そろそろ始めようか。リリウム、頼む」
「はい、王大人」
大きなたんこぶをぽよぽよと揺らしながら、リリウムが部屋を出ていく。そしてすぐに、大きなサービスカートとともに戻ってきた。
カラカラと音を立ててリリウムに運ばれるカートの上には、ステッキ型のキャンディやジンジャーブレッドクッキーなど、クリスマスのお菓子を満載した
バスケットや、大きなブッシュ・ド・ノエルが載せられていた。
「本日はクリスマス前ということですので、お茶はシャンメリーをご用意致しました」
シャンパングラスにシャンメリーを注ぎ、丁寧に全員の目の前に置いていく。
「ケーキまで出てくるとは……一体いつから準備していたのだ?」
用意周到ぶりに感服しながらローディーがクッキーを一枚、手に取って見ると、まだほのかに温かかった。
「先ほど準備したばかりです」
「さっきだと!?」
その場にいた王を除く全員が驚愕する。
「うちのリリウムをなめてもらっては困る。ジェバンニなど足元にも及ばんわ」
得意げに笑う王を見て、リリウムも照れ気味に笑みを浮かべる。頭に乗ったたんこぶは依然アイスクリームのようだったが。
「では、乾杯といこうか――」
「ちょっと待て!」
叫んだのは、ウィン・Dだった。
「どうしたウィン・D。シャンパンの方が良かったか?」
「それではネクストにご搭乗なされる際、飲酒運転になってしまいますが……」
「そうじゃない!本題に入れと言いたいんだ!」
真顔ですっとんきょうなことを言ってくる二人に、真顔で返すウィン・D。その声は多少苛立っている。
「やれやれ……何のためのお茶会だか……まあいい、では本題に入ろう」
ちなみに『何のための』という言葉には流石にウィン・Dだけでなくその場にいた全員が心の中で突っ込みを入れた。無論リリウムは除くが。
「一時間前のことだ。全テレビ局が電波ジャックされ、トーラスによるCMが放送された。ここにいる者達は、“全員”見たと思うがな」
全員と言う言葉に反応して、リリウムが今にも泣き出しそうな顔でみるみる小さくなっていく。
「奴らが何を企んでいるのかは不明だが、クリスマスまでに何かが起こることは間違いない。我々の目的は、それを阻止することだ」
「トーラスが主犯ということ以外、何もかもが不明なのだろう?何かプランはあるのか?」
「うむ、それなんだがな。先ほどリリウムと話し合った結果、名案が浮かんだ」
「ほう、聞かせてもらおうか」
ウィン・Dのその言葉に、王に代わってリリウムが口を開く。
「プランM、いわゆるクリスマス当日まで 無 視 ですね」
「何だと!?」
ふざけているとしか思えない回答に、とうとう椅子から立ち上がる。立ち上がった勢いで、座っていた椅子が後ろに音を立てて倒れた。
「まあ、落ち着け。相手の出方が分からん以上、こちらも下手に手を出すことは出来ん。
ましてや相手はトーラスだ。変に触発させて取り返しのつかんことになってはかなわん」
先ほどからやっていることはこの上なくふざけているくせに、至極まともなことを言う王。
ウィン・Dもその意見には納得したのか、倒れた椅子を起こし、大人しく座りなおした。
「まぁ、今我々にできることと言えば、ここで馬鹿騒ぎすることぐらいか。ウィン・D、早くせねば、お前の取り分がなくなってしまうぞ」
「なっ……!?」
気がつけばまともに話をしていたのはウィン・Dだけ。オッツダルヴァ、ローディー、ジェラルドの三人は、我先にとお菓子やケーキを取り合っていた。
「貴様ら少しは真面目に――」
と言っている隙にも、大きなブッシュ・ド・ノエルは段々とその大きさを無くし、お菓子の山はどんどんその標高を低くしていく。
「~~~~っ!」
吹っ切れたように頭をぶんぶんと大きく振ると、ウィン・Dはナイフとフォークをしっかりと両手に掴んだ。
「どけ!それは私の分だ!」




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