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「古王が☓☓☓で☓☓☓でセレンさんが☓☓☓な安価SS」(2011/11/19 (土) 18:55:55) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
その男は喫茶店の窓際でコーヒーを啜っていた。
くすんだ金髪は刈り上げ、炯々とした細目に縁の無い丸メガネをかけている……
そんな中年が小洒落た店で、さも面白くなさそうにペーパーバックなんか読んでいるものだから
傍目には時間を潰しに来た商社マンか何かに見えるだろう。
――その首の後ろに、剥き出しのコネクターがさも当然のように埋めこまれているのを見ることさえ無ければ。
「……やっぱりな。来ると思っていたぜ。『首輪付き』」
突然、男は安っぽい本から顔を上げる事も無く、まるでその小説の中のセリフが無意識のうちに口から漏れでたかのように呟いた。
―
「――ORCAのヤツら、温すぎる…… お前もそう思っていたんだろ? まぁ、掛けたらどうだ」
そこまでいうと、男は読みさしの本のページを開いたまま机の上に伏せ、視線を上げて その来客を見上げた。
白い。その客を一言で表すならこうなるだろう。羽織ったジャンパーから、かかとの潰したスニーカーまでが一面が真っ白。
その一点の曇りのない白の中にたった一つ、薄汚れた赤いチョーカーだけがアクセントになっていた。
白い髪と白い肌の若年の男…… 青年。もしくは少年と言っても、それは過言ではなかった。
そして、その少年は中年の申し出に応じ、上着を椅子の背もたれに引っ掛け、それに腰掛けると「はぁ」と一つ、短いため息を吐いた。
「……なんで、こんな事になったのかな?」
と、少年が遠い目をして一人ごちる。誰に言うでもなく、自分に問いかけているような雰囲気がした。
「なんだ。乗り気じゃねぇのか? 俺はてっきり――」
金髪の中年が、白髪の少年の呟きを拾って その風貌に似合わない粗野な言葉使いで聞き改める。
まるで、自分が思っている事が世界中の総意だと思っているような…… 傲慢な、言葉の響きがそこにあった。
「――俺はてっきり、お前も下らねぇ世の中を『ロックンロール』で変えてぇのかと思ってたぜ」
―
「僕はもう…… セレンさんの所には帰れない……!」
語気を少々荒げ、少年はその首に付けていたチョーカーを震えた手でなんとか外す。
革製の首輪のようなチョーカー。それはリンクスの力を恐れた企業連が造り上げたリンクス管理機構……
通称『カラード』に定められた、殆ど唯一のシンボルのようなものだった。
せれんさん。
戦災孤児であった首輪付きを見初め、カラードへと招待した張本人―― それがセレン・ヘイズ、その人であった。
現在はオペレーターとして首輪付きを支える役割にいるのだが、彼女が元々有能なリンクスであったこともあり……
彼と彼女のコンビはメキメキと頭角を現し、今や反体制組織『ORCA』の一員。いや、二員として獅子奮迅の活躍を見せていたのだ。
歳と環境のせいもあってか、首輪付きはセレンの事を母親のように慕って いつもその後ろをついて歩いていた。
セレンもまた、首輪付きの事を可愛がっていたのだが…… それは、息子に対する目線ではなく――
事件は2日前に起こった。
その時、首輪付きはいつも通りORCAのミッションを終えて、セレンが待つセーフハウスに帰って来たのだが……
どうもおかしい。いつもなら夕ごはんを作って待っていてくれるはずのセレンさんが台所にいないのだ。
セレンさーん?セレンさーん?と呼びながら家のドアを開けて探すと、ベッドルームに裸で横たわってるセレンさんがいた。
疲れて眠っているのかな? いつものセレンさんらしくないなぁ。僕は、おーい、セレンさん?ごはんはー? と言って揺さぶって起こそ
うとするといきなりセレンさんが掴みかかっとっtttとっtっtttt
「―――ゎぁぁぁぁあぁぁああぁあー!!!」
―
「どうした首輪付き?! おい、しっかりしろ!おい!!」
「ハッ?! ……はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」
金髪の中年に肩を揺さぶられ、首輪付きは小洒落た喫茶店の窓際へと帰ってきた。
口の中に広がる臭気と苦味は幻のように消え失せ、代わりに自分が滝の様に汗をかいていた事に始めて気がついた。
周りにいる客と、店員の視線が突き刺さるように感じて…… 白髪の少年はその現実に安堵した。全ては過ぎたことだった。
「す、すみません……! オールドキングさん、コーヒーと本は弁償しますからっ!」
現実をとりもどした首輪付きは、まず倒れたコーヒーカップと盛大なシミの出来たペーパーバックを見つけ、頭を机に叩きつけるようにして謝った。
真っ白なペーパーバックはモカコーヒーで汚されており、ああ何かに似ているなぁでも何だろうか思い出せない思い出せないと考えそうになり。
……少年は 今度は机につっぷしたままかぶりを振って、イヤな記憶を振り払おうとした。額にかかる摩擦熱がイヤな思い出を拭きとってくれた。
「おいおい…… 大丈夫かよ? まぁ、イカれてるくらいの方が俺の相棒にはふさわしい……って事か?」
『オールドキング』と呼ばれた中年は 向かいに座る少年の一連の奇行を見ると、歯を剥いて笑った。
獰猛な症状で、声もあげずにニィっと。その笑顔はイヌ科の動物のそれにそっくりだった。
―
「じゃあ、そろそろ出発するとするか? ……おーい、お勘定!」
ようやく平静を取り戻し、出発?どこに?といった顔をしてきょとんとする首輪付きを尻目に、
オールドキングはまるで居酒屋のように店員を呼び寄せて代金を支払う。やはりその印象は見た目のインテリとはかけ離れている。
途中、首輪付きは そうだ弁償しないと!と思い立ち、財布を取り出してまごついたが オールドキングに手で制止された。
「はん、ガキに奢られるほど立派な生活はしてねぇ…… つーか、お前その様子だとメールいまいち読んでねぇだろ? まったく頼りになる相棒だぜ!」
まったくその通りであった。
セーフハウスから逃げるようにして飛び出し、首輪付きは途方にくれていた……
そんなところに依頼があったので、とりあえず行ってみようと思い立っただけの事である。
「それで、出発……ってどこに行くんですか?」
喫茶店を出、促されるままにおずおずと聞いた少年に対し、中年はその目を一層細めてニィっと笑ってこういった。
「一億人ほど、ブッ殺してやるのさ」
―
ゼクステクス世界空港より国内線のターミナルから4番の飛行機に揺られる事2時間半。
三駅分を列車に揺られて、路面電車に乗り換えたらまた二駅。電車から吐き出されるように降りた首輪付きが見たものは。
「テレビ……局?」
壁面に書かれたロゴマークと、今や使われていないパラボラアンテナが記号的に掲げられたそのビルは、まさしくテレビ局であった。
未だに企業による情報統制は厳しいが…… ――それでも、パックス・エコノミカが廃れ始めてからは幾分マシにはなったが。
この時代にもテレビと、その放送局は存在していて それなりに盛況を誇っていた。
「首輪付き……土曜の深夜、どんな番組やってるか知ってるか?」
一足遅れで電車から降りた金髪の男がハードカバーのケースをコンクリートの路上にドンと放り出すと、その蓋を蹴り開けて中身を取り出す。
その中身は―― ステッカーとペイントに彩られた滅茶苦茶な装飾をしたエレキギターだった。
ピックガードは抉れ、ケーブルが何本か外部にはみ出しており、その禍々しさを より一層煽ってくる。
「淫らなバンド天使…… 通称イン天って呼ばれてるんだがな。そこでトップに選ばれたヤツはメジャーデビューが報酬に貰えるって番組よ」
また男がニヤけたかと思うと、突然 耳をつんざくような轟音が辺りの空気を震わせた!
道行く人は顔をしかめ、首輪付きも反射的に耳を塞いで口を開け、自分の鼓膜を守ろうとする。
――その音が、オールドキングがかき鳴らしたギターから鳴っていたのだと、少年は数秒の時間を要して理解した。
「ハァーッハッハッハ! やっぱり有澤のアンプは違うぜ!! ……首輪付きぃ!俺ァさっきのシャウトで確信したぜ!!
俺とお前が組めば世界が獲れる!! つまんねぇヤツら全員、ロックンロールでブッ殺してやろうぜ相棒ォ!!!」
キャッホウ! と叫んだかと思うと、再度男はギターを掻き鳴らして迷惑極まりない騒音を撒き散らし始める!
道端にうずくまり、殺人的な音量に必死に耐えている首輪付きは、まだ知る由もない……
――この後、たった二人のリンクスにより、世界は熱狂的なブームに包まれ、
「Natural enemies」というグループ名で活動した彼らは、史上最も多くの人の心を奪ったバンドとなる事を……!
[了]
・古王「俺の歌で世界を平和にしてやる」
・スカトロ
・ちょwwwwセレンさんが裸で寝てるwwww(画像あり)
の三本で構成された安価SSでした!
