※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

 男はリボルバー銃を弄んでいた。
 両手のそれをくるくると風車のように回し、革のホルスターに仕舞う。
 長い純白の髪をなびかせ、漆黒のジャケットを身に纏う。
 ふだんとまるで変わらない表情。その能面にバイザーゴーグルをかけて。
 彼――レイヴン:ピース・メイカーは格納庫へ向かう。
 今こそ、出撃の時である。


 -----〈シティガード援護〉----

 緊急の依頼だ
 シティがレイヴンの襲撃を受けた。それも二人組みだ
 ガードたちが、必死の抵抗をこころみるが、結果は見えている
 こちらは君のほかにも、レイヴンを雇った 
 報酬は低いが、我々の出せる最大の額だ
 頼む、我々を、いや、善良な市民だけでも、助けてくれ

 しかし気に掛かる事がある
 僚機として同行するロスヴァイゼのことだ
 彼女は、腕利きだ 何故報酬が低いこのミッションを選んだのか・・・
 いや・・・ こちらの考えすぎだ 気にしないでくれ 
 それでは、宜しく頼む
 
 -----------------------------

 
 トンネルから射出されるように飛び出した彼の機体――ブルースチールは幻想の闇夜に映し出される月光を背に受け、ビルの屋上に着地する。
 後ろには、僚機のヴァルキュリアCが、ブースタで滞空していた。
 光学・アイは、破壊されたシティの景観を戦慄と捉え、
 集音・イヤーには、鳴り響く爆発音と、カードたちの悲痛な叫び、そして……殺戮を愉しむやからの下卑た声。
 
 ピース・メイカーは、ACと一体となり、右手の銃――WG-HG235を構え、力強いブーストジャンプ。

 ビルの屋上より、戦場へ舞い降りる。


 《ミッション目的-エネミーの排除》
《マップデータ取得終了-レーダー波照射-スクリーンに投影します》
《FCSを起動-銃弾の補給開始-安全システム完全解除》
 《 メインシステム 戦闘モード起動します 》



 赤と紫、そして白のトリコロールが、装甲が吹き飛び、今にも崩れそうなガードMTの前へ飛び込み、銃撃。
 必滅の威力を持った銃弾が、破壊を愉しみすぎて油断した敵の頭部に食い込む。
 瞬間、敵は電気系統をやられ停止したが、すぐさま復旧し、スラスターブーストでビルの合間に退避する。

 『うう……、君は、わたしたちを、助けてくれるのか?』
 「そうだ、僕はレイヴンだ。依頼を受けおい成功させる。必ずな」

 ガードに後は任せろと伝えるが、彼らは一向に動かなかった。
 だから言った、「何故行かないんだ!」と。そして彼らは皆、同じことを言うのだった。

 『これは意地だよ。わたしたちガードの、使命だ。それは市民を守る事だ。
  逃げ送れた者たちの退避が済んでいない今、わたしたちが下がったら、
  とてもじゃあないが、君たちだけでは防ぎきれない。
  だから今……今だからこそ!! わたしたちは、立ち上がるんだ!!!』

 MTたちがACに、挑みかかっていく。 

 彼らは敵の逃げ場をひとつ、またひとつと潰していく。
 そしてACを一機、追い詰めることに成功した。
 嵐のような砲撃が、お見舞いされる。
 跡に残っていたのは、最早判別不能の、燃え尽きた鉄屑だけだった
 
 
 ブルースチールは疾駆する。
 僚機のヴァルキュリアCが大変だ。すでにAPが10%を下回っている。
 
 照準をズームアップ。ハンド・ガンを彼女を襲う敵機に向け、ロックオン。トリガーが幾度と無く引かれる。

 それは狙い通りの所にヒットする。腰部に重大な損傷を与え、滞空していた敵ACは地に落ちた。
 一足遅れて、頭部COMがエネミーの情報を掲示、暗唱する。

 
 《敵ACを確認。バウンティです。敵は強力なプラズマライフルを装備。
  接近は危険・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・》

 
 しかし、ピース・メイカーの耳にはそれは届かなかった。
 何故ならブルースチールのコアには大穴が空いていからだ。
 
 その光学・アイに最後に映ったものは――、
 僚機であるヴァルキュリアCがこちらにライフル砲を向けてた姿だった。
 そして、砲口に灰色の硝煙が立ち上っていた……。
------
 『レイヴンズ・ネスト:レイヴン名簿更新
  場所:破棄済みシティにて
  ピースメイカー:死亡確認
  トラスター:死亡確認
  インヴィジブル・Q:行方不明―発見次第、名簿復帰
  ・・・
                   以上更新、終了』
   
-----

  
 私は視神経に直接投射されるまっかな光景に恐怖を覚えた。
 私に課せられたミッション。
 それはシティガード側が雇ってくるだろうレイヴンに追随し、監視し、
 万が一、彼が予定外の行動を取るイレギュラーだとしたら、即刻抹殺せよ、という内容。
 依頼主は、『ネスト』。
 ネストとの契約。私がレイヴンとして、活動できるのは、全てネストがバックアップしてくれるからだ。
 だから、今回のネストの、最早ハイブに不要なセクションを破壊し破棄する計画に参加した。
 イレギュラーを排除し、この地下世界に恒久なる平和をもたらすため……。
 そうネストに私は子供のときから、言い聞かされて、今まで育ってきた。  
 だが私のやりたかったことは、こんな事じゃない。
 騙されるのは傭兵の常だ。そんなことは、分かっているんだ。
 だけど騙す側には、なりたくは無いのだ。
 騙して何になるのか。人が、幸せになれるというのか。人を守るため、人のために戦う人を殺してもいいのか!
 私は、分からない。いつも、こう言う任務に参加して、成功させて、たくさん殺して、私だけ生き残る。
 ……もう、絶対やりたくないよ……本当に……こんな事……。
 私は、
 私は……、
---------
 『レイヴンズ・ネスト:レイヴン名簿更新
  場所:ガルシティ オフィス地区にて
  ロスヴァイゼ:死亡確認
  ・・・
                   以上更新、終了』




| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー