「ひまつぶし」(2006/11/22 (水) 11:34:24) の最新版変更点
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ぼくは、ここでなにを……
まっくら、暗いくらい暗いくらい、狭いしどこなんだろう?
真っ暗、やみの中だけど温かい風がはいってくる。
暖房でもはいってるのかな?
じゃあこのせまさはなに?
そもそも、ここ部屋なのかな?
あ、ひかりが……まぶし い ……
ここはどこだろうか、結構おおきな街みたいだけど。
あ、あのMT、ガードの治安MTだ!
すいません、ここどこですか?
イタイイタイ!なんでぼくをそんな撃ってくるんですか?
って、あれ?、MTだとおもったんだけど、ずいぶんちいさいね。
あ、わかった、おもちゃのMTなんだ。だから撃たれてもそんなに痛くないんだね!
でも、ちょっとだけ痛いよ……えいっ!!
あ、あれれ?、ちょっと左手でどけようとしたら、横にまっぷたつになっちゃった。
あっれー、おかしいな。っていうか、誰のおもちゃかわからないけど、持ち主に怒られちゃう!!
逃げなきゃ!!
ん、体がすごくかるい。それどころか、あれ、ぼく飛んでるよ!!
うわーーなんか、楽しいな、空ちゅう飛こうだぁ!
そういえばMTもそうだったけど、この街なんだか小さいなぁ。
そっか、わかったよ。こノまち全体がおもチゃの街なんだ!!
ぼく以外にだれもいないんなら、なにしても大丈夫だねきっと!!
あー空飛べるのはおもしろいんだケど、もっと速く飛べないかな。
ずっと飛んでるとすぐ疲れちゃうよ……
あ、なんか背中が熱い……って、うわーーー!!
すごいすごい!!、すごいスピードで飛んでる!!
ちょっと体が熱いけど、でもすごいすごい!!!
って、うわああああああああ!!!!
いてて、ビルに突っ込んじゃった……
あ、ぼくを見て驚いてるよ。あ、逃げてる逃げてる。
小さいなぁ、なんか昔、石をひっくり返したらいろんな蟲がうじゃうじゃ出てきたのを思い出しちゃった……
気持ち悪いんだよなぁアレ、気持ち悪いきもちわるい気持ちワルい……
ああああぁぁぁ!?!あああああぁっぁぁあああ!!!!!
まとわりつくなよ!!!きもちわるいって、こんな蟲、むし!!むしむし!!!しねっしねしねね死ねしね死しねぇあああああ!!!!!
気持ち悪い。気持ち悪い、気持ち悪い……
なんか知らないけど、ビルの中、誰も動かなくなっちゃった。
真っ赤に染まってるけど、どうしたんだろう?
さっきまで人がいたんだけどなぁ。誰かいないもっとよく探してみよう。
いたたた、なに、いま、ぼく とっても イソガシいんだけど。
なんだよそのMT、そんなおもちゃのてっぽうで、ぼくをころせるとでも?
死ね、しねしね!!こわれちゃえよ!!ほら、ほらほら、おまえもさっきのやつみたいに、ばらばらにされたいのか?!
ああああうざい、うざいなぁ!!!よく見たらわらわらいっぱいイうジャないか。
もうおこったぞ、ぼくはおマエらみんな いらない こわして おもいシラせてあげ てふふ、ふふふふふふふうふふうふふうふふ!!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『まずは、一機……二機…サん機め……よん……五機……八機目……十機メ……』
雪上の大型トレーラー車内のモニター室には、彼の放つかすかな言葉が響いていた。
彼が何かをぶつぶつと喋るたびに、ガード部隊がひとつ、またひとつと消えていく。モニターには、マシンガンを的確に当て、レーザーブレードでMTを次々と破壊していくACが映し出されていた。
「今回の実験体は中々調子よさそうですね。」
モニター室には、白衣の男たちが数人、その惨劇を見ていた。どの男たちも、この凄まじい惨劇を前にして実験の成り行きをとても満足そうに見ていた。
「少し精神に異常をきたしてしまい、ところどころ幼少化しているところもあるのですが、まあこの結果を見ていただければ充分規定レベルに達しているかと。」
「ファンタズマ計画、ようやく次の段階へと移れそうだな。」
「ちょうどスティンガーが持ち帰ってきた、プロトタイプ・ファンタズマも2体残っています。本当は完全なオリジナルファンタズマを使いたいところなんですがねぇ。」
「完全に破壊されてしまった。アビスも入り口を塞ぎ、もう未来永劫日の目を見ることはない。」
「スティンガーの裏切りさえなければ、順調に計画も進められたのに……」
「まあ、機体は損失してしまったが、その代わり戦闘データの回収は出来たのだ。それだけでもヨシとするしかないな。」
「お話中のところ、失礼します。」
「どうした?。」
「ACが二機、このノルトハイランドに接近しているとの情報をキャッチしました。」
トレーラーの通信士から二機のAC、と聞くないやな、一番年長の研究者はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「やつら、この場所を嗅ぎ付けてきたか……周辺部隊にやつらを足止めさせるように言っておけ。」
「了解しました。」
「その実験体と、アンバークラウンでも実験させていた実験体も呼び戻せ。試作ファンタズマで出撃させろ。ここでレイヴンを殲滅する、この実験の総仕上げだ!。」
かくして、ノルトハイランドの雪上で一人のレイヴンと、二体の試作ファンタズマの激戦が繰り広げられた。
研究者――ウェンズデイ機関はこの戦いに確実に勝利できると思っていた。しかし、ファンタズマに搭乗した実験体が、突如暴走、ACに怯えたように動きを止めてしまい、ファンタズマは大破してしまった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『イタイ…こわい……タスけて……しにたく…ないよ……あつい…もえて…まう……』
「こんな、馬鹿な……」
『彼は鬼のように恐ろしく強い男よ。』
敗北が決定的になり、逃走していくトレーラーの車内に女の声で通信が割り込まれた。
「スミカ……ユーティライネン……!!」
『被験者は通信で怯えたような声を出していたけど、精神が子供に戻ってしまったのかしらね?』
雪上を走行する、スノーモービルトレーラーの進路上に一体のACが降り立った。
『中身が子供なら、彼には怯えもするわ……なにせ味方の私ですら恐ろしいと思うもの。』
ACはマシンガンの銃口をトレーラーに向けたのを車内から見ていた研究員達は見た。死刑執行は目の前に。
「た、たのむ、殺さないでくれ!!。」
『……貴方達は、そう悲願した被験者達を何人殺してきたの?。』
「……。」
『さようなら、罪の無い人たちの体も心も弄ぶ貴方達には、人として生きる資格は無いわ。』
「ちょっと、ま……!?。」
銃口から何発もの銃弾が飛び、トレーラーは蜂の巣と化した。おそらく、彼らの死に顔は親しかった物にもその本人だとは気づいてもらえまい。
「これで、本当に終わったのね……それにしても、格安でお願いねって言ったはずなのに、結局割高な報酬を払うことになってしまったね。」
やれやれ、とため息ひとつ、彼女はもう一人のレイヴンとの合流地点へ戻り、これで全てが本当に終わったことを告げるのであった。
ぼくは、ここでなにを……
まっくら、暗いくらい暗いくらい、狭いしどこなんだろう?
真っ暗、やみの中だけど温かい風がはいってくる。
暖房でもはいってるのかな?
じゃあこのせまさはなに?
そもそも、ここ部屋なのかな?
あ、ひかりが……まぶし い ……
ここはどこだろうか、結構おおきな街みたいだけど。
あ、あのMT、ガードの治安MTだ!
すいません、ここどこですか?
イタイイタイ!なんでぼくをそんな撃ってくるんですか?
って、あれ?、MTだとおもったんだけど、ずいぶんちいさいね。
あ、わかった、おもちゃのMTなんだ。だから撃たれてもそんなに痛くないんだね!
でも、ちょっとだけ痛いよ……えいっ!!
あ、あれれ?、ちょっと左手でどけようとしたら、横にまっぷたつになっちゃった。
あっれー、おかしいな。っていうか、誰のおもちゃかわからないけど、持ち主に怒られちゃう!!
逃げなきゃ!!
ん、体がすごくかるい。それどころか、あれ、ぼく飛んでるよ!!
うわーーなんか、楽しいな、空ちゅう飛こうだぁ!
そういえばMTもそうだったけど、この街なんだか小さいなぁ。
そっか、わかったよ。こノまち全体がおもチゃの街なんだ!!
ぼく以外にだれもいないんなら、なにしても大丈夫だねきっと!!
あー空飛べるのはおもしろいんだケど、もっと速く飛べないかな。
ずっと飛んでるとすぐ疲れちゃうよ……
あ、なんか背中が熱い……って、うわーーー!!
すごいすごい!!、すごいスピードで飛んでる!!
ちょっと体が熱いけど、でもすごいすごい!!!
って、うわああああああああ!!!!
いてて、ビルに突っ込んじゃった……
あ、ぼくを見て驚いてるよ。あ、逃げてる逃げてる。
小さいなぁ、なんか昔、石をひっくり返したらいろんな蟲がうじゃうじゃ出てきたのを思い出しちゃった……
気持ち悪いんだよなぁアレ、気持ち悪いきもちわるい気持ちワルい……
ああああぁぁぁ!?!あああああぁっぁぁあああ!!!!!
まとわりつくなよ!!!きもちわるいって、こんな蟲、むし!!むしむし!!!しねっしねしねね死ねしね死しねぇあああああ!!!!!
