NXSS出来たけど 誰かいる?
56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:52:15.94 ID:ZyhFyW2TO
1
『破・・・壊セ・・・ヨ・・・』
目の前でしぶとく襲いかかろうとするACに良く似た兵器に最期のレーザーを撃つ
「はぁーあ…ボロボロになっちまったか…」
もう動かなくなった敵と愛機とを見比べると、溜め息しかでない
「コンピュータ、被害状況を教えてくれ」
『AP残り12%頭部損傷、右腕部破損、左腕部損傷、脚部破損、以上です』
「・・・ハァー」改めて、溜め息が出た
ガシャン ガシャン ガシャン
他に何も無い通路に愛機の歩く音が聞こえてくる
『ガガッ――ガッ――・・・ヴン!聞こえますか!レイヴン!返事をして!』通信が入った、そうかもう上層部まで戻って来たのか
「こちらブラウン・ゴート、目標を達成した。これより帰還する」
『良かttじゃなくて、なんだ 生きていたのか、しぶとい奴だ』
「おいおい、未確認兵器と戦って、ボロボロになって勝った父親にそれはないだろうが」
『うるさい!誰がお前なんかを父と認めるか!』
「はいはい・・・ハァ」また 溜め息が出た
57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:53:07.15 ID:ZyhFyW2TO
2
その後しばらく通信で小言を聞きながら通路を上がっていた
「こちらブラウン・ゴート、我が愛しい娘よ、頼みたい事がある」
『娘っていうな!・・・それで?なんだ』
「なに、4番ガレージのACを引っ張りだして置いて欲しいだけだ」
『4番?・・・なんで今さら4番機なんて引っ張り出す必要がある、もう全て終わったんだろう?
・・それにアレにはもう乗らないと行ってたじゃないか・・』
「あぁ、本当ならもう乗るつもりは無かった。だがまだ何かが起こるかも知れないだろ?常に備えよ、だ」
目の前に広がる光景、それは異常だった
洞窟の中で突如俺に襲いかかってきた、見た事も無い突攻兵器 それが、数え切れない程に並んでいたのだ
「まぁ、あと20分位でガレージに着くからよ、頼んだぜ、娘よ」
『だから娘って言うな!』
相変わらずの娘に、俺は大声をあげて笑った
58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:54:03.44 ID:ZyhFyW2TO
3
ガレージに着き、ACから降りた俺の胸に飛び込んでくる一人の少女、さっきまで人に散々小言を漏らしていた人物と同じとは思えない
『お帰りなさい・・・』
「泣くなよ、俺が負ける訳がないだろ?それより、飯は出来てるのか?こちとら腹が減ってしょうがないんだ」
『ご飯なら出来てる、さ早く上がって食べて頂戴』
「あぁ、ジナイーダの手料理が食えるなんて、父さんは嬉しいぞ!ウゥッ」
『嘘臭い芝居はいいから早く上がれ!』
恐らくこれが娘・・・ジナイーダと食べる最期の食事になるだろう
そう思うと ふいに抱き締めたくなった と思った時には既に身体は娘を抱き締めていた
『な、なにをする!離せ!』顔を真っ赤にして暴れる娘の身体を抱き締めると段々おとなしくなってきたので、離す
『きゅ、急にどうしたんだ』「別に どうもしちゃいないさ それより飯だ飯」
59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:55:02.73 ID:ZyhFyW2TO
4
もしゃもしゃ・・ 私が作った料理を文句一つ言わずに食べる父の姿を ただぼんやりと眺めている
正直、私の料理は認めたくはないが不味い。だが父は文句を言うどころか「美味い!」とおかわりを催促してくる
その様に、いままで我慢していた事が口から滑ってしまった『嘘だ!美味いわけがない!こんなに不味い物が美味いわけないだろ!』
ふと父を見るとあまり見せない真剣な表情で私を見ていた
そして私の手を握り、絆創膏だらけの手を握り「自分の娘が、手をこんなにして作った飯を不味い訳ないだろ?」と真剣な顔をふにゃりと崩して笑った「それより、おかわり」
