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ここは、キサラギ本社の一室。
コンピュータのディスプレイに、無機質な文字が浮かんでいる。
「メールを送信しました。 件名:『緊急かつ重大な依頼』」

私は、止められなかった。
旧世代の遺産は、危険すぎる。
私たちはキサラギ幹部として、できうる限りのことをやってきた。技術の発展のために尽くした。
だが、あれだけは、手を出すべきではなかった。

あの和平提案も、受け入れられないことは分かっていた。残念ながら、キサラギにそこまでの
影響力はない。
しかし、何かせずには居られなかった。あのデータを見てしまったからには。
あそこに書かれていたのは、恐怖以外の何物でもなかった。

初のキサラギ純正AC。開発陣は最高の仕事をしてくれた。だが、長年ACを
開発してきたクレストやミラージュに及ばないのは、仕方が無かった。
そのACを使ったミラージュ施設への進攻も、無謀と言われればそこまでなのだろう。
だが、旧世代の遺産に触れたものとしての責任があった。
彼ら――操縦士たちは、全てを理解し、そして戦ってくれた。彼らには何度感謝しても足りないだろう。

「世界に旧世代の遺産の危険性を教えるために、旧世代の遺産を使う」
そう言って私たちのもとを去っていく研究者たち。人があれを支配するなど、もとより不可能。
事実、先にナービス残党が起動した旧世代の大型兵器は制御不能に陥り、破壊された。
私たち人類がこれから向き合うものは、あれをはるかに超えている。

「社長、そろそろ私たちもシェルターに避難を……」
幹部の一人が言う。私が避難することなど、許されるのだろうか。
――いや。許される必要などない。許されてはならない。
そして、答える。
「分かった」
他の企業の上層部にも、我々の現状を伝えた。すでに、ミラージュ・クレスト両社共に、
中枢機能の移転は終了したらしい。彼らなら、生き延びるだろう。

私たちは、一人のレイヴンに懸けることにした。
あれは、一機のACでどうにかできるような代物ではない。つまり、起動させてはならない。

もう、間に合わないのかもしれない。
だが、しかし。
これは私の、キサラギの、最後の抵抗。

「頼んだぞ……レイヴン」




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