「明くる日」(2008/09/21 (日) 21:59:59) の最新版変更点
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ここはネストが経営するカフェだ。なんとも名は、からすの巣。。そのまんまである。
ネスト系のレイヴンたちでいつもにぎわっているのだった。
そして今日も、バルタザールは定位置の窓際に座っていた。外が良く見えた。
天井には、一切の雲が掛かっておらず、晴れわたっていた。
「やったよう。やっちまったよう!!」
ニヤニヤが顔に張り付いたバルタザールは向かいの席の神威瑞穂に言った。
「撃破数が一位になっちまったよう!!」
そう、本日のミッションにて、彼は、総撃破数一位の座を我が物にしたのだった。
彼は正真正銘のエースだった。
そんな彼に、瑞穂は、
「おまえみてぇな、まっちろい顔のエースなんざ、いたってなんも恐くはないわな。
そんなんじゃ、この先生きのこれないぜ・・・」
瑞穂の顔もニヤけていた。
彼も内心、親友であるバルタザールの行幸を、喜んでいるのだ。
「まあ、四足なんぞ使っているうちにゃ、俺にはかてないだろうな」
「なんだとぅ! ファフニールを莫迦にするのか? 貴様なんぞのAC、ボコボコにしてやんよ!」
「くききき。 おまえそんなこといって、俺にかったことあったか、あん?」
「・・・あったぜ! ・・・・・・きっと、あったような気がする」
瑞穂は、そうだろぅそうだろぅと、腕組してふんぞり返った。
実際に、バルタザールが彼にかった事はなかった。エースなのに。
「へんだっ、どーぅせアリーナでのことだ。 戦場じゃあ機動力が物言うんだ!
おまえのタンクなんか、靭帯切って起動輪どっか飛んでいってしまうといい!」
「お、おまえこそ、・・・後ろ足二本取れてずるずると闇人甲式になってしまえってんだ!」
「やみ・・・びと・・・?」
「昔むかし、そんなやつが出てくるゲームがあったんだ」
「へえー・・・」
「ゆとり乙」
そう言って、彼らは笑った。いつまでも、そうしていられればと思っていた。
しかし、そうは行かないのが、レイヴンの常である。気さくな青年神威瑞穂は死んだ。
後に、エースのバルタザールも死んだ。そしてネストも、機能を停止した。
ネストが崩壊した今日になっては、アレほどにぎわっていたここにも、人はいない。
だからもうコロンコロンと、入り口の鐘が鳴ることは無いのだ。
だが、ドームの天井に投影される、にせものの空だけは変わらずに、店内を照らしていた。
もとよりレイヴンたちには、帰る巣など無かったのだ。
「了」
--装甲核的脳汁垂流短編--
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