※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

Allegory Manipulate System: AMS―――
医療用に使用されるはずだった技術はその多大負荷から廃れ
再び注目された時、それは最強の破壊兵器の血管へと姿を変えた
元はと言えば身体に障害がある人間が、AMSを介して介護マニュピレーターを動かすという技術だった。
しかし身体と機械を繋げての命令伝達は人の身体に多大な影響を与えた。
故に廃れた。では何故再び歴史の表舞台に出てきたのか?
一つ目はAMSによる負荷が比較的少なく、情報の伝達において人の反射速度並の情報を処理できる人間が現れたこと
二つ目はその技術を兵器に転用できる人間がいたこと。イェルネフェルト教授がその代表と言えるであろう

兵器としての進歩は着実に進んでいった
しかし高性能化していく兵器群に、その担い手達の進化もまた、同時に求められていたのだ
アスピナ研究所――その施設では今日もまた実験が行われていた。

神経伝達回路が発達し、従順な年代のリンクスを作る
そんなことを言い出したのは誰だったろうか。もはや誰も覚えていないし、気にかけもしない。
アスピナの研究員は10代の少年・少女に目をつけた。
シナプスの活動が盛んで、尚且つ洗脳しやすい。都合のいい素材だった
しかし計画は頓挫する。幼さの残る体にAMS機器を取り付ける手術に耐え切れない素体が多かったのだ
企業では既に若年のリンクスの養成に成功しているというではないか。
連日廃棄され、積もり行く「屑」の山に研究員たちは焦りを感じずにはいられなかった。
そんな中、一人の研究員が言った
「素体が耐えれる方法を探すんじゃない。肉体が完成した素体に術式を施し、幼体化させればいいのではないか」
幼体化させる方法なら既にある技術だ。アポトキシンという薬品を使うだけでいい。
薬品によるショック症状で死亡することが殆どだが、稀に生き残ることがある。つまりは数をこなせば良いのだ
そうして再び「屑」の山が積み上げられていく。より効率的な繰り人形の作成は狂気じみた空気を伴い日夜繰り返された。

「どうだ?」「生命反応感知。恐らく成功かと」
声が聞こえる。知らない男の声。・・・・知ってる人?知らない人?そもそも知ってる人はいたんだっけ?
「聞こえるかね?君は生まれ変わったんだ、おめでとう」
反応しようとする。身体が動かない。手も、足も、指先も、瞼すらも。
身体のどこも反応しない。まるで全身が凍り漬けになったようだ
「脳波に反応あり、聞こえてはいるようですが、認識できているかどうか・・」
「壊れたか・・・処分しろ」
そう、私は生まれてすぐに処分されるんだ。残念だな
どこかに運ばれていく。私を乗せたストレッチャーらしきものがガラガラと進むのが背中に伝わる
「生きているのに残念だ。ここには仲間が沢山いる。生きてはいないがね」
投げ出された。一瞬落下し柔らかい場所に打ち付けられる。二転三転、糸が切れた人形の様に転がる。
「じゃあね」
ドアが閉まる。もう戻れない。
身体はまだ動かない。動かし方を忘れてしまっている。まずは指先だけに集中する。
とても長い時間に思えた。汗が流れる。それでも指先だけに集中する
相当な時間が経ったに違いない。どうやっても動かない。私は壊れているんだ
再びドアが開く音がする。何かが落ちる鈍い音がして転がる。何かが私の顔を叩いた。
急なことだったので驚いた。驚いた拍子に指先が僅かに動いた。
動く、まだ私は壊れていない。動かせるんだ。動いた指先から少しずつ、雪解けのように動かせる箇所が増えてくる。
鈍い。とても鈍い。だが動ける。上半身がなんとか起きる。動かない瞼を手でこじ開ける。
小さい手。私の手はとても小さく弱弱しかった。自分の身体なのに始めて見る気がする。まるで子どものような・・・
と思ったところで自らの年齢が思い出せないことに気づく。私は今生まれたのだろうか。
私が生まれた場所、辺りを見回す。私の目に見えるのは裸の子どもが幾重にも折り重なり動かなくなっている・・・地獄だった
私は屑に埋もれた場所に生れ落ち、絶叫という名の産声を上げた。

