~前回のあらすじ~
戦術部隊へ潜入調査を試みたエド・ワイズ。
最初に見つけたのは、保存された生体兵器を世話するジャウザーの姿だった。
なんとか身を隠し、やりすごしたものの、
ナマモノの酸によって脛はドロドロ。
その後、部屋で倒れているところを、
電気を消し忘れて戻ってきたジャウザーに助けられたのであった。
戦術部隊へ潜入調査を試みたエド・ワイズ。
最初に見つけたのは、保存された生体兵器を世話するジャウザーの姿だった。
なんとか身を隠し、やりすごしたものの、
ナマモノの酸によって脛はドロドロ。
その後、部屋で倒れているところを、
電気を消し忘れて戻ってきたジャウザーに助けられたのであった。
まさか、敵地で救護を受けるとは思わなかった。
いやはや、変装とは良いものだ。
まあ、バーテックスの場合ならば、どうにせよジャックに掘られていただろう。
ここは同性に肉欲をぶつけるような輩はいない。
そういった面では、健全だと言える。まあ、あのナマモノは何ともいえんが。
いやはや、変装とは良いものだ。
まあ、バーテックスの場合ならば、どうにせよジャックに掘られていただろう。
ここは同性に肉欲をぶつけるような輩はいない。
そういった面では、健全だと言える。まあ、あのナマモノは何ともいえんが。
「はい、これでおしまいです」
ジャウザーの小僧が笑顔で包帯を巻いてくれた。
なんて優しい青年なんだろうか、評価を改めねばならんな。
ジャウザーの小僧が笑顔で包帯を巻いてくれた。
なんて優しい青年なんだろうか、評価を改めねばならんな。
「すまんな、まさかあのオブジェが生物だったとは」
「ああ、キサラギ派はあまり一般兵と接触しませんからね。
知らなくても当然です。これからは、不用意に怪しい場所へ入らない方が良いですよ」
にこり、と笑顔で救急箱を片付ける。
この胸の高鳴りは何だろうか。まさか、バーテックスに汚染されたか。
「ああ、キサラギ派はあまり一般兵と接触しませんからね。
知らなくても当然です。これからは、不用意に怪しい場所へ入らない方が良いですよ」
にこり、と笑顔で救急箱を片付ける。
この胸の高鳴りは何だろうか。まさか、バーテックスに汚染されたか。
いやいやまてまて。こいつは調査対象なだけだ。おかしな考えは捨てるべきだ。
「では、私はこれで。ああ、ところで」
ギクリ、と身を震わす。まさか、俺のことに気付いたか。
ギクリ、と身を震わす。まさか、俺のことに気付いたか。
「隊長、まだ戻ってきてませんかね。
トロットさんがずーっとモジモジしてるんです。
見かけたらそうお伝えください。見ていて良いものではありませんから」
トロットさんがずーっとモジモジしてるんです。
見かけたらそうお伝えください。見ていて良いものではありませんから」
それでは、と部屋を後にするジャウザー。
レポートの書き直しが必要だな。
レポートの書き直しが必要だな。
救護室を後にする。
そういえば、優しいジャウザーがトロットどうのと言っていたな。
よし、今回はそいつの調査をしてみるか。
そういえば、優しいジャウザーがトロットどうのと言っていたな。
よし、今回はそいつの調査をしてみるか。
「ああ、隊長。大丈夫なのかな、大丈夫なのかな」
広い休憩室でぶつぶつと呟く男。
隅っこの席に落ち着いているあたり、あまり前向きとは言えんな。
恐らく、あいつがトロット・S・スパーだろう。
優しいジャウザーが言っていた通り、見ていて良いものではないな。
あれが美人の女子ならば、絵になるといえばなるが。
広い休憩室でぶつぶつと呟く男。
隅っこの席に落ち着いているあたり、あまり前向きとは言えんな。
恐らく、あいつがトロット・S・スパーだろう。
優しいジャウザーが言っていた通り、見ていて良いものではないな。
あれが美人の女子ならば、絵になるといえばなるが。
「いつものことだ。あまり考えすぎるな。
心配は一銭の得にもならんぞ」
トロットと対面して座っている男。
なんとも強欲そうな面、それにあの長身。恐らく、あれがゴールディ・ゴードンだな。
あちこちがキラキラと光っているのを見ると、装飾品に金をかけているのだろう。
