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「『始まりの地』…!素晴らしい…!」
一人の男が、モニターに映る光景を狂気交じりの表情で賛美する。
「これがケミカルダインの残した『遺産』の能力…!
 この力を、この力を我等の『子』に…!」

同じく、モニターを見つめていた数名の男女も、狂気を含んだ涙を瞳に浮かべている。
「世界が変わる…!」
「生態系すらも変えて…!」
「我等が『子』達の時代が、もう少しで!」
「到来するッ!!!」


オールド・アヴァロン旧市街跡。
スペシャルアリーナの決勝の舞台である。
VRアリーナの普及により、決勝まではVR上で行なうが、決勝は例外的に実戦で行なう。
もちろん観客はそれまでの試合と同じく、大観客席の巨大スクリーンで観戦している。

しかし、戦うレイヴン達は現実の戦場に立つ。
全てが本当。全てが現実。それが…決勝戦。

『皆様、大変長らくお待たせしました。
 これよりスペシャルアリーナ『チーム戦』の決勝戦を行います』
『決勝戦は全て、現実世界で行われます。
 皆様は、これから本物の戦場を体験する事になるでしょう!』
『では、選手紹介に入ります!
 特化機体を用いた、三機一体の連携技術はピカイチ!
 残りの一人は何しに来た!?グリッド1、レイヴン三銃士プラスゥーッ!』
ウワァァァ…と観客席が盛り上がりを見せても、レイヴン達には伝わらない。
『対するは、同じく連携技の冴える四人組みッ!
 どいつもこいつも曲者揃いのつわもの達ッ!
 それでもやっぱり名前が変ッ!グリッド2、飛ん・で・レイヴゥーンッ!』

「…やっぱり、あの名前で紹介されてるのかなぁ…」
これから決勝だというのに、急に弱々しい声を上げるヘクト。
彼女に言わせれば、チーム名は『チームオブネームレス』が正式な名称らしい。
『KYK』の名称の時もだったが、肝心な時にどうでもいい事を言うのが彼女のわからない所。
器の大きい大物の可能性もあるが、単にどこか抜けているだけなのかもしれない。
「くだらねぇ…」
スウィフトの呆れた声がシュライクのコクピットに小さく響く。

決勝は、旧市街跡全域を用いて行われる。
広大な旧市街跡には障害物も豊富にあり、開けた場所もあれば、建築物によって入り組んだ閉所もある。
様々な機体が活躍の機会を与えられ、また奪われる事もある万能のステージと化している。

「…どうだ?地形情報の把握、済んだ?」
先程から地形の情報の収集、解析に専念しているトーマスに、ラッシュが声をかける。
しばしの静寂の後、ガンナー3からデータと共に、回答が帰ってくる。
「中々良い舞台みたいだな。一通りの戦場が揃ってる」
「生かすも殺すも俺達次第か」
「やる事は同じだけどな。敵さんを全部倒す。それが勝利条件…!」

ガンナー1を前進させ、何も無い空にブレードを閃かせる。
「絶対優勝だ!おめぇら気合入れろよッ!」

『試合開始まで残りわずかとなりました!
 両チーム共に、気合は十分のようです』
『カウントダウンを始めます。9、8、7、6、5、4、3、2、1…』
『ゲットレディィーッ!GOーッ!』

――決勝戦、開幕。

「行くぜぇーッ!」
勢い良く飛び出す三銃士+。目的は敵戦力の把握と、拠点となる場所の確保。
前方の巨大建造物を盾にした状態で、ガンナー3の広域レーダーがACの反応を捉える。
「見つけた。しかし…」
敵の反応は動く気配を見せない。
恐らく、自分達と同じ様に障害物を盾にした状態で情報収集を行っているのだろう。
「相手も馬鹿じゃないって事か」
安易に攻めてくるような敵では無いらしい。
シートに座り直し、ベルトをしっかりと締め直す。
決勝に上がってくる程の相手だ。油断は死に繋がる。

「スウィフト、どうだ?」
前方の残骸に登ったエース&ジョーカーから通信が入る。
「ボンクラじゃ無ぇみてぇだな。ハラは俺達と同じだろう」
シュライクに搭載された広域レーダーで索敵を行うスウィフト。
自分達と同じく、動く気配を見せない敵、つまり索敵中…という事だ。