ドアが開く。私の産声を聞きつけて「親」が駆けつけてきた。親を押し倒し、手刀を喉に振り下ろす
何も知らない。だけど身体が覚えてる。そして魂が命じる。「許すな」と
ここがアスピナ研究所であることは覚えている。私が何をすべきで、今からどうするのかもわかっているつもりだ
私は格納庫に一直線に向かう。体が反応するままに立ちふさがる研究員たちを屠って行く。
幼い体ではあるが便利なことも多い。小回りはとても効くのだ
格納庫に到着し、すぐにネクストのコクピットに乗り込んだ
操作方法は分かるはずだ、あとはAMSをつなげば良いという記憶がある
「これを・・・接続すれば・・・」
コクピットから伸びるコードを身体に埋め込まれた接続ソケットに近づけ、ゆっくりとソケットに挿入する。
カチンという高い音ともに接続が完了だというSYSTEMメッセージが表示された。
ジェンレーターの起動キーを回す。計器に光が灯り、AMSを介して私にもセンサー情報が・・・
「あ゛・・・がっ・・・」
突然だった。急な頭痛と全身が引き裂かれるような痛みを感じた
「あ゛あ゛・・ど・・う・・して・・」
適正はあるはずなのに、どうして拒否反応が出ているんだろうか
「ぐが・・あ・・・あ・・・」
やはり私は壊れているのだろうか。半ば諦めかけていた所で痛みが引いた
ソケットにAMSからの情報を始めて通した際の痛みであり、完全に流れて痛みが引いたのだと判断して、ネクストを起動させる

格納庫のドアをぶち破り奪ったネクストを飛ばす、
先ほどの一矢まとわぬ兄弟たちの山を見た。青い空を見た。荒廃した大地を見た
これからどうするかは、正直あまり考えていない。ただあいつらだけは許すことが出来ない。
復讐してやる。兄弟たちの分まで。この幼い体で絶対に。
だけど、今は疲れた。どこかで、休まないと

「おいネクストだぜ・・・目だった損傷はないな」
私は意識を取り戻す。どうやら不時着したようだ。
「う・・ん・・・貴方達は?」
「おっ!おじょうちゃん目が覚めたかい?」
気づくと私は横になっていた。この男が気を失った私を解放していたらしい
「全く。こんな子どもまで戦争の道具にしようなんて、やはり企業とは戦うしかないな」
何か勘違いしている。しかしまだ何者か分からない相手だ、余計なことは言わないでおこう
「俺たちはマグリヴ開放戦線。企業と戦っているのさ。お嬢ちゃんのような辛い目にあう人間を減らすために」
私はまだ生きている。だけど兄弟たちは、皆・・・
「うわっと、泣くなよ。よほど辛いことがあったんだな」
男はニカッっと笑って俺達と来るかい、と聞いた
戦う相手が一緒なのだ。共に戦いたいと私は言った。
「ところで、その、なんだ。服を着てくれないだろうか」
先ほど生まれた私は一糸纏わぬ姿だった。AMS接続端子も私の身体から抜かれていた。
顔が熱くなる。苦笑いしてる男に向けて「バカッ!変態!」などと悪態を投げつける
「ああ、悪かったって。でも横にするには仕方ないだろう?青臭いガキのなんか見ないって」
デリカシーの無い奴だと最期に投げつけて黙る
「悪い悪い。ところで・・お嬢ちゃん名前は?」
名前。名前なんか無いと思う。あったかも知れないけど、今は無い。
自分でつけよう。今日から私は、私の名前は――

「・・・ファーティマ」
今日から私の名前は、ファーティマだ                                                                                                                                                                                      




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー