デスバトル
 盛大に盛り上がる死闘。

 オラクルは主武装であるリニーアル・ライホゥで敵を撹乱し、敵の隙を見て左手のレーザー・カッターで断とうとする。
 然しその絶対両断の太刀は相手には届かず、その右手に握る豆鉄砲で相手に啖呵を切るだけで留まる。
 それもその筈、対するバトロイヤーはタンク型の利点、圧倒的な攻撃力と防御力で攻めて来るのだ。
 その弾幕の中では流石のエヴァンジェも迂闊には近づけない。
 時折避けきれないマッシン・ガンの弾丸がオラクルの装甲を掠る。
 お互いにお互いの一足一刀の間合いを把握し、近づけさせない遠退きさせない。

        まさにレイヴン同士の死闘だ。
  
「しかし……これでは埒があかないぞっ!」

 そうエヴァンジェが思っていると相手もそう思ったらしく、通信を送ってきた。
 その声は酷く掠れており老人のようだった。

『君の噂は聞いている。ドウやら噂は本当だったようだな。』

「当たり前だ。だからどうした?」

『フッハハハハハハッ!!……ならばッ、殺すまでッッッ!!!!!!!!!!!!!!!』

「来い!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

 オーバードブースト
 敵はOBの姿勢をとり、腕部背部の兵装をパージ。
             ライジングサンダー
 格納されていた”射突ブレード雷殺し!”をとりだし、右腕を腰の辺りへと後退させてオラクルを串刺しにせんと力を溜める。
                        エクシードオービット 
オラクルはそれを見るやいなやスラスターブーストっ!EOを起動させ、バトロイヤーへと急速接近する。


              ――――――しかし、

  『そこのAC、攻撃を止めなさい。当方はアライアンス実働部隊であるぞ!!』

 そのきんきんと五月蝿い声は二人の戦闘を途端に終わらせた。

『タンクAC、貴女のクライアントは貴女が受けた依頼を事実上放棄しました。よって戦わなくてもいいのです。
 そしてレイヴン……いえエヴァンジェ、貴方の依頼内容は炉心の停止だったはずでしゅっ!!
 ……いてて、シタカンダwwwwwwwwwwwwww」

              
   ――――――― 一気に盛り下がるテンション。

 『これでは興醒めだな。』
 相手もそうらしい。腰に構えたブレードを解き、システムを通常モードに移行させていた。

 エヴァンジェもCOMに命じ、戦闘モードを通常モードへと移行させる。


 声の主はジナイーダ、企業連合アライアンス実働部隊隊長である。
 そしてその後続には実働部隊隊員のACと大量のMT。稀に見る大御所体だ。

 『フム、残念だ』
 そう言ったバトロイヤーのレイヴンはOBを起動し、十数機のMTを薙ぎ倒し引き倒しながら去って行った。
 
 さて…、わたしもッ!

『逃げるな、エヴァンジェぇええ!!今日こそキサマをっぉおおおお!!!きるきるきるきるきるwwwwwww』
 
 周りに居る実働隊員は彼女を宥めつつ抑えつつエヴァンジェに言う。

『隊長、……いえエヴァンジェさん。一緒にご同行願います』
「その声はトロットか!?」
 
 声の主は武器腕レオネスを装備した六脚型ACを駆る、トロット=S=スパー。

『ええ。いや…、懐かしい。……ああ、そうそう。いま彼女に踏まれているACに乗っているのはジャウザーです』

 確かにファシネイターに踏まれているACのカラーリングはジャウザーのものだ。
 昔仕掛けた盗聴器の周波数へとダイアルを回す。

『いっひいー!たいちょうやめてっえー!そ、そこはあああああ、 ら め ぇ ! 』
『あひひほー!だめよ、じなおねえちゃんってよんでくれたら考えてあげるわあ!』
『うっひいい!……じ、じなおねえちゃんぇうおおおおおおおおおおおお!』
『うひょひょ!かんがえるだけだもん。実行しないもん。それがジナクオリティ。実行したら負けか(ry」

 …………聞かなかった事にしよう。

「で、トロット。なぜ、此処に来た?」
「え……ええ、それは―――――」



          @



 エヴァンジェは久しぶりにアライアンス秘密基地にて与えられた部屋居た。
 あの後から数えて……か、長いものだな。
 エヴァンジェはそんなことを考えながら珈琲カップへと口を寄せ、
 程好い温度の黒い液体が咽喉をつたわり胃へと降下するのを楽しんだ。
 そういえばいつから飲み物を飲んでいないだろう。昨日からか?いやいや、任務の前からだろうか。
 うう…そんなことを考えていたら咽喉が凄く渇いてきた。
 えと、蛇口……っと、あった!!

 彼は以前の記憶をたどり、水場へと辿り着いた。
 そこには割烹着を着た美しきおばさんの群。
 その者達の目はすぐさまエヴァンジェへと剥いた。

「あら、隊ちょ…じゃなかった、エヴァンジェさん!」
「久しぶりですね。げんきしてます」
「おひたしたべます?」

 先ほどのバトロイヤーのマッシン・ガンを思い出させる言葉の連射。
 それには流石のエヴァンジェも裁ききれず埋もれていく。
 しかしその銃撃は一撃に吹き飛ばされた。ジナイーダであった。

「ああああああああああ!!!!!えヴぁんじぇええええええええええええ!!!」
「ッなぜ君がここに!?」
「手伝ってるのよ、見て分からない?かっぽうぎだもの」
「ああ、なるほど……」

 エヴァンジェはジナイーダの顔を見る。それは幾らばかり赤くなっているように見える。

「……どう、かな?」
「どうって?」
「そりゃあ……、さ?」
「??」
「むっ!」




 調理場を出てきたエヴァンジェ、頬を摩っている。そして誰かに会う。

「お!エヴァンジェ、げんきしているか!」

 エヴァンジェになれなれしく語りかけてくるでぶは……なんていったか?

「おれだよ。おれおれ、ゴールディ・ゴードンだよー」
「ああ、ますます太って分かんなかった」
「そりゃないぜエヴァンジェ。おれとお前の中だろうー?ツモる話もあるだろう。
……さあ、今日の夜はおれの部屋にきてくれ。 れっつぱーてぃだっぜ!!」

「流石の私も少し疲れてるんだ。今日は休ませて貰うとするよ」

「そうか、じゃあまた今度だな」

 ゴールディは去って行った。エヴァンジェは自室に戻った。





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