皮肉にもごぼり口内から吹き出た血によってエヴァンジェは意識を取り戻しつつあった。
 彼の生命の灯火の火はもう消えて微かに熱を残す煤が宙に舞うだけだったがその煤はまだ生きている。
 煤から再び燃え上がり、命の御堂を燃やし尽くすほどの炎になる。

 だから全人類は助かる。
 だから再び彼が目を開ける時まで暫し待て。


@第参話:いざ羽ばたけ!鳥は空を飛ぶ!!


 ここはアライアンスのラートラス地下基地。
 そこの客室では二人の男が向かい同士のソファに座っていた。
 二人の男と言うのは、エヴァンジェとDr.?だ。
 Dr.?はエヴァンジェに現在の状況を説明していた。
 
  ――――国家解体戦争―――――
 その名の通り、戦後、国家と言う国家が解体され、
 敵対していた〔企業〕にその役目を取って代わられた。
 それ以前の時代の事を前時代と言う。
 現在、国家は形式だけになっており、その能力は無い。
(ただし、国家軍だけは例外)~例外198P~
   ――――説明終了―――――


「先刻コジマ粒子が確認されたである」とDr.?が口を開く。

 エヴァンジェは頭を上げ、彼の話を聞く。

「コジマ粒子は国家解体戦争にて用いられ始めたあの魔力粒子であるぞ?
 主にネクストACの分野において使用されてたのだが君も知っての通りであるが
 ネクストは戦後全廃棄されたのであるが。
 そう、コウピウタルに記録された設計図なども全てだったのである。
 そして地球上にネクストは存在しなくなったはずなのである。
 勿論コジマ粒子もであるぞ!?
 だから今回の確認されたことは誤認だと私は信じたいのである。
 だがこれは各地で観測されている現象である。
 主に……旧サーク・シティ付近でであるぞ?!
 コジマ粒子を応用したバリアーとも言うべきプライマルアーマー。
 そして高度なAMSシステムを持ったネクストが再び世に現れれば戦争の再来は免れないのである。
 国家軍側もそれを承知の上だからネクストなど作る気も起きないであるだろう。
 そして今回の秘密結社バーテックスの声明文の発表。
 君は任務中で直接は聞いていないだろうが
 国家軍軍令部のカリスマ、ジャック・Oを中心とした集団が国家軍を離反したのである。
 直属の戦闘部隊には相当なてだればかりである。
 その発表直後である、粒子が観測され始めたのは!!
 今回君を呼んだのは他でもないのである。ジャック・Oを止めてくれである!!」

 Dr.?は一言にこれを述べて息を切らした。



 ――――旧サークシティ――――
 国家解体戦争時の、国家軍の中心とも言うべき場所。
 全ての国家軍製ネクスト、及びコジマ粒子兵器等の生産は其処で執り行われていた。
 無論其処は今、企業連合アライアンスが管理している。
 しかし、地下には無人兵器、魔法生物が多く潜んでおり、
 調査侵入が今のところ出来ていない。
  ――――説明終了―――――――



エヴァンジェはDr.?の言葉を聞いて愕然とした。
彼もまた、ネクストと言う兵器を忌避しているからだ。
その証拠に彼の声は恐怖に震えている。

「止める?どうやって!!敵はネクストを持っているんだろう?!」

 いかにドミナントとも言えどノーマルでネクスト相手に戦いうなど結果など目に見えている。
 現在、ネクストを倒せるものは存在しない。 
 ネクストを倒せるものはネクストのみ。
 それに異論の余地は無い。

 息を整えたDr.?はようやくいつもの調子で饒舌に喋り始めた。
「ふふふ、そのことは既に考えてあるである……ついてくるのである!!」
 
 エヴァンジェは言われたとおりついて行った。

 白く長い廊下をエレベータで降り地下格納庫。
 その格納庫より更に降りたところにそいつは在った。

 それを見たときエヴァンジェは目を疑った。
「これは……これはネクストじゃないか!!……何故あんなものを!!!」
「あ、あれはネクストではないのである!!!」
「な?!」

「あれは人類の粋をかけて作られた希望である!!!」

「希望?」

「そうである!!!その名も装甲機兵ダンガンガーである!!!!!!!!」

 マッド科学者は腕を高々に挙げて叫んだ。
 エヴァンジェは今までした事も無い様な馬鹿面でその巨大機神を見上げていた。



・・・

・・・・・


―――バトロイヤー秘密格納庫―――

 エネは首から伸びるコードを外しコクピットを降りた。
 彼女の愛機バトロイヤーは無愛想な表情で彼女を見つめる。
 ラッタルをつたわり硬いガレージの床を踏みしめるまで彼女の思考は先ほどの事でいっぱいだった。
 今までその様な思いをさせてくれたのはただ一人。
 全ての頂点に君臨した男、ジノーヴィだけであった。
 破壊と破滅の銃弾が飛び交う中に私達はいた。
 だが彼は死んだ。任務中ではなく、事故にまきこまれて。
 そう、車に轢かれそうだった子供を助けたのだ。
 それの所為で彼女の愛した一人の男は死んだ。
 
 しかし、エヴァンジェが彼と同じ存在だと言う事が許せないのだ。
  
 エネは己の小さな掌で宙を握り潰した。

 「エヴァンジェ……次会った時こそ、倒すっ!!」
 
 ―――その決意でッ……

 「私は、貴様を、義父さんと同じだなんて絶対認めない」

 ――――明日への扉を蹴り破って進めッッ!! 





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