「…仕掛けるか?」
両肩装備を準備し、仲間へとその旨を伝えるジョー。
「先手必勝だよ。レミントン、スウィフト、フォローお願い」
ハンドガンを構えたクイックトリガーが前進すると同時に、ジョーのACからコンテナが射出された。

「ーッ!来たぞ、上…?」
前進してくる反応が2つ、3つ、4つと急激に増えていく。
増えていく反応の正体、それは…
「…!ミサイルだ!コルト、寄せろ!」「よし来たッ!」
ガンナー2の迎撃装置とデコイ、そしてガンナー3のチャフにより、被害を最小限に抑える事は出来たが…

「…ッ!ラッシュ、右だ!」
ガンナー1の右側面から、ロケット弾が3つ飛来する。
トーマスの声と同時に機体を上昇させたラッシュは、空中で敵ACを視認する。
右側面に回り込んでいた軽量二脚ACは、アサルトロケットを放ちつつ後退していった。

「逃がすかッ!」
連動ブースタにより、中量二脚ACでありながら軽量級並の速度を得たガンナー1。
十分に追える筈だ。そう判断したラッシュはクイックトリガーを追う。

「ラッシュ!深追いは…ッ!?」
単機で追撃に向かうガンナー1の心配をする間も無く、ガンナー2の足元が轟音と共に爆ぜる。
スナイプサーキットのレーザーキャノンが地面を抉ると同時に、狙撃用ライフルの実弾も飛来する。

「お仲間…って所といきたいけどなぁ」
プロジェクターの視界に、ジョーのACが映る。
アルフライラと同タイプの重量二脚型AC、エース&ジョーカー。
そのACの背面から、二つの玉が空中に撃ち出される。
(――EOッ!)
瞬時に後退し、建物の間に自機を滑り込む様に退避させる。
直前までアルフライラがいた道路の上を、二本の閃光が走った。

「ヘクト!離れすぎているぞ!
 ジョー、その緑は任せる。抑えていてくれ!
 レミントン、一旦下がれ、ここは俺が抑える」
次々と味方に指令を送るスウィフト。
チーム中、状況判断能力ナンバー1の彼の本領発揮である。

「トーマス、ラッシュが心配だ。早いとこ撒いてくれ!」
「了解!あの鳥足を抑えてくれよ!」
ガンナー3が瞬時に後退して行くのを、スウィフトは見逃さなかった。
しかし、ガンナー2の砲撃をかいくぐって追撃する事は困難を極める。
コルトも、逆関節の跳躍力に振り回されぬよう、ついて行くのがやっとだったが。
「くそ、ピョンピョン跳ねやがる。トーマス、頼むぞ…」

「レーダーを…しまった!離れすぎた?」
味方が戦闘している区域から、クイックトリガーは離れすぎていた。
後方から迫るガンナー1、踵を返すのであれば、接触は避けられない。
(どうする…?)

グゴゴゴ…ガグガァァァ…
ラッシュの視界から敵ACが消え去り、代わりに巨大な瓦礫が積み上がっていく。
クイックトリガーが残りのアサルトロケット全てを使い、ACの倍以上の高さのビルを倒壊させたのだ。
「っととと…姑息な真似をしやがる」

ガンナー1のレーダーでは、既に敵機を捕捉出来ない。
接近格闘戦にのみ特化した機体は、レーダー範囲すらも短い。
陣形を立て直すべく、仲間達との合流をラッシュは選択した。

「一つ、二つ、三つ、四つ…」
トーマスのガンナー3は前線からやや後退し、本格的な電子戦を開始。
そのためのECMメーカーを、特殊なコードでそれぞれを結んで散布していた。
コードは一つのECMの効果時間が切れる、つまりECM自体の破壊又は自爆により、
次のECMを作動させる為の、トーマスお手製の特注コード。
「設置準備完了。ECM、機動!」

「…ッ!?」
エース&ジョーカーのCPUが、コクピットに警告音を響かせる。
『レーダー、FCS共に異常発生。ジャミングにより、両機能に障害が発生』
「クソッタレ!向こうにゃノイザムフライでもいるのかよ!」

「落ち着け。単なるECMメーカーだ」
恐らくジャミングの影響を受けているのはジョーのACだけだろう。
チームのACで、最も対ECM防御を考慮していない構成の為だ。
(悪あがき…とは思えねェな。何が狙いだ…?)