60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:56:04.85 ID:ZyhFyW2TO
5
食事が終わった後、俺は4番機の前に立っていた
後ろにはジナイーダが立っている、涙を堪えながら
『どうしても、行かなきゃダメなの?』
「馬鹿野郎、テメェが起こした事なんだ。テメェが始末を着けなくてどうするんだよ」
『だからって、何も4番機に乗らなくてもいいじゃないか・・これに乗ったらもう・・』
「心配するなよ、俺は必ず帰ってくるからよ」
嘘だ 恐らく帰っては来れない もし生き延びたとしても 俺は正気を失っているだろう 4番機はそんな危険な代物だ
『でも、でも・・』
未だにぐずる娘の額に軽く口付けをする、そして「5番ガレージにお前への贈り物がある。恥ずかしいから俺が出て行ったら行って見てくれ」
5番ガレージにあるのは 娘がレイヴンになりたいというのを渋っていた俺が、俺に何かが起こった時に娘を守ってくれるために用意したものが置いてある
「それじゃあ、いってくるぜ」
コックピットに乗り込み、ハッチを閉める
『父さん!・・必ず、必ず生きて!私の料理を美味いって言ってくれるのは父さんだけなんだからっ』
俺はACの手のひらで 娘を地面に降ろし
そして俺は空へと舞った
62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:57:46.09 ID:ZyhFyW2TO
6
ここはミラージュの街の屋上
視界の遥か彼方に見えるは 空を覆い尽くさんばかりの紅い影
「ハァ…ハ…よう、やくお出まし、か…」
ここまで来るだけで、俺の身体は限界を迎えていた
一つの紅い影がこちらへ向かってくる それを迎撃
すると一つまた一つ ともはや数えるのが面倒なくらいに紅い影が飛んで来る
「来いよ・・・娘には指一本触れさせんからな!」
OBオン。
―――1羽の烏の物語が幕を閉じた―――
なんか ごめんね
63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 15:00:36.69 ID:CdlqixRGO
乙。ジナパパか。
娘が貧乳ならきっと父は粗チ…いやなんでもない。
56 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:52:15.94 ID:ZyhFyW2TO
1
『破・・・壊セ・・・ヨ・・・』
目の前でしぶとく襲いかかろうとするACに良く似た兵器に最期のレーザーを撃つ
「はぁーあ…ボロボロになっちまったか…」
もう動かなくなった敵と愛機とを見比べると、溜め息しかでない
「コンピュータ、被害状況を教えてくれ」
『AP残り12%頭部損傷、右腕部破損、左腕部損傷、脚部破損、以上です』
「・・・ハァー」改めて、溜め息が出た
ガシャン ガシャン ガシャン
他に何も無い通路に愛機の歩く音が聞こえてくる
『ガガッ――ガッ――・・・ヴン!聞こえますか!レイヴン!返事をして!』通信が入った、そうかもう上層部まで戻って来たのか
「こちらブラウン・ゴート、目標を達成した。これより帰還する」
『良かttじゃなくて、なんだ 生きていたのか、しぶとい奴だ』
「おいおい、未確認兵器と戦って、ボロボロになって勝った父親にそれはないだろうが」
『うるさい!誰がお前なんかを父と認めるか!』
「はいはい・・・ハァ」また 溜め息が出た
57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:53:07.15 ID:ZyhFyW2TO
2
その後しばらく通信で小言を聞きながら通路を上がっていた
「こちらブラウン・ゴート、我が愛しい娘よ、頼みたい事がある」
『娘っていうな!・・・それで?なんだ』
「なに、4番ガレージのACを引っ張りだして置いて欲しいだけだ」
『4番?・・・なんで今さら4番機なんて引っ張り出す必要がある、もう全て終わったんだろう?
