ラインアーク防衛。それが今回、ストレイドとそのリンクスに課せられたミッションだった。
「ミッション開始、ホワイトグリントと協働し、企業のネクストを撃破する」
ストレイドのコクピット内に響くセレンの声。この凛とした声が、どのような状況でも俺を冷静でいさせてくれる。
「敵ネクスト、フラジールと……もう一機、初めて見る機体だな」
「?」
セレンが把握できていない機体とは珍しい。よほど秘蔵にされていたリンクスなのだろうか?
「政治屋ども、リレベ……リベルタリア気取りも今日までだな」
今敵ネクストの通信が聞こえたが、噛まなかったか、こいつ?
「フラジール、これはドミナントである私が、私が為すべきことなのだ。貴様は空気で構わん」
「あなたこそ、闘わなくても構いませんよ。フラジール単機でも、敗率はほとんどありません」
「ふん、ドミナントであるこの私に口答えか……ま、ありじゃないか、貴様?」
なんか口喧嘩始めたぞ……しかし、ドミナント?聞いたことない単語だが……
「セレン。ドミナントって何だ?」
「わからん、私も初めて聞いたが、気にするな。お前は撃破することだけ集中してればいい。行け!」
セレンの声とともにOBを起動し、機体を一気に急加速させる。
それに続くように、ホワイトグリントもOBを起動、ストレイドと並んで橋の上を高速で移動する。
「しかし、こんな狭い橋の上が作戦エリアとは……まともに動けんな、これでは」
「橋の上だけで戦うつもりですか、パートナー」
「当たり前だろう、落ちたら沈む」
「?ブーストの吹かし方も分かりませんか、やはりあなたは闘わなくて結構です」
空中から策敵をしていると橋の上でもたもたしているネクストを発見した。どうやらあれが詳細不明のネクストのようだ。
「おい、あいつの足場壊してみろ」
さすがセレンさんドSですね。
背部のグレネードを橋に打ち込む。
「ぬわああっ!!?」
橋が崩壊する音とともにリンクスの悲鳴が聞こえる。
「おち、落ちるっ!落ちるうぅぁぁぁああっ!」
ざっぱーん。
不明ネクスト着水。
「っ!?な、なんだ!?作戦続行不可能じゃないのか?まだ動けるのか?」
「パートナー、真面目に戦ってください」
フラジールがふよふよと不明ネクストに近寄る。
「ね、ネクストというのは海上でも動けるのか!?」
いやノーマルでさえ海上で動けるが。
「なんだあいつ……ネクストに乗ったことがないのか?構わん、一気にたたんでしまえ」
もう少し見ていたかったがセレンにああ言われては仕方がない。
ライフルを構えて二機へ向かって突撃、同じように今まで傍観していたホワイトグリントも挟撃の形で二機に突っ込む。
それに気づいたフラジールは高速で上空へ舞い上がる。不明ネクストも一応は臨戦体勢に入ったようだ。
「ふん、見せてやろう、ドミナントである私との、決定的な違いをな!」
先ほどまでの漫才がどうであれ、気迫のこもった啖呵に思わず身構える。
「……あれ?EOの起動はどれでやるんだ?」
EO?なんだそれは……とりあえず撃っておくか。
トリガーを引くとともに二丁のライフルから弾丸が放たれ、不明ネクストに高速で飛来する。
「ぬっ!?ドミナントステーップ!!」
ドヒャァ!とQBを吹かし真横にスライドする不明ネクスト。しかしたかがQBに技名はどうかと思うのだが。
「ドミナントショーット!」
不明ネクストが右腕に握るマーヴがストレイドに向けられ、ライフルの中でも1,2を争う高火力の弾丸を発射する。
PAの干渉を受けつつも、ストレイドの装甲をえぐる弾丸。
「な、なんだ今のは!バリアか!?バリアなのか!?」
「…………!?」
「なんだあいつは……QBはできるくせにPAも知らんのか」
「余り戦いたくないんだが……」
「奇遇だな、私も馬鹿らしくなっちまったよ」
「ならあいつはホワイトグリントに任せて俺はフラジールを――」
「残念だったな。あちらもその考えだったらしく、さっきフラジールの方へすっ飛んでったよ」
「…………」
「通信を気にしなければワンダフルボディ以下だろう、さっさと片付けろ!」
「お、おう!」
肩の連動ミサイルを起動し、背部のハイアクトミサイルとともに一斉発射する。
「ドミアントバリアー!!」
PAのことを言っているのだろうが、そのPAはたった今ミサイルの爆風でかき消された。
「終わりだな、ドミナントとやら」
グレネードの砲身を不明ネクストへ向ける。PAもまともに展開できてないあの状態では、グレネードを食らえば機体はひとたまりもないだろう。
「何の!食らうがいい、ドミナント――ソオオオオオッッッッド!!!!!」
海上でいきなりブレードを素振りする不明ネクスト。もちろん、当たるわけがない。
「な、こ、光波が出ないだと!?」
「ええい、やかましいっ!!」
とうとうセレンが切れる。そんなにうるさいなら通信きればいいのに。
「あと5秒以内に片付けろ!さもなくば貴様もラインアークに沈める!」
おそらく本気で彼女は言っているので急いでトリガーを引き、グレネードを発射する。
「ぬわああっ!!?」
立ち上がる爆炎と、悲鳴。ついさっき似た光景を見た気がする。
「な!?沈む!?」
やったか。
「メインブースターがイカれただと!?ダメだ、飛べん……」
「笑わせる……偽物は私の方だったか……」
ずぶずぶと海中に沈んでいく不明ネクスト。
「ドミナント……その称号は、お前にこそふさわしい……」
機体が完全に海中に消え、通信も途絶える。
「不明ネクストの撃破を確認。ホワイトグリントも、相討ちではあるがフラジールを撃破したようだ、帰還しろ」
「わかった。……セレン」
「なんだ」
「……ドミナントの称号、もらったんだが……」
「海に捨ててこい」
「了解、ストレイド、帰還する」





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