「トーマスの奴、待たせやがって。反撃開始だ!」
敵チームで最も危険な存在…狙撃担当のタンク型ACへ、アルフライラを向かわせる。
火力と狙撃にのみ特化した重量機には、うってつけの武装がある。それは…
「いい仕事してくれよ?頼むぜッ!」
アルフライラの左肩から、小型の自立兵器が発射された。

スナイプサーキットの頭上を、オービットが飛ぶ。
消えても消えても、しつこく放たれる自立兵器。
機動力に劣るスナイプサーキットの装甲を少しづつだが、確実に削ぎ落とす。
「仕方無いですね…」
OBを作動させる為のレバーへと手を伸ばす。
重量機に無理矢理高機動を与える為の、諸刃の剣ともなる装置。
その上、機体重量の影響で大した速度は出ない。しかし、この状況ではダメージの蓄積が致命傷になりかねない。
(目的地は…あのビルの間…)
閉所であれば、そう簡単にオービットを放つ事は出来ない。下手をすれば自爆してしまう為だ。

ガンナー2のリニア砲が連続して咆哮を上げる。
しかし、重装甲のエース&ジョーカーは止まる気配を見せない。
「くそぉ、ラッシュはまだ来ないのかよ!」
最も危険な重EOだけは被弾しない様、機体を操りながら援護を求める。

(あのアンテナ頭が司令塔の筈だ、奴を叩けば終わる…!)
ガンナー3にのみ狙いを定め、戦闘区域の分析を進める。
(ヘクトの奴もこちらへ向かっている。戦力を集中させ、敵の頭を潰す)
(最悪、俺一人でも奴を叩く!)

「駄目だ、このままじゃ追いつかれる…!」
軽量二脚ACのクイックトリガーを追走できる、ガンナー1の機動力に焦りを覚える。
(…こうなったら、覚悟決めるしか…ッ!)

直後、クイックトリガーが反転、ガンナー1へと突撃した。

「タイマンか!面白ェじゃねえか!」
逃げる事を止め、戦う事を選んだ敵機の行動が、少しだけ嬉しかった。
仲間達との合流などすっかり忘れ、敵ACへと向かう。

一対一の火蓋を、ガンナー1のブレードが切る。
ブーストジャンプで回避し、そのまま背面を取るクイックトリガー。
高機動AC同士の、三次元戦闘が繰り広げられる。
積極的にブレードを振り、一撃に賭けるガンナー1。
マルチブースタを用いた変則移動を巧みに織り交ぜ、ハンドガンで確実にダメージを与えるクイックトリガー。
得意とする距離は同じでも、正反対の戦い振りを見せる。


(もう少し…そのまま、よし!)
瓦礫の合間に隠れるように身を潜めていた、スナイプサーキットの砲身が光る。
砲身から伸びた光の矢は、ガンナー2の脚部を二つ蒸発させた。
エース&ジョーカーは、単にガンナー2を追い回していた訳では無かった。
はじめから、スナイプサーキットの射程内へガンナー2を追い込む為だった。

「畜生!これじゃ、身動きが取れない!」
一機でも戦力を失えば、一気に追い詰められてしまう。三対四では、戦力差は歴然。
「こうなりゃ…ッ!」
弾丸のたっぷり残ったリニア砲をパージし、マニピュレーターで掴む。
目標は、自機を狙撃したタンク型AC。ガンナー2は掴んだリニア砲を、投げた。
そして、残ったリニア砲で、投げたリニア砲を――撃った。

大口径Eキャノンを発射した直後のスナイプサーキットに、回避行動は取れない。
とっさに右腕を前に突き出し、コア部分をかばう。
弾丸を大量に詰まったリニア砲は、砲身ごと大爆発を起こした。
至近距離での爆発に、機体が悲鳴を上げる。
「なんて無茶を…この土壇場で相打ちへと持って行かれましたか。
 申し訳ありません。脱出します!」

『グリッド1、ガンナー2機能停止』
『グリッド2、スナイプサーキット機能停止』
コルトの奇抜な戦法により、状況は三対三へと変化を遂げる。

「おっさん!上だ!」
トーマスの声に合わせるかの様に、上空から弾丸の雨が降り注ぐ。
使い切ったオービットをパージし、アサルトライフルを敵ACへと向ける。
撃ち合いであれば、重装甲のアルフライラに分が有る。

高速連射されたライフル弾が、シュライクを襲う。
装甲の薄いシュライクでは、たとえ高火力のリニアライフルといえど撃ち負けてしまう。
『脚部、破損』
『AP10%、危険です』
CPUの悲鳴がコクピットに響く中、スウィフトは少しだけ、笑った。

「ジョー、まだ残ってんだろ?やってくれ」
「よしきた!」
最後のコンテナミサイルを、上空へと放つ。
(俺のカンが正しければ…!)

分裂したミサイルが、全てガンナー3へと向かって行く。
フロートタイプの弱点とも言える切り返しの遅さは、ミサイルの被弾率を上昇させる。
それを補う為に、ガンナー3はミサイルカウンターを装備しているのだが…
「し、しまった!?チャージング!?」
凄まじい数のミサイルに対し、連続して発動したミサイルカウンターは、
機体ジェネレーターへ急激な負荷をもたらす。
自慢の速度を封じられたガンナー3に、シュライクが止めを刺そうと突撃する。
急上昇してのトップ・アタック。命中率を高め、確実に仕留めようと。

――ガンナー3に、上空から無数の弾丸が飛来する。
「くそ、ドジこいちまった。ラッシュ、おっさん、あとは頼むぜ…」

『グリッド1、ガンナー3機能停止』

崩れ落ちるガンナー3のそばに、シュライクが着地した。
しかし、着地のショックを支えきれず、一瞬硬直する。
その刹那、シュライクの背面に小型ミサイルが直撃。
「なッ!?」
衝撃で前方に倒れるシュライク。長時間のブースタの使用と、ミサイルの直撃により熱暴走を引き起こす。
既に限界を迎えつつあったシュライクは、そのまま機能を停止。

直撃したミサイルは、事前にアルフライラの放った高機動超小型ミサイル『SYAKATURA』だった。
急に上昇していく敵ACに、適当に放った筈のミサイルが幸運にも直撃したのである。

「トーマスッ!…ん?敵反応も消失?どうなってんだ?」

『グリッド2、シュライク機能停止』
戦況は二対二。またもや相打ちとなった。

ガンナー1とクイックトリガーの戦闘は、こう着状態となっていた。
双方共に障害物の陰に隠れたまま、動く気配を見せない。

「ハンドガン残弾数…駄目だ、格納武器に切り替え。
 機体損傷は…70%か。余裕が無いな…」
ハンガーユニットから二丁のハンドガンを取り出し、装着する。
機体は全体的に損傷してはいるが、動きにダメージは感じられない。
「辛いのは向こうだって同じ筈だ。勝負は一瞬…ッ!」

「機体損傷…クソ、ちったぁ静かにしやがれ!」
頭部が破損している為、CPUが怪音を響かせる。
「マズイな…弾が殆ど残ってねぇぞ」
ろくに照準も合わせず、牽制目的で乱射した為、マシンガンの残弾は心細い。
「奴をやるには、ぶった切るしかねぇな…」

「ちっ、弾切れだ」
EOを格納し、再装填を行う。
戦況は五分と五分。互いに二機を失った形だ。
使い切った両肩ミサイルと共に、サイドシールドもパージ。
重量機同士の戦闘となる。少しでも機動性で優位に立ちたいが為の行為。

「残弾…右58、左29。足りるのかね?これっぽっちで」
敵ACはEEOを搭載している為、やや不利な状況だった。
下手をすれば、格納しているレーザーブレードのみの戦闘を行わなければならない。
お互いに弾切れとなると、射撃武装の残る敵ACが有利となる。


クイックトリガーの回転式弾倉型ハンドガンが地形を削る。
一発一発が、ライフル弾を凌駕する高威力の物だ。あの連射速度で撃ち込まれてはたまらない。
(クソ、近づけねぇ…どうする!?弾切れを誘うか…?)
(…イチかバチかだ!)
ガンナー1のマシンガンが、『地面』に撃ち込まれる。
残った弾丸を全て使い、辺りの地面をひたすら撃つ。
巻き上げられた砂塵が宙を舞い、辺り一面を茶色く染め上げる。
「さあて、勝負はここからだ!」