来週もまた見てくださいね?ジャン・ケン・ポン!!ウフフフフ。
その男は喫茶店の窓際でコーヒーを啜っていた。
くすんだ金髪は刈り上げ、炯々とした細目に縁の無い丸メガネをかけている……
そんな中年が小洒落た店で、さも面白くなさそうにペーパーバックなんか読んでいるものだから
傍目には時間を潰しに来た商社マンか何かに見えるだろう。
――その首の後ろに、剥き出しのコネクターがさも当然のように埋めこまれているのを見ることさえ無ければ。
「……やっぱりな。来ると思っていたぜ。『首輪付き』」
突然、男は安っぽい本から顔を上げる事も無く、まるでその小説の中のセリフが無意識のうちに口から漏れでたかのように呟いた。
―
「――ORCAのヤツら、温すぎる…… お前もそう思っていたんだろ? まぁ、掛けたらどうだ」
そこまでいうと、男は読みさしの本のページを開いたまま机の上に伏せ、視線を上げて その来客を見上げた。
白い。その客を一言で表すならこうなるだろう。羽織ったジャンパーから、かかとの潰したスニーカーまでが一面が真っ白。
その一点の曇りのない白の中にたった一つ、薄汚れた赤いチョーカーだけがアクセントになっていた。
白い髪と白い肌の若年の男…… 青年。もしくは少年と言っても、それは過言ではなかった。
そして、その少年は中年の申し出に応じ、上着を椅子の背もたれに引っ掛け、それに腰掛けると「はぁ」と一つ、短いため息を吐いた。
「……なんで、こんな事になったのかな?」
と、少年が遠い目をして一人ごちる。誰に言うでもなく、自分に問いかけているような雰囲気がした。
「なんだ。乗り気じゃねぇのか? 俺はてっきり――」
金髪の中年が、白髪の少年の呟きを拾って その風貌に似合わない粗野な言葉使いで聞き改める。
まるで、自分が思っている事が世界中の総意だと思っているような…… 傲慢な、言葉の響きがそこにあった。
「――俺はてっきり、お前も下らねぇ世の中を『ロックンロール』で変えてぇのかと思ってたぜ」
―
「僕はもう…… セレンさんの所には帰れない……!」
語気を少々荒げ、少年はその首に付けていたチョーカーを震えた手でなんとか外す。
革製の首輪のようなチョーカー。それはリンクスの力を恐れた企業連が造り上げたリンクス管理機構……
通称『カラード』に定められた、殆ど唯一のシンボルのようなものだった。
せれんさん。
戦災孤児であった首輪付きを見初め、カラードへと招待した張本人―― それがセレン・ヘイズ、その人であった。
現在はオペレーターとして首輪付きを支える役割にいるのだが、彼女が元々有能なリンクスであったこともあり……
彼と彼女のコンビはメキメキと頭角を現し、今や反体制組織『ORCA』の一員。いや、二員として獅子奮迅の活躍を見せていたのだ。
歳と環境のせいもあってか、首輪付きはセレンの事を母親のように慕って いつもその後ろをついて歩いていた。
セレンもまた、首輪付きの事を可愛がっていたのだが…… それは、息子に対する目線ではなく――
事件は2日前に起こった。
その時、首輪付きはいつも通りORCAのミッションを終えて、セレンが待つセーフハウスに帰って来たのだが……
どうもおかしい。いつもなら夕ごはんを作って待っていてくれるはずのセレンさんが台所にいないのだ。
セレンさーん?セレンさーん?と呼びながら家のドアを開けて探すと、ベッドルームに裸で横たわってるセレンさんがいた。
疲れて眠っているのかな? いつものセレンさんらしくないなぁ。僕は、おーい、セレンさん?ごはんはー? と言って揺さぶって起こそうとするといきなりセレンさんが掴みかかっとっtttとっtっtttt
「―――ゎぁぁぁぁあぁぁああぁあー!!!」
―
「どうした首輪付き?! おい、しっかりしろ!おい!!」
「ハッ?! ……はぁっ、はぁっ、はぁっ……!!」
金髪の中年に肩を揺さぶられ、首輪付きは小洒落た喫茶店の窓際へと帰ってきた。
口の中に広がる臭気と苦味は幻のように消え失せ、代わりに自分が滝の様に汗をかいていた事に始めて気がついた。
周りにいる客と、店員の視線が突き刺さるように感じて…… 白髪の少年はその現実に安堵した。全ては過ぎたことだった。
「す、すみません……! オールドキングさん、コーヒーと本は弁償しますからっ!」
現実をとりもどした首輪付きは、まず倒れたコーヒーカップと盛大なシミの出来たペーパーバックを見つけ、頭を机に叩きつけるようにして謝った。
