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硝煙の匂いがあたりに立ち込める。

銃声・叫び・駆動音が重なり合い戦場という音楽を奏でる

企業同士の争いは膠着し、互いの戦力は減り、そして新たに送り出す。その繰り返しだった

戦いを動かすのはいつも―――ACであった

―――――――――――――――――――――

「グローバランス、ACを投入しました」

通信兵が告げる。相手企業のグローバランスがACを投入してきた。戦力図が塗り変わる時だ。

「戦車隊、MT部隊の進行を停止!迎撃体勢だ!」

司令官と見られる男が指示を飛ばし、後ろを振り返る

後ろには一人の男がヘルメットを片手に司令室を後にしようと言う所だった

「頼んだぞ、レイヴン」

男は振り返らずに手を軽く振って見せた

―――――――――――――――――――――

(・・・夢か。)

寝汗にシャツを濡らしながら上半身をゆっくり起こす

彼、アリスは近頃同じ夢ではないが似たような夢を見る

いずれも戦いの中にいる夢。そしてACを駆る夢

夢の中で彼は企業と、秩序と、仇と、そして名も知らぬ友と、戦った。

現実の世界でもレイヴンとして戦い続けているアリスは、夢の中でも戦っている自分が嫌になる。

(これから任務だってのに・・)

やれやれと仕度を済ませてミッションのブリーフィングの準備をする。


―武装勢力排除―

依頼主:ヴェイルコーポレーション 報酬:40000C

ミッションの説明を致します。反企業組織「Rosenkreuzer」の武装グループの排除をお願いしたいのです。

当組織は以前から企業関連施設を襲撃している武装勢力です。

当社も幾度となく迎撃隊を派遣していますが、彼らは神出鬼没で、その規模・実態を未だに掴めていません。

そこで今回、彼らを偽の情報でおびき出すことにしました。既に彼らは居住区B-21へ進行しています。

敵の主戦力はMTや戦闘車両、つたない戦力ですが、当社のMT部隊もネグロスとの抗争に集中していますので、貴方へと依頼させていただきました。

彼らが居住区に侵入後に貴方に殲滅していただきたいのです。居住区の住民は既に避難を済ませていますので、心配はご無用です。

なお、建造物への被害が少ない場合に限り報酬を上乗せいたします。

―――――

(なるほど・・)

つまり簡単に蹴散らせる戦力ではあるが、自社の戦力を裂きたく無い。

一般のレイヴンに依頼すれば高価になるので、ジャンクパーツなどで機体を組んでる貧乏人なアリスに依頼が来た訳だ

更に言えば、武装勢力とドンパチをやらかして建造物に傷がつかないワケがないから特別報酬なんて考えてもないのだろう。

(だけど仕事が無いとAC維持どころから飯すら・・・)

