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アスピナの被験体と言われる人間は数多くいる
ジョシュア・オブライエンやジュリアス・エメリーなどの優秀なリンクスを世に送り出す影で数多くの被験体が犠牲となっている
―この被験体は低いながらもAMS適正を得ることに成功しました―
―ふむ、ソブレロの試験運用には丁度いいな―
薄暗い廊下に響くのは二人の男の声
弱弱しく光る電灯の光にちらと写る姿。男達は白衣に身を包んでいたため、科学者である事が伺える。
そんな声を私は遠くから聞き取る。もうどれほどここにいるか。300日を越えた辺りから数えるのを止めたのは覚えている。
私には名前はない。あった筈だったのだが、ここに連れて来られた以前の記憶がまるでない。知識だけが残り記憶が無いのは不思議だ。
名前も思い出せず、今の私は――
「被験体xa26483。出ろ」
こう呼ばれていた。もしも名前が識別の為にあるとするなら、これが私の名前なのだろう
私は立ち上がり独房の様な、それでいて小綺麗な部屋から出て行く。また辛い実験が始まるに違いない。
憂鬱な気持ちを隠しきれず俯いたまま歩く。すると科学者の一人が私に言った
「ネクストのテストにお前を使う。もしかしたらリンクスとして外に出られるチャンスかも知れないぞ」
憎たらしい笑顔で言った。もしリンクスなったらここを潰す依頼を真っ先に受けよう。

「これが・・・ソブレロ・・」
私の知識として残るネクストとは大きく異なる。異形のネクスト
「アスピナの技術の粋だ。既存のネクストを遥かに上回る機動力、あのジョシュアのホワイトグリントを越えるだろうな」
ホワイトグリント、この研究所の傑作品と言われてる科学者達の誇り。みんな口を揃えてジョシュアという人間と私たちを比較する。
それでもやっと私にもチャンスが巡って来た。ソブレロの横に薄広く伸びた胴体は私を自由にしてくれる翼なんだろうと思った。
「操作は分かる筈だ。そういう風にお前の体は調整されている。」
コクピットに乗り込む。なるほど、感覚で理解できる。
「それで・・・テスト内容はなんでしょうか・・・」
肝心のテスト内容。これからの私の自由へのハードルの高さが気になった
「なに難しいことじゃない。たかだかランドクラブだ」
「アームズフォート・・!」
初めてのネクストでアームズフォートと戦え、つまり死ねと言っている。
私が死んでも機体から送信されるデータがコイツらの参考になるんだろう。
「所持できる兵装は・・?」
それでも僅かな可能性を諦められない。この場で暴れてこいつらを殺しても直ぐに私も殺される。
生き残るためにはアームズフォートを撃破するしかない
「試作品のマシンガンとオーメルから来た試作型のレーザーブレードだ。」
極めて軽装。元より撃破させる気もないのだろうか
「分かりました。5分後に出撃します」
やるしかない。

私の体に施された調整が思いのほかに高度なレベルだったのだろう。
ランドクラブの長距離からの砲撃は当たる気すらしない。
「ソブレロ・・良い子。」
確かに速い、尋常ではない機動力だ。この世界には慣性の法則なんて無いんじゃないかという感覚させ覚えてくる。
あっという間に距離を詰め、腹部に潜り込む。ランドクラブの脚にエネルギーを供給するラインを刻み歩を止めさせる。
今度は上方に回りマシンガンで砲台を潰す。一切の行動を制限したところでランドクラブから降伏の通信が入る
これで自由になれる。そう感慨にふけっているとランドクラブとの入りっぱなしだった通信からどよめきが聞こえる
―ネクストがもう1機だと?援軍か!?―
―この反応・・・所属不明機です!―
私のネクストのレーダーにも反応がある。識別信号を確認している最中に所属不明機から通信が入る
―xa26483、お疲れ様です。貴方のお陰でソブレロの性能と欠点はよく分かりました―
アスピナの人間のようだ。どうやら私が負けるのだろうと思って既に援軍を差し向けていたのだろう
「既に降伏させました。貴方の仕事はありませんよ」
―いいえ、まだ敵は健在じゃないですか―
既に所属不明機、黒のソブレロは私たちの近くまで接近していた。
健在?降伏させたのにこの男は何を言っているのだろう。止めなきゃいけな
―排除します―
黒のソブレロの両背に備えてあった重火器から弾丸が雨のように降り注ぎランドクラブは轟沈した。

