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「寺杷さんと愉快な牧場の牛達 第二話 AC」(2006/11/05 (日) 20:37:20) の最新版変更点
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寺杷さんと愉快な牧場の牛達
第二話 AC
寺杷は今、ACに乗っている。
牧場主がACに乗っている。
『これがACか、、。想像より頼りないマシンだ。』
ACに乗る前、ACを見て、寺杷がまず最初に放った言葉だ。
寺杷は、世界最強の兵器と聞いて、とても強そうなイメージを持っていたのである。
『これじゃ、ウチにいる牛達のほうが強そうだな、、。』
期待を裏切られ、しぶしぶ寺杷はACに搭乗した。そして今、ここにいる。
「今回の試験内容は、とある施設をテロリストから防衛する事だ。」
試験管が、寺杷に試験の内容を告げる。
どうやらミラージュの要人がいるとの嘘の情報に騙され、ナービスが雇ったテロリストが施設を襲うらしい。
嘘の情報の、まったく無人の施設だが、レイヴン試験にちょうどいいとの事で、
この施設の防衛を、受験者の寺杷がする事になったのだ。
『試験が防衛任務か。ちょうどいい、練習させてもらう。』
寺杷はテロリストのMTに狙いを定め、急接近した。
『うっ、すごいGだ、、。』
小さい頃牛にタックルされ、空中に吹き飛ばされたトラウマが頭によぎった。
寺杷が慌てている間にも、ACは既にMTの眼前にまで接近していた。
『こ、これは!』
見た目以上に、ACはパワフルなのだと、寺杷はこの瞬間理解した。
寺杷は即座にレーザーブレードを振り上げ、MTを撃墜した。
寺杷の体に震えが走る。
ACは本当に、世界最強の兵器なのだと、感動とも恐怖ともわからない感情が支配した。
「何をしている。敵MTが接近しているぞ。施設が敵の射程範囲に入る前に、撃破するんだ!」
寺杷は一瞬笑みを浮かべ、近づいてきた三機のMT全てをライフルで破壊した。
「銃は筋がいいじゃないか。」
思わず試験管は、寺杷を褒める。
寺杷はレーダーに目をやり、周囲に敵影が無いのを確認した。
「どうやら、敵は全て倒したようだな、、、ん?」
レーダーの感じる領域ギリギリに、敵影がある。
「あの敵で最後のようだ。撃破してくれ。」
寺杷が敵影に近づいて行くと、重い衝撃がACに走った。
『な、なんだ?!』
敵影はレーダーのはるか彼方にいるのに、どこからともなく弾丸が飛んできたのだ。
一撃、、ニ撃、、寺杷のACはなすすべもなく、装甲を削られていく。
「AP50%」
寺杷の乗るACのCOMが、装甲が危険である事を寺杷に告げる。
『ど、どこから攻撃を受けているんだ?ステルスというやつなのか、、?!』
寺杷の考えはまったく見当違いだった。
寺杷を攻撃したのは、レーダーに映っている敵影だった。
試験管はこの敵影が狙撃手であることには気づいていたが、寺杷の実力を見るために、あえて黙っていた。
「(この程度で死ぬようでは、レイヴンなど はなから無理なのだ、、。)」
狙撃手の攻撃は、今も容赦なく、寺杷のACの装甲を削っていく。
「AP10% キケン キケン キケン」
ACのCOMが、危険信号を放ちはじめた。
『ま、まさかオレはこんなところで死ぬのか、、?カナミ、、、!』
後編へ続く
後編
「AP10% キケン キケン キケン」
『それはわかったから別の事も言ってくれ!』
「左碗部破損」
寺杷は、狙撃を受け続けていた。
とりあえず戦場では立ち止まってはいけないと悟り、動き続けたままどうにかしのいでいる。
だが、それだけだった。