雑用としか言い様が無い仕事ではあるが、仕事は仕事である。アリスは格納庫へ向かった。

―――――――――――――――――

「よぅアリス!いつでも出せるぜ!」

専属メカニックと言えば聞こえはいいのだが・・・物は言い様だなとアリスは思う

アリスのACを動かせるのはブロンコのお陰だ。彼が古戦場などからジャンクを集めて使用可能なものへと復旧させている。

中にはいつの時代の物か分からないほど古い部品もあるんじゃないか、とアリスは思うが口にはしない

古戦場に落ちている物の中には現代技術では再現するのが不可能な程、高度な技術で作られた物もあるからだ。

「今度はコアごと入れ替えたのか」

「前のは老朽化が酷かったからな。しかし今回のは・・どうだろうな」

ブロンコが口を濁す。

「今回のはちょっと分からん。俺は殆ど何も手を加えていないんだ」

様々な遺物を組み合わせて現行するACパーツに並ぶ物を作るブロンコが全く手を加えないのは珍しいことである。

「ほぼ完品だったってことか?」

「まぁそうなる。解析できない所もちらほらあったが、動作エラーも無いし性能も前のよりウンと上がっている」

まぁ問題はない。とブロンコは付け加える。

その言葉だけで十分だ。アリスはACに乗り込む。ブロンコが問題ないと言うのだ。確かだろう。

ジェネレーターを起動し、カメラアイに灯が燈る。ブロンコに手によって組上げられたAC「シュトゥーカ」は戦場へ向かう

―――――――――――――――――

既にB-21には武装勢力がいるようだ。アリスは待機させておいた輸送トラックから大型のスナイパーライフルを取り出す。

この輸送トラックはブロンコ曰く

「ACってのは汎用性が高いもんなんだろ?じゃあトラックに武器詰め込んどけば更に汎用性が上がるな!」

という妙な理屈で作られた、いわば武器庫である。

もちろん詰め込まれているのはブロンコ特製の怪しい武器群ではあるが使える物は使っておく。

「目標まで距離1500。気づかれて・・無いな。」

シュトゥーカの関節をホールドして狙撃体勢に入る。ロックすれば相手に気づかれてしまうので、光学スコープによる目視撃ちである。

「まずは1機・・・」と引き金を絞る。凄まじい轟音と共に銃口から飛び出した弾はMTに突き刺さる。

が、そのあまりの衝撃にシュトゥーカは大きく仰け反り、被弾したMTは激しく転がりながら壁にめり込んだ。

「・・・なんだコレは」

帰ったら話すことが山ほどありそうだ。沢山土産話を聞かせてやろう、コンテナにライフルを押し込み突撃銃を取り出す。

ECMを散布しつつMT群の背後まで接近する。2機目は射突ブレードにより吹き飛んでいく。

突撃銃による銃弾で戦車などを次々に破壊して即座に戦力を削ぐ。

「我ながらナイスな運びだ。」

残りの機影をレーダーで確認する。300の距離にMT2機を確認。すぐ近くに戦車がいるのも確認した。

レーダーに写る情報をサっと目を通して確認を終える。が、何か見てしまった気がしてもう一度目をやる。

バイオセンサーにも反応があった。まさか歩兵がACに立ち向かうというのか。さもなくば

「民間人・・・?避難は完了してるんじゃないのか!」

生体反応は戦車に近づいている。

(やはり歩兵か・・?)

が、すぐに離れる。先ほどよりも移動速度は速い。逃げている。

「ブリーフィングっての何であるのかねぇ!」

ビルを飛び越して戦車を踏みつける。その音に遠方のMTが気づくが知ったことではないと生体反応のする方に移動する。

「なんで民間人が残っているんだ。保護するからこっちに来い!」

小さな路地の奥からヒョコっとカオを覗かせる。がすぐに引っ込めてしまう。

もう直ぐMTの射程圏に入ってしまう。そうなってしまってはマズイ。

「俺はこの武装勢力を排除にきたレイヴンだ。このままでは巻き込まれる。こっちに来るんだ」

路地から走り寄って来るのは女だった。服装から民間人であると判断は容易だった。

ハッチを空けると女はスルっと開いてるスペースに身体を踊り込ませた。あまりに自然な動作にアリスは武装勢力の囮である可能性を今更浮かべた。

すると女は「何をしているの、奴らが来てるんでしょ!」と怒鳴りつけた。その言葉でアリスは意識をすぐに切り替え発砲を開始したMTへと立ち向かう。

―――――――――――――――――

MTの残骸が横たわる中ハッチから女が躍り出た。

「助けてくれて、ありがとうございます」

長髪をなびかせて彼女は路面に降り立つ。

「何故君はここにいたんだ。民間人には避難命令が出ていただろ?」

アリスは当然の疑問を投げかける。

「民間人じゃないなら、いても可笑しくないんじゃないんですか?」

「企業の人間か。」

さぁどうでしょう?と笑いながら言った。アリスはその表情にどこか懐かしさを覚えるが、彼女との面識は無かった。

「ところで・・・」

彼女の表情が不意に曇る。

「今の戦闘で私のバイクが粉々に吹き飛んじゃったんですけど」

辺りを見回すと残骸と今にも崩れそうな建物が散乱していた

「ついでに言うと最初にMT吹き飛ばして突っ込んだ所、私の家なんだけど。」

先ほどとはまた違う笑顔でアリスを見つめる彼女がそこにいた

―――――――――――――――――

「おーぅ派手にやらかしたみたいじゃないか」

ブロンコが酒瓶を片手に格納庫から出てくる。

「ライフルを大分改良したんだが・・・ってアリス。ちょっと見ない間に随分美人になったなぁ」

いやぁ正直俺は最初お前の名前を聞いた時、女だと思ってたのにどれだけガッカリしたことか

とか語りだすブロンコにアリスは辺りに落ちてたナットを投げつける。

「おぉぅ、アリスが二人いる!」

「アリスさんが私の家を 完 全 に 破 壊 してしまったので暫くお世話になります」

別人だバカヤローとナットをもう一つ投げつける。

「おっと、危ねぇな。アリスも狙ってやったんじゃねぇのか」

「次はアンタに狙いをつけてもいいんだぜ?」

もう1回投げつけるがまたも避けられる。

「チッ・・ところで、まだ名前を聞いてなかったな」

彼女の顔を見てたずねる。彼女は考えた表情をして暫く黙る。

アリスは彼女の名前を聞く直前にピンと来た。彼女から感じる懐かしさ―彼女とは戦いを繰り返す夢の中で会ったことがある。

確かその夢でアリスは彼女に・・



「私は・・私はフィオナ・イェルネフェルト。フィオナと呼んでください。」

                                              Maybe continued...../




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