(その子が『リム』か?)
(ああ。ほれ、挨拶せんか)(は、始めまして。リム、です)
(息子か…随分と優しい名だから、てっきり娘だと思っていたんだがな)

拠点偵察から帰還し、情報の整理を行なう。
全22名のレイヴンは、6名が死亡。そのリストの中に戦友の遺子を発見した。
「逝ったか…復讐鬼よ」
レイヴンである父をレイヴンに殺され、復讐の為に自らもレイヴンとなった男。
父を殺したレイヴンへの復讐は、レイヴンという存在への復讐へとすり替って行った。

『突然の無礼を許して欲しい。貴方に依頼がある』
『私はゼロというレイヴンを殺す。もはやアリーナでの挑戦を待つ事は出来ない。
 私はあいつに挑戦状を送り、あいつもそれを承諾した』
『ゼロと私、双方に全くかかわりの無い、貴方が監視役として選ばれた。
 ただ誰にも邪魔される事無く、奴と戦えればそれでいい。報酬は私の全財産だ』

過去にもう一人、復讐に捕われたレイヴンに会っていた。
同じ様に家族をレイヴンに殺され、復讐の為にレイヴンとなった者と。

「何だ、貴様一人では無いのか?」
「あいつはこの戦いの監視役だ。互いに一対一で戦える様にな」
(父さん、母さん、皆…)

『我々に敵対するレイヴンを始末してくれ。
 金だけでアライアンスを選んだ愚かな男とはいえ、我々の作戦を幾度も阻んできた事は確かだ。
 弱者に同情の余地は無いが、これ以上の被害は戦局を左右しかねない。
 俗物如きにやられる君では無いだろう。良い報告を待っている ――ジャック・O』

作戦領域 ベルザ高原
作戦目標 敵ACレイジングトレントⅣの撃破

ジャックから寄せられた次の依頼は、アライアンス所属レイヴンの始末。

「ロートルが…素直に引っ込んでいれば良い物を!」
敵戦力はAC一機にMT二機。MTはECMを搭載した電子戦用らしい。
(目測で当てる事が出来ればECMなど無駄なあがきに過ぎん…)
敵ACを無視し、MTへとロケットを向ける。
ECMでFCSによるロックが出来なくとも、初めからロックに対応していない兵装ならば関係無い。

「バーテックス如きが…なめるな!」
MTを失い、一対一となったレイジングトレントⅣとパンツァーメサイア。
「教えてやろう。年季の違いをな」「ほざけ!」
遠巻きに自立兵器を発射しつつ、狙いの甘い射撃を繰り返す敵AC。
(所詮自立兵器は単純な動きしかせん。狙うはACのみ…)
巧みに機体を操り、自立兵器の攻撃を避ける。

(装甲は硬そうだが…乗っているのがアレではな)
「…どうした坊主?貴様はそうやって自立兵器を垂れ流すしか能が無いのか?」
敵ACを挑発し、動揺を誘う。
「どこを狙っている?さっきからまともに当たらんじゃないか」 「黙れ!」
誘いに乗ったのか、それとも単に自立兵器の弾が切れたのか、敵ACがようやく接近して来る。
(もうすぐだ…)

EOと両手武器を乱射しつつ、突撃する敵AC。
「ゴチャゴチャと…くたばれ!」
(…来た!)
パンツァーメサイアを上空へと跳ばし、敵の背後へ降り立つ。
「貴様…!舐めた真似を!」
思った通り、敵ACはブースタを使い、距離を詰める。
高度からの着陸で身動きの取れないパンツァーメサイアを狙うつもりだ。

「死ねぇ!」
レイジングトレントⅣのEOと射撃がパンツァーメサイアを襲う。

『AP10%。キタイだめーじガ、ゾウダイしています』
「馬鹿な、チャージング…?」
自機の損傷を知らせるCPUのメッセージと、敵ACの動きが止まるのはほぼ同時だった。
EOとエネルギーライフル、そしてブースタまで同時に使用したレイジングトレントⅣのジェネレーターは限界に達していた。
敵レイヴンを煽り、己の機体への注意を逸らせた結果だった。

「来るな、来るな、来るなぁッ!」
左腕部のライフルを乱射しながら叫ぶが、敵ACは止まらない。
「ここまでだな、小僧」
左腕部をコアへと向け、ブレードの存在をアピールする。
この距離でブレードを起動させれば、コクピットブロックもろとも蒸発するだろう。
「…あばよ」

「死にたくな…!」


「…作戦終了。これより帰還する」





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