目覚まし時計のベルが鳴り響く

それをもぞもぞと這いながら止める

今日はレイヴンとなって初の任務だ

これから始まる戦いの日々への不安と巨額の富への希望が入り混じる

ベッドから跳ね起きるが、少し勢いが強過ぎた為かベッドを支える脚が床にめり込んだ

「・・・あちゃー」

とりあえず任務から戻ったら直そう、彼はベッドを放置してパイロットスーツに着替える

簡易食品であるゼリーを流し込むと彼はいつもの様に自らの愛機に向かった

機体に乗り込みキーを回しPASSを入力する

モニターに灯が入る

システムオールグリーン、いつでも出撃可能だ

今まで一度も異常が出たことがない、うちの整備員は本当に優秀だ

ゲートの開放を確認し機体を前に進める。既に待機していた輸送機に機体を入れる

輸送機が飛び立ち作戦領域まで到達するにはさして時間がかからなかった

「レイヴン、作戦領域に到達しました。ハッチ解放後3カウントで降下してください」

モーター音とともに輸送機のハッチが重々しく開く。降下ランプが1個、2個、3個・・・光る

中量ニ脚のACが輸送機から風を切って飛び降りる。着地のショックはブーストで相殺する

「さて、目標のMTは・・5機か」

右から2機来るのが確認できた、前方の建物の影に1機隠れている、もう2機は建物の上から狙撃体勢に入ってるな

まずは右から来るMTだ。男はライフルを向けて銃口を絞る。銃撃戦の開始だ

ブーストで加速しMTの頭と飛び越すように跳躍する

残エネルギーに気を配りながら上方から円を書く様に旋回し射撃を繰り返し1機沈める

もう1機は着地する時のスピードでそのままブレードを振り下ろし沈めた

「3機はまだ出てこないか」

炙り出すか、と背中のグレネードランチャーを展開する。射撃反動を緩和するためにコンピュータが効率のいい射撃姿勢を

「取らない・・・・?」

畜生、機体がひっくり返るぞと操縦桿を叩きながら毒づく。整備員がトチるなんて初めてだ

彼はひっくり返っても相殺できるようにブースターのペダルに脚をかけておく

グレネードの発射と共にブースターペダルを踏み込み反動を相殺する、必要がなかった

殆ど反動がなく弾は発射され、隠れている建物ごと目標を粉砕した

彼が戸惑っている間に機体が大きく揺れる。射撃の反動ではなく被弾の反動だ

「狙撃か・・!」

敵の姿は見えない。レーダーを頼りに大体の位置を確認しロックオン

垂直ミサイルはビルの上にいる目標の位置まで上昇し破壊する、同様に2機目も破壊した

違う

この機体にレーダーなんて付いてない

キャノンの反動制御もニ脚じゃ不可能な筈だ

彼が寝ている整備員が何か細工をしたのかもしれない

整備員に確認するために、静寂に包まれた戦場を去ることにした

操縦桿を握りなおし、巡航モードへ以降する

その時彼は操縦桿を握りなおした自分の手・指からモーター音がするのを確かに聞いた

「始めての任務・・・俺の愛機・・・俺の体・・・」

破壊と死が残る戦場で生き残った男には絶望がもたらされた





| 新しいページ | 編集 | 差分 | 編集履歴 | ページ名変更 | アップロード | 検索 | ページ一覧 | タグ | RSS | ご利用ガイド | 管理者に問合せ |
@wiki - 無料レンタルウィキサービス | プライバシーポリシー