「煙幕…?」
突如響き始めた銃声の意味を知り、身構えるヘクト。
ACのレーダーは正常に作動しているが、こう視界が悪くては、全てを把握できない。
レーダーの光点は、先程から絶え間なく移動している。
「どう来る…?」
クラン、と音を立て、ハンドガンの弾倉が再装填される。

「弾切れ、か。こりゃ、いよいよドス持ってカチコミしかないな」
撃ち切った飛天をパージし、ハンガーからブレードを装着する。
重量二脚同士の撃ち合いは、ショットガンを装備したエース&ジョーカーが火力に勝り、
アサルトライフルを装備したアルフライラが射程に勝る。
しかし、二丁のうち片方を既に撃ち尽くしたアルフライラの優位は、消えた。

「EO、まだチャージ終わらねぇのかよ!?」
苛立ちと焦りを、CPUにぶつけるジョー。勿論、効果は無い。
「仕留めるには、弾が足りないってのによ…」
エース&ジョーカーを上回る程の重装甲を持つアルフライラを仕留めるには、火力が不足していた。
その為、EOの再装填が必要不可欠なのだが…

ロックアラートがコクピットに響く。
接近戦に勝機を見出すしかないアルフライラが接近する。
近距離はショットガンの餌食になりかねないが、他に手は無い。
次々に飛来する散弾の雨を真正面から突破し、一直線に敵ACを目指す。
「もう少し…ッ!」

黒煙を舞い上げながら、機能を停止するアルフライラ。
しかし、左腕部は敵ACのコアへと向けられていた。

『グリッド1、アルフライラ機能停止』
『グリッド2、エース&ジョーカー機能停止』
――結果は、またもや相打ちとなった。

「あ~ひでえ目にあった。結局相打ちかよ」
ブレードが突き立てられる直前に脱出したジョーが、ACを見上げながら呟く。
「あとは隊長頼み…か」

視界、レーダー、ソナー…全てを駆使し、ガンナー1を警戒。
レーダーの光点は、止まる気配を見せないが、接近しても来ない。
(まさか、ダミーメーカー…?違う!あれはもう市販されていないし、レギュレーション違反だ!)

ガァン

――自機の後方で、物音がした。レーダーの敵反応とは、反対の場所で。
瞬時に反転し、音のした方角に12発の弾丸を撃ち込む。
…しかし、手ごたえが無い。ヒットセンサーに反応も無い。

―WARNING―
警告音と共に、OBのチャージ音がヘクトの耳へと飛び込んでくる。
敵ACはレーダー反応と同じ場所、つまり背後にいた。
反対側での物音は、ガンナー1が放り投げた空のマシンガンが立てた物。
すぐさま機体を旋回させるが、既にガンナー1は間合いへと入っていた。

青い閃光が閃き、左腕部とコアの一部が弾け飛ぶ。
衝撃がコクピットの一部を損壊させ、
小さな爆発で弾け飛んだ破片が、ヘクトの頬を切り裂く。
「うああああああああーッ!!」
ヘクトは咄嗟に、右腕部を敵ACへと向けた。

「もらったァーッ!!」
ガンナー1のブレードは、確かに敵ACを両断した。しかし…
敵ACの右腕部の一部が、開いた。
機能を停止する寸前に放たれたナパームロケットが、ガンナー1に直撃。
ガンナー1は炎に包まれ、勝利の余韻に浸る事を許される事無く、炎上。

『グリッド2、クイックトリガー機能停止』
『グリッド1、ガンナー1機能停止』

『両グリッドの全滅を確認しました!先に全滅し、惜しくも敗れ去ったのは…』
『飛ん・で・レイヴンッ!優勝は、レイヴン三銃士プラスゥーッ!』
『凄まじい試合でした!そして素晴らしい!この試合は、スペシャルアリーナの記録に残る物となりました!』
『会場の皆様、出場レイヴンに惜しみない拍手を…ッ!』


――最後まで、相打ちかよ。
やれやれ、きつい仕事だったこと。
けど、これで優勝賞金は俺達の物ッ!やったねッ!ヒャッホー!

収支報告
収入  +300000C
成功報酬+165000C
特別加算    
AC「アルフライラ」含む全AC、大破。修復不可。あと、見覚えがあるような、無いような…AC。




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