何故。戦意の無い相手を・・
―これで完了ですね。ああ!貴方に新しい指令が出ています―
「なんですか・・・」
無気力に答える。頭の中で整理が付かない
―私はCUBEという者ですが、ああ、お聞きでない?まぁ簡潔に言いますとソブレロのテストの続きです―
自己紹介を途中で遮るが指令は言い渡された。
「テスト・・?またなんですか!今度は一体何を!」
―ええ。貴方はこのカスタムタイプのソブレロ・・フラジールの試験相手に選ばれました。おめでとうございます―
私の眼前に無数の銃弾が壁となって迫ってきた

「・・・ッ!」
ソブレロの機動力が無ければ助からなかった。散弾銃のように飛来し続ける死の雨を避けつつ撃ち返す。
    • が火力が違いすぎる。
機動力は軽装さで私のが上だがどうにもならない程戦力差がある。
「・・・もう・・もたない・・・」
私の自由は結局掴み取れないものだったのだ。籠の外の窓は開いていても、結局は籠の扉は開かれていなかった。
それでも生き残る為に回避行動を続ける。科学者は私のAMS適正は低いと言った。
事実私の体は既に軋み悲鳴を上げる。頭痛がしてきて目の前が霞んでよく見えない。
ボヤけた視界で緑の光が私とCUBEの間で大輪の花を咲かせた
私がソブレロにつないでいた絆から光が戻ってくる。私の意識は光の奔流に飲まれて消えてしまった。

―コジマミサイル!?はっ・・まさか、貴方が来るとは―
旧GAEの象徴であった四脚のACカリオンがフラジールの前に立ちはだかった。
―ミセス・テレジア。一体何の用ですか?―
2発目のコジマミサイルを充填しながらテレジアは答える
―なぁに、味方同士で殺しあってる奴らを見るとほっておけないのさ―
―かつての同胞を数多く殺めた貴方の言うことですか?―
だからこそ見過ごせないね、と戦闘駆動に入るカリオン
―待てCUBE。今のフラジールではオリジナルの相手をするのは無理だ。帰還しろ―
緊迫した空気の中で第三者の音声が割り込む。
―・・・・命拾いしましたね。次会う時は容赦はしませんよ―
フラジールは来た時同様に殺人的加速力で空へと消えていった
―・・・。さて、この子はどうしたもんか―

私が目覚めた時には小奇麗な部屋で寝転んでいた。見たことも無い部屋のベッドで寝ていた。
研究所の硬いベッドとは違い、とても柔らかでいい匂い。
「ようやく目が覚めたかい」
老婆が私に声をかけてきた。知らない人だ
私は状況がいまいち理解できなかった。しかし、どんな状況でかは分からないが彼女が私を助けてくれたのだろう
「・・・・!」
声が出ない。何度も出そうとするが喉が声を出すこと忘れてしまったようにヒューヒューと空気が抜ける音だけが鳴った。
「AMS負荷のリバウンドだねぇ・・」
AMSを通して光が逆流してくるような感覚を思い出す。あれがリバウントだったのだろう。私の声は奪われてしまった。
でも彼女は何故そんなことを知っているのだろう
そんな想いを察してか彼女は自分から名乗ってくれた
「私はミセス・テレジア。あなたと同じリンクスさ」
こんな老婆がリンクスだという事実にも驚いたが、オリジナルである彼女が何故私を助けたのだろう。
紙とペンを借りて質問してみる
「そうだね、強いて言うなら同胞同士で争う姿は見たくないってところかね」
彼女の話ではソブレロはもう再起不能らしい。私自身もリバウンドにより声は出なくなったが、リバウンドのショックでAMS適正が上がってるかもしれないとのことだった。
「いいかぇ、これが企業の成している事なんだ。誰かが止めなくちゃならない。でも私にはもう遅すぎる」
貴方のような若者が成すこと。彼女はそう付け加えた
彼女は私の力になればとネクストを用意してくれた。
「なぁに、お代なら世界を平和にしてくれたらタンマリ頂くことにする」
彼女もかつての同胞と戦ったことがあるんだろう。だからこそそんな世界を変えたいと思っている。
それを私に託してくれたのだ
「ついでにコレも持っていくんだよ」
コジマキャノン。彼女は私に自分の思いを託す証としてもたらした最高の兵器。

私はこれから腐った企業による支配された世界を変えるために戦っていく
言葉を失った私は息を潜め敵を待ち、仕留める。猟師のように生きていこうと思う
待ち伏せなら喋る必要もない。もはやxa26483ではなく、ブッパズガンとして生きていくのだ。

―――間の無くブッパズガンはテルミドールとメルツェルと出会い世界を変える戦いに身を投じる
しかし志を半ばにしてその人生に幕を下ろす。
されど世界を変えたいと強く願い続けた想いはORCA旅団の人間の心に強く生き続け、やがてORCAの願いは成就されることとなる。




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