法則操作について

1.法則操作とは
  世界の物事はある一定の規則、「法則」に則ることにより正常に機能する。この法則を自分の思い通りに扱う行為を「法則操作」、及びそれを可能とする能力を「法則操作能力」と呼称する。

※創造者については「創造者」を参照。

 

2.法則操作の型
  法則操作には型が存在する。厳密にこの型に当てはめられた能力ばかりとは言えないが、ある単一の型、もしくは二つ程度の型が複合された型であるケースが多い。

 ①.論理型法則操作
   法則を文章として捉え、その文言を書き換える・書き加えることにより法則を操作する。既存の法則に則って行うものの為、かなりの法則の操作速度を誇り、
   扱いも単純明快である。但し単純なのは法則を書き換えることだけ見た場合であり、自身に有利な状態を作るには幾つかの法則を経由する必要があり、実際の難易度は高い。熟練された操作が要求されるが、法則操作の中で最も安定した運用が出来る点が特筆出来る。

 ②.構築型法則操作
   法則を構造物として扱い、自らの手で一から新たなる法則を生み出すことで法則を自由に扱う。こちらも法則を文章として捉え、但し書きを加える形での法則操作も可能。最も法則操作に時間がかかるが、自身にのみ働く特例的法則を作ることを可能とする利点がある。難易度の低さ、特例法則など、能力を身に着けた当初から高い効果が期待できるうえに、熟練者の域に達すればその柔軟性は武器となる。

 ③.干渉型法則操作
   法則そのものは書き換えることなく、法則を一時的に無効にする・法則の解釈を変える・法則から逃れることで自身の思い通りの行いをする。
   細やかな作業は必要ないため取っつきやすいが、一時的な操作であるため、継続して操作するには定期的な干渉を必要とする。
   精度こそ低いが、こと総合的な法則改変速度に置いては擬人型すら追い抜く。短期決戦に持ち込むならば最も有利な型である。

 ④.擬人型法則操作
   法則を一つの生命として扱い、自ら手を下すこと無く法則を操る。厳密には「法則の側から自らに有利に働かせる」。
   一度発動すれば自分に有利な状況が生まれ続けるが、極めて扱いが難しい。創造者の中ですらほんの一握りの存在しかこの型はいない。能力発動までは時間が掛かるが、発動に成功さえしてしまえば、文字通り場を支配する。

3.法則操作の複合

 a.型の複合
  第2項で述べた通り、能力とする上で、法則操作の型は競合しない。ある一つの能力に、複数の法則操作の型を複合して持たせることが可能である。但し、複合出来る場合は限られている。
  一つは、「真理による法則操作能力」であること。真理とは知識である。そのため、視点を変えることにより、それまでと異なる新たな見地に至ることも可能である。解釈の変更
 に成功することで、新たな法則操作を身に着ける可能性がある。但し、結果的に元の法則操作と同じ型になったとしても、文句は言えまい。また、法則操作がこれまで出来なかった
 創造者が、解釈の変更により法則操作出来るようになったという例もある。
  二つ目として、「能力が派生する」ということである。より「現実」離れした能力が派生しやすい。また、元々の能力の汎用性が高く、能力を利用して成せる行為が幅広い場合も
 派生(昇華とも言える)して法則操作能力になる可能性がある。派生する原因は、本人の成長や、自身の能力の解釈変更が挙げられる。

 b.法則操作能力自体の複合
  a項で述べたのは、ある一つの能力における法則操作である。本項では、独立した法則操作能力を兼ね備えた場合である。
  まず能力自体が一個体に複数存在することは基本的に無い。他者から譲り受けたか、他者の能力を模倣・習得することを前提とした能力の持ち主であるか、創造者であるかの三種
 の場合に置いては可能になる。ある一つの能力が、派生形を幾つか持っている場合についてはカウントしていない。
  ではこの法則操作能力の重複所持に成功したとする。この場合のアドバンテージは一体どこにあると言うのか。
  一つは、「法則操作の速度」である。複数の法則操作能力を所持出来るということは、法則の処理能力が極めて高いということを意味する。従って、複数所持が出来る存在は、
 単一所持しか出来ない個体の倍以上の速度で法則操作をする事が出来る。法則操作能力の所持者同士の戦いに置いては、如何に相手を上回る速度で自身に都合のよいように法則操作
 するがが戦局を分ける。初動から相手に差を付けられるという点に置いて、利があると言えよう。
  また、「法則操作の精度」にも影響が出る。法則操作能力者同士の戦いでは、一度変えた法則が相手の手によって更に改変されることは少なくない。単一の法則操作能力による法
 則の書き換えは、どのように改変したかが辿られやすい。しかし、法則操作を二重に行うことで、相手から書き換えされにくくなる。例えると、ドアに鍵を二つ付けた上に、二つの
 鍵穴で鍵が違うようなものである。
  但し、この利点は、複数所持している能力を同時に使えることが前提である。そうでないなら、複数所持のアドバンテージは無い。