「(ふむ、、今回のヤツは、、死んだかもな。)」
寺杷は、どうしてこんな事になったのかを考えていた。
そう、レイヴンを雇えないなら、自分がレイヴンになって、牧場を、そしてカナミを守ってやればいいと、思ったのだった。
その果てが、これだった。
『オレは最後まで、、カナミに何もしてやれなかったか。』
「もう諦めたのか。クズめ。」
試験官が、寺杷に罵声を飛ばす。
「そのカナミが誰の事かは知らないが、他人を想う前に自分の事をどうにかしてみろ。」
試験官の言葉が一つ一つ、寺杷の胸に突き刺さる。
『だがしかし、、装甲がもう持たない!』
「ACはその程度ではくたばらん。ACがくたばるのは、レイヴンの心が折れた時だ。
貴様のACを見てみろ。まだ戦える、生き抜きたいとあがいているだろう。
どこから攻撃されているのかわからず ここで死ぬくらいならいっそ、その敵影を道連れにするくらいの根性を見せてみろ。」
寺杷は試験官の罵倒を耳にしながら、まだ諦められないと思った。
寺杷は、敵影に向かっていった。
「直進しながら向かうな。横移動しつつ、近づくんだ。どんな攻撃をしてくるかわからない時はな。」
寺杷はそれを実行した。幸運な事に、脚部は損傷がそれほど激しくなく、その動きを実行する事ができた。
寺杷のACが、少しずつ敵影に近づいていく。
すると、寺杷にも何が自分を攻撃していたのか、理解する事ができた。
『こいつだったのか、、!』
寺杷は怒りに身を任せ、狙撃手MTに接近し、ライフルを相手が動かなくなるまで撃ち続けた。
MTの抵抗射撃があったが、寺杷はまだ損傷の軽い脚部にダメージを集中させるため、
空中からライフルを撃ち続けた。
「どうやら今度こそ、敵は全滅したようだな、、。」
寺杷は勝利した。
寺杷が声を発する事のできないほどの疲れを感じ、ACの座席に力なく寄りかかった時、試験官はある言葉放った。
「認めよう、君の力を。今この瞬間から、君はレイヴンだ。」
第三話へ続く
寺杷さんと愉快な牧場の牛達
第二話 AC
寺杷は今、ACに乗っている。
牧場主がACに乗っている。
『これがACか、、。想像より頼りないマシンだ。』
ACに乗る前、ACを見て、寺杷がまず最初に放った言葉だ。
寺杷は、世界最強の兵器と聞いて、とても強そうなイメージを持っていたのである。
『これじゃ、ウチにいる牛達のほうが強そうだな、、。』
期待を裏切られ、しぶしぶ寺杷はACに搭乗した。そして今、ここにいる。
「今回の試験内容は、とある施設をテロリストから防衛する事だ。」
試験官が、寺杷に試験の内容を告げる。
どうやらミラージュの要人がいるとの嘘の情報に騙され、ナービスが雇ったテロリストが施設を襲うらしい。
嘘の情報の、まったく無人の施設だが、レイヴン試験にちょうどいいとの事で、
この施設の防衛を、受験者の寺杷がする事になったのだ。
『試験が防衛任務か。ちょうどいい、練習させてもらう。』
寺杷はテロリストのMTに狙いを定め、急接近した。
『うっ、すごいGだ、、。』
小さい頃牛にタックルされ、空中に吹き飛ばされたトラウマが頭によぎった。
寺杷が慌てている間にも、ACは既にMTの眼前にまで接近していた。
『こ、これは!』
見た目以上に、ACはパワフルなのだと、寺杷はこの瞬間理解した。
寺杷は即座にレーザーブレードを振り上げ、MTを撃墜した。
寺杷の体に震えが走る。
ACは本当に、世界最強の兵器なのだと、感動とも恐怖ともわからない感情が支配した。
「何をしている。敵MTが接近しているぞ。施設が敵の射程範囲に入る前に、撃破するんだ!」
寺杷は一瞬笑みを浮かべ、近づいてきた三機のMT全てをライフルで破壊した。
「銃は筋がいいじゃないか。」
