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「機甲救世主G・ファウスト其の弐」(2006/03/03 (金) 15:57:41) の最新版変更点
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「ファウスト、貴方は何故…何故、帰って来たのだ?
私の考えている事を、知らない訳ではあるまい」
ジャック・O。
レイヴンによる新たな秩序の創出をうたい、
アライアンスへの対抗組織、バーテックスを率いるカリスマレイヴン。
特攻兵器襲来の後、突如引退から復帰し、バーテックスに身を置いた自分の復帰の理由を、ジャックは問う。
「私は、犬である我が身に不満を感じて、二十年前に翼を閉じた。
半年前のあの日、特攻兵器の襲来で企業もクソも無くなった世界に、どこか満足感を感じた事もあった。
私は企業が嫌いだった。人類の中心であり続けた企業が。企業という存在無しでは生きられない人類が」
大破壊の引鉄となった国家という概念は、人類が大地の下を、レイヤードへと生活の場を移してからは不要な存在だった。
国家の代わりとして、人類を導いて来たのは企業だった。企業の存在無しには、人は生きられない。
レイヤードの神…管理者が破壊され、人類が地上に再び進出してからは、益々権力を欲した企業。
そして、仕事の大半を企業から請け負うレイヴン。
レイヴンにとっては、企業の生み出す争いの種すらも生活の糧と化す。
「ジャック、貴方がココを正式に発表し、レイヴンを招集し、アライアンスへの宣戦布告を出した…
企業によってでは無く、新たな秩序を創り出すと。その為にアライアンスを滅ぼす、と」
ジャックは黙ったまま、次の言葉を待っている
「企業は嫌いだ。だが、私は貴方の言う事に賛同する気も無い。
…単純な事だ。そう、とても単純で…まるで子供の様な理由…」
レイヴンになって、まず最初にぶつかった壁は、『レイヴンを続ける事』だった。
誰かの力に、弱い物の味方になれる力を持ちながら、やっている事はまるで逆だった。
自分のような新米に回される仕事は、特に弱者を踏み躙る様な仕事ばかり。
感情を殺し、任務に忠実にならなければ生きてはいけない。それがレイヴン。
人は誰でも環境に順応していく物。次第に何とも思わなくなった。
作業機械を改造したポンコツで立ち向かってくるような非戦闘員を駆逐してでも、自分が生き残った事を感謝する程になっていった。
レイヴンとしては、極自然な事。何も可笑しな事では無い。
だが、やはり企業の汚いやり口に、普段は眠っている筈の『善』の心が起き上がる事もあった。
だから、ユニオンには積極的に協力し、どの企業にも肩入れする様な事はしなかった。
今では伝説と化した一人のレイヴンが、管理者を破壊し、人類は復興の進んだ地上へと帰った。
タートラス指令本部跡地。アライアンスの拠点の一つ。
ミラージュ社の建設した軍事拠点。特攻兵器によって完成した途端に壊滅したという歴史を持つ。
…後に、「天空の覇者」と呼ばれる巨大兵器を修復、解析を行なっていた場所でもある。
「敵の戦力がどれほどの物か、じっくり見させてもらおう」
ジャックの依頼を受け、拠点偵察を行なう。
敵守備隊は、未だ整った戦力を持たず、腰の引けた攻撃が少々飛んでくるだけだった。
(…VRトレーニングをリハビリ代わりにしておいて正解だったな)
少々旧式の臭いを漂わせるAC、パンツァーメサイアを駆り、戦場を駆ける。
…ようやく敵の本隊が到着したらしい。遅い、企業の集合体では、所詮この程度なのか?
空中と地上の敵を的確に排除し、周辺の反応が少なくなった所でジャックから撤退要請が出る。
「この程度の相手なら此処で無理をする必要は無い。帰還してくれ」
今の状況なら壊滅させる事も難しくは無さそうだったが、依頼主の指示では仕方が無い。
「…了解した。パンツァーメサイア、これより撤退する」
バーテックスの本拠地、サークシティ。
自分の記憶が確かであれば、あそこは…
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