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スク水少女スレスレうみ


第一話「うみチートじゃないよ」

どこからか声が聞こえてくる
「う・・み・・うみ・・・」
どっちから聞こえてきているかもわからない
「だれ?どこにいるの?」
「た・・・けて・・うみ」
「え?」
「・・・・・」

「うみさん?八雲うみ?」
「えぅ...は、はい」
目を覚ますとそこは教室だった、壇上で担任の慧音先生が立っている

「35項の問3をおねがいします」
うみはいそいで設問を確認し、式をノートに走り書きをした
「えーとあれがこうなって・・・  x=45です」
「んーよろしい正解、でも居眠りはいけないな、でわ次の設問だが・・・」

ここは私立白沢学園、学園といっても生徒の数はとても少ない
うみはこの学園の1年生、水泳部で期待の新人だ

「うみちゃんまた居眠り?」

相席の芹沢まひろが小声で尋ねてきた

「うーん・・・夜ちゃんと寝てるのにー」
「うみちゃん寝てばっかりなのにお勉強できるよね~」
「あぅ・・・うみチートじゃないよ」

まひろは新学期からの友達で、相席になってから急に仲良くなった
親の事情なのか転校ばかりしていて、またいなくなるかもしれないという

「あ、そうそううみちゃんあのね?」
キーンコーンカーンコーン

まひろが何かを言おうとしたがその声は機械的な音に遮られてしまった

「起立っ  礼!」
「宿題を忘れないように、ではまた来週だな」

慧音先生が教室から出て行くのをみながらまひろは
「やっぱりまた今度でいいかな、うみちゃんは部活?」
「うん、でもいいの?なにかおはなしがあったんじゃ?」
「ううん、たいしたことじゃないから。じゃあまたねぇ」
「うん・・・またね」

タイミングを逸したのか、まひろは口を噤み駆け出して行った
            


第二話「うみ競泳水着じゃないよ」

白沢学園では右文左武の精神に則り、全生徒部活に入るのが通例である
うみは小学校のころから水泳一筋、もちろん今も水泳部に所属している
「まひろちゃん・・・どうしたのかな」
―お話は気がかりだけど、今日も部活に行かなきゃ。明日だって会えるし・・・

白沢学園のプールは屋上に建設されている、生徒の数が少ないのでコースは3つしかない
うみはこの小さいけれど町一面が見渡せるこのプールが好きだった
お昼休みもまひろとここに来てご飯をたべたり、たまには内緒で泳いでいたりしていた

「おはよーwうみちゃん 今日もぐっすりだった?w」

2年生のゆき先輩がロッカーに入るなり近寄ってきた
「あぅ・・ ゆき先輩ひどいです、うみが居眠り常習犯みたいに」
ゆき先輩は一人しかいない二年生の部員だ、同学年の部員が居ない為かうみととても仲が良い
うみからすればゆきはお姉さんのような存在だ

「あれあれ? 違うのかな?w」
「・・・ だって眠たくなるんです」
「まあうみちゃんはお勉強もできるし、泳ぎもとってもきれいだし先生も多めにみてるのかな?」
「うーん、でも慧音先生は怒ると怖いんですよ、 まるで変身したみたいに」
「へぇ~みてみたいねぇ あ、そろそろ始まっちゃう 急ごうみちゃん」
「はい、ゆき先輩」
うみは急いでスクール水着に着替えてプールに向かうことにした

顧問のにとり先生はまだ来ていないようだが、もう全員集合しているようだった
先生は研究が忙しいらしく今日は監督できないようで、
部長から今日のメニューを受けて、早速アップにはいった

今の時代水着は競泳水着が通常である、コンマ1秒を争う競泳では
少しでも抵抗を減らす為の工夫が施された水着は必須である
しかし、うみはいわゆる旧スクール水着をなぜか好んでいる
本人いわく ―かわいいからー ということだが
それでいてうみは全国レベルのタイムを出すことができた

「ふぅ・・・」
「今日もお疲れ様うみちゃん 毎度思うけど何でその水着でこんなタイムだしちゃうかな」
「お疲れ様です 先生が言うには魔法でもつかってるんじゃないかって」
「またにとり先生の冗談かぁ~ まぁほんとに不思議だけどw
今日はこれであがるね、うみちゃんも練習ほどほどにして帰るんだよ~」

部活が終わりゆき先輩と別れ帰路についた
学校の明かりはすでに落ち、自分以外の生徒は誰も居ないのか人の気配はない
帰り道初夏にしては日が落ちるのが早くおかしいなと思ったが、気のせいだと思いうみは家に急いだ

 


第三話「うみ夢じゃないよ」

ようやく家の近くまで来たが、どうにもあたりの様子がおかしかった
いつもならこの時間に会う散歩途中のおじさんや、通りのお菓子屋さん
お店は開いてはいるが、誰一人見当たらないのだ
「こわい・・・」
おもわず駆け足でうみは走り出した
 
お母さんはいなくなったりしないよね

「はぁ・・・はぁ・・んっ」
肩で息をしながらようやく家に着き、不安ながらも大きな声をあげる
「お母さん!?ただいま」

「・・・」

返事はない
母の居るキッチンまで駆けていってやっと気配を感じた

「お母さん?」
ゆっくりとドアを開ける

「え・・・」
そこに居たのは母ではなかった
丸くて、ぷよぷよした外見のそれは言葉を発した

「ゆっくり!!」

 バタッ・・・
あまりの光景にうみは何が起こっているのか、
それが何を言っているのかもわからず気を失った


うみは夢をみていた
今日朝起きて、学校へ行きまひろとお話をして
授業中に居眠り、まひろと別れて
部活をして、家に帰って・・・
家に帰ったら・・・

そこから先は進まない、夢はそこで終わりを告げた
「ん・・・夢?だったの」

起き上がってあたりをみまわすと夢ではなかったことがわかる

「おはよう うみちゃん」
あの丸くて、ぷよぷよしたなにかが椅子の上でぴょンぴょンしていた

「うぁああああああ・・・」
「うみちゃん落ち着いて落ち着いて」

また気を失いそうになったうみだったが自身を落ち着かせて、朝の挨拶をしてきた何かをまじまじと見た
気を失った時は気づかなかったが顔がある、
というより人間でいうところの顔だけのどうやら生き物?っぽかった

「夢じゃなかったんだ・・・でも・・・」
「ちょっと傷ついたなぁ~ いきなり気を失うだもん ベットまで運ぶの大変だったんだよ」
「いったいどうなってるの? あなた?・・・は?」
「あ、自己紹介忘れてた、あたしはフラン=ラン フランって呼んでね」
「そうじゃなくて、生き物?なの?」
「あたしは・・」

 ドゴーーーン!!!
フランの声は遠くのほうから聞こえてきた爆発音によってかき消されてしまった
ぴょンぴょンとびはねながら窓まで行き様子をみるフランは振り返りながら

「細かい質問はあとで それよりうみちゃんの力が必要なのっ」
「え・・・えぇえええ!?」
「ええーいこうなったら荒療治!」

フランがなにか呪文のようなものを唱えると辺りが光に包まれた

                                          ~つづく~