・・それにアレにはもう乗らないと行ってたじゃないか・・』
「あぁ、本当ならもう乗るつもりは無かった。だがまだ何かが起こるかも知れないだろ?常に備えよ、だ」
目の前に広がる光景、それは異常だった
洞窟の中で突如俺に襲いかかってきた、見た事も無い突攻兵器 それが、数え切れない程に並んでいたのだ
「まぁ、あと20分位でガレージに着くからよ、頼んだぜ、娘よ」
『だから娘って言うな!』
相変わらずの娘に、俺は大声をあげて笑った
58 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:54:03.44 ID:ZyhFyW2TO
3
ガレージに着き、ACから降りた俺の胸に飛び込んでくる一人の少女、さっきまで人に散々小言を漏らしていた人物と同じとは思えない
『お帰りなさい・・・』
「泣くなよ、俺が負ける訳がないだろ?それより、飯は出来てるのか?こちとら腹が減ってしょうがないんだ」
『ご飯なら出来てる、さ早く上がって食べて頂戴』
「あぁ、ジナイーダの手料理が食えるなんて、父さんは嬉しいぞ!ウゥッ」
『嘘臭い芝居はいいから早く上がれ!』
恐らくこれが娘・・・ジナイーダと食べる最期の食事になるだろう
そう思うと ふいに抱き締めたくなった と思った時には既に身体は娘を抱き締めていた
『な、なにをする!離せ!』顔を真っ赤にして暴れる娘の身体を抱き締めると段々おとなしくなってきたので、離す
『きゅ、急にどうしたんだ』「別に どうもしちゃいないさ それより飯だ飯」
59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:55:02.73 ID:ZyhFyW2TO
4
もしゃもしゃ・・ 私が作った料理を文句一つ言わずに食べる父の姿を ただぼんやりと眺めている
正直、私の料理は認めたくはないが不味い。だが父は文句を言うどころか「美味い!」とおかわりを催促してくる
その様に、いままで我慢していた事が口から滑ってしまった『嘘だ!美味いわけがない!こんなに不味い物が美味いわけないだろ!』
ふと父を見るとあまり見せない真剣な表情で私を見ていた
そして私の手を握り、絆創膏だらけの手を握り「自分の娘が、手をこんなにして作った飯を不味い訳ないだろ?」と真剣な顔をふにゃりと崩して笑った「それより、おかわり」
60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:56:04.85 ID:ZyhFyW2TO
5
食事が終わった後、俺は4番機の前に立っていた
後ろにはジナイーダが立っている、涙を堪えながら
『どうしても、行かなきゃダメなの?』
「馬鹿野郎、テメェが起こした事なんだ。テメェが始末を着けなくてどうするんだよ」
『だからって、何も4番機に乗らなくてもいいじゃないか・・これに乗ったらもう・・』
「心配するなよ、俺は必ず帰ってくるからよ」
嘘だ 恐らく帰っては来れない もし生き延びたとしても 俺は正気を失っているだろう 4番機はそんな危険な代物だ
『でも、でも・・』
未だにぐずる娘の額に軽く口付けをする、そして「5番ガレージにお前への贈り物がある。恥ずかしいから俺が出て行ったら行って見てくれ」
5番ガレージにあるのは 娘がレイヴンになりたいというのを渋っていた俺が、俺に何かが起こった時に娘を守ってくれるために用意したものが置いてある
「それじゃあ、いってくるぜ」
コックピットに乗り込み、ハッチを閉める
『父さん!・・必ず、必ず生きて!私の料理を美味いって言ってくれるのは父さんだけなんだからっ』
俺はACの手のひらで 娘を地面に降ろし
そして俺は空へと舞った
62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 14:57:46.09 ID:ZyhFyW2TO
6
ここはミラージュの街の屋上
視界の遥か彼方に見えるは 空を覆い尽くさんばかりの紅い影
「ハァ…ハ…よう、やくお出まし、か…」
ここまで来るだけで、俺の身体は限界を迎えていた
一つの紅い影がこちらへ向かってくる それを迎撃
すると一つまた一つ ともはや数えるのが面倒なくらいに紅い影が飛んで来る
「来いよ・・・娘には指一本触れさせんからな!」
OBオン。
―――1羽の烏の物語が幕を閉じた―――
なんか ごめんね
63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2007/11/04(日) 15:00:36.69 ID:CdlqixRGO
乙。ジナパパか。
娘が貧乳ならきっと父は粗チ…いやなんでもない。