思わず試験官は、寺杷を褒める。
寺杷はレーダーに目をやり、周囲に敵影が無いのを確認した。
「どうやら、敵は全て倒したようだな、、、ん?」
レーダーの感じる領域ギリギリに、敵影がある。
「あの敵で最後のようだ。撃破してくれ。」
寺杷が敵影に近づいて行くと、重い衝撃がACに走った。
『な、なんだ?!』
敵影はレーダーのはるか彼方にいるのに、どこからともなく弾丸が飛んできたのだ。
一撃、、ニ撃、、寺杷のACはなすすべもなく、装甲を削られていく。
「AP50%」
寺杷の乗るACのCOMが、装甲が危険である事を寺杷に告げる。
『ど、どこから攻撃を受けているんだ?ステルスというやつなのか、、?!』
寺杷の考えはまったく見当違いだった。
寺杷を攻撃したのは、レーダーに映っている敵影だった。
試験官はこの敵影が狙撃手であることには気づいていたが、寺杷の実力を見るために、あえて黙っていた。
「(この程度で死ぬようでは、レイヴンなど はなから無理なのだ、、。)」
狙撃手の攻撃は、今も容赦なく、寺杷のACの装甲を削っていく。
「AP10% キケン キケン キケン」
ACのCOMが、危険信号を放ちはじめた。
『ま、まさかオレはこんなところで死ぬのか、、?カナミ、、、!』
後編へ続く
後編
「AP10% キケン キケン キケン」
『それはわかったから別の事も言ってくれ!』
「左碗部破損」
寺杷は、狙撃を受け続けていた。
とりあえず戦場では立ち止まってはいけないと悟り、動き続けたままどうにかしのいでいる。
だが、それだけだった。
「(ふむ、、今回のヤツは、、死んだかもな。)」
寺杷は、どうしてこんな事になったのかを考えていた。
そう、レイヴンを雇えないなら、自分がレイヴンになって、牧場を、そしてカナミを守ってやればいいと、思ったのだった。
その果てが、これだった。
『オレは最後まで、、カナミに何もしてやれなかったか。』
「もう諦めたのか。クズめ。」
試験官が、寺杷に罵声を飛ばす。
「そのカナミが誰の事かは知らないが、他人を想う前に自分の事をどうにかしてみろ。」
試験官の言葉が一つ一つ、寺杷の胸に突き刺さる。
『だがしかし、、装甲がもう持たない!』
「ACはその程度ではくたばらん。ACがくたばるのは、レイヴンの心が折れた時だ。
貴様のACを見てみろ。まだ戦える、生き抜きたいとあがいているだろう。
どこから攻撃されているのかわからず ここで死ぬくらいならいっそ、その敵影を道連れにするくらいの根性を見せてみろ。」
寺杷は試験官の罵倒を耳にしながら、まだ諦められないと思った。
寺杷は、敵影に向かっていった。
「直進しながら向かうな。横移動しつつ、近づくんだ。どんな攻撃をしてくるかわからない時はな。」
寺杷はそれを実行した。幸運な事に、脚部は損傷がそれほど激しくなく、その動きを実行する事ができた。
寺杷のACが、少しずつ敵影に近づいていく。
すると、寺杷にも何が自分を攻撃していたのか、理解する事ができた。
『こいつだったのか、、!』
寺杷は怒りに身を任せ、狙撃手MTに接近し、ライフルを相手が動かなくなるまで撃ち続けた。
MTの抵抗射撃があったが、寺杷はまだ損傷の軽い脚部にダメージを集中させるため、
空中からライフルを撃ち続けた。
「どうやら今度こそ、敵は全滅したようだな、、。」
寺杷は勝利した。
寺杷が声を発する事のできないほどの疲れを感じ、ACの座席に力なく寄りかかった時、試験官はある言葉放った。
「認めよう、君の力を。今この瞬間から、君はレイヴンだ。」
第三話へ続く
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