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「ムーム、逃げろ」
通信が入ったと思えば、ノイズで声の余韻が掻き消される。
彼の機体が炎に包まれていく。
目の前で散っていく戦友に、声さえもかけてやれなかった。

「ガル・・まさか」
爆散する機体。思わず、声を大にして叫んでしまいそうだった。

「あなたが・・信じられない・・」

砕け散った紫の鎧。その姿を見て満足したのか、レイヴンは早々に引き上げていった。
本当に、あっという間の出来事だった。尋常じゃない動きで私のMETISを飛び越える。
私がレイヴンの背中を追いかけ、姿を確認した頃には、
輸送車両を護衛していたニフルヘイムを串刺しにしていた。車両は数秒で一台残らず破壊された。

まるで、私などはじめから居なかったと認識されていたように。
自分の実力不足に嫌悪感を憶える。逃げ回ることしか出来なかった。
何より、自分の身を案じてくれたガルムを死なせてしまったこと。

「ムーム、お前には無理だ。危険すぎる」
「大丈夫。ガル、あなたがいれば何でもない事よ」

昨日の記憶が脳裏を過ぎった。
なんて無様な姿なのだろう。バーテックスの拠点ということを忘れ、呆然と立ち尽くす。
何もする気が起きない。大黒柱を失った家とは、こうも脆いものなのだろうか。
このまま砕け散ろうとも、あなたの元へいけるのなら、それでいいかもしれない。
そう思ったときだ。

「ムーム、逃げろ」

ガルムの最後の台詞が、脳を覚醒させる。
せめて、あのレイヴンに逸し報いてやらねば気がすまない。
彼が守ってくれていたこの組織。最後まで残してやらなければいけない。

ブーストを噴かし、サークシティを後にする。
女という生き物は嫌だな。男が一人いなくなっただけで、こんなにも弱くなってしまった。
ならば、強くならなきゃいけない。彼の分まで、生きなければ。



後日


「逃がさないよ」
研究所防衛の依頼。そこで見つけた、あの時のレイヴン。
この施設の寿命も残り僅かだ。
実力不足の女には、これ以上も無い演出だろう。

「最後まで付き合ってもらう」
ショットガンを構える。

(ガル、もうすぐあなたのところへ。)
彼女の戦いが終わる。また一羽、鴉が飛ぶことを止めた。






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