俗物ここに極まれりだな。
心配は一銭の得にもならんぞ」
トロットと対面して座っている男。
なんとも強欲そうな面、それにあの長身。恐らく、あれがゴールディ・ゴードンだな。
あちこちがキラキラと光っているのを見ると、装飾品に金をかけているのだろう。
俗物ここに極まれりだな。
「でも、もしジェネレータが故障して、動けなかったら、
もし、レーションが尽きてお腹を空かしていたら、
もし、私が恋しくて仕方なかったらどうするおつもりですか!」
もし、レーションが尽きてお腹を空かしていたら、
もし、私が恋しくて仕方なかったらどうするおつもりですか!」
「捲くし立てるな。お前が言うとなんかいろいろ引っかかるんだ」
まったくだ。正直、バーテックス向けだな、あいつは。
どうやら、会話している二人に近づくものがいる。
あの上品な髪質、そしてあの豊満な胸。
なるほど、あれがアライアンスの紅一点、プリンシバルか。
まったくだ。正直、バーテックス向けだな、あいつは。
どうやら、会話している二人に近づくものがいる。
あの上品な髪質、そしてあの豊満な胸。
なるほど、あれがアライアンスの紅一点、プリンシバルか。
「相変わらず、気持ち悪い男ねえ。隊長は確かに腕はたつけれど、
それほど良い男ってわけじゃないと思うのよね。たまにおかしなこと言うし」
それほど良い男ってわけじゃないと思うのよね。たまにおかしなこと言うし」
席について、持参した飲み物を啜る。
なるほど、相当な慢心を抱えているな。ああいう女は付き合うと面倒だぞ。
なるほど、相当な慢心を抱えているな。ああいう女は付き合うと面倒だぞ。
「あなたに何がわかるんですか。ああ、隊長。
あの凛々しい立ち姿、たまに足取りがふらつく癖、プライドの高そうな声、
そして何より中途半端で根拠のない自信満々なところが素敵」
あの凛々しい立ち姿、たまに足取りがふらつく癖、プライドの高そうな声、
そして何より中途半端で根拠のない自信満々なところが素敵」
「だめだこりゃ」
プリンシバルとゴードンの声がユニゾンする。
正直、俺もそう思っていたところだ。
プリンシバルとゴードンの声がユニゾンする。
正直、俺もそう思っていたところだ。
とりあえず、どういった人間なのかはよくわかった。
あの三人については、これで十分だろう。
さてせっかくだ、アライアンスの食堂にでもいってみるか。
あの三人については、これで十分だろう。
さてせっかくだ、アライアンスの食堂にでもいってみるか。
ゲシッ。
何か、足にぶつかった気がする。
ガサゴソと足元から音がする。なんだなんだ。
ガサゴソと足元から音がする。なんだなんだ。
「げ、こいつは」
そう、ナマモノだった。
「いやな予感がするのだが・・・ああ、やっぱり!」
ナマモノが飛びついてくる。思わず、後ろに倒れる。
怖い。正直、酸で焼けどを負ったときから思っていた。
ここの連中は、何故これに抵抗をもたんのだ!?
なんとも言えない鳴き声をあげながら、倒れた俺の身体をはってくる。
「いやな予感がするのだが・・・ああ、やっぱり!」
ナマモノが飛びついてくる。思わず、後ろに倒れる。
怖い。正直、酸で焼けどを負ったときから思っていた。
ここの連中は、何故これに抵抗をもたんのだ!?
なんとも言えない鳴き声をあげながら、倒れた俺の身体をはってくる。
プルプルと震えだすナマモノ。
「このパターンは・・・もしや」
ギィィイィ、と声をあげ俺の顔めがけて飛んでくる。
「このパターンは・・・もしや」
ギィィイィ、と声をあげ俺の顔めがけて飛んでくる。
そして、悲鳴をあげると同時に。
ボンッ。
ナマモノは、エドの顔面で爆散したのだった。
ボンッ。
ナマモノは、エドの顔面で爆散したのだった。
「・・・もう、いや・・・アライアンス」
がんばれエド・ワイズ。潜入捜査はまだ終わっちゃいないぞ。
がんばれエド・ワイズ。潜入捜査はまだ終わっちゃいないぞ。
第一回負傷経歴:AMIDA酸による脛の焼けど、爛れ
第二回負傷経歴:初期型AMIDAによる自爆、顔面焼けど、爛れ
第二回負傷経歴:初期型AMIDAによる自爆、顔面焼けど、爛れ