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開発者とは、常に趣向に機転を利かせることが大事である。
何者にも囚われない価値観と、広大な想像力。
これらがいつでもモノを言う。無論、それは兵器開発においても同じことである。

「・・さて諸君、何か良い案は出たかね」
ミラージュ技術開発部門所長、鏡野が物静かに口を開いた。
いつでもこの一言から全てがはじまり、
良いものから企画倒れの商品までの開発プランが練られるのだ。

「大体のアイディアは出尽くしてしまいました。
これは難しい問題だと思います」
白衣を着た男、蘭・反射が意見する。

どうやら、技術者側のネタは尽きてしまった模様である。
これは困った。何か良いものはないだろうか。

「このまま考えていてもはじまりません。
各々方、何か自分が宜しいと思う武器の特徴をあげてください」

自分の理想か。これは確かに、何か発掘できるかもしれない。

「では、時計回りに意見をお願いします」
室内には総勢10名を越える、優秀な技術者達が招集をかけられ、ここにいる。
何か出てくれることを願おう。

「理想・・ですか。そうですね、私は音フェチなので、
武器を打ち出す際の音が耳に残るようなものにしたい」
    • 素晴らしく役に立たない気がする。次。

「無論、圧倒的なパワーです。そう、全ては実弾のために身を費やすのです。
しかし、我が社では実弾武装においてクレストに勝つことは難しい。
よって、エネルギーグレネードを・・」
確かに面白い案ではあるが、レールガンと被ってしまう可能性がある。却下。


「レイヴンの視点から考えれば、弾薬費を気にすることなく乱射でき、
かつ適度な威力を確保している武装が理想かと思います」

これは良い意見が出た。

「なるほど、それを基準に話を進めていきましょう。
では、具体的にはそれをどのような武器に当てはめましょうか」
蘭・反射が円卓中央のスクリーンを操作し、映像を映し出す。


「そうだな・・。我が社が開発したレールガンは、それなりに好評だった気がする。
それをACの種類問わず携行できるようにしてはいかがだろうか」

「なるほど、ハンドレールガンってところだな。
それも開発案の候補として加えておきたいところだが、
発射に一時的とは時間を要することは必須になる。
強力な武装を腕部に施すことの多いところを考えると、どうだろうな」

確かに、プラズマライフルなどの強力な武装が腕部武器には多い。
そこを裂いてまで使うかどうかは、我々では思い届かぬところだ。

「・・これは、傑作だ」
震えながら声をあげる開発者。

「そう、エネルギー投擲銃だ!これしかない!あの爆風、音、威力!
それをエネルギー弾で打ち出すのだ、これしかないだろう!」

「おい」
蘭・反射の一声で拿捕される研究員。どうやらキサラギの回し者が潜んでいたらしい。
む、そういえばエネルギーグレネードなんてことを抜かした奴もいたな。
「お前はクレストの回し者だな。こいつも連れて行け」

こうして、技術開発部門に潜んでいたスパイは、
自らの研究欲に負け変態らしく退場したのであった。




「で、結局。こうなったわけか」
鏡野が腕を組みながら、開発現場に立ち会う。
横では蘭・反射が控えて開発支持を出していた。

「はい。実弾を必要としない、連射兵器、シルキーです。
威力のそれもクレストのシルフィーを凌駕しており、
それなりのモノになるかと思われます」

「ふむ」
確かに、多くのレイヴンと関わってきた私だ。
いつでも弾薬費に頭を悩ませる彼らの気持ちはわかっている。
しかし、しかしだ。何かが足りない。

「後は任せる。様子を見る限り、もう少しで完成だな。
終わったらすぐさま休んでくれ」

「は、はあ。了解しました」
そういって、鏡野は姿を消した。

その夜。

「何が足りないか。それは、ロマンさ」
鏡野は開発現場にもぐりこんでいた。自らが開発したい武器の理想。
それは、限りなく産業廃棄物に近いほどの枷なのであった。

「そう、いつでも兵器は優秀さを求められる。
しかし、しかしだ。効率の良い武器など、なんの面白味も無いのだ」
ウフフフ、と猟奇的な笑いを漏らす。

「私はいつでも考える。どうやって武器郡に穴をつくってやろうかと。
KRSWは超絶な重量にし、さらに装弾数を減らしてやった。
エネルギースナイパーライフルは、超絶に重くし、
発射間隔を鬼のように長くしてやった」

「そうだ、それをどう扱うか、私は見てみたい。
レイヴンの可能性に、そして嘆く姿、苦悩する姿を見てみたいのだ!」

ガバッ、と布を剥ぎ取る。
開発したばかりのシルキーだ。
「ふふう、これに、このマガジンを収めれば・・と」

こうして、鏡野は満足そうに部屋を後にした。




「鏡野技術長。レイヴン達から送られた、シルキーの報告です」
「・・うふ、うふふ。そ、そうか」

蘭・反射は首を傾げ、報告書を手渡す。
それを嬉しそうに眺める鏡野。

内容はひどいものだった。
試作品に内臓された鏡野のマガジンは、
発射の際に一定時間発熱し、冷却に膨大なエネルギーを要した。
つまり、総じて発射エネルギーが増えてしまう細工だった。
冷却にエネルギーを回すことで、効率を悪くするのだ。

ぺらぺらと報告書をめくる。内容はひどいものだった。
「エネルギー食いすぎ!大して威力もないのに、見合わねえよ!」
「これをどう使えってんだ・・・おい、責任者でてこいよ」
「キサラギの技術が世界いちいぃぃいい!シルキはゴミ」

(そうよ、これよこれ!この苦情の嵐!最高・・)
鏡野は自分の思惑通りにコトが進み、満足そうに恍惚としていた。

しかし、いつでも例外は存在するのだった。

「な、なんですって」
そう、苦情ではない感想が存在したのだった。
「形状といい、発射の際の色といい、気に入りました。
私はこれで、アライアンスのために戦おうと思います」

「な、な、なあんですってえ!?」
蘭・反射は思う。
机を叩き激昂する所長を見て、
「ああ、大事なことなんだろうなあ」と思うのであった。

研究に予想以上の成果と反響はつき物であったが、
まさかまさかの変わり者の出現で、今日一日、鏡野の機嫌は悪かったのであった。

無論、蘭・反射が妙な八つ当たりや愚痴を聞くことになったのは、いわずもがな。





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