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寺杷さんと愉快な牧場の牛達
第一話 寺杷(てらわ)
地球歴26X年、地下世界"レイヤード"から人類が地上へ進出し、長い月日が経った頃。
管理AIの機能が消滅し、人々の注目も離れた、その場所から物語は始まる、、。
-レイヤード 生産区画 寺杷牧場
人々が地上へ進出した事で地下世界を忘れた頃、レイヤード全域は例を見ない地価暴落をしていた。
それもそのはず、コンピューターで投影される空や人工的に作られた地下世界の空気よりも、
人々は本物の空、天然の自然のほうが近しく感じるのだ。
そんな時、レイヤード生産区の土地を買占め、牧場を経営した男、それが寺杷である。
「おお、よしよし良い子だ。いっぱい食べろよ。」
寺杷の育てる牛達は、地下世界といえど広い土地と、元は管理AIに管理されていた快適な空調の中で育てられたため、
他の牧場にはできない、とても美味しく良質な肉を提供する事ができた。
「おとうさーん!」
寺杷の娘のカナミが寺杷を呼んだ。寺杷が娘のところへ行くと、
「おとうさん、また牛達が、、。」
『またか、、。』
最近寺杷の育てる牛達が、何者かによく盗まれるのである。
警備システムは以前レイヤードで動いていたモノを使い、警備会社も雇ったのだが、
相手は腕利きらしく防衛網を潜り抜けてくる。
寺杷は困った。このままでは、散りも積もれば山となり、多大な赤字で牧場は破産する。
「おとうさん、どうにかしないと!!」
娘が急かすが、どうしようもないとはこの事だ。
寺杷はため息をつきながら、家のリビングに戻ると、TVをつけ新聞を読み始めた。
「、、ミラージュはナービスの新資源に対してレイヴンを雇って強制調査に踏み切ったらしく、、」
マスコミは、最近ナービスの新資源に対して多大な関心を寄せている。
レイヤードの管理コンピューターの施設からまったく得られなかった、旧時代に関しての情報がある可能性が高いらしい。
ナービスはその資源を独占しているため、世の三大企業から睨まれているそうだ。
『我が家は明日にも破産の危機だというのに、、。
三大企業は他社にちょっかいを出す余裕があるとは、大企業っていうのはまったく素晴らしいものだな。』
寺杷が皮肉っぽく言っていると、娘がしぶい顔をしながら、
「皮肉を言ってる暇があるなら、うちもレイヴンでも雇いなよ!」
バカな事を言う。レイヴンを雇うには、多大な費用がかかる。
安いレイヴンを雇う手もあるが、安いレイヴンは実質警備会社以下の働きしかしてくれないらしい。
『そうか!』
寺杷はその時ひらめいた。
「なになに?何か思いついたの?」
娘が寺杷にたずねるが、寺杷は娘に教えなかった。絶対に反対されるからだ。
その夜、寺杷は娘に秘密で、とある機関にメールを送信したのだった、、。
続く
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