4.型の優劣
  法則操作能力には型があるが、ジャンケンの相互相性のような明確な優劣は存在しない。
 但し、それぞれにおいて、他より有利な点があることは確かである。ここで、それぞれの比較をしてみたい。

 a.法則操作の破られにくさ(プロテクト性)
  法則操作能力が複合しなくとも、プロテクト性には多少の差異がある。最も破られにくいのは擬人型法則操作である。法則の側から能力者に有利になるよう働きかけるため、改変
 自体の難度が跳ね上がる。論理型と構築型は同程度ではあるが、改変箇所が見抜きやすいという点において論理型が勝る。干渉型は法則を無理に無効化しているため改変は容易い。
 従って、
     擬人型 > 論理型 ≧ 構築型 > 干渉型となる。 

 b.法則操作の改変速度
  改変速度はプロテクト性と同程度に重視される。相手より早く法則操作することは、勝利に繋がることである。長期戦になればプロテクト性がものを言うが、短期決戦には速度が
 欠かせない。擬人型は速度に関してはもはや比較対象外である。能力発動と同時に法則が能力者に味方する。短距離走で自分だけゴール直前からスタートするようなものだ。干渉型
 は精度は劣るが速度は高い。細かい改変をせずに法則の一律無効化を行うからである。論理型は改変速度自体は早いが、自分に有利な状況を作るには既存の法則を複数書き換えねば
 ならない点で干渉型に譲る。部分的にせよ一からにせよ、論理を構築しなければならない構築型は速度に置いては完全に出遅れる。
 よって、
     擬人型 > 干渉型 > 論理型 > 構築型となる。

 c.法則操作の難易度(自由度)
  論理型法則操作は、既存の法則を書き換えねばならない上、自分に有利に働かせるには複数の法則を改変する必要があるため、法則操作の自由度は最も低い。一方で、擬人型は、
 能力を始動させるだけでよいので極めて難度は低い。構築型は自分だけに有効な特例法則を作ることが出来るという強みがある。干渉型はただ無効化するだけなので、簡単だが融通
 は効かない点がある。
 よって、
     擬人型 > 構築型 > 干渉型 > 論理型となる。

 d.法則操作の持続力
  法則操作の持続力は、二つの要素が絡んでくる。一つは、法則操作が効力を持つ持続時間。もう一方は、法則操作する際の消費魔力である。擬人型は持続時間こそ長いが、極めて
 高い基本性能の分魔力消費量も多い。創造者クラスならば問題ないが、そうでない存在が長時間使うのは余程魔力総量が高い個体でない限り不可能である。構築型と論理型は、改変
 されなければ、自分から元に戻さないのなら永久的に変化しない。魔力消費も低い論理型が、持続力に関しては最も高い。干渉型は長時間働かない上に魔力消費も(擬人型ほどでは
 無いが)多いため、最も持続力が無い短期決戦用である。
 よって、
     論理型 ≧ 擬人型 = 構築型 > 干渉型となる。

 e.法則操作の初動
  能力発動にかかる時間、及び法則操作が出来るようになるまでの時間を競う。簡単に言えばパソコンが立ち上がるまでの時間を比較するようなものだ。干渉型の初動は極めて早い
 のは、細かい設定が要らずただ法則を無効にするだけのためである。一方でこれまで利点しかなかった擬人型だが、弱点として立ち上がりが遅い。自分が現在必要としない法則にも
 効果があるため、あらゆる法則を全て一律自分に注目させ従わせる分初動が遅れる。更に、発動に失敗した場合は再び使用するまでに時間がかかる。従って最も出遅れてしまう。
 論理型は単純な初動こそ干渉型並みに早いが、自分に有利にするには幾つかの法則を変えねばならないため、その分のロスがあり干渉型に譲る。構築型は、擬人型よりは初動が早い
 ものの、それでも残り二つには譲る。
 よって、
     干渉型 > 論理型 > 構築型 > 擬人型となる。

 

5.法則操作能力を身に着ける
  この項にのっけから喰らいつく読者はまず大問題である。法則操作とは自分を中心として世界を回すことである。果たしてそれほど大それたことが出来るか。それが許されるだけ
 の存在か。まずは自分を見直すべきだろう。
  法則操作能力は、容易に身に付くものではないのは明確である。創造者のような生まれながらにして「世界を回す才能」がある存在ならばともかく、そうでない者が身に着けよう
 とするならばまずは多芸に秀でている必要がある。あらゆる分野に対して暗い部分があってはならない。そして、膨大な魔力を身に着けることである。とてもではないが、人間一人
 程度では間に合わない。どれ程の者が、力を蓄える為に他者を喰らい自分を高め、また、そうして力を得た者の内のどれ程が、それを上回る強者に葬られたであろうか。元より法則
 操作能力を持たぬ者がこの域に至るためには、修羅の道を征く覚悟が必要となる。だが、その道を征く覚悟が出来たところでようやっと出発点に立ったばかりなのである。法則操作
 を求むるなかれ。修羅の果てに至る地が、己の求めた地でなかったという話は、世にごまんと存在する。

製作;takeyuki1227

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最終更新:2015年05月10日 23:45