気持ち悪い。気持ち悪い、気持ち悪い……
なんか知らないけど、ビルの中、誰も動かなくなっちゃった。
真っ赤に染まってるけど、どうしたんだろう?
さっきまで人がいたんだけどなぁ。誰かいないもっとよく探してみよう。
いたたた、なに、いま、ぼく とっても イソガシいんだけど。
なんだよそのMT、そんなおもちゃのてっぽうで、ぼくをころせるとでも?
死ね、しねしね!!こわれちゃえよ!!ほら、ほらほら、おまえもさっきのやつみたいに、ばらばらにされたいのか?!
ああああうざい、うざいなぁ!!!よく見たらわらわらいっぱいイうジャないか。
もうおこったぞ、ぼくはおマエらみんな いらない こわして おもいシラせてあげ てふふ、ふふふふふふふうふふうふふうふふ!!!
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『まずは、一機……二機…サん機め……よん……五機……八機目……十機メ……』
雪上の大型トレーラー車内のモニター室には、彼の放つかすかな言葉が響いていた。
彼が何かをぶつぶつと喋るたびに、ガード部隊がひとつ、またひとつと消えていく。モニターには、マシンガンを的確に当て、レーザーブレードでMTを次々と破壊していくACが映し出されていた。
「今回の実験体は中々調子よさそうですね。」
モニター室には、白衣の男たちが数人、その惨劇を見ていた。どの男たちも、この凄まじい惨劇を前にして実験の成り行きをとても満足そうに見ていた。
「少し精神に異常をきたしてしまい、ところどころ幼少化しているところもあるのですが、まあこの結果を見ていただければ充分規定レベルに達しているかと。」
「ファンタズマ計画、ようやく次の段階へと移れそうだな。」
「ちょうどスティンガーが持ち帰ってきた、プロトタイプ・ファンタズマも2体残っています。本当は完全なオリジナルファンタズマを使いたいところなんですがねぇ。」
「完全に破壊されてしまった。アビスも入り口を塞ぎ、もう未来永劫日の目を見ることはない。」
「スティンガーの裏切りさえなければ、順調に計画も進められたのに……」
「まあ、機体は損失してしまったが、その代わり戦闘データの回収は出来たのだ。それだけでもヨシとするしかないな。」
「お話中のところ、失礼します。」
「どうした?。」
「ACが二機、このノルトハイランドに接近しているとの情報をキャッチしました。」
トレーラーの通信士から二機のAC、と聞くないやな、一番年長の研究者はニヤリと不気味な笑みを浮かべた。
「やつら、この場所を嗅ぎ付けてきたか……周辺部隊にやつらを足止めさせるように言っておけ。」
「了解しました。」
「その実験体と、アンバークラウンでも実験させていた実験体も呼び戻せ。試作ファンタズマで出撃させろ。ここでレイヴンを殲滅する、この実験の総仕上げだ!。」
かくして、ノルトハイランドの雪上で一人のレイヴンと、二体の試作ファンタズマの激戦が繰り広げられた。
研究者――ウェンズデイ機関はこの戦いに確実に勝利できると思っていた。しかし、ファンタズマに搭乗した実験体が、突如暴走、ACに怯えたように動きを止めてしまい、ファンタズマは大破してしまった。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――
『イタイ…こわい……タスけて……しにたく…ないよ……あつい…もえて…まう……』
「こんな、馬鹿な……」
『彼は鬼のように恐ろしく強い男よ。』
敗北が決定的になり、逃走していくトレーラーの車内に女の声で通信が割り込まれた。
「スミカ……ユーティライネン……!!」
『被験者は通信で怯えたような声を出していたけど、精神が子供に戻ってしまったのかしらね?』
雪上を走行する、スノーモービルトレーラーの進路上に一体のACが降り立った。
『中身が子供なら、彼には怯えもするわ……なにせ味方の私ですら恐ろしいと思うもの。』
ACはマシンガンの銃口をトレーラーに向けたのを車内から見ていた研究員達は見た。死刑執行は目の前に。
「た、たのむ、殺さないでくれ!!。」
『……貴方達は、そう悲願した被験者達を何人殺してきたの?。』
「……。」
『さようなら、罪の無い人たちの体も心も弄ぶ貴方達には、人として生きる資格は無いわ。』
「ちょっと、ま……!?。」
銃口から何発もの銃弾が飛び、トレーラーは蜂の巣と化した。おそらく、彼らの死に顔は親しかった物にもその本人だとは気づいてもらえまい。
「これで、本当に終わったのね……それにしても、格安でお願いねって言ったはずなのに、結局割高な報酬を払うことになってしまったね。」
やれやれ、とため息ひとつ、彼女はもう一人のレイヴンとの合流地点へ戻り、これで全てが本当に終わったことを告げるのであった。
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