真っ白なペーパーバックはモカコーヒーで汚されており、ああ何かに似ているなぁでも何だろうか思い出せない思い出せないと考えそうになり。
……少年は 今度は机につっぷしたままかぶりを振って、イヤな記憶を振り払おうとした。額にかかる摩擦熱がイヤな思い出を拭きとってくれた。
「おいおい…… 大丈夫かよ? まぁ、イカれてるくらいの方が俺の相棒にはふさわしい……って事か?」
『オールドキング』と呼ばれた中年は 向かいに座る少年の一連の奇行を見ると、歯を剥いて笑った。
獰猛な症状で、声もあげずにニィっと。その笑顔はイヌ科の動物のそれにそっくりだった。
―
「じゃあ、そろそろ出発するとするか? ……おーい、お勘定!」
ようやく平静を取り戻し、出発?どこに?といった顔をしてきょとんとする首輪付きを尻目に、
オールドキングはまるで居酒屋のように店員を呼び寄せて代金を支払う。やはりその印象は見た目のインテリとはかけ離れている。
途中、首輪付きは そうだ弁償しないと!と思い立ち、財布を取り出してまごついたが オールドキングに手で制止された。
「はん、ガキに奢られるほど立派な生活はしてねぇ…… つーか、お前その様子だとメールいまいち読んでねぇだろ? まったく頼りになる相棒だぜ!」
まったくその通りであった。
セーフハウスから逃げるようにして飛び出し、首輪付きは途方にくれていた……
そんなところに依頼があったので、とりあえず行ってみようと思い立っただけの事である。
「それで、出発……ってどこに行くんですか?」
喫茶店を出、促されるままにおずおずと聞いた少年に対し、中年はその目を一層細めてニィっと笑ってこういった。
「一億人ほど、ブッ殺してやるのさ」
―
ゼクステクス世界空港より国内線のターミナルから4番の飛行機に揺られる事2時間半。
三駅分を列車に揺られて、路面電車に乗り換えたらまた二駅。電車から吐き出されるように降りた首輪付きが見たものは。
「テレビ……局?」
壁面に書かれたロゴマークと、今や使われていないパラボラアンテナが記号的に掲げられたそのビルは、まさしくテレビ局であった。
未だに企業による情報統制は厳しいが…… ――それでも、パックス・エコノミカが廃れ始めてからは幾分マシにはなったが。
この時代にもテレビと、その放送局は存在していて それなりに盛況を誇っていた。
「首輪付き……土曜の深夜、どんな番組やってるか知ってるか?」
一足遅れで電車から降りた金髪の男がハードカバーのケースをコンクリートの路上にドンと放り出すと、その蓋を蹴り開けて中身を取り出す。
その中身は―― ステッカーとペイントに彩られた滅茶苦茶な装飾をしたエレキギターだった。
ピックガードは抉れ、ケーブルが何本か外部にはみ出しており、その禍々しさを より一層煽ってくる。
「淫らなバンド天使…… 通称イン天って呼ばれてるんだがな。そこでトップに選ばれたヤツはメジャーデビューが報酬に貰えるって番組よ」
また男がニヤけたかと思うと、突然 耳をつんざくような轟音が辺りの空気を震わせた!
道行く人は顔をしかめ、首輪付きも反射的に耳を塞いで口を開け、自分の鼓膜を守ろうとする。
――その音が、オールドキングがかき鳴らしたギターから鳴っていたのだと、少年は数秒の時間を要して理解した。
「ハァーッハッハッハ! やっぱり有澤のアンプは違うぜ!! ……首輪付きぃ!俺ァさっきのシャウトで確信したぜ!!
俺とお前が組めば世界が獲れる!! つまんねぇヤツら全員、ロックンロールでブッ殺してやろうぜ相棒ォ!!!」
キャッホウ! と叫んだかと思うと、再度男はギターを掻き鳴らして迷惑極まりない騒音を撒き散らし始める!
道端にうずくまり、殺人的な音量に必死に耐えている首輪付きは、まだ知る由もない……
――この後、たった二人のリンクスにより、世界は熱狂的なブームに包まれ、
「Natural Enemies」というグループ名で活動した彼らは、史上最も多くの人の心を奪ったバンドとなる事を……!
[了]
・古王「俺の歌で世界を平和にしてやる」
・スカトロ
・ちょwwwwセレンさんが裸で寝てるwwww(画像あり)
の三本で構成された安価SSでした!
来週もまた見てくださいね?ジャン・ケン・ポン!!ウフフフフ。
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