戦場には、思ったよりも沢山のモノがある。
スクラップから、まだ使用できる上等の武器、使用されて空になった弾倉。
一見、何の変哲も無い鉄板にしか見えない物。
砂の下には、MTあたりが丸々埋もれている事もある。
勿論、戦場である限り、散っていった命が無数にある。が、それに触れる事は出来ない。
死体は、ワタリガラスの餌にでもなることが出来ればまだ、カラスのためになるのかもしれない。
しかし、死体は残らない。燃え尽きるか、蒸発する運命。
戦場で最も暴れているのは、カラス。それも、巨大な鉄の塊に乗って。
スクラップから、まだ使用できる上等の武器、使用されて空になった弾倉。
一見、何の変哲も無い鉄板にしか見えない物。
砂の下には、MTあたりが丸々埋もれている事もある。
勿論、戦場である限り、散っていった命が無数にある。が、それに触れる事は出来ない。
死体は、ワタリガラスの餌にでもなることが出来ればまだ、カラスのためになるのかもしれない。
しかし、死体は残らない。燃え尽きるか、蒸発する運命。
戦場で最も暴れているのは、カラス。それも、巨大な鉄の塊に乗って。
「やったやった。今日はツイてるねぇ」
「あ~あ、あんな所でチャージングだなんて、だれが予想するよ?」
「オレだよオレオレ!」
「ケッ!今日はゼッテー勝てると思ってたのによ…」
二人の男が観客席から離れながら、その日の試合を語っていた。
その日行われた試合の結果は、観客を大いに沸かせ、あるいは、幻滅させた。
100%揺るぎの無い勝利。それを、自らの失態で手放してしまった見本のような試合だった。
「あ~あ、あんな所でチャージングだなんて、だれが予想するよ?」
「オレだよオレオレ!」
「ケッ!今日はゼッテー勝てると思ってたのによ…」
二人の男が観客席から離れながら、その日の試合を語っていた。
その日行われた試合の結果は、観客を大いに沸かせ、あるいは、幻滅させた。
100%揺るぎの無い勝利。それを、自らの失態で手放してしまった見本のような試合だった。
組み合わせは、四脚AC対中量二脚AC。
「100%揺るぎの無い勝利」その理由は二脚ACの武装にあった。
右腕に装備された特殊兵器「羅刹」。敵機に直接杭を打ち込むという極めて原始的な兵器。
凄まじい熱量と破壊力に特化したその武器は、AC戦においては物好きにしか使用されなかった。
理由は、現行のACの主力兵器は射撃武器であり、その射撃武器を装備するはずの右腕に装着するという事。
接近戦においては、左腕部のレーザーブレードが主流となっており、
そちらには使用回数の制限が無い。そして何よりも致命的な、命中率。
「100%揺るぎの無い勝利」その理由は二脚ACの武装にあった。
右腕に装備された特殊兵器「羅刹」。敵機に直接杭を打ち込むという極めて原始的な兵器。
凄まじい熱量と破壊力に特化したその武器は、AC戦においては物好きにしか使用されなかった。
理由は、現行のACの主力兵器は射撃武器であり、その射撃武器を装備するはずの右腕に装着するという事。
接近戦においては、左腕部のレーザーブレードが主流となっており、
そちらには使用回数の制限が無い。そして何よりも致命的な、命中率。
そんなパイルバンカーと呼ばれる武装のみの構成のACに、
強力なエネルギーキャノンを多数搭載した重装四脚ACが挑む。
こんな八百長のような馬鹿げた試合が現実に行われ、そして二脚ACが勝利を収めるという大金星。
強力なエネルギーキャノンを多数搭載した重装四脚ACが挑む。
こんな八百長のような馬鹿げた試合が現実に行われ、そして二脚ACが勝利を収めるという大金星。
試合は、とても試合と呼べるものでは無かった。
防戦一方の二脚ACを四脚ACが追い詰めてゆく。最早、「狩り」の様な。
勝利を確信し、「度派手な花火を打ち上げてやる」と自信に満ちたコメントを試合前に語っていた四脚ACのレイヴン。
そのコメントを実行に移そうとしたのか、試合後半、大胆にもノーロックでパルスキャノンを敵ACに向けて大量に放った。
そして、止めと言わんばかりにレーザーキャノンを構えるが、反応無し。
アピールの為に放ったパルスキャノン。その無理な連続放火の為に、ACがチャージングを起こしてしまった。
不測の事態に取り乱す四脚ACのレイヴンは、慌てて脚部による跳躍で機体を空中へと持ち上げる。
その行為を二脚ACは見逃すほど無能では無かった。…着地の隙に踏み込み、羅刹を打ち込む。
凄まじい衝撃と熱量が四脚ACを襲い、熱暴走を引き起こす。
緊急冷却装置は起動しない。むしろACのエネルギーを確実に奪っていく。
EN兵器を連続使用する為の機体構成は、耐久性と放熱性能に「ツケ」を残す。
試合は、「狩り」から、「大逆転劇」へと一変した…。
防戦一方の二脚ACを四脚ACが追い詰めてゆく。最早、「狩り」の様な。
勝利を確信し、「度派手な花火を打ち上げてやる」と自信に満ちたコメントを試合前に語っていた四脚ACのレイヴン。
そのコメントを実行に移そうとしたのか、試合後半、大胆にもノーロックでパルスキャノンを敵ACに向けて大量に放った。
そして、止めと言わんばかりにレーザーキャノンを構えるが、反応無し。
アピールの為に放ったパルスキャノン。その無理な連続放火の為に、ACがチャージングを起こしてしまった。
不測の事態に取り乱す四脚ACのレイヴンは、慌てて脚部による跳躍で機体を空中へと持ち上げる。
その行為を二脚ACは見逃すほど無能では無かった。…着地の隙に踏み込み、羅刹を打ち込む。
凄まじい衝撃と熱量が四脚ACを襲い、熱暴走を引き起こす。
緊急冷却装置は起動しない。むしろACのエネルギーを確実に奪っていく。
EN兵器を連続使用する為の機体構成は、耐久性と放熱性能に「ツケ」を残す。
試合は、「狩り」から、「大逆転劇」へと一変した…。